最新の観てきた!クチコミ一覧

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『Good+Will...中野支店』 

『Good+Will...中野支店』 

Infinite

ザ・ポケット(東京都)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

かなり。
面白かった。
初日の割にすごくまとまっていたし、
役者陣もかなり安定してた。
とにかく、筋が面白い。そしてキャラ。
ドタバタの中にもちゃんと人物背景が見えて、
どんどん引き込まれて行きました。

最後は。
どーんと迫ってくる現実が。
これがほろりとさせられる。

ちょっと尻切れっぽい感じもしますが、
それはきっと「希望」を持たせてくれたんだと。

役者さんたちがいい顔してます。

『Good+Will...中野支店』 

『Good+Will...中野支店』 

Infinite

ザ・ポケット(東京都)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かった!
役者さんの演技も勢いがあり、テンポも良くてとても面白かったです。
笑いあり、でもさいごはちょっとホロリとさせられました。

ネタバレBOX

とにかく全編通しての八戸君の津軽弁(?)が面白かったです。
途中、渡さんに一気にまくし立てるところがあるのですが、舞台では渡さんも青森出身という設定だったので、せめて一言くらい津軽弁でかえしても良かったのでは?と思いました。
中島さんは、思わずこの人にならついて行ける!と思わせる人情味のある支店長が良かったです。
小野さんは・・・こういう役がはまりますね。
自称女優

自称女優

江古田のガールズ

「劇」小劇場(東京都)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

結末は両刃の剣?
冒頭の趣向・演出でいきなり引き込まれ、以降は上出来なコメディぶりを存分に楽しみ、終盤のタイトル関連の部分では息を呑む。
その後の展開も見事だが、多少クドい(あるいはいじり過ぎな)感無きにしも非ず。
大好きなパターンではあるのだが、そこのところがちょーびみょー。(笑)
なお、入口付近での演技や「アレ」の中もよく見える特等席とも言える2階席を「天井桟敷席」と称して半額で提供するという大サービスにも感謝。

engin版 品川心中

engin版 品川心中

engin

六行会ホール(東京都)

2010/07/30 (金) ~ 2010/08/04 (水)公演終了

満足度★★★★

原典に忠実である上にさらに工夫アリ
一部を膨らませつつも原典に非常に忠実なばかりでなく、今まで観た落語の舞台化で感じた「サゲの一言でスパッと終われない」という弱点をカバーすべくオリジナルのオチにした脚色(とそのシーンの見せ方)が秀逸。
これが第1回公演だそうだが今後の公演にも期待が持てる。

パーティーが始まる

パーティーが始まる

TOKYO PLAYERS COLLECTION

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/08/03 (火) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

「裏・競泳水着」的な?(笑)
タイトルの意味が劇中に留まらず現実の当ユニットやこの年の佐藤佐吉演劇祭にもあてはまり「外に向けて広がる」終わり方であることや、劇中の1エピソードが全体の構成を暗示するメタフィクション風であること、さらに主人公が二人一役なことなど、劇団競泳水着では使わないであろう手法を駆使しながらも根底に流れるのは上野イズム、いやぁ面白い。

魔法の公式

魔法の公式

とくお組

赤坂RED/THEATER(東京都)

2010/07/29 (木) ~ 2010/08/04 (水)公演終了

満足度★★★

演劇初心者でも楽しめる。
今回は割と辛口なコメントがあって、ビビってます(笑)
でも、とくお組の弟分の劇団ゴジゲンの公演だと、観客も身内みたいな印象を受ける(もちろん初見の人もいますが)ので、それよりかは意見が偏らなくて良いのかな、と思います。

とくお組の公演(脚本があるもの)は再演の「マンション男爵」しか観た事ないので、他の公演と比べてっていうコメントは出来ないけども、私自身は楽しめたし、不安要素が全然無く、安定してるので、演劇をあんまり見ないって人にも勧めやすい作品だと思いました。

映像の使い方と、音楽が良かったと思います。

ネタバレBOX

メールだけのやり取りじゃ分からないことがあるんだなっていうのを痛感しました(笑)
確かに真紀って「マキ」とも読めるし「マサキ」とも読める。

映像にアテレコするのは面白かったです。
あと、教授が「負けないこと、逃げ出さないこと・・・」って挙げていくのもあの歌の歌詞じゃないか!ってなって面白かったです。

金さんが準教授になれなかったのは良いオチだと思います。
月面着陸もうまいこといって、そっちもうまいこといって、ってのはうまいこと行き過ぎてる感じがしてしまうので。
現実、そんなもんだよねって思いました。

The Michest

The Michest

高襟〜HAIKARA〜

Dance Studio UNO(東京都)

2010/08/02 (月) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★

マイケル
横浜アリーナで4人組が公演を行っているという設定で(tetorapackさんは武道館と書いているので、会場は日替わりなのでしょうか?)、ダンサーそれぞれのキャラを活かしたキュートな作品でした。
マイケル・ジャクソンのダンスやバレエの要素を組み合わせた振付で、気楽に観ることができました。スタジオ公演で音量が小さめだったのが残念です。

終盤の布は美しかったけど、この作品にはあまり必要がないように感じました。

パーティーが始まる

パーティーが始まる

TOKYO PLAYERS COLLECTION

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/08/03 (火) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

ラインを跨いで歩き始める感覚
キャスティングの工夫も功を奏して、
今へと続く道の緒というか、
黎明の雰囲気がしなやかに伝わってきました。

戯画化されたようなシーンにも洗練があり、
地味な感覚も埋もれることなく実存感を持ってやってきて。

びっくりするほど大きな高揚とか衝撃的な印象はないのですが、
不思議なくらいに自然に、
舞台上にその時間から踏み出す感覚が満ちて、
浸潤されました。

ネタバレBOX

それはプロローグ・・・。

作者の昔を投影したような大学生の男性を、
ふたりの女優が演じ分けます。
外側の姿と内心をそれぞれ受け持つ二人の演技が重なり、
そのころの作者が投影されたであろうキャラクターの、
どこかシャイで、
どこかつかみきれないような感覚が生まれて。
また、女性が演じることで、
男としてのカオスのような生々しさがすっと洗い流されて、
漠然と何かを求めても行き場のない想いの襞や揺れが
歪むことなくすっきりと浮かび上がってきます。

自分のベクトルが見つからないいらだちや、
その世代の男子に当然に訪れる妄想などが、
時には戯画化され、
あるいは二人の女優による葛藤としての形になって
べたつかず小気味よく重ねられていく。

同学年の女性との出会いにしても、
あるいは電車でよく見かける女性への妄想にしても、
ペーソスすら感じる滑稽さの中に、
不思議なリアリティが醸し出されていて。

シナリオを書くこととの出会いも
原稿用紙を選ぶときのこだわりも、
シンプルに作られたシーンだからこそ
その質感がしなやかに観る側に伝わってくるのです。

心に浮かぶ物語の「へたうま」さも秀逸。
なにかウッディアレンの映画をみるような・・・。
未熟な発想から生まれる
べたでわかりやすいチープさというか底の浅さが
恣意的にそのまま、でもくっきりしっかりと描かれていて、
観る側にウィットの効いた、
エッジの立った感覚を与えてくれる・・・。

物語を読み聞かされた幼い頃の記憶に含まれる
叔母の語り聞かせのアバウトさも
どこかコミカルでちょっぴり切なく心に残ります。
絵本を読む体で語られるお話の
微笑んでしまうような自由さと
主人公がうちに育てる物語を育む感覚が
心地よくリンクする。

友人のこと、恋人未満の異性のこと
頭の中に繰り返し訪れる
物語の欠片たち・・・
ゆっくりと、
主人公が内外に抱くいろんなことが
つかみ所ないものから
少しずつ形をとりはじめて・・・。

中盤以降に醸し出される
まるでゼリーが固まっていくような感覚もとても秀逸。
ゆっくりと繊細に定まり始める、
その質感を掬い取る
作り手の語り口には、
その豊かな軽質さを具現化するだけの
しなやかな洗練があって。

キャスティングも絶妙。
役者たちそれぞれに、
ニュアンスをくっきりと出しながら、
それぞれのキャラクターを
観る側の内に馴染ませるような手練があって。
主人公を演じた二人の女優から
女性を感じさせる所作がひとつもこぼれなかったことにも瞠目。

まだしっかりとは固まりきらないなかで、
パーティが始まる。
主人公がそのラインを超えるときにも
自分から勢いよくというわけではなく
先を歩んだ女友達に手を引かれるような体たらくなのですが、
その、あるがままのぐだぐだ感が、
観る側にほほえましくも感じられて。

見終わって、
作り手の衒いを感じつつ
でも、なんだろ、作り手の歩き始めた頃への
感慨のようなものにも触れた感じ・・・。

舞台や客席の作り方にも創意を感じました。
主人公たちの衣装もうまいと思いました。

女性的な感覚で組み上げる劇団競泳水着のテイストとは異なった
どこか自叙伝的な作者風男語りの物語を、
たっぷり楽しむことができました。

☆☆☆★★○○
2001年-2010年宇宙の旅

2001年-2010年宇宙の旅

東京デスロック

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ 水の広場特設野外ステージ(埼玉県)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

水と木々と星空のある広い舞台
キラリ☆ふじみが宇宙ステーションにも原始の森にも見えました。

8/3~8/8「ON THE WAY HOME」(深谷明大演出)

8/3~8/8「ON THE WAY HOME」(深谷明大演出)

(株)喝采企画

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2010/08/03 (火) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

201008041920
201008041920@シアターKASSAI

今宵、宇宙エレベーターの厨房で【ご来場誠にありがとうございました。】

今宵、宇宙エレベーターの厨房で【ご来場誠にありがとうございました。】

隕石少年トースター

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

なかなかよいです
シチュエーションコメディの大道
おもしろかったです

サーフィンUSB

サーフィンUSB

ヨーロッパ企画

本多劇場(東京都)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★★

東京初日見てきた!
この劇団初見でした。
細かい笑いが散りばめられ、まったりと展開する芝居。
面白かったです!

ネタバレBOX

タイトル「サーフィン」「USB」をそれぞれ、アナログなものとデジタルなもの、面倒なものと便利なものの対比だと解釈しました。

それらについて良い悪いというような結論が出ない部分は、非常に好みです。
身体動かしたくなりました。

独特の世界観も良いですね。

あと、上演時間が短めでしたね。僕は充分と感じましたが、もう10~15分くらいあっても全然飽きずに見れます。
蝉の穴

蝉の穴

13号地

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2010/08/03 (火) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

「蝉の穴」とはあの世とこの世の狭間
序盤、不審な男が現れるシーンから。しかし、この男が靴を履いていないという演出からこの世のものではないと察する。物語は「蝉の穴」を異次元の空間、狭間と例えて「蝉の穴」を上から覗いた場面とその穴から上を見上げた場面を交差させながら不思議な世界に誘う。相変わらず、観客に想像させるという構成は秀逸です。

以下はネタばれBOXにて。。(公演後、酒が飲める、酒が飲める、酒が飲めるぞ~♪)


ネタバレBOX

とある高層マンションの出入り口付近に不審な男が現れる。この男は地面に這いつくばって、かつて焼夷弾で焼かれた自身の記憶をまさぐる。そして地から天を仰ぎ「まるでここは穴の底みたいだ、空が丸く見える。地上には、こう、穴が空いていてここがその中だ。どうしてもそう思えてしまう・・」と呟く。この男は何度も死んで何度も人生を繰り返した為に、記憶が曖昧で解らない。

一方で家族のために自殺した男・田中とその男の娘、そして娘が慕う車椅子生活の女(タバコ屋のおばさん)がこの穴の中で不思議な体験をする。この穴が、時間軸の狂った世界で生きてる娘と死んだけれどこの世に想いを残す者が交差して思い残したものを、あるいは父の死に疑念を抱いていた娘の感情を昇華させていく。

父が娘を思いやる心と、娘が父の死因に確信がもてなかった思いをまるで「蝉の穴」のようなのっぺりとした仄暗い空間の中で癒して癒されていく。そう、こうして二人と、この二人に関わる者達は、まるで一筋の光を求めて這いあがる蝉の幼虫のようだ。そうしてこの幼虫もやがて蝉となって世界を飛び回るのだ。しかし、その飛び回る一瞬より暗い穴ぐらで過ごす6年は幼虫にとっては案外、楽しいのかもしれない。

あなぐらがこの世とあの世の狭間なら、その空間で交わす四匹の川蝉。
無駄骨

無駄骨

THE REDCARPETS

TACCS1179(東京都)

2010/07/17 (土) ~ 2010/07/18 (日)公演終了

満足度★★★★

とても笑いました!
話の流れはシンプルで、登場人物のキャラがたっててとても見やすかったです。
みんなが生き生きと動いていて、楽しい気持ちで見ることが出来ました。

パーティーが始まる

パーティーが始まる

TOKYO PLAYERS COLLECTION

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/08/03 (火) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

初心忘るべからず!!
これも一つの決意表明とみました。

そして、無から一つの作品を作り上げることに敬意を表します!!

ネタバレBOX

作者上野友之さんの自伝的初めて物語。お芝居を始めるきっかけを青年に託して吐露したように表現されています。

その青年をクロムモリブデンの渡邉とかげさんが演じ、青年の内面をバナナ学園純情乙女組の前園あかりさんが演じていました。

青年とその内面は、二つの半袖シャツを背中で切って、それぞれが左右別々になるように縫い合わせて着ていました。二人は、というか一人は、背丈が同じで、あとは同じ格好をしていて、とてもいい感じでした。

向かい合うシーンはありませんでしたが、向かい合うと鏡に映った姿になります。内面を表すには最高の衣装です!!また、女性に演じてもらうということは照れ隠しという側面もあるのでしょうか!?

何を書いていいか分からない状況から、妄想などを思い浮かべ、淡い恋心を持って主演女優を見つけ、カメラなどの技術スタッフを探し、最後映画を完成させ、披露パーティーを行う…、尊敬します!!

それにしても、プレイヤーズコレクション、いい役者さんを集めました。
世界のどこにでもある、場所

世界のどこにでもある、場所

劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)

駅前劇場(東京都)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/11 (水)公演終了

満足度★★★★

精神病院
とある精神病院。新たに入院した元音楽教師が加わって、少しづつみんなの気持ちがほぐれていく。

患者は欝や、いろいろな精神障害を抱えているが」、それぞれの役者さんがしっかりと患者役、医者役、看護師役く、セラピスト役をこなしていた。

観ていて気持ちがいい作品。SETはお笑いだけなくこのようなまじめな作品もあり、私のお気に入りの劇団。

映画版も公開されるということ。それも見に行くつもり

ネタバレBOX

初日だったせいか、大道具(扉)のたてつけが悪かったようで、扉がうまく閉まらなくて役者さんが最初あせっていたのが記憶に残った
蝉の穴

蝉の穴

13号地

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2010/08/03 (火) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★

終盤になってようやく
途中までは、これは不条理劇か?といった感じで、意味不明でしたが、終盤になってようやく謎が明かされ、かなり深い芝居とわかる。ただ予備知識なしに1回見るだけではかなりきついです。

また逢おうと竜馬は言った

また逢おうと竜馬は言った

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2010/07/10 (土) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

[空組]とてもよくできたストーリー
さすがキャラメルボックス。
2時間をまったく飽きさせない。

ネタバレBOX

夫婦の関係を薩長同盟になぞらえて修復していくという着想&ストーリーが面白い。

夫婦間に生じる溝、その原因は、夫が気持ちを妻に言わないことを、妻が我慢できないということ、つまり、夫は「夫婦なんだから言葉にしなくても通じる」と言い、妻は「きちんと言葉にして伝えてほしい」と言うことだ。夫婦間のすれ違いの原因はそこにある、という、ややありがちな設定だけど、話の見せ方が面白いから、最後まで飽きないのだ。
そこがうまいと思う。
しかも、普通のテーマだから、普遍的で共感を覚えやすいし、わかりやすい舞台となっている。

そして、あえて言えば、龍馬マニアの、ややノイローゼ気味の青年(自分の中の龍馬と会話してしまう・笑)が主人公の物語なのだが、その不気味さ(夢見る少女ならばいいのだけど、いい大人が、と考えると・・・笑)、不自然さを感じさせない、演劇マジックのようなものが支配する舞台だった。

夫婦間で汗をかきつつ、走り回る岡本の気持ちを考えるとちょっと切ない。妥当なストーリー展開ではある。
「船出」のラストもうまい演出だと思う。

最大公約数的に誰が観ても楽しめるところが、いいところでもあり、物足りなく感じるところでもある。また、オーバーな演技と役者のキャラに頼った(ファンは温かい。出るだけで笑ってくれる・笑)感じが鼻につく人には辛い舞台かもしれない。

それと毎回感じるのは、立ち回りや気持ちが盛り上がるシーンで、ボリュームを微妙に細かく上げ下げする音楽の使い方には少々違和感を感じる。歌詞のある曲なだけに、ちょっと鬱陶しい。

でもエンタメとしては、やっぱり楽しい舞台ではある。
反重力エンピツ(再演)

反重力エンピツ(再演)

国道五十八号戦線

サンモールスタジオ(東京都)

2010/07/23 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

ふらりと入って
後半から雰囲気が出てきて引き込まれた。
前半は、ちょっと寝ちゃった。

でも、「雰囲気」を超えるものは、受け取れなかったなぁ。
ちょっと寝ちゃってた時間に、鍵があったんだろうか。・・・だったら私のミスだな、と思うので、星は付けず。

ロックンロール

ロックンロール

ホリプロ

世田谷パブリックシアター(東京都)

2010/08/03 (火) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度

観客に不親切極まりない演出

呆れて、ものが言えなかった!

この作品を観て、まず思ったのは、同じ作者の「コースト・オブ・ユートピア」を演出した蜷川さんは、やはり【腐っても鯛】だなという認識。
あちらは自分は、全く持って何も知識のないロシア革命時代のお話でしたが、9時間以上、全く厭きる事はなかったし、人間ドラマとして、大変面白く観られました。

ところが、こちらはどうでしょう?
1968年の、ソ連のチェコスロバキアに対する軍事介入、私は、リアルタイムで知っています。ニュースで、ソ連の戦車を連日見て、どうしてこんなことになるのか、当時ずいぶん勉強しました。それ以前の「プラハの春」も、本を読んだり、ドキュメンタリーを見たり、それなりにかなり勉強しました。そして、この作品で流れるロックもほとんど聴いて知っています。
それなのに、この芝居、全く、理解不能でした。(いえ、表面上のストーリーは、もちろん理解できますが、深く、理解でき兼ねるという意味で)
あんな、何にも知らない、ロシアの芝居は、あんなに面白く観られたのに…。

原因は、明らかです。こちらの演出家は、上から目線で、その世界事情に詳しくない、日本の観客の立場なんて、全く意に介していないからです。

こういう、日本人には容易に理解し得ない題材の芝居を上演するなら、もっと、最初に、背景を説明するとか、少しでも、観客の理解を深める努力をすべきではないでしょうか?
アフタートークならぬ、ビッフォートークの必要すら感じました。
燐光群の芝居のように、出て来る語句の説明や、簡単な時代背景の説明文とかを配布すべき気がします。この登場人物が架空なのか実在なのか、モデルはいるのかとかの情報も、知りたかったと思います。

こんなただでさえ、わからない芝居の上に、市村さんの滑舌の悪さと、語尾が聞き取れない台詞の不明瞭さに、益々磨きが掛かり、1幕は、ほとんど意味不明。人間ドラマになりそうな、マックス夫妻のラブシーンも、最悪の演出で、重きが置かれず、ただただ、秋山菜津子さんの存在が救いの、芝居だったように思います。

もし、これから、ご覧になる方がいらしたら、チラシに書かれている宣伝文から想像する期待感は、(秋山さんの2役に対する期待以外)まず一度忘れて、この登場人物の背景を勉強されることと、1幕はわからなくても、2幕は、大分楽しく観劇できることに期待を繋いで、ご覧になることをオススメします。

ネタバレBOX

1幕は、とにかく、市村さんの台詞が半分も聞き取れない。2幕はそうでもなかったから、年齢の差を出すために、1幕は、台詞の言い方を工夫したらしいのが、裏目に出たのではと推察します。

癌に侵された妻との、男女の複雑な人間模様を、もっと赤裸々に表出する演出をすれば、普遍的な人間ドラマになり得るのに、どうやら、この演出家は、よほどラブシーンの演出が不得手とお見受けします。もう、秋山さんだったから、何とか、実のある女性を演じて下さったけれど、これが、演出家の言いなり女優ならどうなっていたかと、想像するだけで、絶句しそうでした。

武田さん、前田さん、上山さん、森尾さん、山内さんも、難解な芝居を、懸命に演じていらして、それぞれ好感が持てました。

2幕は、マックスの妻が死に、その妻役だった秋山さんが、今度は、娘役として、本領発揮の大活躍で好演されるので、舞台の雰囲気が一転。家族劇テイストになり、やっと客席に笑いも出始めてほっとしました。市村さんの台詞も、大方は聞き取れるし…。(笑)

でも、2幕が面白くなったのは、ひとえに、秋山さんの功績故。父と、娘と、初恋のヤンと、それぞれの人間関係を、秋山さんの好演のお陰で、やっと観客は、自分に引き寄せて、観劇できる体制が整った感じでした。

この芝居、肝心要のマックスとヤンが、何を考えてどう行動しているのかが、全く謎です。
あまりにも、意味がわからず、よっぽどパンフレットを買おうかとも思いましたが、こんなつまらない芝居のパンフレットを買う気はせず、家に帰って、「シアターガイド」を読んで、またビックリ!!
役を掴みかねて質問している武田さんへの演出家の返答振りにまた唖然としました。

この演出家の舞台を観る度、どうしてこの方が、こんなに大演出家として高名なのか、最大の謎です。


この芝居、やりようによっては、もっと日本人にも卑近な人間ドラマになる筈なので、もし再演があるのなら、今度は、鈴木裕美さんか、鵜山さんの演出で、観たいものです。

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