最新の観てきた!クチコミ一覧

155721-155740件 / 189764件中
箱入り彼女博覧会

箱入り彼女博覧会

NICE STALKER

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了

満足度★★★★

恥ずかしくて
クールを装ってアドレスを買わずに帰ってしまいましたが、恥ずかしがらずにしっかりメアドを買って、作品に最後まで付き合うのが紳士のたしなみだったかなあ...と反省。カワイくて、ちょっとエッチな恋愛物語には好感が持てました。

長短調(または眺(なが)め身近(みぢか)め)

長短調(または眺(なが)め身近(みぢか)め)

あうるすぽっと

あうるすぽっと(東京都)

2010/09/30 (木) ~ 2010/10/03 (日)公演終了

2種類の席の違いは…
『長短調(または眺め身近め』@あうるすぽっと…「眺め(長め)席」で観た人にはむしろ「短調」で、「身近め(短め)席」で観た人にはむしろ「長調」であった…ということなんでしょうかねぇ…これ、ものすごい野心的な作品で、ホントなんとかして「身近め席」でもそれを確認したいんだけどなぁ… という感想を持つ人は自分だけではないはず・・・なのに、4回しか公演がない・・・しかも、土曜日がマチネだけ・・・ていうのは、うーん、残念!
この「隔靴掻痒」な感じを、ひょっとしたら、中野成樹氏が「わざと」作ろうとしているのではないか・・・もし、そうであれば、いやぁ、・・・参りました!(ただ、これ、「評価」はしにくいので、星はあえてつけないですけど・・・)

ネタバレBOX

「眺め席」と「身近め席」では、全く世界が違っていたわけですよね。
いわば、2つの別の作品が並行して進んでるわけです。

これ、なんとか、再演してもらえないですかねぇ。

(理由1) 片方の席で観ただけでは、この作品の意味がフルに伝わらない気がする (もっとも、この物足らない感じそのものを、並行宇宙に対するあこがれとあきらめへの残念感で、中野成樹氏がわざとねらっていたのだとすると・・・それは、ある意味でスゴイ!)

(理由2) 「かもめ」の原作を読んでおくべきだった。これ、読んでから見るべき作品の典型だったと思うんですね。・・・観終わってから、ジュンク堂で本買って読んで、そう強く感じました。
やわらかいヒビ

やわらかいヒビ

カムヰヤッセン

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2010/10/01 (金) ~ 2010/10/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

もう1回観たい
初めてのカムヰヤッセンです。
空間の使い方が素敵でした。

役者さんたちの会話も場面転換もぽんぽん進んでいくので、
ついてけない・・・と思ったけど、とんでもない!

時代は今より少し先。聞き慣れない言葉もでてきますが、全然大丈夫。
パンフレット(席に置かれているやつ)に「特殊用語集及び人物相関図」がありましたが、見なくてもお話は分かります。
むしろ読まないほうが楽しめるかも。

内容・結末が分かった上で、もう1度観てみたいです。

「生きること」を描いた作品・・・他の人がどう感じたのか気になります。

ネタバレBOX

しばらく気になっていたのです。
「やわらかいヒビ」…日々?罅?それ以外にも???と。
やわらかい日々→チラシのイラストとギャップがあるような…。
やわらかい罅→やわらかいのなら罅は入らないのでは…。
観たら少し解った気がしました。たぶん気がするだけでしょうが。。。

数学も物理もわからなくても北川さんの気持ちは伝わりました。

個人的な感想ですが、生きることは残酷だなぁと感じました。

悪魔の絵本

悪魔の絵本

Theatre Polyphonic

サンモールスタジオ(東京都)

2010/10/01 (金) ~ 2010/10/11 (月)公演終了

満足度★★★★

彼について
観てきました.とにかく話がしっかりとしていて,少々長めの2時間10分の上演時間を飽きさせない公演だったと思います.他にも,役者はかなりよく,演出もなかなか.ちょっと盛り上がりにかけて,終わり方が唐突でしたが,胸にせまる2時間でした.残念だったのは,狂言回しの川田希のセリフが聞き取りにくい点と,入場の仕方が複雑で手間取っていた点.整理券はいらないと思いました.

柔らかいモザイクの街

柔らかいモザイクの街

サラダボール

アトリエ春風舎(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/10/06 (水)公演終了

満足度★★★★★

すてきな一期一会
舞台をみてタイトルの旨さにうなる
現代口語な普通の芝居に歌や踊りが挿入するのに突飛でない

初めて生でみたサラダボール

私、こういう芝居好きだ

舞台って生物だし本当に一期一会
すてきな出逢いもあれば、あららもある

一種の賭(笑)

内容は人が年を重ねたら誰もが思い当たるような内容

観客がそれぞれ目の前に出されたシンプルな料理と向き合うことで自分と向き合えるような

ビストロを訪れたようなすてきなひとときでした

次回は自腹で行きます(笑)
同行者も大満足!

そして、雨にも負けずに縁があるなあと想う自分でもありました

長野版もみてみたかったです
おいしい時間をありがとうございました

「美しきラビットパンチ」

「美しきラビットパンチ」

ゴジゲン

駅前劇場(東京都)

2010/09/18 (土) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

おもしろかった
一番最初の導入部分が嫌だったです。あれは、モッスーに後で言葉で説明させれば良かったのでは。

主題は、「生きていれば何でもできるよ」ってことでしょうか。自転車に細工されたナオキが事故で死んじゃう展開なのかなと思ったら、腕の骨折だけで済んで、ナオキの弟も死んだかと思ったら生きていた。死んだかもと思った瞬間、それまでの(細かい)ことはどうでも良くなってしまう。ただ、生き返ってくれって思うだけ。

役者さんたち熱演でした。コーチはいるだけで面白い。モッスーの心からの叫びも通じました。踊りと歌も良かった。高校生シリーズにして続けてほしい。

ジーンズ -gene(s)-

ジーンズ -gene(s)-

劇団銀石

ザムザ阿佐谷(東京都)

2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了

満足度★★★★


セリフ回しと音響の演出が、「いきものの音楽性」に説得力を与えていました。

舞台美術や、開演前のマイム、劇中の役者の動き、その1つ1つの粒がほんとうに洪水のように思えました。
しかし、この洪水が全シーン続いたので、はじめは慣れない刺激に違和感を覚えました。

ダーウィンの進化論を前提にし、それをもう1度料理し直して提示したものだったので、筋に矛盾は無いように思いましたが、逆に不安定さももう少し欲しい思いました。
ただ、ゆったりと安定した終わり方は、劇を観終わった後も時間の大きな流れを感じさせてくれます。

悪魔の絵本

悪魔の絵本

Theatre Polyphonic

サンモールスタジオ(東京都)

2010/10/01 (金) ~ 2010/10/11 (月)公演終了

満足度★★★★

(≧v≦)
個人的に谷賢一週間の一本目、Theatre Polyphonic「悪魔の絵本」初日を観たょ!140字じゃ書ききれないからとにかく観に行くといいよ!観たことなぃ岡田あがさちゃんにも逢えるょ!!キャストも素敵な仕事だし石丸さち子さんの演出も谷さんの世界を見事に表現してると思うよ☆彡

東京バーグ 【舞台盤】&【映像盤】

東京バーグ 【舞台盤】&【映像盤】

円盤ライダー

【舞台盤】東京バーグ【映像盤】上野毛アクオス(東京都)

2010/09/24 (金) ~ 2010/12/23 (木)公演終了

満足度★★★

ゆったりと
本物のレストランでドリンクを飲みながら、ゆったりとイスに座り観劇してきました。
内容は割りにさっぱりしてる感じではありましたが、うまい設定と小ネタを織り交ぜて、なにより役者の動きを身近に感じられる点がよかった。
いつもと違う観劇スタイルで最初は緊張したものの、最後は心地よくなり満足して会場を後にしました。

D.C.2359 - A Minute to Midnight -

D.C.2359 - A Minute to Midnight -

空想天象儀

荻窪メガバックスシアター(東京都)

2010/09/18 (土) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

あー!面白かったー!(^o^)/
生粋の女子なので、SFって本当にわからないし、特撮とかも幼稚園の頃の記憶で完璧に止まっています。そいでもって、お芝居で「世界の終わりが…」みたいなのって、正直、割とよくある(ごめんなさい;)イメージだったのですが。
良い意味で裏切られました!

ネタバレBOX

なんだこの久々な爽快感。おもしれー!おもしれーよー!と言いながら、友人と笑って笑って、最後に泣いて。滑舌?どうでもいいっすwという位、楽しみました。

両方拝見しましたが、チーム・プルートーは男性CAST版で、特撮らしい「カッコイイ」熱血ぶり。迫力があって良いですね。チーム・ウラヌスは女性CAST版で、「泣ける」ラストに一緒に感情移入。ホロリ。どちらも良さがあると思いました。

作品に詰め込んだオマージュとか、多分、全部知らないんですけどwwwそれでも「作演の瀬良さんは第二のキダツヨシになれるんじゃないか」と帰路、本気で友人と話してました。シンプルな舞台セットも照明が映えて良かったです。今後も楽しみにしてます☆☆☆
「落語、はじめました。」

「落語、はじめました。」

THEATRE SONES

cafe sones(福岡県)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/28 (火)公演終了

琲組
こちらは古典が2本+創作1本。なかなかいい話だった。山口さんは1回限りの
せいか、かなり緊張している様子で落ち着かなかったけど、山下さんは貫禄です。爪田家さんは落語家さんなので慣れたものだったですね。
カオリさんのトークでカフェはなごやかな雰囲気になる。
彼女こそ落語やってみたらどうかな~

異種をあわれむ歌

異種をあわれむ歌

ルナ・パンク・ヴァリエーションズ

笹塚ファクトリー(東京都)

2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了

満足度★★★★

素晴らしい星にするために。
今回も終盤泣かされた。大切な人を守るためには自らの犠牲は省みない、という犠牲的精神と男気のあるジョダギリの姿に感動して落涙するのだ。アクションあり、コメディあり、感動ありのてんこ盛りだったが、今回はコメディの部分でスベリが多かったように思う。脚本がしっかりしてるのだから、コメディに囚われなくても良いと思うがいかがでしょう?

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

粗筋は説明に載っているので補足と感想のみを。とある田舎の鉱山街が舞台。「突如として自ら異星人だと名乗る胡散臭い二人組があらわれた」とあるが、一人はジャスミンというエイリアンでいずれ滅びることになる地球を調査するためにやってきたのだった。もう一人は歴史学者の塩堂教授だが、地球を支配する革命政府に論文で戦いを挑み暗殺された人物だ。塩堂を助けたジャスミンはヒューマロイドとして命を与え、ジョダギリと名乗る。

この鉱山街は悪徳鉱山経営者が牛耳っており、無法地帯と化していたが、ジョダギリとジャスミンがこれらと革命政府に戦いを挑みかつての素晴らしい星に変えていく、という物語だ。と、同時にジョダギリの元妻のコジョウ・ミサとの揺るぎない愛と親子愛、裏切り、信頼、レジスタンスの動向などを盛り込み、アクションでも魅せる。

物語が進むうちにこの世を支配する誰が悪で誰が善なのかも、絡まった糸が解けるようにすんなりと明確になり、やがて、コジョウは一人娘を助けるために命を張り、ジョダギリはコジョウを助ける為に自ら銃弾の中に飛び込んでゆく。そうして、彼が吐く最後のセリフに胸打たれてワタクシは、シクシクと泣いたのだ。ああ、愛ってなんて素敵なんでしょ。

やがて・・、幾年かの時が過ぎ、ジャスミンは地球を訪れる。人々は幸せそうに微笑み穏やかに暮らしている。先の丘には白く可愛いらしい小さなジャスミンの花が咲き乱れ、美しい光景だった。ジャスミンの花はジャスミンの名づけ親だ。彼は思う。「素晴らしい星だ。」と。

良く出来た脚本だと思う。しかし必要ない部分もあり、そこを削るともっとパンチが効いたとも思う。シリアスのみでも充分イケル物語だけに、パンチのないギャグがちょっと痛かったが、アクションでも演技力でも魅せられた舞台だった。

ジャスミンがちょっとおとなし過ぎかなー?バイカーの三井は相変わらずアクションでもキャラでも魅せた。本多もしかり。キズ役の牧野も相変わらずのインパクトありまくりで、おっさん役が良く似合う。笑
脳内ジャック

脳内ジャック

ロックンロール・クラシック

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了

満足度★★★

どこまで妄想?!どこまでも妄想?!
上演時間は1時間程度、それほど濃密な内容でもなく、わざわざ出掛けた身としては少し物足りない気もしました。

ネタバレBOX

バスジャック事件に巻き込まれたことがあるという妄想に苦しむ孤独な男の話。

同僚と会話していても、バスジャック犯と運転手のやり取りを妄想してしまいますが、男と同僚が犯人役と運転手役を入れ替わったりするのが面白いところです。

女友達かと思われた女性がフィギュアだったので、同僚も実は存在していないのかもしれません。

男はどうもバスの運転手のようで、モンスターのようなお客さんに悩まされていたのが原因ではないかと思われます。田舎の母親と密になることは重要ですが、無縁社会が原因のように描かれていたのには違和感を覚えました。

それにしても、途中から入ってきた人も入れてお客さんは13人程で、少し寂しかったです。
ジーンズ -gene(s)-

ジーンズ -gene(s)-

劇団銀石

ザムザ阿佐谷(東京都)

2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了

満足度★★★

生物の進化と
個人の話が混在して…、

ネタバレBOX

開始前から、単細胞生物がDNAを交換する接合を表現したようなパフォーマンスが行われていました。

話は、ダーウィンに初めての子供が生まれる直前の落ち着かない様子を中心に、進化論肯定派とそれに反対する教会側の争い、爬虫類と哺乳類の覇権争いなどを織り交ぜて描いたものでした。

壮大なテーマですが、大きな声、大振りな動作で同じようなさほど深くない内容を繰り返していたという印象でした。

地上でさんざん争ったあげく、その後爬虫類は空へ向かい、哺乳類は海に向かったという解釈は面白いですが、それじゃあ地上の生物は何なのと思います。

ダーウィンが一瞬台詞を忘れかけたときは、舞台の怖さを改めて認識しました。
トロイアの女たち

トロイアの女たち

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2010/09/07 (火) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

圧倒されました
2400年も前に書かれたお芝居とのことですが、古臭い感じはまったく受けませんでした。「戦争に負けたから奴隷になる」というあたりは現代にはないと思います(思いたいです)が、そういうところを除けば、今の話だと思うことさえできる感じでした。兵士たちの服装(タクティカル・ベストにブーツ。銃さえ持っていないけれど)なども、それを意識したのでしょう。
キャストの皆さんの演技だけでなく、真っ赤に塗られた舞台、非常に美しかった照明、アコーディオンの生演奏、とすべての要素がこのすごい舞台を作り出したのだと思います。

「トロイアの女たち」解説講座

「トロイアの女たち」解説講座

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2010/08/28 (土) ~ 2010/08/28 (土)公演終了

面白かった
山形先生の語り口は軽妙で、とても楽しいレクチャーだった。「トロイアの女たち」というお芝居への興味をかきたてられたという点でもよかった。

シダの群れ

シダの群れ

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2010/09/05 (日) ~ 2010/09/29 (水)公演終了

満足度★★★

岩松了 今度は、やくざものに挑戦!
岩松了 今度は、やくざものに挑戦!

岩松作品では、重要なことが舞台の外で起きる。
でも、今回はちゃんと舞台上でもドンパチ
がある。

そして、突然のエンディングにびっくり。
閉鎖された狭い社会でのいざこざで
命を落とす愚かさを感じたりしました。
こうして舞台という枠の中で見てみると
それが強調される感じがします。

また、皆、やくざっぽくて、上手いなぁと
感心しきり。
(やくざものはハッキリしてるから、
キャラクターを作りやすいかも。)

特に女優陣がいいです。
伊藤蘭さんの腹の据わったところなんか、
組長の姐さんらしい。
時効警察組の 江口のりこ さんの
安っぽくてけだるくてケバいところや、
組の若いもんに絡むところとかも。
黒川芽以ちゃんの京都弁も良くって、
ほんと大抜擢でしたね。

男優陣では、風間杜夫さんは、
力の抜け具合とかがいいです。
さすがです。

阿部サダヲさんは、あの役には少し
大人すぎた感じ。
江口さんも二枚目過ぎて遊びが無くて
逆に大変だったでしょうね。

でもパンフレットの岩松さんが
銃を構えてるところなんか、
一番かっこよくて似合ってましたけれど。
(出演はされてません。)

buzz

buzz

studio salt

相鉄本多劇場(神奈川県)

2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了

満足度★★★★

賛否分かれるでしょうね
私は、暴力的なものは好きではないのですが、この作品は、内容が内容だけに、そういうシーンがあるのは仕方ないかな、と。ラストの前のシーンとラストの切なさには涙が出ました。

Root Beers-ルートビアーズ-

Root Beers-ルートビアーズ-

劇団東京ヴォードヴィルショー

ザ・ポケット(東京都)

2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

やはり凄い!
流石に桑原裕子(KAKUTA)さんの作・演出は凄いと実感した。脚本は分かり易くベタだが、その中に観客を引き込む力がある。またヤクザな世界なので独特なバイオレンスさと激動があった為に、眠くなるような時間は一切なくのめり込んだ。俳優たちの技も圧巻だった。

シダの群れ

シダの群れ

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2010/09/05 (日) ~ 2010/09/29 (水)公演終了

満足度★★★

「修羅の群れ」のパロディー?
ドンパチ場面が嫌いなわりに、東映の仁侠映画は数多く見てきた。
仁侠映画でありがちな設定が出てきて、いつもの岩松作品よりは普通っぽくてわかりやすいと思ったが、やはり、岩松さんらしさはあった。
ラストは「え、これでおしまい?」とややあっけなさも感じた。
風間杜夫はさすが名人芸というか、芝居を自分のものにしている。言い換えれば、風間で成り立っているようなところがあり、それだけに他の俳優には物足りなさを感じた。

ネタバレBOX

病床にいる組長の本妻の息子ツヨシ(小出恵介)と、愛人(伊藤蘭)の息子タカヒロ(江口洋介)を巡る跡目問題。愛人の息子は刑務所でのおツトメを果たしてシャバに戻ってくる。ムショに入る段階でタカヒロの跡目相続は決まっていたようなのだが、組長補佐の風間杜夫は、筋目を通して本妻の息子ツヨシに継がせるべきでは、と考えているようだ。ツヨシには本妻(江口のり子)との間に1人息子があり、さらにツヨシの愛人ヨーコ(黒川芽以)のお腹にも子どもがいる。まさに連鎖である。いかにも極妻シリーズに出てくるようなシチュエーションだ。岩松作品にしてはふつうの会話が多いように見えても、やくざファミリーの会話は微妙にズレていき、そのズレはやがて大きなキレツと悲劇を生むのだ。
やくざ社会、とにかく下の者の上の者に対する気働きがものを言い、空気を読むことが要求されるが、不器用な若いモン森本(阿部サダヲ)はタカヒロを慕う自分の本心と、組の意向との板ばさみになって「空気の読み方」に苦悩し、爆発する。タカヒロがムショに入る前、将来を誓った女ヤスコ(舞台には登場せず)が行方不明になり、タカヒロは喫茶店でヤスコと旧知のヨーコと会っていたところを森本に見られて誤解される。
冒頭、対立する組がなぜいきなり自動車に発砲してきたのか、ラストでお腹に子どもがいるヨーコまでがなぜ自決しなければならないのかよく理解できなかった。「ヨーコが実はヤスコと同一人物で、ヨーコのお腹の中の子が実はタカヒロの子であった」とかいう展開ならともかく(笑)。
風間杜夫は、前半のんびりしていて、やくざというより中間管理職のおじさんみたいだ。新聞の劇評でも、本作がサラリーマン社会の縮図のようだと書いている演劇記者がいたが、日本の企業と政治の世界はやくざ社会と酷似しているとはよく言われているから無理もない(笑)。
風間の懐の深さ、演技の「間」のすばらしさは抜群である。伊藤蘭は江口洋介の母親には見えなかったので、最初のうち江口洋介は舎弟の一人かと思い、関係がわからなかった(笑)。もともと私は女優としての伊藤蘭をあまり評価してないが、今回も極妻役ということでドスをきかせたつもりの演技が岩下志麻の下手なコピーにしか見えず、感心できなかった。風間を誘惑して2人でコーヒールンバを踊る場面はご愛嬌だが、まるで彼女が準レギュラーだったドリフの全員集合時代の寸劇みたいだった。
阿部サダヲ、江口のり子の演技にはよくも悪くも小劇場の匂いが染み付いている感じ。
江口のり子は人気深夜ドラマ「時効警察」で岩松の部下役だったし、NHKの「風のハルカ」では、岩松、黒川、近藤公園は舅、嫁、夫というファミリーだったせいか、配役も岩松色が濃い。
好んでチョイ役に出演するという岩松了の俳優としての存在感も私は好きだ。俳優として出演しながら、共演者を自分の芝居に上手にさらってくるようだ(笑)。
黒川は女子高生役からずいぶん大人の女に成長した。
小出の関西弁のアクセントがまったくなっていない。変な関西弁ならしゃべらせないほうがよい。
この芝居、目新しさはないし、役者たちが演じる人物にカッコよさはないのだが、時折芝居の隙間に流れるやるせない空気がジーンと響く。
それはまちがいなく岩松了がつくりだしたものであり、彼の芝居に流れる厭世観のような気がする。また、数年前、自分が花火を見上げながら自殺を覚悟した夜に、忍び寄ってきた厭世的な匂いの夜風にも似ている。私が岩松の芝居にひかれているのはそういう言葉でうまく表現できない点だと思う。
何度かのカーテンコールのあと、客席に明かりがついてもアンコールを促す手拍子が鳴り止まなかったが、なんだかシラケて私は劇場をすぐに出てしまった。正直、そんなにいつまでもカーテンコールを求めるほどの芝居には感じられなかったし、求めることで「通」ぶっているような昨今のシアターコクーンの客席の雰囲気に私はどうにもなじめなくなっている。
嘘臭いスノッブさというか・・・これなら、小劇場の会場のほうが数段心地よいと思う。

このページのQRコードです。

拡大