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あなたの部品 リライト

あなたの部品 リライト

北京蝶々

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/12/14 (火) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

脚本と演出のシナジー効果抜群!
うまい構成の物語を、独特のリズム感ある演出で見せる。
その2つのシナジー効果の中で、役者も活き活きしていた。

ネタバレBOX

リライトというタイトルは、単に前の脚本を書き換えたというだけでなく、リライトしたい、人の気持ちをも表していた。

自分の身体に対する違和感や、障害、そして障害者を取り巻く人々の想い、さらにイデオロギーまでちょっと浸食しつつ、実は、やはり自分自身のことが中心にあるという感覚。

自分=身体=心というバランスが、どこかが歪になっていることへの不安。
その不安を技術で解決しようとするということも、また歪であったというようなスーリー展開。その中に美しい夫婦のエピソードを交えるあたりが憎いのだ。
実に見事としか言いようがない。

物語の構成が見事というのもあるが、演出の秀逸さもそこにはある。
登場人物たちを、舞台の後ろに常に配し、まるで見本品のような佇まいだったり、融合したりというように、ストーリーに、より意味と幅を持たせる、まるで動く装置のように使う。
さらに、独特のリズム感と、観客のはやる心をクールダウンさせ、さらに次への期待を持たせるような手拍子などや歌。

ラスト前の畳み掛けのうまさは、とくに凄い。
ル・デコという場所であり、登場人物たちが、常に舞台の後ろにいるという設定もうまく効いて、ぐいぐい来る。
その走り出し方が見事。

そして、ラストは歪みが大きくなり出して終わりではないところ、すべてを破壊し、混沌に落とし込むことも可能であったのにそうしなかったというところが、実にスマートで、物語の厚みを増していた。

そして、役者がとても活き活きしていたのが印象的である。
特に、ちょっと歪んできてからの、酒巻誉洋さん、金子久美さん、森田祐吏さん、木村キリコさんが印象に残った。
The Lifemaker【WEBサイトにて舞台写真公開中!】

The Lifemaker【WEBサイトにて舞台写真公開中!】

DART’S

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/12/07 (火) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

たとえばアマゾンを彷徨うように、
豊潤な、物語の樹木が乱れ立つなか、どこを歩いてもかまわないという自由を楽しみながら、どこにも辿り着けないのではないかという不安にも駆られる。道なき未知を彷徨いながら、ずっと。けれど、この“矢”は、じつはつねに正しく歩くべき道も示してくれていた。海へと。すべてが満たされる場所へと。

ネタバレBOX

“架空”の村と登場人物、すべてが愛おしい。

なにより、そこでしか生きられない人々の営みが。

だからほんとうは、
あの村が発展し人があふれ、村長が町長になる日を、どこか夢みていたりもしたのだけれど…。
あなたの部品 リライト

あなたの部品 リライト

北京蝶々

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/12/14 (火) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★★

手作り感の圧倒
初日を拝見。

初演も観ているのですが
「リライト」は看板でも誇張でもなく
良い意味で
似て非なる作品。
でも、方向転換とかそういう感じではなく
作品のコアにあるものが大きく間口を広げて
豊かに表現されていくような感覚がありました。

ネタバレBOX

自分が持ち合わせているものや
自分が求めるもの、
あるいは捨て去りたいもの・・・・。
そして、どこまでを自分と認識するかの、
線引きの感覚。

初演時は、それらが社会的な線引きや国家の概念に
重ね合わされていた記憶があるのですが、
今回はキャラクターたちそのものの感覚を
紡ぎ合わせることによって
それぞれののボーダーに対しての感覚が
しなやかに表現されていました。

その中に
初演時に戯曲が内包していた作品のコアの部分が
失なわれることなく「リライト」されていて・・・。

それを成り立たせるための
皮膚感覚に近い空気、
細かい粒子に昇華したような感覚が
役者たちによって醸し出され
観る側に浸透していきます。

どこか手造り感をもった質感が
観客を包み込むように舞台に引き入れてくれる。
役者たちの表情や台詞が
そのまま入り込み
キャラクターの
感覚や温度として観る側に重なっていく。

初演時にはひりひりとした物語の展開の中で浮かび上がっていた
個々のキャラクターの感覚や既存のフレームへの喪失感が、
ベクトルを翻して・・・。
役者たちの身体から伝わってくるものが
観る側に感覚として置かれ、
それらはやがて組みあがり
物語として観る側の内に形成されていくのです

そこにはいままでの北京蝶々には
ないテイストが残りました。
でも、彼らがこれまでのものを捨てたという感じはまったくなく
表現の間口がぞくっとくるほど大きく広がったように思えた。

これまで内側に隠されていた
彼らの力たちのいくつかが
今回の演出家によって解放されたような感じ。
作家にしても役者にしても
鎖が一本はずれて、
解放された力からやってくる広がりと豊かさが
舞台上からしっかりと感じられました。

単に舞台の前面にとどまらない、
全体で作られていく空気に息を呑む。
背景側のお芝居にも心を染められて・・・。
物語が満ちたあとの、
エンディングにつながるところに
若干の空気の段差を感じたものの
帰り道、置かれた感覚が消失することはありませんでした。

間違いなく新しい力を得たであろう北京蝶々、
次にはまた異なった演出家による舞台が予定されているとのこと、
本当に楽しみになりました。







繋がらない世界の話【終演しました!たくさんのご来場ありがとうございました】

繋がらない世界の話【終演しました!たくさんのご来場ありがとうございました】

ソテツトンネル

RAFT(東京都)

2010/12/14 (火) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★

2010/谷間
惜しいなぁ、おもしろ感はとてもあるのに、何が足らんのかなぁ

繋がらない世界の話【終演しました!たくさんのご来場ありがとうございました】

繋がらない世界の話【終演しました!たくさんのご来場ありがとうございました】

ソテツトンネル

RAFT(東京都)

2010/12/14 (火) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

なんというのか……
「ノアの箱庭」と「かいたい」の回を観たのだけれど、佇まいは面白そうで、面白くなりそうな雰囲気もあるのだが、どちらの芝居も結局イマイチという感じのまま終わってしまった。起承転結の起と承だけ、あるいは起だけ観たような不思議なイマイチ半端感がどんよりと全体を包んでいた。この先どうなるかは気になったのだけれど、不思議なイマイチ半端感は、今のところ私には「つまらない世界」でしかなかった。もう少しで次の世界へ繋がりそうな気もするのだが……。

ネタバレBOX

会場の狭さも問題のひとつなのかなあ。「ノアの箱庭」では役者が大きく動けないでいらだつような感じが伝わってきてこっちが息苦しかったし、「かいたい」の交通量調査の3人は、イスに座りっぱなしで動かないのではあるが、もっと広い場所にポツンと3人固まって座っていたら、それだけでもっと面白みが出た気がする。前の芝居の道具類を舞台から見えないようにできないのも厳しい。
月刊彗星マジック12月号 彗星マジック×コレクトエリット

月刊彗星マジック12月号 彗星マジック×コレクトエリット

彗星マジック

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2010/12/14 (火) ~ 2010/12/14 (火)公演終了

満足度★★★★

今回も楽しめました
コレクトエリックさんは初めてでした。
おそらく普段とは違った感じだったのではないかと思うのですが・・・。
「観てる」んじゃなく、「観られて」いる。
戦々恐々としていたら、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
ひじょうに刺激的な舞台で、個人的にはおもしろかったです。

今回の定点風景は、いろいろてんこ盛り!
最初のほうミュージカル仕立てになってたり。
話に聞いていた噂のウマオは観られたし。
しかも、定点風景の世界のはじまりも観ることができて。
ファンタジックで童話的で、ダンスパフォーマンスは見ごたえあってかっこよくて。
前々回、前回ともまた違った定点風景、楽しく満喫させていただきました。

また来年の月刊彗星マジックも通いたいと思います♪
ありがとうございました!

あなたの部品 リライト

あなたの部品 リライト

北京蝶々

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/12/14 (火) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★

全体と個々
改訂再演、でも改訂前とは全く異なる作品との説明を受けましたが、改訂前は観ていないので先入観なしで観させていただきました。
全編ほぼ出ずっぱりの西村役の役者さんによって、1本の芯が通った作品になっています。
高度な義肢によって障害者の体と心を直すことを一種の美学とする男が、自分自身の歪な精神を映し出したかのような登場人物たちと相対し、やがて疑問を持つようになる。個々の登場人物たちの背景や痛みは描かれており、それが主人公の行動を無理なく引き出すことにはなっています。
ただ、どの登場人物にしてもそのキャラクターの特異性から、感情移入がしやすいかという点については疑問符がつきます。

ネタバレBOX

二人の"上原"の描き方がわかりにくく、全体との絡め方がなんとも中途半端になってしまった感があり、残念です。時折垣間見えるシュールさが、物語全体のわかりやすさと乖離しているためか、その意図を汲み取ることができませんでした。
あと、さすがに至近距離でお尻を見せられた観客は可哀想かと・・・
TIC-TAC 終了いたしました。御観劇くださった方々、出演者、スタッフに心から感謝しています。アリガトウゴザイマシタ。

TIC-TAC 終了いたしました。御観劇くださった方々、出演者、スタッフに心から感謝しています。アリガトウゴザイマシタ。

anarchy film

新宿歌舞伎町特設劇場(東京都)

2010/12/08 (水) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

圧倒された!!
役者のパワーに圧倒されました。
迫力あります。
好きです☆
次回作期待!!

空にはあのひこうき雲

空にはあのひこうき雲

リブレセン 劇団離風霊船

吉祥寺シアター(東京都)

2010/12/08 (水) ~ 2010/12/11 (土)公演終了

満足度★★★

さすがの安定感。ただし・・・
映画の撮影現場を舞台にしたドタバタ劇とほんの少しのミステリー。
こう書くと凡庸に聞こえてしまいそうですが、そこはこの劇団得意技の時事ネタスパイスで見事に乗り切り、まさに鉄板と言えます。
いつものことながら達者な役者さん達の技量に支えられて、本作品も安心して観ていられます。

ネタバレBOX

惜しかったのは、せっかくドリー・カメラをレールに乗せて動くという大仕掛けを用意したのに、動いたのは冒頭1回だけだったこと。
また、クライマックス・シーンで役者の動きがほとんど無くなってしまったのが残念です。
吉永役の方の靴の裏が舞台にこすれる音が気になったのも、集中力を欠くことになってしまいました。すいません。
小さな恋のエロジー

小さな恋のエロジー

毛皮族

駅前劇場(東京都)

2010/12/10 (金) ~ 2010/12/21 (火)公演終了

紅じゃなくて
まさに毛皮テントって感じ。見ていて、嬉し楽しくなりました。お尻まで痛くなってきそうでしたよ。

同窓会へようこそ

同窓会へようこそ

龍昇企画

Space早稲田(東京都)

2010/12/12 (日) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

記憶にない生徒
「おたふく」に集った同級生ら6人と仲居のお話。物語は大笑いはないものの、苦笑!失笑!の類はある。なんせ五十代半ばの人たちの同窓会の話だ。だからキャストらは当然五十代半ばを思わせる人たちだ。しかし、新谷役の山本は三十代でしょう?とタカをくくっていたら、なんと53歳というから、人間の見た目ほどあやふやなことはない。なんせ彼は脱いでも三十代を彷彿とさせるマッチョな肉体なのだ。笑)


以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

40年も前の同級生達は序盤、自分達の近況を報告しあいながらも会話は弾みビール瓶片手にマイク代わりにしてカラオケ大会を始める。勿論、歌う歌は古い。笑
ピンクレディーは50過ぎてるとか、由美カオルって70?とかバカを言って、こきおろしながらもノリノリだった5人だったが、山口だけが陰気に隅っこに座っている。

しかしここに集った同級生らは山口を思い出せない。失礼な話だが同窓会でも思い出せない人って必ず一人や二人は居るものだ。一人が思い切って山口に尋ねたのをきっかけに山口は集った5人に、中学生当時、さんざん苛められて不登校になり、それから7年間引きこもりになったことを告白する。

苛められた側と苛めた側の対比の不条理だが、苛めた側はそれほど重大だと考えないところに今回の溝がある。更にいじめに関しての教師の対応があたかもいじめられる側に起因があるかのごとくの処置だった。

山口は50過ぎた今、心のここの部分にひっかかりがあって、過去の浄化をする為にこの場を設けたのだが、いじめた大人達は「既に終わった昔のこと」と軽くあしらうと同時に陰険な山口を5人は詰りだす。そうして中学生の頃のように1:5になって大人になった今もいじめの構図は変わらないのだ。

やがて激高した山口は包丁を取り出して脅すと、5人は包丁を取ろうともみ合って折り重なった末に山口を刺し殺してしまう。そんな山口を放って、世間の目を気にするあたり、この劇の末恐ろしい人間の本質が見え隠れするのだ。

弱いものいじめ。それは大人になっても社会でも会社でも立場の違いはあっても、あるはず。
そんな可笑しくて悲しくて切ない不条理劇だった。

面白い!観に行って良かったとつくづく思う。




ロボと暮らせば【ご来場ありがとうございました】

ロボと暮らせば【ご来場ありがとうございました】

青春事情

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/12/15 (水) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★

しみじみです。
楽しく、切なく、しみじみと感動です。
お父さんがんばりました。もう充分です。
父と娘。いいですね。

黴菌(ばいきん)

黴菌(ばいきん)

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2010/12/04 (土) ~ 2010/12/26 (日)公演終了

満足度★★★

ケラさんにしては普通過ぎて、やや物足りない
女優陣の奮闘の目立つ公演でした。

同世代なのに、年々より魅力的になる高橋恵子さんの魅惑には、同性ながら、うっとり!
可愛く健気な妻のイヌコさん、ケラさんの奥様になって、益々魅力的なたまきさん、相変わらずの間での笑わせ方が絶妙の池谷さん、ともさかさんも、以前より素敵な女優さんに成長していて、この5人の女優さんの共演が饗宴の光を放っていました。

ただ、ストーリーの方は、小ネタや、台詞回し、独特の所作などで、瞬間的な笑いを取りはするものの、内容自体には、普段のケラさん流の毒も深みもなく、薄味で、わかりやすい反面、やや、噛みごたえに欠ける作品でした。

説明台詞に逃げてしまうことも多く、ちょっと、肩透かしを食った気もします。

音楽がやけに印象に残ると思っていたら、いつも主人が大絶賛している、斉藤ネコさんでした。

セットは、相変わらず、自分好みで、堪能させて頂きました。

ネタバレBOX

高橋恵子さんの存在が、とにかくいつものケラ芝居にない、異彩を放ち、そのため、良くも悪くも、ケラさんカラーが薄れ、万人受けする舞台になっていました。

ストーリーにも、あまりおどろおどろしさがなく、戦争の空気感もあまりなく、登場人物にも、やや、作為的な色を感じました。

特に、仲村トオルさん演じた、当主の情婦の兄が、何故、あの家にあんなに頻繁に顔を出す必要があるのかが全く説明がなく、単に、仲村さんに演じさせるための登場人物に見えて、残念でした。
大変、デフォルメされた人物で、観ていて面白くはあるのですが、役の説得力が希薄と言うか…

人体実験のために、クスリを飲まされ、人格の変わった、岡田さん扮する男が、何故回復したかの説明もなく、兄弟間や、父子の確執描写も、通り一遍でした。

もちろん、ケラさんも、キャストも、プロとしての腕は確かなヒトばかりなので、3時間25分、退屈は決してしないけれど、やや、その点が、物足りなく感じました。
ゆめゆめこのじ / Madam river and Mr.sofa

ゆめゆめこのじ / Madam river and Mr.sofa

AND ENDLESS

笹塚ファクトリー(東京都)

2010/12/09 (木) ~ 2010/12/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

ゆめゆめこのじ:鶴さんチーム観劇です
人物の紹介とか盛り上げ方とか、
話しの見せ方、面白かったです。
どこで終わってもおかしくないような話が後半続いてしまい、
かなり抑揚が希薄になりましたが、十分に楽しめたので。
まぁ良しと致します。
眠くなることも無かったし、好みに合ったという理由でね。

コチャラカ誕生

コチャラカ誕生

bonno108

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2010/12/10 (金) ~ 2010/12/12 (日)公演終了

満足度★★★

上手に角とって丸めた感じ
面白くはあったのだが、
何か一味足りないような・・・。
そんなホワーッとした感覚を受けた芝居(?)でした

オンナの平和

オンナの平和

劇団あおきりみかん

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/12/10 (金) ~ 2010/12/12 (日)公演終了

満足度★★★★

パワフルでエネルギッシュでした
突っ走っているようで実は受身。
主張は叫ぶが地に足が着いてない。
なかなかの空回り具合を熱量傾けて演じきっていました。
感心・敬服いたしました。
方向ベクトルの無いエネルギーの放出劇に感じました。
そして独特な味のある面白さでした。

ネタバレBOX

主人公の叫びではじめてる様で・・・。
じつは会場前から芝居はスタートしていて、
役者さん達が、素舞台上を左右に通行人として。
ズーッと往復しているという、なかなかにエネルギッシュな劇でした。

場面などは、舞台奥に立てかけてある。
3種のグレーの木枠で表現するという、なかなか楽しい肉体表現でした。

さまざまな登場人物いる中で、いろんな人のスパイしてる姉さんが。
雇った人と共に唱和する合言葉とポーズが楽しかった。
「世界に平和を」は、前の座席の女の子が見破ったように、
平和の象徴の「ハト」のまねかな?
「戦争になれ」も、気に入りました(^^)。

あと爽やかそうな、人を祝福するのが好きな男の。
悪人笑いは印象に残りました。(役者さん上手や)

よく言葉で言われそうな、水でもかぶって反省しなさい!
を、地でやった舞台上の主役に本当に水かける事は驚かされました。

オチの、声をかける事への一歩前進は。
ポジティブな上昇印象が上手に出ていて好印象でした。
母を逃がす

母を逃がす

大人計画

本多劇場(東京都)

2010/11/15 (月) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★

変わらないけど変わった生活は続く
とにかく一番最初からケレン味とテンションの高さでは他を圧倒する
勢いで突き抜けていく。 この劇の楽しみ方は何も考えず、ただ目の前で
繰り広げられるネタの連打に身を任せる。 それに尽きます。

冷静に見ていると、何か疲れるので…ね。 というか、クドカンと
サダヲ、良々のゴールデントライアングルの息の合い方が過ぎてて
何度ツボ衝かれた事か。

ネタバレBOX

十年前に初演された作品の再演だそうですけど、多分初演は
もっと意味が分からなくて貧乏臭くて、ダークな雰囲気に
満ち溢れてたんじゃないかと想像。 ここはもっと黒くした方が、というか、
確実に当時はブラックに観せてたよな、と思える個所がちらほら。

今回はダークに展開するよりは笑いに振り切れてたけど、見様によっては
相当落ちるよなぁ。 トビラをモノにしようとする場面とか…!!

村の住人は皆無邪気でどこか大人じゃ無い感じ。 「純粋」が
真空パックされたまま、手つかずで残されているのがここクマギリ。
それはどこの、誰にでもある部分なので、最後「平凡な日常が
続いていく」というモノローグがものすごくささやかなのに忘れがたい。

松尾さん演じる狼中年が、村の危機に覚醒し、カンフーばりの
瞬殺技で一本さんを沈めた時は、ポージングの怪しさに笑った。
松尾さん、やっぱ役者の時が一番輝いてる。 体の動きが怪し過ぎる笑

でも、セルフ・カーテンコールの劇団員紹介が一番面白かったのは
ホントにここだけの話。 紙さんが綺麗過ぎでした。 惚れます。
py.

py.

コメディユニット磯川家

pit北/区域(東京都)

2010/12/10 (金) ~ 2010/12/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かったです♪
東京に進出されてから観続けている磯川家さん。
今回のコントライブもめっちゃ面白かった~!!
大好きなドコナンくんがまた観れたのも嬉しかったです♪
コントライブは上演時間が短い分気軽に観れて、思いっきり笑えるのが良いですね!
来年の本公演もとっても楽しみです☆

鳥賊ホテル

鳥賊ホテル

プリエール

座・高円寺1(東京都)

2010/12/10 (金) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★★

出来すぎた「作り話」
それぞれの事情により、お互いに会うこともなく別々に生きてきた異父兄弟たちの「邂逅」により、母の数奇な人生が浮き彫りにされていく・・・。
俳優たちが巧く、優れた演出によりそれなりに楽しめる公演だった。4度目の上演ということはそれだけ観客に支持されてきた秀作といえよう。
ただ、私は最後まで作品の「作為性」が鼻につき、途中から興ざめしてしまった。お芝居は所詮虚構と言ってしまえばそれまでだが、虚構だということを忘れて観ていられるから芝居は楽しいのであって、本作は兄弟の母親である「小泉とわ」という女性の男性遍歴があまりにも都合よく出来た作り話に感じ、最後には「そのウソホント?」と言いたくなる。まぁ、事実は小説より奇なり・・・とも言うが。
それぞれのエピソードに笑いやホロリとさせるものがあるのだが、筋立てが作為的で「仕掛けを作る」作者の意図がちらつくのがどうにも私の好みではない。「大人の御伽噺」と割り切れなかった。
「小泉とわ」という女が自分の中で生きて血肉のある人物として息づいてくれず、兄弟の会話のキャッチボールはとても面白いのだが、作者の頭の中で作った女にしか感じられなかった。
同様に私生児を生み、戦後、数奇な人生をたどる女を他人によって語らせる「悪女について」という有吉佐和子の傑作小説が舞台化もされたが、あの虚構の強度とどうしても比べてしまう自分がいた。
また、再演物の宿命だが、先回りして笑う客が何人かいたのも興をそいだ。
ただ、あくまで私の好みと満足度の問題で、このお芝居を好きだと言う人の気持ちはよくわかるのでお薦めマークをつけました。

※☆3.5というのが正直な感想ですが、2晩考え抜いた末、これを☆3にしたら、他の芝居との評価バランスがとれなくなると考え直し、☆4に改めさせていただきます。

ネタバレBOX

兄弟の性格づけや人物像はそれぞれよく書けていて面白いし、俳優の演技にも説得力があった。会話劇を退屈させない西山水木の演出が優れていると思う。
長男の大谷亮介が祖母に育てられたいかにも育ちのよい助教授を演じていて、私としては初めて観る役どころだが感心した。父親が強盗だったために何かと兄弟からネタ扱いされる次男の井上隆志が抜群に面白かった。三男の小林正寛も好きな俳優だが、ただ一人母親と暮らした記憶を持たず、父親思いの青年警察官を熱演。「小泉とわ」が登場しないので、彼女の生い立ちは四男の土屋裕一によって語られる。4人の中では一番屈託のない性格で土屋の演技も自然でよい。四男はホストなので女性の話を聞きだすのがうまいという設定。このあたりにも都合のよさを感じてしまう。
兄弟がすべて5つ違いで、ちょうど今年、それぞれの父親がとわに出会った年齢となっていて、母が入院しているなど、作りすぎである。
長男の「木馬」への思い入れや「烏賊ホテル」の由来などが語られる終幕も、筋立てが作為的なので、とってつけたように思え、感動が薄まってしまった感があった。
個人的には不動産屋として案内した風呂場から聞こえる次男の歌が「星のフラメンコ」だったり、「ホストって言ったら中条きよしみたいなのでしょう?」という台詞に、作者の岡本さんとは年齢が近い同窓生ということもあり、懐かしさと親しみを感じた。
舞台美術もセンスがよいと思ったが、窓を開けたときの「海の背景」の絵の質感があまりにもお粗末で残念。
WIREWORKの宇宙大作戦

WIREWORKの宇宙大作戦

WIREWORK

いわてアートサポートセンター・風のスタジオ(岩手県)

2010/12/11 (土) ~ 2010/12/12 (日)公演終了

紙っきれ…
ワイヤーさんの公演を初めて見たのは何年前だったでしょうか?
その当時、前説でアンケート用紙を「紙っきれ」と言い放つ、センスの良さに、ものすごく嫉妬した事、今でも忘れません。

岩手で、誰にでも自信を持って紹介出来る劇団が、僕にとって、ワイヤーワークです。

ワイヤーさんのお芝居って、大小散りばめられた笑い(物語)が核分裂のように、増殖し、スピード感を増していく、遠心力を高め、どこに着地するか、わからない、もうなにがなんだか、わかんない、そんな、混沌というか、なんというか。そういうのが僕は好きです。

所々に光るセンス、お決まりの「ルパン」、客演陣の存在感、ワイヤー陣のやっぱり存在感、等々、あっただんだけど。う~ん。なんだこのもやもやは。

勿論、客席は沸いていたのだけど、これが本領ではないと、なぜか思ってしまった自分がいました。

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