同窓会へようこそ 公演情報 龍昇企画「同窓会へようこそ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    記憶にない生徒
    「おたふく」に集った同級生ら6人と仲居のお話。物語は大笑いはないものの、苦笑!失笑!の類はある。なんせ五十代半ばの人たちの同窓会の話だ。だからキャストらは当然五十代半ばを思わせる人たちだ。しかし、新谷役の山本は三十代でしょう?とタカをくくっていたら、なんと53歳というから、人間の見た目ほどあやふやなことはない。なんせ彼は脱いでも三十代を彷彿とさせるマッチョな肉体なのだ。笑)


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    40年も前の同級生達は序盤、自分達の近況を報告しあいながらも会話は弾みビール瓶片手にマイク代わりにしてカラオケ大会を始める。勿論、歌う歌は古い。笑
    ピンクレディーは50過ぎてるとか、由美カオルって70?とかバカを言って、こきおろしながらもノリノリだった5人だったが、山口だけが陰気に隅っこに座っている。

    しかしここに集った同級生らは山口を思い出せない。失礼な話だが同窓会でも思い出せない人って必ず一人や二人は居るものだ。一人が思い切って山口に尋ねたのをきっかけに山口は集った5人に、中学生当時、さんざん苛められて不登校になり、それから7年間引きこもりになったことを告白する。

    苛められた側と苛めた側の対比の不条理だが、苛めた側はそれほど重大だと考えないところに今回の溝がある。更にいじめに関しての教師の対応があたかもいじめられる側に起因があるかのごとくの処置だった。

    山口は50過ぎた今、心のここの部分にひっかかりがあって、過去の浄化をする為にこの場を設けたのだが、いじめた大人達は「既に終わった昔のこと」と軽くあしらうと同時に陰険な山口を5人は詰りだす。そうして中学生の頃のように1:5になって大人になった今もいじめの構図は変わらないのだ。

    やがて激高した山口は包丁を取り出して脅すと、5人は包丁を取ろうともみ合って折り重なった末に山口を刺し殺してしまう。そんな山口を放って、世間の目を気にするあたり、この劇の末恐ろしい人間の本質が見え隠れするのだ。

    弱いものいじめ。それは大人になっても社会でも会社でも立場の違いはあっても、あるはず。
    そんな可笑しくて悲しくて切ない不条理劇だった。

    面白い!観に行って良かったとつくづく思う。




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    2010/12/15 23:48

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  • Kiri>
    コメントサンクス。

    ええ、その言葉はよく使われますよね。特に幽霊が良く吐くセリフですね♪

    しかしやっぱり人間なんですなー。
    人間とはそういったものだというのも理解しています。
    生きてる限り、摩擦はあるし、気づかないうちに他人を苛めてるかも知れません。
    ワタクシのシビアな劇評を観たら劇団は苛められてる、と思うかも・・。苦笑!

    次回も是非に観たいです。
    チケットプレゼントを実施して頂けると有難いなぁ。
    次回も頑張ってくださいね。

    2010/12/16 01:43

    みささん、ご観劇ありがとうございました。

    作者の直井さんは仲居さんのセリフを借りて、
    「生きてる人間ほど怖いもんなんてありゃしませんよ」を
    一番言わせたかったと言っていました。

    観た方が「あんな人間にはなりたくないよ」と思って頂ければ
    幸いです。 桐原

    2010/12/16 00:04

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