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唾の届く距離で

唾の届く距離で

公益社団法人 国際演劇協会 日本センター

イワト劇場(東京都)

2010/12/16 (木) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★★

事実と言葉の持つ重み
作者のタヘル・ナジーブさん自身が来日し、独白形式の「三章」から成る朗読を行った。
表題が正式翻訳タイトル『唾の届く距離で』に変えられた旨、告知があった。
タヘルさんの朗読は演劇的でありながらも、決して感情過多ではなく静かに訴えかけてくる。
実体験に基づく話で、とても言葉を大切に発している印象。改めて朗読の力を感じた。ピーター・ブルック氏が本作を「『優れた演劇』を遥かに超えるもの」と激賞したのが伝わってくるような朗読劇だった。
ただ、視力の弱い自分にとっては見づらい字幕を追いながらの観劇は、ふだんの倍以上疲労するもので、言語が理解できたらより楽しめたのになぁと思った。ストーリーを理解するために脚本のダイジェストのようなものが添えられていたらな、と思う。もちろん、簡単な作品紹介はパンフにあったけれど。

ネタバレBOX

「イスラエル国籍を持つパレスチナ人である」というタヘル氏自身の体験を綴った作品。
表題は、主人公の故郷の町では、人々が日常行動の中で何かにつけて「唾を吐く」という習慣から来ている。
主人公は世界中を旅しながら演劇活動を行っている。というとまさにジプシーを連想する。ジプシー音楽の演奏家たちもそうである。そのため、「イスラエル国籍を持つパレスチナ人である」という複雑な状況が空港関係者に正しく理解されず、入国の際も思わぬ足止めをくらってしまう。
また、たまたま9月11日に国を越えようとすると、空港関係者が中東人の彼に対し、「何ごとか起こるのではないか」と勝手に過剰反応し、空港内でもピッタリと付き添って行動するので、彼は「何ら懸念するような危害行動を加える心配はない」ということを周囲にわからせようと、つとめて冷静にゆっくりと振舞おうとするのだ。
演劇に携わる者として、彼は舞台以外でも周囲の偏見に対して「望ましい中東人像」を演じなければならないという皮肉を悲哀とユーモアをこめて表現していた。
仕事を終えて、彼はまた「唾を吐く」故郷に戻ってくる。「唾を吐く距離で」というタイトルは、周囲に影響を及ぼさないためにある種の緊張を伴う「唾を吐く際の距離」を国外でも保って行く必要性を表現しているのか。
緊張ある旅から開放され、最後に安心して「唾を吐ける」埃っぽい土地に戻ってきた安堵感のようなものが観ている者にも伝わってくる。
高校演劇サミット2010

高校演劇サミット2010

高校演劇サミット

アトリエ春風舎(東京都)

2010/12/17 (金) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

都立世田谷総合高校演劇部
あの名作「あゆみ」でした。ひとりの女の子が生まれてからの18年間を、6人でかわるがわる演じた舞台。

☆次回、高校演劇関東大会があります。無料ですので宜しかった観てあげてください。マニアの方が観ても相当なハイレベルですので期待できるかと思います。http://www2.odn.ne.jp/~cai42040/engeki/index.htm

ネタバレBOX

まず懐かしいと思う。同時に演じ手が変わって演出も変わってくると、また新しい物語のように感じるから不思議。
あゆみが、はいはいから始めて立っちした場面までを、6人があゆみになったり、コロ(犬)になったり、おばあちゃん、母親、父親、友人になったりと歩きながらくるくる繰り返す。その演出は実にお見事で、正に人生とはずっと歩み続けることなのだ。

幼少のあゆみ、犬を飼いたいとねだったあゆみ、犬と祖母と歩いた道のり、げんこつあめの思い出、思春期の淡い恋、祖母の死、そうして失恋・・、それらは走馬灯のようにくるくる回りながら人生という名の道のりを時には迷いながら、時にはつまずきながらも、「最初の一歩」の続きを、こんどは「続きの一歩」としてずっと歩み続けるのだ。

そうして亡くなったおばあちゃんはずっとあゆみを遠くの空から見守っているから、いまでもあゆみは元気を出したいときにげんこつあめを舐める。

序盤、あゆみの初めての立っちを演じた本橋道江の演技があまりにも絶妙だった為に、ワタクシの視点は彼女を追うことに終始してしまったが、素晴らしい役者だと心から思う。失恋した後に彼女が号泣するシーンではポロリ・・と泣けた。
本も素晴らしいけれど、演じた生徒も凄かった。
The Lifemaker【WEBサイトにて舞台写真公開中!】

The Lifemaker【WEBサイトにて舞台写真公開中!】

DART’S

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/12/07 (火) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

一回では…
一回見ただけでは
「ふむふむ、あはは、えっ、えぇっ!ワー、キャー、ドッカ~ン!」
と情報量と熱量に圧倒されて
面白いんですけどそれだけで終わってしまった。

二回目見てようやくいろいろなコトを理解できて
ついていくことができました。

国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)

国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)

国道五十八号戦線

サンモールスタジオ(東京都)

2010/12/08 (水) ~ 2010/12/13 (月)公演終了

満足度★★★★

また会う日まで…
初日ナシ→千秋楽アリ観劇。

ナシは学生時代に書かれた作品ということもあってか
向こう見ずな若者のエネルギーが満ちあふれていました。

千秋楽、何か挨拶でもあるかなと思いきや
カーテンコールすらないというのは
彼らの意地のようなものなのでしょうか。

舞台 蒼穹のファフナー

舞台 蒼穹のファフナー

アフリカ座

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2010/12/16 (木) ~ 2010/12/21 (火)公演終了

満足度★★★

なんかずるくね?
アニメをすでに見ている観客を想定して舞台装置などがほぼゼロ状態で、見ている人はあきらかに頭の中でアニメのファフナー等を頭の中に思い浮かべながら見ている、ような気がした。見てない私は、なんか取り残されたような感じ。。。いい話だったけど、やっぱアニメを見ていない人にはすすめられない。

美しきものの伝説

美しきものの伝説

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2010/12/16 (木) ~ 2010/12/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

死者の声を届けてくれた。
芸術と娯楽の間で七転八倒してきた、そして今も同じことを繰り返している私達がいた。若い俳優らが物語の登場人物、つまり実在した歴代上の人物として存在し、死者の生の声を届けてくれた。透明の箱が並ぶ美術の効果は無尽蔵。蜷川幸雄さん、そして彩の国さいたま芸術劇場だからできることを見せてくれた。
三方囲みの客席で自由席なので、劇場へはどうぞお早めに。

愉快犯

愉快犯

柿喰う客

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2011/01/07 (金) ~ 2011/01/16 (日)公演終了

満足度★★★★

貴重な体験をさせていただきました。
ありがとうございました。当選者数が少なかったのでびっくりしました。普段演劇を鑑賞する以外はまったく演劇界とは無縁の世界に住んでいるので、稽古風景を見られるだけで大変興味深かったです。あまりに素人すぎて劇の本筋よりも普段見られない舞台外の風景に目を奪われてしまいました。例えば自分の演技が終わった後の俳優さんがどういう表情になるとか、出番がない時は隅で小さくなってるんだ~とか、台詞を忘れたときは手を挙げるんだとか、声でかっ!、とか、くだらないところについ目が行ってしまいました。

ネタバレBOX

舞台をよりよくするためのコメントが思いつきません。役に立たない見学者ですみません~。あ、でも、あのテンションの高い演技も、いつかはずしたいな~と思う時が来るんですよね?
往きて還らず

往きて還らず

北区つかこうへい劇団

滝野川会館 大ホール(もみじ)(東京都)

2010/12/16 (木) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

いきなり「R-15指定にしなくていいのか!?」というようなシーン!
いや、始まりだけでなく、そんなシーンは何度も登場するのだけど、観ていると、次第に意味あいが変わってくる。最後はそんなシーンになっても女優さんの太股なんか、涙で見えませんでした。この劇団の芝居は、空回りすると「あんな長い時間、大声出して演技して、俳優さんは体力あるねえ」だけが観劇後の感想になってしまったりするのだけれど、この芝居では、役者の熱演と、物語の内容と、その演出のバランスがとてもいいように思えた。特攻隊員が順送りに一人の女性を守り(むしろ、自分のものにし!?)、しまいにはその女性は慰安婦になって戦災で死んでしまうのだけれど、そんな物語の中に、人間の愚行とか狂気とか反戦云々とかいうメッセージだけではなく、一筋の人間讃歌のようなものを感じてしまった。間違いなく、劇団の代表作のひとつになると思う。

ネタバレBOX

「シバの女王」が流れたり、和服の下が洋風の下着だったり……など、それらしくない場面の演出は、つかさんの頃からよくあると思うけど、この劇団らしいユーモアというか、その気になって観ていると、あの瞬間に、しょせん、やっぱり、当然、これは「今」の時代に演じられているものに過ぎないのだと、現実に引き戻される瞬間があって、私は割と好きです(私の性格がひねくれているだけか?)。
スイッチ【公演終了】

スイッチ【公演終了】

東京アシンメトリー舘【閉舘】

渋谷 夜カフェLAX(東京都)

2010/12/17 (金) ~ 2010/12/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

スイッチ
前回よりも好き嫌いがハッキリわかれそうな感じがした。話は難しくないけど、演出の表現が過剰で、これが理解できるかできないかが評価の別れかなと。前説で「気軽に観てください。くだらないことを真面目にやってます。」と言ってたので、かまえずに観たから素直に楽しめた。人形劇が特に好きでした。

ロボと暮らせば【ご来場ありがとうございました】

ロボと暮らせば【ご来場ありがとうございました】

青春事情

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/12/15 (水) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

チラシのロボットのイメージがあったので
お父さんが出てきたときにはうろたえましたね、いや、いろいろな意味で……(チラシとそっくりのロボットが出てきてもうろたえるだろうけど……)。タイトルからすると、井上ひさしの作品のパロディかなとは思ったけど、観ても読んでもいないので、そのへんはわからない状態でした(と書きつつ、いま、ざっとネットで調べたら、あらすじ読んだだけでも面白そう。さすが!)。父と子とか、結婚の許しを受けるとか、正直、あまり好みではない種類の物語だけど、全体的に嫌味のない好感の持てる印象。私は直前に『往きて還らず』を観てエグ泣き(?)したせいもあるのか涙は出なかったけど、客席で、もう声を抑えられないで泣いている人が二人くらいいて驚いた。

ネタバレBOX

お父さんたら、ジャージ着て、口からあごに腹話術の人形みたいに2本線が描いてあるんだもの……見るからに人が良さそうだし……人が良さそうなロボットって、どうなの(笑)? 4種類あるチラシ、他の劇場の座席に置くときは、隣同士が違うデザインのチラシになるような工夫までしたとか。そういうこだわりも今回のチケットのデザインも、好きだなあ。
ロボと暮らせば【ご来場ありがとうございました】

ロボと暮らせば【ご来場ありがとうございました】

青春事情

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/12/15 (水) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★★

チケットなかなか気に入った
好みの話でした。
確執はいろいろあれど、氷解していく様は感動できたかな。
細やかなトコロと説明不足なトコもあるけど、
概ね楽しめました。
でも最後尾の客席だと舞台の手前が、かなり観辛かった。
そーゆー舞台の作りには、しない方がよいのではなかろうか?

ネタバレBOX

しかし本当にロボットだったとは・・・。
作中で実の父親の意識というか、
個性を基に作成されたような事言ってましたが。
その辺の事なんかはきっちりさせて欲しかったかな。

婚約者殴った時、殴られた方が。
「ロボット3原則」は?とか「暴走ロボット!?」とか言って、
混乱してみて欲しかったかな。

演出上、時々ロボの駆動音無くなったのはチト残念。
動いてる時は、きちんと駆動音させて欲しかった。

エピローグでショウちゃんが見てるのが、
本当のモニターだったり、空調丁寧に調節してたり。
細かい配慮は良かったのに、舞台の観え辛さが残念でした。

個性溢れる周囲のキャラ達も、
なかなか楽しかったです。
ヴェールを纏った女たち

ヴェールを纏った女たち

公益社団法人 国際演劇協会 日本センター

イワト劇場(東京都)

2010/12/17 (金) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★★

言葉で伝わってくるもの・肌合いで伝わってくるもの
イスラム的モラルや価値観が
語られる言葉だけはなく
役者たちが築き上げる
個々のニュアンスの色で伝わってきて・・・。

感情の起点は言葉で表されても
感情そのものを共振させるのは
あくまでの役者たちの演ずる力。

リーディング的な表現の力と
演劇的な空気の表現で
しっかりと浮かび上がってくるものがありました。

ネタバレBOX

冒頭のおしゃべりに近いスピードと勢いには
リーディングというよりは
すでに舞台でのお芝居に近い感覚があって。
さらに読み進められていく
観る側と異なる文化のなかでの
恋愛感情の高揚も
平凡さに塗り込められ隠された内面の奥行きたちも
身体的不自由さのなかでの鬱積やあこがれも
異教に導かれていく心的風景の描写も
それぞれにしなやかに制御された
言葉たちで伝えられながら
言葉に流されない想いを舞台に醸し出していく。

観る側も、与えられた言葉を咀嚼して
異文化の価値観をみつめるだけではなく
むしろ、読みあげられる言葉たちを
追い越していくような空気の流れにこそ
前のめりになって取り込まれていくのです。

それは速度だったり
しっかりと作られた空気の軽重だったり
時には役者たちの表情だったり
リーディングを一歩踏み出したような
間だったり・・・。
言葉からやってくる異文化や
倫理観の違いを呑みこんでしまうような
女性たちの普遍的な感情が
役者たちの手練から鮮やかに伝えられていきます。

未熟で抑制できない想いも
あるいは深い思慮が編み込まれた想いも
ひとつずつが貫くようにしっかりと演じられ
よしんばそれが
異教徒には共感しにくい宗教的倫理や文化に染められていても
感覚として
あるがごとく観る側に入り込んでくる。
舞台上に醸し出される密度には
息を呑むような力があり
違和感と共感、それぞれが互いを織り込むように肌合いを作り
観る側に包み込んでいく。

役者たちにも言葉を伝えるなかで
言葉に流されないだけの
底力のようなものがあって・・・。

いろんな印象が綾織りのように浮かび上がってくる
秀逸な舞台でありました。




Re:トライカクテル

Re:トライカクテル

けったマシーン

小劇場 楽園(東京都)

2010/12/16 (木) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★★

なかなか楽しめた
狭い「楽園」の空間をうまく生かし、カフェバー公演風にしたのが面白い。このところバー公演で良い物に当たらなかったので、「掘り出し物」に思えた。
クリスマス物として悪くはないし、前回の作品よりは進化しているように感じた。
この作者は回想を入れた謎めいた作品が好みのようで、背伸びをして荒削りな点もいくつか見受けられるが、私は作品に好感を持っている。
まだ若い人らしいので、伸びしろはありそうだ。
やはり年を重ねて身に着けていくものはあると思うし、事実、学生時代から観続けている劇団の作家もみなそうだったのであまり心配はしていない。
実のところ劇作には全く向いていないと思われる作家もときにはいるが、この作家はそうではないと思う。
内容の感想はネタバレにて。

ネタバレBOX

前作より短い70分物というのが良かった。あわただしいバー公演をいくつも観ているせいか、ゆったりしたテンポを楽しめたし、珍しく時計を見ることなく過ごした。ただ、長めで無言のジェスチャー場面が多いのは気になった。
何事も中途半端で煮え切らず、表情も乏しいサラリーマン三田(高山五月)。職場で同期の男(斉藤央)が出世して上司になり、ほとんどいじめ状態にあっても、満足に自分の心情も話せない。こういう人を私は身近に知っているので共感がもてた。
私が一番気になった点は、マスター(小野寺駿策)の編集者の妻(木畑舞子)がしょっちゅう夫の職場であるバーにやってくること。最近のTVドラマにも多いパターンで、舞台設定と進行上しかたがないのかもしれないが夫婦だとあまりありえないことだ。せいぜい婚約者の設定にしておいたほうがよかったと思う。また、妊娠がわかってからの妻の飲み物は明らかに水とわかるものだったが、台詞でそれをわからせたほうが親切だったのでは。
作家志望の三田と編集者の描き方も安直さは感じた。
パンフに配役が載っていないのは、小説の登場人物である男女(宮尾政成、後閑真純)の存在を伏せたかったためだと思うが、彼女の浮気をほのめかす上司の発言もあるので、この「彼女」が別の「彼氏」とデートしてるのかと誤解するようにも見せているのは、なかなか巧いと思った。
三田がサンタとも読める役名もいい。
マスターが妻の妊娠をガンのような重病と勘違いしたり、常連のタマキ(角北龍)が彼女に買ってやったコンサートのチケットが実は近藤(坂本真太郎)に関係しているのではと思わせる笑いの場面も、あざとさはあるが面白く観られた。善意の人間関係によるきれい事にまとめず、近藤に「三田の苦境は自業自得」と言わせるのも観客を代弁しているようでよいと思った。
登場人物の男女の会話によって三田が事故にあって死んだと思われるが、そのあとの最終場面が、上司も交えてやけに和気藹々としているのを三田が眺めているというハッピーエンド風なのが違和感を覚えた。冒頭のサンタが人を殴る場面もサスペンス風だが、内容がサスペンスではないので、あまり効果的には感じなかった。むしろないほうが良かったと思う。
前作とは違う役どころを演じた高山と坂本、前回よりは「間」がよくなっていた小野寺など、前回の公演メンバーの変化もうれしく感じられた。
海賊ハイジャックの斉藤の現代物も客演ならではの新鮮さだ。
今後、作者が劇団員ともにどのように成長していくか、長い目で見守りたいと思っている。

Re:トライカクテル

Re:トライカクテル

けったマシーン

小劇場 楽園(東京都)

2010/12/16 (木) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

主人公の不器用さは・・・・
いまひとつだったかな、いろいろと。
もっとミリミリと、細かいトコロ煮詰めないといけない余地があった。
ように感じました。
クリスマスに、その象徴のサンタが人を殴る!
というインパクト、見せたかったんですかな?
う~む・・・・・。 でした

ネタバレBOX

要領の悪い男が、いろいろあって立ち直る物語に・・・
なってなかったような気がする。

会社クビにして、彼女まで取った上司さんは。
なかなか悪役振りがハマッテました。

けど主人公さん、物語書ける作家の割りに。
感性乏しく、空気読めず。設定に無理ありませんか?
表面行動と内面の精神活動にズレがあって、
自己ペースで小説とか書かせると良いが、
チーム作業での会社の仕事ではペースを乱してたとか。
そーゆー設定には出来なかったんだろうか?

主人公の作品世界のカップルにしても、
12月に合わせない服装にして、観客に違和感もたせるとかの、
工夫が必要だったのでは?

舞台はバーが中心なのだが、
いろいろ変な事が重なったりするトコなんだし、
BAR「特異点」でしたとか名前付けて観客の笑い取るとか。

現実の登場人物の格好も12月に向けて、
だんだん厚着にしてったり。会話の中に月日入れたりして。
ラストのクリスマスイブに何かあるんだ!
と鋭い観客にヒント与えるとか、必要だったのでは?

オープニングの殴るシーンとかは入れない方が・・、とも思った。

オチは観客に投げられた様な気がしますが、
聖夜の話なんだから、奇跡おこして明るく閉めた方が良いとも思った。

主人公車に轢かれる
(照明でやってたけど、ブレーキ音の方が判り易いです)
で奇跡的に軽症・でも利き手折る・彼女に原稿が届けられ・
元鞘に納まり・口述筆記で暫く本書くとか(彼女に手伝ってもらってね)。
明るいオチの方が良かったと思いましたが・・・。
(せめて主人公カップルぐらいはねぇ)

バーのマスターとそのバイトくん。
ボーっとしたマスターだけど、目分量でもきっちりカクテルが作れるところと、
バイト君はスイングメジャーカップとか、しっかり使うようにしてたりとか。
ミキシンググラスやバースプーンなんかも、さりげなく使ってみてたり。
細かいトコ本格的にして欲しかった。メジャーカップ使う程度じゃねぇ・・。
せっかく本当に液体使って飲んでたんだし、あと一押し!!

らしさの追求してほしかったデス

嘘つき鉄心『IRON HEART』

嘘つき鉄心『IRON HEART』

福岡演劇博多衆

博多座(福岡県)

2010/12/17 (金) ~ 2010/12/18 (土)公演終了

やる意義はあったと思う
正直言って心配していた公演ではあったのだが
厳しい条件の元でいい舞台をつくりあげたのではないかと思った。
私が時代物は苦手ということもあったけど、それでもたぶん若い人たちに
受け入れやすい形態になっていたのではないだろうかと思った。
話も悪くはなかったのだがこれだけの内容を盛り込むには時間が
短すぎたようだ。きらりと光る役者さんはたくさんめっけたw

ネタバレBOX

私はスポーツをしているのでいつも思うのだが、何かを集団でやるときは
同価値感、同レベルをそろえたほうが絶対に楽しめる。
しかもこの広い劇場では相当数をそろえないと映えない。地元だけでは
厳しい条件だったと思う。
いろんな評価はあったと思うが観客席で「おもしろかったね♪」
という声もたくさん聞いた。役者さんはそれぞれの劇団でさらにステップアップ目指して欲しい。
姫子と7人のマモル

姫子と7人のマモル

ネルケプランニング

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2010/12/18 (土) ~ 2010/12/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

クリスマスシーズンにぴったり
魅力的な俳優陣に心温まるストーリー。クリスマスシーズンには理想的なお芝居でした。観客の女率97%。

普段のステージの前にさらに四角いステージを作り、そこで殆どの演技が行なわれるため、いつもなら少し後ろかなあって感じる席でも抜群の臨場感でした。

ヴェールを纏った女たち

ヴェールを纏った女たち

公益社団法人 国際演劇協会 日本センター

イワト劇場(東京都)

2010/12/17 (金) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

神様と私
神様たちや、私たち。でない、というのはしんどかろう。

高校演劇サミット2010

高校演劇サミット2010

高校演劇サミット

アトリエ春風舎(東京都)

2010/12/17 (金) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★

「あゆみ」は大嫌いなのですが
◇都立世田谷総合「せたそーのあゆみ」
彼女らがそこで終わらせたのは賛成。

◇都立飛鳥「デイドリーム」
だから、そこは是非とも戸川純でお願いしたい。「蛹化の女」とか。

ネタバレBOX

平田オリザ「転校生」でチャットであったものが、柴幸男「あゆみ」ではツイッターになった。
15 Minutes Made Volume10

15 Minutes Made Volume10

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/12/16 (木) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

味のある短編集
小劇場で活躍中の劇団による短編集。中でもぬいぐるみハンターは傑作。途中休憩を入れないで一挙上演がよいのでは。

この星にともる光

この星にともる光

テアトロサンノーブル

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2010/12/17 (金) ~ 2010/12/27 (月)公演終了

満足度★★★★

大人のドラマと素晴らしい出演陣
一見ただ世間話を続けているだけ。でも徐々にバックグラウンドやテーマが浮かび上がってくる感覚は独特の面白さがありました。
個性的な役者たちが演じる登場人物もそれぞれに事情を抱えていて、それが見えてくるに従い、観ているこちらも感情移入させられていきます。

必然性はあまりないのですが、大人のドラマに華を添えているのがやっぱりクリスマス。ちょっとだけロマンチックなラストが待っています。
それだけに、最後の暗転はもっと長くて良かったかも。もっと余韻をくれと。

あと役者がイマイチだったらつまらなかっただろうな、と思いました。
それだけ出演者の方々が素晴らしかったのですが、個人的には脚本と演出と音楽で圧倒されるような作品が好きなもので(笑)、ちょっと物足りなかったかな。

ネタバレBOX

「お捨てメリンダ」が心に響きました。どこかで聴いたことあると思い、帰って調べたところ、フォークシンガー高石友也のアルバムに入ってたんですね。

子供の頃、ボクの叔父がLPを持っていたので数回聴いたことがありましたが、その頃はこの歌の意味も素晴らしさも分からなかった。
大人になった今は分かるんだなぁと勝手にしみじみしました(笑)
もちろん、あの場面だからこそ、なのですが。

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