
唾の届く距離で
公益社団法人 国際演劇協会 日本センター
イワト劇場(東京都)
2010/12/16 (木) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
満足度★★★★
事実と言葉の持つ重み
作者のタヘル・ナジーブさん自身が来日し、独白形式の「三章」から成る朗読を行った。
表題が正式翻訳タイトル『唾の届く距離で』に変えられた旨、告知があった。
タヘルさんの朗読は演劇的でありながらも、決して感情過多ではなく静かに訴えかけてくる。
実体験に基づく話で、とても言葉を大切に発している印象。改めて朗読の力を感じた。ピーター・ブルック氏が本作を「『優れた演劇』を遥かに超えるもの」と激賞したのが伝わってくるような朗読劇だった。
ただ、視力の弱い自分にとっては見づらい字幕を追いながらの観劇は、ふだんの倍以上疲労するもので、言語が理解できたらより楽しめたのになぁと思った。ストーリーを理解するために脚本のダイジェストのようなものが添えられていたらな、と思う。もちろん、簡単な作品紹介はパンフにあったけれど。

高校演劇サミット2010
高校演劇サミット
アトリエ春風舎(東京都)
2010/12/17 (金) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
都立世田谷総合高校演劇部
あの名作「あゆみ」でした。ひとりの女の子が生まれてからの18年間を、6人でかわるがわる演じた舞台。
☆次回、高校演劇関東大会があります。無料ですので宜しかった観てあげてください。マニアの方が観ても相当なハイレベルですので期待できるかと思います。http://www2.odn.ne.jp/~cai42040/engeki/index.htm

The Lifemaker【WEBサイトにて舞台写真公開中!】
DART’S
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/12/07 (火) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
一回では…
一回見ただけでは
「ふむふむ、あはは、えっ、えぇっ!ワー、キャー、ドッカ~ン!」
と情報量と熱量に圧倒されて
面白いんですけどそれだけで終わってしまった。
二回目見てようやくいろいろなコトを理解できて
ついていくことができました。

国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)
国道五十八号戦線
サンモールスタジオ(東京都)
2010/12/08 (水) ~ 2010/12/13 (月)公演終了
満足度★★★★
また会う日まで…
初日ナシ→千秋楽アリ観劇。
ナシは学生時代に書かれた作品ということもあってか
向こう見ずな若者のエネルギーが満ちあふれていました。
千秋楽、何か挨拶でもあるかなと思いきや
カーテンコールすらないというのは
彼らの意地のようなものなのでしょうか。

舞台 蒼穹のファフナー
アフリカ座
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2010/12/16 (木) ~ 2010/12/21 (火)公演終了
満足度★★★
なんかずるくね?
アニメをすでに見ている観客を想定して舞台装置などがほぼゼロ状態で、見ている人はあきらかに頭の中でアニメのファフナー等を頭の中に思い浮かべながら見ている、ような気がした。見てない私は、なんか取り残されたような感じ。。。いい話だったけど、やっぱアニメを見ていない人にはすすめられない。

美しきものの伝説
彩の国さいたま芸術劇場
彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)
2010/12/16 (木) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
死者の声を届けてくれた。
芸術と娯楽の間で七転八倒してきた、そして今も同じことを繰り返している私達がいた。若い俳優らが物語の登場人物、つまり実在した歴代上の人物として存在し、死者の生の声を届けてくれた。透明の箱が並ぶ美術の効果は無尽蔵。蜷川幸雄さん、そして彩の国さいたま芸術劇場だからできることを見せてくれた。
三方囲みの客席で自由席なので、劇場へはどうぞお早めに。

愉快犯
柿喰う客
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2011/01/07 (金) ~ 2011/01/16 (日)公演終了
満足度★★★★
貴重な体験をさせていただきました。
ありがとうございました。当選者数が少なかったのでびっくりしました。普段演劇を鑑賞する以外はまったく演劇界とは無縁の世界に住んでいるので、稽古風景を見られるだけで大変興味深かったです。あまりに素人すぎて劇の本筋よりも普段見られない舞台外の風景に目を奪われてしまいました。例えば自分の演技が終わった後の俳優さんがどういう表情になるとか、出番がない時は隅で小さくなってるんだ~とか、台詞を忘れたときは手を挙げるんだとか、声でかっ!、とか、くだらないところについ目が行ってしまいました。

往きて還らず
北区つかこうへい劇団
滝野川会館 大ホール(もみじ)(東京都)
2010/12/16 (木) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
いきなり「R-15指定にしなくていいのか!?」というようなシーン!
いや、始まりだけでなく、そんなシーンは何度も登場するのだけど、観ていると、次第に意味あいが変わってくる。最後はそんなシーンになっても女優さんの太股なんか、涙で見えませんでした。この劇団の芝居は、空回りすると「あんな長い時間、大声出して演技して、俳優さんは体力あるねえ」だけが観劇後の感想になってしまったりするのだけれど、この芝居では、役者の熱演と、物語の内容と、その演出のバランスがとてもいいように思えた。特攻隊員が順送りに一人の女性を守り(むしろ、自分のものにし!?)、しまいにはその女性は慰安婦になって戦災で死んでしまうのだけれど、そんな物語の中に、人間の愚行とか狂気とか反戦云々とかいうメッセージだけではなく、一筋の人間讃歌のようなものを感じてしまった。間違いなく、劇団の代表作のひとつになると思う。

スイッチ【公演終了】
東京アシンメトリー舘【閉舘】
渋谷 夜カフェLAX(東京都)
2010/12/17 (金) ~ 2010/12/29 (水)公演終了
満足度★★★★★
スイッチ
前回よりも好き嫌いがハッキリわかれそうな感じがした。話は難しくないけど、演出の表現が過剰で、これが理解できるかできないかが評価の別れかなと。前説で「気軽に観てください。くだらないことを真面目にやってます。」と言ってたので、かまえずに観たから素直に楽しめた。人形劇が特に好きでした。

ロボと暮らせば【ご来場ありがとうございました】
青春事情
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/12/15 (水) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
チラシのロボットのイメージがあったので
お父さんが出てきたときにはうろたえましたね、いや、いろいろな意味で……(チラシとそっくりのロボットが出てきてもうろたえるだろうけど……)。タイトルからすると、井上ひさしの作品のパロディかなとは思ったけど、観ても読んでもいないので、そのへんはわからない状態でした(と書きつつ、いま、ざっとネットで調べたら、あらすじ読んだだけでも面白そう。さすが!)。父と子とか、結婚の許しを受けるとか、正直、あまり好みではない種類の物語だけど、全体的に嫌味のない好感の持てる印象。私は直前に『往きて還らず』を観てエグ泣き(?)したせいもあるのか涙は出なかったけど、客席で、もう声を抑えられないで泣いている人が二人くらいいて驚いた。

ロボと暮らせば【ご来場ありがとうございました】
青春事情
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/12/15 (水) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
満足度★★★★
チケットなかなか気に入った
好みの話でした。
確執はいろいろあれど、氷解していく様は感動できたかな。
細やかなトコロと説明不足なトコもあるけど、
概ね楽しめました。
でも最後尾の客席だと舞台の手前が、かなり観辛かった。
そーゆー舞台の作りには、しない方がよいのではなかろうか?

ヴェールを纏った女たち
公益社団法人 国際演劇協会 日本センター
イワト劇場(東京都)
2010/12/17 (金) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
満足度★★★★
言葉で伝わってくるもの・肌合いで伝わってくるもの
イスラム的モラルや価値観が
語られる言葉だけはなく
役者たちが築き上げる
個々のニュアンスの色で伝わってきて・・・。
感情の起点は言葉で表されても
感情そのものを共振させるのは
あくまでの役者たちの演ずる力。
リーディング的な表現の力と
演劇的な空気の表現で
しっかりと浮かび上がってくるものがありました。

Re:トライカクテル
けったマシーン
小劇場 楽園(東京都)
2010/12/16 (木) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
満足度★★★★
なかなか楽しめた
狭い「楽園」の空間をうまく生かし、カフェバー公演風にしたのが面白い。このところバー公演で良い物に当たらなかったので、「掘り出し物」に思えた。
クリスマス物として悪くはないし、前回の作品よりは進化しているように感じた。
この作者は回想を入れた謎めいた作品が好みのようで、背伸びをして荒削りな点もいくつか見受けられるが、私は作品に好感を持っている。
まだ若い人らしいので、伸びしろはありそうだ。
やはり年を重ねて身に着けていくものはあると思うし、事実、学生時代から観続けている劇団の作家もみなそうだったのであまり心配はしていない。
実のところ劇作には全く向いていないと思われる作家もときにはいるが、この作家はそうではないと思う。
内容の感想はネタバレにて。

Re:トライカクテル
けったマシーン
小劇場 楽園(東京都)
2010/12/16 (木) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
主人公の不器用さは・・・・
いまひとつだったかな、いろいろと。
もっとミリミリと、細かいトコロ煮詰めないといけない余地があった。
ように感じました。
クリスマスに、その象徴のサンタが人を殴る!
というインパクト、見せたかったんですかな?
う~む・・・・・。 でした

嘘つき鉄心『IRON HEART』
福岡演劇博多衆
博多座(福岡県)
2010/12/17 (金) ~ 2010/12/18 (土)公演終了
やる意義はあったと思う
正直言って心配していた公演ではあったのだが
厳しい条件の元でいい舞台をつくりあげたのではないかと思った。
私が時代物は苦手ということもあったけど、それでもたぶん若い人たちに
受け入れやすい形態になっていたのではないだろうかと思った。
話も悪くはなかったのだがこれだけの内容を盛り込むには時間が
短すぎたようだ。きらりと光る役者さんはたくさんめっけたw

姫子と7人のマモル
ネルケプランニング
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2010/12/18 (土) ~ 2010/12/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
クリスマスシーズンにぴったり
魅力的な俳優陣に心温まるストーリー。クリスマスシーズンには理想的なお芝居でした。観客の女率97%。
普段のステージの前にさらに四角いステージを作り、そこで殆どの演技が行なわれるため、いつもなら少し後ろかなあって感じる席でも抜群の臨場感でした。

ヴェールを纏った女たち
公益社団法人 国際演劇協会 日本センター
イワト劇場(東京都)
2010/12/17 (金) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

高校演劇サミット2010
高校演劇サミット
アトリエ春風舎(東京都)
2010/12/17 (金) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
満足度★★★
「あゆみ」は大嫌いなのですが
◇都立世田谷総合「せたそーのあゆみ」
彼女らがそこで終わらせたのは賛成。
◇都立飛鳥「デイドリーム」
だから、そこは是非とも戸川純でお願いしたい。「蛹化の女」とか。

15 Minutes Made Volume10
Mrs.fictions
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/12/16 (木) ~ 2010/12/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
味のある短編集
小劇場で活躍中の劇団による短編集。中でもぬいぐるみハンターは傑作。途中休憩を入れないで一挙上演がよいのでは。

この星にともる光
テアトロサンノーブル
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2010/12/17 (金) ~ 2010/12/27 (月)公演終了
満足度★★★★
大人のドラマと素晴らしい出演陣
一見ただ世間話を続けているだけ。でも徐々にバックグラウンドやテーマが浮かび上がってくる感覚は独特の面白さがありました。
個性的な役者たちが演じる登場人物もそれぞれに事情を抱えていて、それが見えてくるに従い、観ているこちらも感情移入させられていきます。
必然性はあまりないのですが、大人のドラマに華を添えているのがやっぱりクリスマス。ちょっとだけロマンチックなラストが待っています。
それだけに、最後の暗転はもっと長くて良かったかも。もっと余韻をくれと。
あと役者がイマイチだったらつまらなかっただろうな、と思いました。
それだけ出演者の方々が素晴らしかったのですが、個人的には脚本と演出と音楽で圧倒されるような作品が好きなもので(笑)、ちょっと物足りなかったかな。