夏の夜の夢
劇団だるま座
アトリエだるま座(東京都)
2011/01/29 (土) ~ 2011/02/07 (月)公演終了
満足度★★★★
無駄に楽しかった
多数のキャストらが織り成す独自のコメディ「夏の夜の夢」だった。喜劇そのもので文句なしに楽しかった。次回も観たい。
雨と猫といくつかの嘘.
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2011/01/30 (日) ~ 2011/02/08 (火)公演終了
満足度★★★★
最終日でしたが
淡々と終わり、いい後味でした。この劇団らしいな。これも劇の余韻を残す演出のひとつなのかな、と思ったほどでした。他の方も書かれていますが、役者さんの所作が美しく、ノックや傘を開く所作など、一種の様式美を感じたほどです。地味なのですが、何か他の劇団とは違うものを目指しているような感じでしたね。次回作もぜひ観たいです。
恋する、プライオリティシート
コメディユニット磯川家
インディペンデントシアターOji(東京都)
2011/02/05 (土) ~ 2011/02/14 (月)公演終了
満足度★★★★
笑えるのにいい話
いい話満載。
見た後に気分が晴れやかになりますよ。
実話も含まれてるそうで、どこからどこまでが実話だったのか…
こんな話が本当にあったらきゅんきゅんする。
ネタバレBOX
以下ちょっと気になった点。
なんか暗転多いなーと思ったんだけど、迫田弟の移動手段を見せないための暗転と、それを強調させないためのその他の暗転かなぁ。
ちょっとぎゃーぎゃー感がうるさかったかな。
理香さんのツンデレの割合がね、私不満。
ツンツンしすぎ。もうちょっとデレが欲しい。
バーに入ってきた人物の話題に急に転がることが多かったかも。
もっと伏線をはっておいてくれれば、「この人がさっき話題になってた人??」という期待感が高まって面白かったと思う。
あと、人物の名前があり得なさ過ぎてちょっと、うん。
もうちょっと普通にある名前にすればよかったのに。
せっかく迫田弟が出てきたんだから、仲たがいした迫田兄弟の絆の復活も見たかったなーっていうのは欲張りすぎ?
いろいろ並べましたが、いやぁ、とっても面白かったですよ。
ピアニストさん、暗転中でも引き続けるのが凄いな!
(わかんない、ピアニストって得てしてそういうものなのかもしれないけど、
ピアノ習ってたのにもう全然弾けない私的には超凄い!)
11人いる!
Studio Life(劇団スタジオライフ)
あうるすぽっと(東京都)
2011/02/05 (土) ~ 2011/02/28 (月)公演終了
満足度★★★
ミーハーおばさん的には満足でした
スタジオライフのファンになって以来、一番好きなコンビ、山本芳樹さんと、及川健さんの久々の共演、アルコルチームの方を観て来ました。
スタジオライフにしては、いつも程、展開がスピーディでもないし、緊迫感もそれ程、なくて、もっと言ってしまえば、11人目が誰かとか、あまり気にならないのんびりムードでしたが、お二人のファンとして、ミーハー感覚で観れば、充分堪能させて頂きました。
毎度のことですが、ここって、選曲センスが良くて、それで、相当得してる感じもありました。
とにかく、若い役者さん達が元気に舞台を務めてくださっている姿を見るのは、それだけで、気持ちがいいものですね。
ネタバレBOX
スタジオライフ方式で、メーンでない方のチームメンバーが、端役で、舞台に華を添えるのが個人的に、とても好きです。
あそこ、何故かいつもニコニコしてしまいます。
役名失念しましたが、途中、「僕が11人目」と名乗る、クロレラ体質のアンドロイド役の方、凄く素敵でした。
及川さん、相変わらず、綺麗で可愛い!!
及川さんと、山本さんの接近シーンは、宝塚の、アンドレがオスカルに告白する場面を思い出してしまいました。
最後がハッピーエンドなのも、心がほっこリ。何だか、気持ち、元気になれて、嬉しくなりました。
恋する、プライオリティシート
コメディユニット磯川家
インディペンデントシアターOji(東京都)
2011/02/05 (土) ~ 2011/02/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
ちょっといい話
どころかすごくいい話
ピアノの生伴奏もすごくいい!
できることならもう一度コネタを拾いながら観たい!!
恋する、プライオリティシート
コメディユニット磯川家
インディペンデントシアターOji(東京都)
2011/02/05 (土) ~ 2011/02/14 (月)公演終了
満足度★★★★
初体験
演劇はじめて観させていただきましたが、
みなさんの演技に吸い込まれ、圧倒されましたよ
いやぁ知らなくて楽しい事が世の中にはたくさんあるんだなって再認識できた1日でした
雨と猫といくつかの嘘.
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2011/01/30 (日) ~ 2011/02/08 (火)公演終了
満足度★★★★★
再演もいい。
綺麗なセリフが心に染み渡るのを感じました。
なかなか言わない言葉も、さらりと吐く役者さんも
すばらしいと思います。
ロクな死にかた
アマヤドリ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2011/02/03 (木) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしい
喪失感からの回復。今の自分の心境にドンピシャの内容でした。期待以上の素晴らしさに、もっと早くからこの劇団を観ていればと後悔。
ひとひらの犯罪
ジ~パンズ
銀座みゆき館劇場(東京都)
2011/02/07 (月) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★
くすんだ笑い
なんとも違和感をおぼえるラブ・コメディ。煮え切らないような、くすんだ笑いが漂っています。でもこんな感覚もイイのでは。
浮標(ブイ)
葛河思潮社
吉祥寺シアター(東京都)
2011/02/01 (火) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
な、なんだこれは…!
吉祥寺シアターの、二階バルコニー席。
役者の顔、動きが十分に見える位置だったので、心の底の方から
絞り出すような台詞が、衝動的で動物の様な動きが、
本当に時々弾丸のように私の感情を直撃してきて…
とにかく、ラスト周辺ではタイトルの様な言葉しかいえない。
☆5個じゃ足りないぞ、これは!!!
迷っている人は以下で『浮標』の原文を読んで、ひっかかる台詞が
一つでもあるのなら絶対に行くべき。 後悔は絶対にしない作品。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001311/files/49776_36893.html
ネタバレBOX
三好十郎は去年『峯の雪』を観て、うわ、何て嘘が無くて美しいんだ、と
本当にショックを受けて。 それから作品に当たり続けました。
とにかく氏の作品は「嘘が無くて」「身体の奥底から絞り、引き出すような」
「創り物っぽくない、活きた」台詞で溢れていて。
もう亡くなって50余年経ちますが、恐ろしく古びない作品ばかりですね。
『浮標』は去年の段階で既にホンは読んでいました。
ひたすらに、生々しく、「創り物」でなく本当の人間だったら
いいかねないような台詞の応酬で(こんなに芸術的ではないけど)、
特に八方ふさがりで、自暴自棄に、狂気すら孕んでいく五郎のさまに
深く共感し、何度泣いたか分からない。
傑作であり、三好十郎の中ではもの凄く好きな作品です。
パンフレットにもあるように、自分の拠って立ってきたプロレタリア思想との
決別、愛妻の死、既に倒壊し、滅びゆく日本、といった極限状況のさ中で
1939年に構想され、五週間程の執筆期間の後、1940年の3~4月に
築地小劇場で丸山定夫等によって初演されています。
この作品について、直後に出版された作品集『浮標』(1940年)の
「あとがき」で三好自身は以下のように述べています(以下、引用は
断らない限り片島紀男『三好十郎傳』(五月書房)に拠る)。
「いずれにしても私にとって劇作の仕事は、自己の見聞の「報告」で
あるよりも、その報告を含めた上での、自分の生きる「場」である(中略)」
「ほんとの戯曲らしいものが書けるならばこれからだという気がしきりにする」
では、そんな自信作に対し、初演の様子はどうだったか。
「(終演の後)しかし、客席はシーンと静まりかえっている。ア、やっぱり
駄目だったのかと思った途端、ずっしり幕がおりきって、一瞬、二瞬、三瞬、
沈黙しきっていた百名足らずの観客が、一時に爆発したように拍手-
それがなりやまない」
「私(演出の八田元夫)が、監事室を飛びだしても、まだなりやまない。
まっしぐらに楽屋に飛込んで行った。丸山が眼に涙を浮かべながら、
両手で私の右手をおれるばかりぎゅうっと握りしめた」
まるで眼に浮かぶようですよ。 その時の様子が、今でも。
戦前日本には「七生報国」という言葉がありました。
文字通り、七回生まれ変わってもお国の為に尽くそう、という
そんな意味の言葉ですが、三好は劇中こんな台詞を五郎に
吐かせています。
「人間死んじまえば、それっきりだ。それでいいんだ。全部真暗になるんだ。そこには誰も居やしない。真暗な淵だ。誰かを愛そうと思っても、
そんな者は居ない。ベタ一面に暗いだけだ。ただ一面に霊魂……かな?
とにかく霧の様な、なんかボヤーツとした雰囲気が立ちこめているだけで、
そん中から誰か好きな人間を捜そうと思っても見付かりやしないよ」
「入りて吾が寝む、此の戸開かせ(筆者注:五郎が美緒に読み聞かせている
万葉集の一節)なんて事は無くなる。人間、死んだらおしまいだ」
「生きている事が一切だ。生きている事を大事にしなきゃいかん。
生きている事がアルファでオメガだ。神なんか居ないよ! 居るもんか!
神様なんてものはな、生きている此の世を粗末にした人間の考える事だ。
この現世を無駄に半チクに生きてもいい口実にしようと思って誰かが
考え出したもんだ。現在生きて生きて生き抜いた者には神なんか要らない」
戦時はまさに「死ぬこと」、国家の為に「生を捧げること」が徹底的に
叩き込まれ、それが一般通念としてあった時代でした。
自分が拠って立つものの為に死ねば、次の世も生きられる。
別に戦前日本に限らず、現在の、内戦状態、戦争状態にある場所なら
当たり前のように生きている思想です。
その、一見希望があるも、実は捨てっ鉢な思想を、自身の経験から
三好は嘘だ、と見抜いていた。 だからこそ、嘘におんぶにだっこで
乗っかるという、不誠実なことなど出来ず、逆にキツいパンチを
お見舞いしてしまったのでしょう。
とにかく、当時の日本の情勢に真っ向から反逆するような台詞であり、
私はただただよく上演出来たな、と驚くのです。
そして、その勇気と一本気が凄く、わたしには励みになる。
『浮標』に触れると、自分真剣に生きていないな、と恥じ入り、背筋が正されるような思いになります。そして、自分が死んでも、その後に必ず続くものが
ある、と優しく言われているような気がして希望が持ててもきます。
全てが確信と気概に満ち溢れているんですよね。
短いですが、役者の話に。
とにかく田中哲司さんが凄かった。凄過ぎだった。
その凄まじさの一端は劇場販売パンフレットにもあるように
「24時間『浮標』の事を考え続けた結果、みるみるうちに痩せていった」
「完全に五郎が憑依していた」
と壮絶の一言ですが、結果、恐ろしく精悍で、万事に熱く、熱過ぎて
狂気をもはらんでしまう、そんな「芸術家五郎」の姿をそこにみるようでした。
特に、一幕目、尾崎に向かってどうしようもならなくなったら美緒を「殺す」と
言い放った時と、二幕目の、追い詰められてしまい、何処を見ているのか分からない、
そんな時の五郎演じる哲司さんは、本当に狂っているのでは?と
思ってしまう程で。 役ではない、真正の「五郎」をそこに観る想いでした。
藤谷美紀さんの美緒も美しかった。 台詞の一つ一つが「人間」でした。
自分の奥から絞り出すような台詞を聞き逃すまいと、集中し過ぎて
少々疲れもしましたがそれも、とても豊かな時間。
照明の中、じっと目をつぶったままの姿を、不思議と清らかに感じました。
なんというのか…「生」が「性」につながり、そして「聖」へと至る、
そんなことすら考えてしまう程。 とにかく、色んな事を4時間の中で
感じ、考え、そして心打たれて涙しました。
そんな体験、なかなか出来ないですよ。
私はよく評論でいう、「役者の身体性」という言葉が嫌いです。
往々にして身体性とやらに拠りかかり、独りよがりの、全く役を
映し出せていない劇が多過ぎるからです。
そんな状況の免罪符になっているんですよ、この言葉は。
でも、この『浮標』を観た後なら、その言葉も少しは信じられる気もします。
それだけ、役者一人一人が、それぞれの役と真剣に格闘し、その真意を
必死に汲み取ろうとした結果が、舞台の上に表れていたからです。
なりふり構わない、その姿を、人間の姿を私は感動的だと思ったんです。
不毛の砂の上に、ただ生きるは人間。現世もそれと同じ。
ラストシーンで、そうした砂の中をただ一人、「生命」を象徴する
万葉集を抱えながら佇む、哲司さん、というより五郎。
それを左右から静かに屹立して見つめる役者達の姿。
すごく美しい光景でした。
一言、こんな素晴らしい舞台を観せて、ならぬ魅せてくれて本当に
ありがとうございました。 役者、演出、全ての関わった人にただただ感謝。
テノヒラノ鎮魂華
劇団生命座
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/02/03 (木) ~ 2011/02/08 (火)公演終了
満足度★★★★★
泣きました
先日、「永遠のゼロ」という小節を読み終えたばかりで、かなり特攻隊のことを深く知ったばかりでしたので、とにかく泣けました。役者さんが語っている以上の心の中の言葉が聞こえてくるようで、胸が痛くなりました。
演出、脚本、すばらしかったです。役者さん方の演技も素晴らしかったです。
後世に伝えていかなければならないと思いました。
雨と猫といくつかの嘘.
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2011/01/30 (日) ~ 2011/02/08 (火)公演終了
満足度★★★★
たまには雨音も悪くない
久しぶりの青☆組観劇です。以前、青☆組さんのワークショップに参加したことがあって、そこでの小夏さんの芝居への取り組み方とか、情熱とか、想いとか、そういうものを受け取ったつもりでいたのですが、実際の本番を観ると、あの時、小夏さんが伝えようとしていたことが、こちらの想像をはるかに上回る完成度で具現化されていて、見事に腑に落ちました。やられたーという気持ちでいっぱいです。
脚本にしろ、演出にしろ、隅々まで手が行き届いていて、むしろ「すき間」が欲しいなあと思ってしまったことはわがままでしょうか。
いずれにせよ、こんな世知辛い世の中で、こんなにも美しい人間賛歌が歌われていたことに感謝です。次回は、春風舎を出ての公演ですね。空間が変わることで、どのような変化があるのか、また楽しみが一つ増えました。
小夏さんを初め、出演者のみなさん、スタッフのみなさん、関係者のみなさん、お疲れ様でした。
おっ、ぺれった不死鳥公演 「おっぺけぺれった2011」
おっ、ぺれった
SPACE107(東京都)
2011/02/05 (土) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★★
いつもながら・・・
日常の心のつぶやきだったり、大声で言えない愚痴だったりが、壮大なMナンバーになって、響いてくる。あまりに下らなすぎることを、真面目にミュージカルにしているので大好きです!!
これからもガンガン楽しませて下さい。
ひとひらの犯罪
ジ~パンズ
銀座みゆき館劇場(東京都)
2011/02/07 (月) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★
う~ん??微妙だなぁ。
ブラックコメディが売りのようだけれど、それほどのコメディはない。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
役者がどーのこーのではなく、本がどーのこーの言いたい。観終わった後にあまり何も残らない本だ。
2人の男友達は、憧れていた女のヤクザ風の男との別れ話に巻き込まれた。2人の男のうちの一人がその女に利用されてヤクザ風の男ともみ合った拍子に、ヤクザ風の男は後頭部を打ちつけてぐったりしてしまう。
しかし、その男は死んではいない。気絶していただけだったが、自分が殺してしまったと思い込んだ男は逃げ出してしまう。そんな男に惚れた女友達が彼をゲットするまでを描いた恋愛ものだったが、失笑とか苦笑い、あるいは爆笑、小笑はあまりない。
本に大したうねりがない場合、もっと笑わせてくれないとなぁ・・と感じた次第。
ヤクザ風の男が部屋に入ってきたシーンではあまりのキャラクターの凄味に笑えたけれど、それ以外、観客は静かだった。
恋する、プライオリティシート
コメディユニット磯川家
インディペンデントシアターOji(東京都)
2011/02/05 (土) ~ 2011/02/14 (月)公演終了
王子で王道。
たくさんの小ネタに笑わされる内にいつの間にか物語にも見入って登場人物を見守ってしまう。これぞコメディ。ぷぷぷ、となった瞬間は結構たくさんありました。なんか分からないけど伝わってくる作品というのも奇跡的で感動しますが、あそこがここが面白かったと口で説明出来るならそれはそれで他の人との意見交換もしやすい。
あと、たくさんある舞台美術のあれをよく揃えたなと。すげー。あれだけでも結構な時間見ていられた。
ネタバレBOX
中盤過ぎてカクテルを作る時に氷の音がしたのが良かった。バーの空間を一気に取り戻した感覚があった。
ピアノは音色がもうちょっと、こう。響きが綺麗じゃかった。超もったいない。もっと音が綺麗だったらピアノが鳴っただけでも泣けた気がする。調律の良し悪しは分かりませんが、なんか残念な音だった。ピアノの良し悪しとは違うのかな? 劇場空間の問題? ピアノの位置の問題?
以下、ファンの方が見たら怒る人もいるかもしれませんがあくまで個人的な感想ですから目を瞑ってやってくださいませ。そもそも自分は好き勝手言うから年に何度か怒られたりするんですけど、今の時点でこれだけコメントに好評ばかり並んでると流石にチョット怖いですわ。
役者はそれぞれにこなすべきものをこなしていたと思います。台本の上での役の在り方にちょっと疑問。
菊池さんの演技は良かったんだよなー。出てきた当初は「あ。こいつムカつく」と純粋に役にムカつく事が出来て、話が進んでからは「でも仲間思いの良い奴なんだな」と思えた。なのに純一と舞子はいなくても物語上は全く支障がなかった。もっと話の中心に入れてあげて良かったんじゃないかと思います。脇役にするには惜しい。冒頭はトイレ前のテーブルの辺りであれだけ存在感があったのに、その先はあんまり話に絡んでなかった。そういう位置だったし純一が舞子を度々馬鹿にしてたのもあるから、二人が海外旅行をゲットするのは幸せだった気がしなかったのです。
その純一含め、同級生達の絆がもっと見たかったかな。『オレらはあの頃からの仲間だよな!』みたいな遣り取りをもっともっと濃く見せておいて、当時どんな遣り取りをしていたのかも想像させて欲しかった。そのほうがそれぞれの一言から重みや思い遣りをもっと汲み取れた。あと、そのほうが『え!男なの!?』ももっとびっくり出来たはず。
理香。序盤は「主人公なのにこの悪女は好きになれなくて思い入れ沸きにくいな」と思ったけど、終盤は逆に良い子になり過ぎてた。ラストのあの大騒ぎで気持ちが崩れるのなら、迫田の説得がもうしばらくの期間続いていれば真摯に受け止めて心変わりしてくれたんじゃないかな?とか想像。しかもそのほうが二人の親密度は深まったんじゃないかと。
迫田には小橋理香が好きだったとは言わないで欲しかった。他の人みたいにかつての彼女を気に掛けるのではなく、今目の前にいる美倉理香としての彼女を好きになっていて欲しかった。
【
早稲田大学演劇研究会
早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)
2011/02/04 (金) ~ 2011/02/06 (日)公演終了
犬を追いかける。
犬と串も始まりは作・演出家を含めた4人芝居だった。今回の4人もそれぞれに全く違う武器を持っていて、ちゃんとそれを使いこなしていた。正に少数先鋭。
テンポと勢い。とにかく笑わせる気満々。空振りしてなくて一発一発が効いた。ジャブ程度でいいネタもボディブローかアッパーのつもりで打ち込んで来ていた。事前にこういう作風だろうというイメージは少しあったけれど、それだけでなく物語性も放棄していなかった。ネタがやりたいだけじゃなくてちゃんと本が書けていた。そして最後の最後で後味の悪い余韻を残してくれた。これがただ笑いだけなら、軽やかにすぐ忘れてしまったはず。締めは大事。上手かった。彼がまた何かやる時には事前にもっと周りに言い触らしておきたい。
ネタバレBOX
寸前まで大音響を流しておいて次の場面の人物登場時にカットアウトさせて緩急を付けるのとか、基本的なテクニカルだけどそれだけにちゃんと使えば効果覿面。いやー、大人数でやるのも観たいな。でも作・演出家自身が役者としてかなり出来る人だから、出演者に求めるハードルも高かろう。
学生演劇のカンパ公演では普段あげないまま場を後にする事が多いんですけど(面白くなかった場合ね)、内容も満足だし舞台美術もしっかりしてたから絶対お金かかったんだろうしで気持ちよくカンパ出来た。ワンコインでごめんね。
蛇姫様
害獣芝居
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/02/03 (木) ~ 2011/02/06 (日)公演終了
アングラだねー。
今の名前になる前に観て、その時は舞台美術が真っ白だった。今回は美術は立て込んでないけど照明の扱いもあって暗さが前面に来てて黒を感じました。そんなビジュアル面であの時と対比してみたり。
頭で理解するよりも心の深い所に侵食してきて荒らされる感じ。理屈じゃないんだなと思いながらも理解しようと脳みそ使うから非常に疲れました。多分、軽めの苦行よりは辛かった。でも達成感の得られる疲れ。
ネタバレBOX
左の席の客はずっと泣いてて、右の席の客はずっと笑ってた。なんでだ。心の侵食される場所が違ったという事か。そこに挟まれて自分のスタンスを見失いかけた。自分の集中力のなさが残念。それにしても右の客は笑いどころじゃない台詞でも暗転でさえ笑ってたな。
女性キャスト全員の顔と名前を一致させたかったけど出来なかった。雰囲気のあるパンフだったけど、そこは分からせて欲しかったですね。
ロクな死にかた
アマヤドリ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2011/02/03 (木) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
気付いたら終わってた。
前回を見逃したので事前の期待度が高かったのもありますが、見入っている内に終わりました。自分の場合はどんなに面白い作品を観ていても「今は全体の何割くらいまで来たのかなー」とかふと考えてしまったりするものの、今回はそれをさせる隙がなかった。
凄く良く喋って、凄く良く動く。と思ったら急にじっとしたりする。あぁ、ひょっとこだなと。透明な空間にちょっとずつちょっとずつ絵の具が滴り落ちていく様な。見入っている内に取り返しのつかない色彩になっていく様な感覚。そして終演時にはまた透明に戻っている。でも、一度染まってから取り戻した透明。そこに色んな心持ちが重なる。心地良い時。
伊藤今人さんのあれは何だ。完全に臭い物だ。蓋をしたい。でも気になっちゃって嗅いでしまう臭い物だった。超楽しかったけど夢には絶対見たくない。
ネタバレBOX
居酒屋トークで生についての話が出るタイミングが個人的にはちょっと遅い気がしたり。いや、でもどうか。必要以上に生死を対比させて考えようとするからそう感じたのかも。今回は死のほうに比重が偏っていいはず。タイトルからしても。
競泳で観て印象に残っていた倉田大輔さんが出ている!と思ったら、「銀髪」やルスバンズにも出ていたのですね。後から気が付きました。
田中美浦さん。冒頭の乱舞で上手前列にいる時に足捌きが綺麗だなと思って目を引いて、喋りだしたら関西弁が耳を引きました。つい、ブログを読んだりしました。
恋する、プライオリティシート
コメディユニット磯川家
インディペンデントシアターOji(東京都)
2011/02/05 (土) ~ 2011/02/14 (月)公演終了
満足度★★★★
豪華客演陣でより一層華やかに。
ちょっといい話で、ちょっと良かった。
ネタバレBOX
バーのカウンターの右端にある優先席、そこに座ることが許されている女性と常連客たちを巡るちょっといい話。
男が大迫の弟だとは気付きませんでした。色々伏線があったのにお恥ずかしい。
しかし有りっていえば有りですが、いくら結婚できるからといってせっかく貯めた10百万円をみんなに取られるなんて…。
ラスト近くに、他人の10百万円を分配するということでわがまま娘が急に物分かりが良くなるっていうのも強引です。
物延結さんを始め、客演陣の白石廿日さん(ナイロン100℃)、前園あかりさん(バナナ学園純情乙女組)、甘粕阿紗子さん(カムヰヤッセン)、豪華で華やか、良かったです!!
テノヒラノ鎮魂華
劇団生命座
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/02/03 (木) ~ 2011/02/08 (火)公演終了
満足度★★★★
生命の尊さ。
2011年一発目の観劇。
実は、こういう戦時中の話を使うのは正直好きではない。色んな劇団が色んな角度から戦争の話を描く事があるが、当り外れが激しく、外れが結構多い為、観るのを避けていた。ただ、前回観た時に、とても心揺さぶられたので、今回も期待して観に行ったら。
感動のあまり、涙が溜まってしまった・・。
あー・・、でも椅子は疲れたかも。
今夜が楽日なので、良かったら是非。