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チャイムが鳴り終わるとき

チャイムが鳴り終わるとき

オーストラ・マコンドー

吉祥寺シアター(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

観劇
(^^)でした。

鎌塚氏、放り投げる

鎌塚氏、放り投げる

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2011/05/12 (木) ~ 2011/05/22 (日)公演終了

満足度★★★

何を、放り投げる??
親から二代にわたる優秀な執事、鎌塚氏は、
仕える正統で高貴な貴族だが、お金のない主人のため、
金持ちの下品な貴族からなんとか金を引き出そうと奔走する。
ある意味特殊な環境で、縦横に活躍する、個性派の俳優さんたちを
見ているだけで楽しめてしまう。
話が、変な方向に暴走しだすけれど、それぞれのパーツが、
ラストには奇跡的に(半ば強引に)あてはまって、大爆笑、大団円
というシチュエーションコメディのお約束にはまってしまう
面白さもあります。
全体的に良い意味で毒がなく、ホンワカしているのは、
集められた俳優さんたちのキャラクターと演技の相乗効果が生み出した
これもまた、この芝居でしか味わえなかった、小ーさな奇跡といえます。

チャイムが鳴り終わるとき

チャイムが鳴り終わるとき

オーストラ・マコンドー

吉祥寺シアター(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

長くて重いが、充実した見事な内容
すでに多くのレビューが投稿され、意外とそれらの点数は高くないが、
もしかしたら私は「年間ランキング1位かも?」くらいに感じました。
この日は仕事とその他で昼間から外を歩いていましたが、今年一番かも
しれない暑さで、夜吉祥寺に着いたときは、相当疲れていました。
そして、終演21:50の掲示を見て、一層がっくり。
なにしろ横浜まで帰るのは時間もかかるので。
しかし、観終わった後は、満足感で、
そういう気持ちは吹き飛んでおりました。

会場に入ると、ステージ上には学校で使われる椅子が並べられていて、
これだけでも「ああ、今日は学校ものなのだな」と分かる。
そして、ステージの両脇には、やはり学校ものの椅子がいくつも不揃いに吊り下げられている。オブジェを観るようでもあり、また、風によって多少動くのでモビール作品を観るようでもある。

ストーリーは、ここにもすでに書かれている通り、同窓会が開かれる中で過去(小学生時代)が回想され、初めに思い出されえる楽しい思い出のみならず、いじめが残酷な結果を生んだことまで想起させられる。
話の主たる流れとして、先生と子供達の出来事があるのだが、
この部分についても「小学生時代」と「同窓会」とが
交互にあらわれる手法である上に、
さらに副次的な話として、転校生と、
その病気入院中のお母さんの病室内のシーンがある。

こう書くと、複雑な構成の話のように感じられるかもしれないが、場面転換ははっきり分かるように作られているので、
観ている分にはある意味自然に進行していく。
そして、音楽はギター1本の生演奏で、ある時は優しいメロディーを歌い、
またある時には、激しい興奮を掻き立てるなど、大変効果的であった。
もちろん、演奏が素晴らしかったことは言うまでもない。

(以下ネタバレだが、これから観る方はネタを知らないで
鑑賞されることを強くお薦めする。)

ネタバレBOX

(すでに他の方も詳しく書かれていますが、私も合間を見てコツコツ書いてきたので、一応そのまま載せてしまいます。)

小6の教室に、新しい担任が登場する。若い男性教師で、教え方も上手く、
子供達の人気も抜群!
しかし、前任の女性先生が産休にしては交代が早いことや、後任のこの教師も、前任校を教えない……など、話に影が落とされる。

さて、このクラスに、児童の1人に大人びた美少女がいた。
彼女は、はじめこそ、他の子供たちがこの先生をもてはやすのとは一線を画していたが、ある時、遅くまで教室に残っていたところ、先生に「校舎の見回りをするんだけど、一緒に行こう」と言われ、2人で校舎を回り、そして普段は入れない屋上で美しい夕焼けを観る……。
他の女の子同様、この少女もついに淡い恋心を抱く。
そして、自分は先生にとっても特別な存在であるんだ、と思い込む。

ところが、ある時、この少女は、置き忘れてあった先生の日記に気が付き、
それを読んでしまう。
そして、明るく楽しい、そしてある時は親切な人気者先生の言動は、
計算ずくのもので、すべてが事前に「意図され」行われていたことを
知ってしまう。
そして、自分に対して、先生の「特別の想い」も無いことも……。

それを知った少女は、少女なりのショックを受け、
そして、先生に「小さな報復」を始める。
日記が読まれたということを、先生にだけ分かり、しかし、
他の子供には分からないよう、チクチクと刺すようなことをやり始める。
それに対して、先生は一度は自信喪失するが、夏休みを挟むと、
今度は少女への復讐に転じる。
怪我をした少女に、さらに怪我がひどくなるような指図を……。
予想通り、怪我がひどくなった少女は大泣きし、教師は反省……
しかし、これがきっかけで、この二人のわだかまりは一応解消する。

ところが、またしても、別の悪ガキが「先生の手帳」を見つけ、
そして読んでしまう。
しかも今度は、少女のような「先生にだけ分かる」方法でなく、
クラス全員ではやし立て、先生を徹底的にからかう。
その結果、先生は退職に……。

以上が中心の話であるが、
これに、転校生が病室の母を見舞うシーンが交錯する。

この転校生は学年も1~2年低く見られるほどの幼く見える少女で、
はじめは何気ない、彼女と、その母、そして主治医だけのシーン。
母は話もできず、記憶も失っているようだが、母の魂に伝わることを信じ、
母に学校であったこと、そして時々いじめからかばってくれる例の美少女
の体験を、時に、まるで自分の話のように母に語る。

ところが、このシーンは次第に深刻なものになる。
なんと、母の主治医が少女に性的いたずらを始めたのだ。
一方、母も、一度無理やり授業参観日に出席したところ、
他の生徒から幽霊呼ばわりされ、
それが少女のいじめのさらなる原因にもなる。

ある意味、母も、娘も追い詰められ、
ついに、娘は自殺を暗に勧めるような言葉を放ち、
その直後、母は学校の屋上から投身自殺する……。

というような大変重い内容なのだが、
やはり首吊り自殺(未遂)シーンがあった「ヒューマンエラー」に比べると、
私はやや表現が柔らかいというか、生々しさは薄かった気もする。
これは必ずしも悪い意味だけで言っているのではなく、
表現の仕方が微妙に違うのかな?などと思っている。
(ここは自分でももう少し考えてみます。)

最後に、素晴らしい公演であったことを前提に、
若干気になる点を2点だけ申したい。
1 投身自殺のシーン、母の人形が落とされるわけだが、
人間が意を決して、飛び込むというより、裏方さんが放り投げた、
という落ち方だった。これは頂けない。
2 すでに指摘が出ているとおり、性的いたずらを受けていた
少女自身や加害者の医師について、
本当は何らかの結末がほしいと思った。
もちろん、上演時間等の考慮もあったのだろうが、「材料」をこれだけ提示されている以上、物足りなさが残った点は否めない。
EVLITH イブリス

EVLITH イブリス

Performing unit colors7~C7

d-倉庫(東京都)

2011/05/25 (水) ~ 2011/05/29 (日)公演終了

満足度★★★

一長一短?
母が遺した物語の世界に入った少女の物語、内部は先に入った者によって代替わりしていて…という設定が面白いが、その反面RPGっぽくなってしまい「母の遺した物語」が今一つ活きない憾みが無きにしも非ず。

回転木馬共和国の逆襲

回転木馬共和国の逆襲

月蝕歌劇団

風紋(東京都)

2011/05/22 (日) ~ 2011/06/05 (日)公演終了

満足度★★★★

娯楽性+原発トリビア
3作目にして現代(近未来)編だが登場人物たちは経時変化していず、もはや回転木馬共和国はレジェンドかサーガか、みたいな?(笑)
そんな中でのいささか過激な反原発テロをめぐる物語、娯楽性も十分な上に原発トリビアまで盛り込んでさすが。

チャイムが鳴り終わるとき

チャイムが鳴り終わるとき

オーストラ・マコンドー

吉祥寺シアター(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★

上演時間は約2時間20分
個人的に後味がスゴイ悪かった(笑) こういうの苦手でした。。。  

いや、子供の無邪気な残酷さ、、大人の狡猾な邪悪さ、弱さをリアルに表現している点については素晴らしかった!!!

小学生時代のシーンでは自分の小学生時代を思い出させてくれ、本当に懐かしく思いました。

そんなところからの展開だったので、表現が素晴らしすぎるだけに後味が。。。 
本作品、自分のパンドラの箱を開けたい方にお薦め。


とはいえ、「なんなんだ!」というくらい爽やかな先生(郭智博さん)を見たい女子は必見!!! 男子は主役の水崎綾女さん、藤本七海さんに注目です。

もちろん後藤剛範&神戸アキコさんは面白く、梅舟惟永さん、根本沙織さんがまわりをがっちり固めてるところなど、小劇場ファンにも見所あり。

チャイムが鳴り終わるとき

チャイムが鳴り終わるとき

オーストラ・マコンドー

吉祥寺シアター(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

過去の記憶
とにかく素晴らしい物語だった。脚本家の新井真紀の頭脳というか、才能に惚れ惚れしたほど。その描写は児童の無邪気な罪を抉ったもので、観ていて決して楽しくはないが衝撃的な内容は斬新であり、かつリアルだ。
終演後、「東京の空の下で」の演奏があったがこれは初演の時にも流した曲で懐かしかった。
また、吉祥寺シアターを満席にする力量は流石だとも思う。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

まず、劇場に入ると天井から吊り下げられた椅子の数々がこれから起こる舞台を物語っている。全体的に照明の扱い方が絶妙でストレートに美しい。教壇と椅子が方向転換する演出は、パラドックス定数の「元気で行こう絶望するな、では失敬。」での演出と似通っていて、こちらを参考にしたのかな?とも思える演出だ。

それにしても今回の舞台は個人的にはオーストラ・マコンドーの舞台の中で一番素晴らしい作品だったと今更ながらに思う。物語は児童がとった無邪気な集団行動が、本人達との意思とは反対に教師も傷つけ、いじめも増長し、結果的に二つの大きな罪を科したことになってしまう。終盤では破壊的に終わるこの物語は観る者によっては鬱を呼び起こし、観る者によっては過去の罪を意識してしまうのだから、あまり清清しい気持ちにはなれないが、こういった集団での行動が時として誰かを貶め、誰かを苦しめ、知らない間に傷つけてしまうというのは大人の世界にだってあることなのだ。

今回の物語に登場するロリコン精神科医をワタクシはぶち殺してやりたい衝動に駆られたが、世の中というものは、性的虐待も、いじめの対象も常に弱い者へ移る。日記を記していた幸田先生も実は弱い人間の一人だ。中盤で実果が先生の弱みを握って反撃し、主導権を握ってしまう場面では教師の心理状態を実に巧妙に演技していたと思う。

そして今度は実果の優位な立場を押さえこれを反撃するために、眼鏡をかけて立ち向かう幸田先生の、眼鏡をかけるという行動そのものが、眼の前の世界を直視したくない臆病者の行為そのものに見えてしまうのだから教師の心理状態も抉り出す秀逸な場面だ。

これらは実果が幸田先生の関心を引きたいという一心から巻き起こす場面だが、少女の無邪気な心から大人になる段階の無邪気とはいえない罪だ。誰かの痛みに群がり追いつめる行為は無邪気な罪とも言えなくもないが、やはり大罪なのだ。

全てのキャストらの演技が素晴らしい。観ていてリアルに小学生に見えてしまうのだ。また神戸アキコなどはガキ大将そのもので、ああいった小学生っているいる!みたいな関心度!笑
そして幸田役の郭智博、陣野実果役の水崎綾女、倉間凪役の藤本七海がアタリ役だった。

子供の世界の残酷さをリアルに表現していたと思う。しかし、大人になるとそういった過去の罪を忘れてしまうことも多いのだ。


トロンプ・ルイユ

トロンプ・ルイユ

パラドックス定数

劇場HOPE(東京都)

2011/08/09 (火) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

地方競馬好きです
舞台セットに繋がれている役者は馬屋にいる馬にしか見えなかった。
厩務員にマッサージされたり調教師に脚をチェックされたり、パドックに予想屋と、まるで競馬場にいるようだった。

JRAと地方競馬の関係や競走馬が命懸けで走る様子が上手く描かれていたと思う。

馬同士の会話や人と馬との会話が上手く絡み合って、競馬関係者の馬に対する気持ちが伝わってきた。

楽しい競馬観戦でした。

ネタバレBOX

入場チケットが馬券で笑った。

競馬を語る上で欠かせない、もう一方の主役である騎手がこの作品には出てこない。
レース前の作戦だったり、レース中の位置取りや仕掛けなども馬自身が考える事で馬への感情移入がしやすかった。

競馬ファンなら分かるが、後ろ足が屈腱炎になったり頚椎骨折で予後不良になるなど、ほぼありえない設定だったがご愛嬌か。
問題のない私たち

問題のない私たち

“STRAYDOG”

テアトルBONBON(東京都)

2011/08/09 (火) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題81
STRAYDOG3作目、C組、映画未見。中野駅からの道筋、案内の方が立っています。会場へ入れば「いらっしゃいませ」の言葉とともに、役者自身が座席の案内をします。他愛のない話をしたり、ここは役者が通りますという説明、舞台上では水よけの練習をしたり。ここまでサービスが行き届いていると期待感倍増です。今日もいっぱいで、中央通路に座布団席。今回はC組のみの観劇…いまさらですが、他の組もみたかったと悔やむのでした。

ネタバレBOX

バンドと歌とダンス、かなりはじけています(1曲名:ギター出遅れ?)。ダンスを取り入れるお芝居は他にもありますが、なぜかここのはダントツに元気ですね。バックバンドが仲間、ということもあるのかもしれません。舞台の上、左右の扉、座席通路、キャットウォーク。会場を目一杯使っていますが、場所によって演技がおろそかになることはありません。場面転換と衣装の変化もスムーズ。合間に入ってくるギャグ、コンビニの接客など笑えるところも楽しかった。個人的には、住吉さんにもっと動き回ってもらいたかった。終演後、娘が待つ自宅へウキウキしながら帰ったのでした。。
「エダニク」「サブウェイ」

「エダニク」「サブウェイ」

真夏の極東フェスティバル

AI・HALL(兵庫県)

2011/08/11 (木) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

役者
初演は見れなくて、ようやく見れました。
何か凄く面白かったです。
大爆笑というのではないですが、ツボにはまりました。
そして、役者さん達がみんな上手い。
楽しめました。

マッチ・アップ・ポンプ

マッチ・アップ・ポンプ

キリンバズウカ

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2011/08/06 (土) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

「現実」というものは、「今あるこの状況を受け入れ、生きていく」ことを「選択する」ことの積み重ねで成り立っている
キリンバズウカは、いつも人に対する視線が優しい。
それは、「人というものを信じている」からだろう。
いや、「信じたい」という気持ちからかもしれない。

ネタバレBOX

前作、前々作ほどではないものの、奇妙な感覚は少しある。その中で、今回は、「受け入れ」「赦す」ことがクローズアップされる。
「諦め」のようなネガティヴさはない。
前向きな「受け入れ」なのだ。

そこが「甘い」と言う向きもあろう。
「現実は厳しい」という意見も出て当然だろう。

しかし、キリンバズウカの世界観の根底にあるのは、「人というものを信じる」ことであるから、「現実」というものは、「今あるこの状況を受け入れ、生きていく」ことを、「選択する」ことの積み重ねで成り立っている、というものである。
実際、「現実は厳しい」「辛い」と言ってみたところで、どうにもならない。生きていくためには、「選択」をしなくてはならない。
その「選択」は、誰もイヤな思いはしたくないという、同じベクトルの上に成り立っているのならば、当然のこと、「いい方向」に向くという結論に帰結してしまう。そのラインで「人というものを信じる」ということ。
それが「キリンバズウカの世界」ではないだろうか。

登場人物たちに表裏があまりにもなさすぎると感じても、「そういう世界だから」と言う割り切り方もあるのだが、一方で「そういう選択をしたのだから」というとらえ方もできる。
すなわち、(現実に)「われわれに見えているのは、常に人の一面だけなのだ」ということだ。
舞台の上で何もすべてをバラさなくてはならないルールなどないのだし。
…という見方は偏っていると思うのならば、やっぱり、ここは「今様人情話」でもいいと思う。

誤りを犯しても、人間的、人間臭い誤りであるから、人は「自分のためにも」「赦す」ことになる、それでいいと思う。

つまりのところ、「受け入れて」、「大人になる」ということなのかもしれない。兄が家を出て母親の真相を知って、「お母さん」から「お袋」に呼び方が変わったように。
…これはちょっと安直かもしれないが。

もっとも、説明にあるように「オヤジ」にフォーカスを絞っているのならば、もうちょっとそこに絞り込むべきだったと思う。

いずれにせよ、観ている間も後味も悪くない。こういう舞台も悪くないと思った。

お父さん役の深見大輔さんはとてもよかった。そして、タベ役の渡邊とかげさんにはシビれた。

あと、お母さんが最後の最後に出てくるのには、さすがにちょっと驚いた。

受付で「キノコ水」売ってた(冷えていて200円也)。あのラベルてっきり小道具用かと思ったら、本当にあるものだった。もちろん中身は「キノコ水」ではない。念のため。
毒と微笑み

毒と微笑み

ブルドッキングヘッドロック

ザ・ポケット(東京都)

2011/08/04 (木) ~ 2011/08/10 (水)公演終了

満足度★★★★

話への興味で引っ張りつつ、にやにや笑いを浮かべ、観客の手からするりと逃げていく。そして、毒は微笑みでオブラートするに限る
拡散度合い、つかみどころのなさの気味悪さ。
しかも、にやついているように見える。
この気味悪さがこの舞台のすべてである。
のかも。

ネタバレBOX

しれっと始まり、どこに向かうかわからない様子で物語はスタートする。
この拡散具合、つかみどころの曖昧さが、「見えないもの」を表している。

物語の「筋」への興味で引っ張るものの、それは、にやにや笑い(微笑み)を浮かべ、観客の手からするりと逃げていく。
つかんだ要素を並べてみれば確かに「ストーリー」にはなるのだが、それでいいのかと反問してしまう。
そんな舞台。

根底に流れるモノ、人を見つめる視線の位置は変わらないが、明らかに見せ方が変わった。
今までであれば、ありそうな日常をバックにして、その上であがき、もがく人々を描いていた。
しかし、今回は、「日常」という安定を捨て、やや戯画化された上で物語が進行するのだ。

どこからとこまでが「現実」なのかの線引きが難しい世界がそこに広がる。
お笑いトリオ「シビレガス」のネタなのか、あるいは、そのネタが現実を浸食しているのか、それともすべてが「現実」なのか、判然としないし、させない。
ジョーカーが自宅の引っ越し荷物から出てきて浴びたガスだって、現実と妄想の間にあるラインの、どちら側にあるのかさえわからなくなってくるのだ。

ガスのごとく拡散していく物語に観客は、まるで煙に巻かれていくよう。毒ガスだけに…(失礼・笑)。

日常を捨てた物語の吸引力は強い。
「笑い」だってたくさんある。
誰に向かって笑っているのか、不気味な心持ちになるのだが。

ブルドッキングヘッドロックの舞台の中にいる人々は、いつも「不安」が背中にべったりとある。
その根本にあるものの1つは、「自分への苛立ち」ではないだろうか。
そして、唯一、不安からひとつ抜けたところへ行ったように見えた、ナミ介が今回それを特に体現していたと言っていいのではないだろうか。

彼の「怒り」の矛先が見えない。お笑いトリオの仲間だったり、そのバックに付いた者たちだったり、愛人だったり、彼に憧れている女学生だったりと、そういう者には牙を向けるが、それは理不尽なものであり、本当は彼は自分に向かって、理不尽な怒りを爆発させていたと言ってもいいのではないだろうか。

主人公はジョーカー一家のように見えて、その実、物語の中心にはナミ介がいたということなのだ。
彼が考えたネタの中にいるような、「相手からの戦争を待つ」軍人というブラックジョークな状況は、準備万端なのに、そのきっかけは「相手」であるということであり、「相手が仕掛けてこないから、自分は出来ないんだよ」という言い訳でもある。

つまり、この状況は、この舞台におけるすべての行為に重なってくる。
そんな「待ち」の姿勢で自らの行動力のなさを正当化し、責任回避をしようと思っている。
だから、苛立ちはさらにつのり、不安定な状況になっていく。
相手に過剰にコミットしたり、精神にさえ支障を来していく。

こうした状況を、スポットライトで独白、のような古いスタイルの手法を交え、「笑い」を起こしつつ描いていく。
2役の面白さもある。
劇中劇の『3人姉妹』も面白かった。

戯画化されたキャラクターたちは、それが物語が進行するにつれてさらに凝縮していく。

役者はすべての人が「うまい」と思った。
中でも苛立ちを強く全身に溢れさせていたナミ介を演じた喜安浩平さんと、肩の抜けた演劇部顧問の永井幸子さんが印象に残った。軍人11の妻を演じた石原美幸さんの強さもなかなかだった。

ラストに流れる曲『また会いましょう』は、少々饒舌すぎるのではないかと思った(映画『博士の異常な愛情 』でやはりラストに使われていた曲ではないかと思われる)。少々お手軽で使いやすい曲だし。
弥々

弥々

ジェイ.クリップ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2011/08/09 (火) ~ 2011/08/09 (火)公演終了

満足度★★★★★

心揺さぶる演技
昼夜両方ご覧になったたかたが「普通の出来」とおっしゃる昼の部を観劇しました(苦笑)。

東日本大震災を受け、「どんなときにも絶望せず明るく生き抜いた弥々を演じること」が毬谷さんなりの応援メッセージなのだと思う。

私は一人語りとか、一人芝居というのがどうも苦手で、一人何役も演じるのが何となく観ていて気恥ずかしく、落語を除いてあまり観に行かないのだが、これはぐいぐい惹きこまれ、心揺さぶられた1時間30分だった。

初演をTVの録画中継で観たきりだったが、こういう公演はやはり生で同じ空間を共有しながら観るのが一番だと痛感。

彼女を初めて舞台で観てから約30年の歳月が流れた。宝塚退団後の舞台も観ているが、役者の引き出しを広げ、改めていい女優さんになったなぁと痛感した。

パンフに父の矢代さんが毬谷友子の魅力を「幼児性」と語っているのが印象的で、宝塚歌劇団在団中、「幼児性を何とかしなくちゃね」と彼女が先輩から注意されていたのをよく覚えている。
童女のようなピュアなところが毬谷友子の魅力なのかもしれない。

16歳から72歳までを演じ切るが、俳優の成長とともに今後どのように変化していくか楽しみな作品。

父から娘への最高の贈り物。ライフワークであろうから、また何年かしたら観てみたい気がする。

小劇場の女優さんにとっても勉強になると思うので、機会があればぜひ生で観ていただきたい公演である。


ネタバレBOX

魚の「カレイ」を描写するところの語りがちょっとグロテスクかつエロチックでなぜか一番印象に残った。

老若男女を緩急自在、一人で演じ分けるが、若い男性の芝居などはやはりルーツの宝塚を彷彿とさせる清潔感がある(彼女は男役ではなく、娘役だったけれど)。

抜群の美声と歌唱力で評価された人なのでミュージカル女優になるのだとばかり思っていたが、女優としての彼女にいままで以上の興味を持った。(旧東京宝塚劇場に流れる「さようなら皆様」の歌声は長く彼女の歌唱によるものだった)。

初演の時は八代さんが演出したと思うが、ろうそくを吹き消して場面転換するなど、身一つで演じながら自分で演出していくわけで、一挙手一投足に目が離せない。

潮騒の音が効果的で、頭上の1つのライトが月明かりのようで、シンプルだが洗練された舞台。


シーンとした緊張感の中での観劇だけに、隣席や周囲から聞こえてくる遠慮のない大いびき、バッグをごそごそまさぐる音、さらには背後で仕切り板をドンドン蹴る若い男性客には本当に腹が立った(振り返ってもおかまいなしである)。
最近、観劇マナーがどんどん悪化してる気がするが、時に私個人への意図的な嫌がらせなのかと邪推したくなってくる。


『ナツヤスミ語辞典』

『ナツヤスミ語辞典』

演劇集団キャラメルボックス

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2011/08/03 (水) ~ 2011/08/11 (木)公演終了

満足度★★★

合ってるけど、良くはない
あまりリアリティのない状況や台詞を、役者が本気で演じる事により観客に納得させるというのが、少し前のキャラメルボックスの魅力だと思っていた。

が、今回の演出では、あまりリアリティのない台詞をコミカルな動きや言い方で演じているため、登場人物が本気に見えなかった。教師たちとか、あれが本気なら気が触れてる。
常に「ああ、これは演劇なんだな」と思ってしまい、世界観に入り込めなかった。

早いテンポや高いテンションは、この台本に合っているようにも思えるので楽しめる所も多いが、台本の良い所を引き出しているようには見えなかった。

青山君よ、家が明けたら夜に帰ろう

青山君よ、家が明けたら夜に帰ろう

コーヒーカップオーケストラ

シアター711(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

おもしろいと思います
チケットプレゼントで鑑賞。劇団初見。

ストーリーというよりも、あの手この手で笑わせにくる感じ。爆笑というワケではなく、ニヤリとするテイスト。好みです。
ポップス曲が劇中で頻繁にかかり、楽しいノリに拍車をかける。舞台道具は力の抜けたようなものばかりで、舞台にそういった意味の一体感が付与された良い舞台だった。

細井里佳は、かわいくてかつコメディな動きと声が良い。。以前観たエビスバー公演時は、かつて伝説のキャバ嬢(泡姫?)役だったが、今回同様力まない演技が上手かった。
男性陣は鳥島明、宮本初、前田昴一、田中慎一郎らがよかった。特に前田と田中。
篠原彩も、小柄ながら勢いのいい演技で好印象。別団体の公演でははかない幸薄少女役だったが、こっち方面もなかなか良い。
どーでも良いけど、望月春日のウエストが細い。

ネタバレBOX

西森(細井)は、大学在学中。青山(鳥島)と茂野(宮本)と同居している。二人を残して旅に出ると少年に出会い、その少年の家に呼ばれる。連れて行かれた先はとある旅館(のような町?)で、一風変わった面々が住んでいた‥。

結局は夢オチで、ストーリーはあまり気にしないでよさそう。とはいえ、ストーリーや人物像に上手く笑いを乗っけているような気がする。序盤の千葉の演技からして、あぁ気軽に楽しめばいいんだな、なんて気がした(まぁそんな立ち上がりでもシリアスに流れてくれても良いけど)。

西森がかわいい変わった女の子という面だけでなく、腹にブラックなものを若干抱えていたのがよかった。ラスト、青山君をあんなふうにふってくれてよかった。
青山君よ、家が明けたら夜に帰ろう

青山君よ、家が明けたら夜に帰ろう

コーヒーカップオーケストラ

シアター711(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★

何かが残った
なんと表現すればよいか悩むところですが、とにかくやりたいことを全てやってしまおう、という気概は立派です。くだらないことは真剣にやるからこそ価値がある。いえ、価値や意味など求めていない、ということもよくわかります。
あらん限りのネタを入れ込み貪欲に笑いを取りに行き、そしてほんの少しのせつなさを漂わせるというのは、昔よく見られた小劇場演劇のようでもあり、懐かしささえ覚えます。ただ、笑えたかというと、笑い切れなかったというのが正直なところです。あと少し何かがあればもっと笑えたはずなのですが・・・。前説では「何も残らない」と言われましたが、かえって何かがひっかかるように残りました。
また、役者さんの演技がどうしても表面的に見えてしまい、せっかく用意された刹那さが生かし切れなかったのが残念です。全体的に大声を張り上げる芝居が多く、それが続いてしまったがために単調に感じてしまいました。

ネタバレBOX

個性豊かな役者さんが揃ってはいたのですが、登場人物が多く二役目、三役目の整理がつかなかったのか、ややわかりにくいのが難点です。
今回たまたまそうだったのかわかりませんが、役者さんの演技が感情から来るものではなく段取りから来ていたようで、それがこちらの感情移入を妨げたのではないかと思います。
いつか / タルチュフ

いつか / タルチュフ

こゆび侍

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/08/09 (火) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★

社員証№80914
「いつか」観劇。前説の福島さんの衣装を見たときなにか凄いことになりそうだという期待(演出池亀さんだし) ただすぐ着替えたし、話はほんわか暖かいし意外な感じ。でもハッピーエンドっぽいからいいか(笑)

ネタバレBOX

最初の衣装、「汚れた天使」「疲れた天使」と思ったけどリングが無かったのに気づいた。あれはインコの「いつか」かあ。
マッチ・アップ・ポンプ

マッチ・アップ・ポンプ

キリンバズウカ

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2011/08/06 (土) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

見逃さなくてよかった。
心のひだを丁寧に描き、その中に情愛あふれる人間ドラマを描き出す登米裕一の演出力は見事。登場する役者はすべて魅力的。その中でも田中こなつの初々しい演技と、渡邊とかげの一見おとなしい女の子がスイッチが入ると・・・・という演技が見事だった。

見逃さなくてよかった。
キリンバズウカ、1年1作品はもったいない。もっと観たいぞ。

5分だけあげる(終幕御礼・御感想お待ちしています。次回公演は2012年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭参加決定)

5分だけあげる(終幕御礼・御感想お待ちしています。次回公演は2012年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭参加決定)

MU

インディペンデントシアターOji(東京都)

2011/06/28 (火) ~ 2011/07/04 (月)公演終了

満足度★★★★

濃い55分
濃い55分でした。
出てくるキャラがみんな濃くて、で、爆弾を持ちこんだ梶浦が一番危ないのに、一番まともにみえる面白さ。
また梶浦の、生徒自身が使う机・椅子を倉庫から運ばせたり、授業の一番最初に「みんなに5分だけあげます」といって、生徒に未来を考えさせたり(想像させる)する、教育方針はわからなくもないし。
ただ、爆弾を持ち込んでまで何をしたかったのか、何故そこまで至ったのかが、もう少し欲しかったかな。

ネタバレBOX

今城さんの小学生姿が、リアルに似合いすぎる(笑)
憐・哀-ren・ai-

憐・哀-ren・ai-

オトナの事情≒コドモの二乗

APOCシアター(東京都)

2011/06/30 (木) ~ 2011/07/03 (日)公演終了

満足度★★★

ちょっと見づらい
歌舞伎の舞台のように花道的なものがあったからか、どうも見づらく感じるし、世界観に入り込めない感がした。でも上演時間は長いとは感じず、むしろ世界観に入れたときのように短く感じた。
うーん不思議。

ネタバレBOX

座席はクツを脱ぐようにしてたので(まさか脱ぐと思わなかったがww)、全部座布団席でもよかったかも。

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