Subway to Venus
ザッパー熱風隊
ワーサルシアター(東京都)
2011/08/26 (金) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★
ラップコント
この劇団の特徴として、リズムにのせたショートコメディらしい。その表現はラップなリズムなのだけれど・・・。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
先にショートコント芝居があり、いきなりリズムにのせた手法へと変えていく表現なのだけれど、ラップリズムはかなり絶妙に導入言葉を乗せないとそのリズムにのれずに、詰まったり間があいたりと会場の空気を損なう恐れもある。
相当練習したようだが、その成果があまり表れてなかったように思う。ワタクシ的には普通のショートコントのほうが断然面白く、ナンセンスコメディな描写で好みだったが、ラップなリズムに変換されると、どうしても、今までの芝居が中断されて、ぶつ切りのような状態になってしまうのが、気になった。
舞台の中盤に「お題」と題してアドリブコントがあったが、これがまったく面白くなく、ウケナイ。本日のプログラムの中では、「ご挨拶」「リーモーティーチャー」が好みだった。
Nazca -ナスカ-
劇団銀石
吉祥寺シアター(東京都)
2011/08/18 (木) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
遥かなる物語
とにかく、劇場全体を使い切っていることに驚いた。吉祥寺シアターという場所ならではの作品に仕上がっていたと思う。
難解ということだが、確かに役者の台詞が聞き取りにくかったりとあるが、物語は至ってシンプルかと。ただ、本筋となる何か柱が薄く、そこにいるウツセミとサラの二人の演技力に難があったことが難解であったととらわれやすいのかも。
ネタバレBOX
なによりもオープニングのワクワク感は相当なものだ。あれだけで3000円のお芝居の域を超えていた。
ただ、劇場空間に役者が負けていた。そこだけが残念。
佐野、加藤の二人が役者としては良かった。
サヨナラ サイキック オーケストラ
Mrs.fictions
上野ストアハウス(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/29 (月)公演終了
満足度★★★★
冒頭の空気を貫く力
シチュエーションに対して、
無理な空気をつくらず、
冒頭からの空気をしっかり生かしたことで、
作品から浮かんでくるものがあって。
この集団の語り口を感じ
惹かれました。
ネタバレBOX
巨大隕石が落ちてくるというなかで
それを超能力でなんとかしようというところが
素敵にとほほなのですが、
その設定だからこそ描き得た、
キャラクターたちの個性に不思議な実存感があって。
超能力も虚々実々、
怪しいものから現役の幽霊までが同じ空気のなかに描かれていく。
そのなかで、演出も出演者も、
冒頭の空気から飛躍せず、
現れるものを踏ん張って現れるがごとく表現していく中で、
それぞれの普段着の個性がしなやかに見えてくる。
個性たちの自然体のすがたが
醸し出す空気は
冒頭とは変化しているのですが、
その変化には物語の設定のようなあざとさがなくて、
ふっと作品の仕組みの秀逸に気づくのです。
自称宇宙人の青年はもう至芸の域、
幽霊を隠す女子高生の
ばれ方が可笑しくて・・・。
でも、そういうべたさも包み込んでしまうような
空間がしっかりと作られている。
15minutesで名をはせた集団ですが、
それとは別に
彼らだから描きえる世界をしっかりと持っていることを
証明した作品。
企画の能力はもちろんのこと
彼らが自らの創作のなかでがっつりと描き出す世界も
もっとたくさん見たくなりました。
よつあしダディ 2011 【ご来場ありがとうございました】
らちゃかん
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2011/08/26 (金) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
ほんわかと
リラックスして観劇できました。どこかのCMに繋がりそうな,ナンセンスなヒューマンコメディでしたね。家族(人)を思う気持ちは伝わってきます。楽しく観劇させていただきました。ただ,あの夢の中のシーン。ここはストーリーには欠かせないものだけど,打ち合わせ不足なのか,何をやってもいい設定なのか,ストーリーの流れを止めてしまったようで,引っ掛かりを覚えました。それ以外は,十分でしょう。らちゃかんらしさが溢れた芝居だったと思います。
描いたように(満員御礼!!無事公演終演いたしました!)
613
テアトルBONBON(東京都)
2011/08/24 (水) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
不思議
う~ん。。
もどかしいというか、なぜか感情移入してみてしまいました。
ある意味淡々と進んでいくんですが、とてもじれったくて、だんだん前のめりになる感じ。
好き嫌いわかれるだろうなあ。
非常に日常的でドラマが薄いと感じるひともいるかも。
私は逆にそこがわりと好きでした。
ただ、主人公の男は蹴飛ばしたくなりますね(笑)
「もっとさあ、あるでしょ、ねえ。」
って説教したかったw
描いたように(満員御礼!!無事公演終演いたしました!)
613
テアトルBONBON(東京都)
2011/08/24 (水) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★
心理描写が弱いのが残念
売れない画家でアルバイトをしている青年と、
ふとした出会いから交際を始め、同棲を始めてしまった女性が中心の物語。
彼の部屋は、(実際にはあり得ないのだけど)
壁に額縁的な飾りつけもされていて、
いかにもここの住人が絵を目指している青年で
あることを象徴させている。
この舞台装置は私は気に入った。
ネタバレBOX
そして、この部屋は、大家であり1階の作業場のための資材置き場も兼ねていて、
人の出入りも多く、まあそのために家賃は安くしてもらっているという設定。
というわけで、そこの社長や社員、家族、そして、画家仲間・関係者が頻繁に出入りする。
台詞にもあるが「プライバシーが無い」のである。
ただまあ、この主人公、イマイチ気弱で、
個展の話があっても断ってしまうし、
彼女にも自分の悩みを語らないがゆえにぎくしゃくし、
また彼女を大事に思っているだけに、プロポーズも簡単にできない。
まあ、そんなような「日常的な話」である。
たしかに、責任を感ずればこそ告白に慎重になったり、
芸術家であっても、事故の作品を発表することは
恥ずかしいし、そして、怖い。
もちろん、それは私も分かる(つもり?)のだが、
しかしあまりに頑ななところが彼にあって、
(自分自身のことを棚に上げるが)
「どうして一人でそこまで抱え込むの?」
と正直感じてしまった・・・。
でもまあ、なぜか最後はプロポーズして、
まあ一応ハッピーエンドかな?となる。
ただ、これでは、どうして頑なで、そしてどうしてそれが変われたのか、
台詞の説明はあっても、観ている側にはストンと落ちてくるような説得性が無い。
これは、主人公だけではなくて、社員である(古い言葉だが)ハイミスの女性が、
初めは同棲を嫉妬していながら、
ふとしたことから料理の上手なことが皆に知れ渡り、
そしていつしか同僚と恋仲になって行く経緯についても同様。
要は、事実で筋を一応進めていても、
心理描写としては非連続の感じを受けるのである。
この辺、台本・演出・そして演技面で、
もっと練って頂ければ良くなってくるだろうに、と思った。
明けない夜 完全版
JACROW
シアタートラム(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
昭和な演出
サンモール・スタジオで、同作品を観劇して、今回完全版をトラムで観劇です。
舞台が広くなった分、舞台美術も魅せてくれます。レトロ感を楽しみながら、開演を待ちました。
黒澤明作品の「天国と地獄」の作風をところどころ思わせ、しかし展開も結末も感動はなく、事業成功者の卑しい人間性を表現しています。
昭和を思わせる古い作風の演出が、効果的でした。
役者がストーリーに不可欠なキャラクターを演じ分けていて、登場人物の置かれた立場、事件に至るまでの真相心理をじっくりと導いてくれます。
時間の経過を場面を替えて戻すことで、今の登場人物が持っている感情に至った経緯を表現する手法は、この作品を活かす上で効果的でした。
小劇場以外でのJACROW作品も有りだと思いました。広い舞台で、凝った舞台美術、そのなかで巧い役者の演技で物語の世界に引き込まれる時間を楽しむのは、観劇好きにはたまらない幸福感です。
次回作品も楽しみにしています。
Caesiumberry Jam
DULL-COLORED POP
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/08/20 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
人間幸福の脆弱性とそれでもの希望
盟友谷賢一氏の劇団DULL-COLORED POPの再始動記念公演である。
再始動記念公演だから、気持ちを新たに新作をというのが普通人なら考えそうなことだが、谷くんは、再演を選んだ。
2007年の作品の再演だ。
もちろん、福島原発の事故があってという現状を鑑みての判断だろう。
しかし、作品で描かれる「人間幸福の脆弱性とそれでもの希望」は、福島の原発事故とは切り離されてそこにあった。
ネタバレBOX
当然、福島原発事故に遭遇してしまった現代日本の我々としては、この作品で描かれるチェルノブイリの事故に対して、作品内における書かれようとはまったく関係なく親近感というか臨場感を覚えずにはいられない。
だが、僕がハッとさせられたのは、堀奈津美さん演じるリューダを取り囲む物語と、その物語を背負うにふさわしい堀さんの青白く孤独に屹立した佇まいだ。
誰もが享受すべきささやかな幸せであったはずのモノが、1つの事故をきっかけに召し上げられる。
享受すべき幸せを召し上げられたリューダの切なる思いは、空間をゆがませるほどの磁力を持った…本来享受するはずであった幸福の到来を待つ思い…狂気に変わる。
その空間をゆがませるほどの狂気は不幸であるはずの現実を侵食し、ついには奇跡的な反転をもたらし…ハッピーエンドとなれば、「班女」に代表されるような能にいうところの狂女物の変奏となったところだが、この話では、そうはならない。
リューダの思念をもってしても、現実は反転しえない。
いや反転しえたのかもしれないが、それを許さない客観性…ゴゴの視点、あるいは作家自身の、あるいは観客の視線が、「本当はあんたは不幸なんだよ」とリューダの夢を覚まそうとおせっかいをやく。
最後は、そのお節介を拒否したリューダの世界が観客とゴゴを拒絶して幕は下りる。
リューダの思いに接続しかかった観客は拍手もない世界に押し出されて、客席=現実という本当の絶望の中に帰還する。
「Caesiumberry Jam」は原発事故の悲惨さを描いた話ではない…こともないのだろうが、僕はこの作品から、絶望すべき世界(原発事故があろうがなかろうが絶望的な現代)を前にしてリューダのように思念によって(あるいは演劇によって)これを反転させようとする谷賢一自身の企みを読みとり、しかしそれでも、その企みは敗れるだろうという諦めにも似た凍える現実認識を読みとった。
そして、これは原発問題やら何やらが起こるよりも前からの僕らの現状認識に他ならない。
なにをやろうが僕らは敗北するしかない。
再出発にあたって、なによりもまず深い現代の絶望を描いた谷賢一が今後どのように希望を描いて行くのか、とても興味がある。(谷賢一が希望を失っていないのは結婚したことからも明らかである。いや、あるいは希望を失わないためにこそ結婚したのかもしれない)
ますます目の離せない人物である。
それはそうと、堀奈津美さんが体現する静かで動くことのない狂気、「待つ」ことの狂気は刮目すべきであるが、それは何よりも彼女が本当に、自劇団の再開を「待ち」望んでいたこととも無縁ではないように思う。放射能の中で思念の子供(別の男の子供)として生を受けた新生DULL-COLORED POPの今後が非常に楽しみである。
明けない夜 完全版
JACROW
シアタートラム(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
そこそこ楽しめました
相当評価が割れているようですが、
私はそこそこ面白く観ました。
たしかに、ある意味ベタな刑事ドラマですが、
役者も良い人が揃っていたし、
それぞれの役柄の個性もしっかり表現されていたと思います。
劇場サイトには、このホールは小劇場とあるが
(もう1つ大きいのがあるので)、
まあ中劇場での芝居として、面白く観せてもらいました。
それから、舞台装置も2階建てで、
「凝ってるな」とまでは思わなかったものの、
こちらも結構良く作られていたと思います。
まあ、刑事でかなりガラが悪いのもいたり、
出生と保身が第一のお偉いさんもいたり、
それから、誘拐された少女の父親がとても好色で、
若い女子社員に手を付けて、泣かせかり、
たしかに、良からぬ連中ではあるが、
「現実にもよくある話」でもあるのでね・・・。
ネタバレBOX
気になった点としては、
まず、若い刑事は実は子供を無くしており、
そのことは(初めにも伏線はあるものの)
最後の方で本人から語られるが、
この材料の扱いはあまり上手く行っていなかったのではないか?
それと、(こちらの方が問題が大きいと思うが)
複数の証言の矛盾について、終わりに誘拐場面が登場して、
それは明らかになるのだが、
一旦、少女とその母親役が観客に挨拶したので、
「この後、全員出てきて挨拶するのかな?」と思ったら、
まだ続きがあって、さらなる「事件の秘密」が暴露される・・・
でも、このシーンがいかにも「付けたし」というか「オマケ」的で、
個々の扱いをもっと効果的にできなかったのか・・・と感じた次第。
最後に、舞台向かって右側に、日時くらいながら「字幕」が出ますが、
これが薄くて読みにくい・・・要改善ですね。
寂寥 【緊急告知!】25日(木)アフタートーク開催決定! ゲスト:土田英生氏(MONO)
セロリの会
「劇」小劇場(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★
平板な内容な上に、さらに・・・
元アイドルだった「4人姉妹+1人」は共同生活していて、
今度そこの屋上でバーを開こうとして、賛成・反対が入り乱れる。
ここに、ちょっと変な昔からのファンや、元アイドルの親族の話、
さらには、登場人物の個々の人生問題も絡んでくる。
正直、台本としては、「その辺で聞かれる女性同士の話」程度で、
特別大きな事件が起こるわけでもなく(それはまあ良いのだが)、
かと言って、それぞれの登場人物の心理的な掘り下げも弱いし、
平板な印象しか持てなかった。
多少良くなったのは、最後の花火のシーンくらいでしょうか?
まあ、役者自身はそこそこの演技をしていたとも思うが、
これだけ、個性ある役柄を登場させておきながら、
使える題材をほとんど生かしていない、というのが正直な感想。
ネタバレBOX
それと、以下は上演自体とは全く関係ない話ですが・・・
この日は、このサイトではないチケプレで御招待頂いたのですが、
案内によると、開園15分前までに来ないと招待無効に、
しかも、入場できるのは開演5分前・・・
ということは、ここの猫の額のようなロビーで、
最低10分は待たなければならないということ。
そして、満席に近かったせいもあるが、
待たされた上で案内されたのは最後部のスタンドのような硬い椅子席で、
しかも、天井が近くそのライトも熱い。
ライトは開演と同時に消えたが、私の周囲は暑く、
何人かは扇子であおぎっぱなし・・・
(外に出たらむしろ涼しかったので、
換気だけでもしっかりやってくれれば、と思った。)
もちろん、チケプレで招待して頂いたことはとても有難いし、
チケットを買われたお客さんが最も大事ということも分かるが、
しかしここまで差を付けられると、もう観劇前にちょっと気分が滅入る・・・。
こちらだって、時間を作って交通費もかけているんで
・・・(チケット買った人も同じだけどね)。
ただ、ここまで差を付けるのは、やはり珍しいし、
つい最近も1度、「チケプレの方の入場は5分前です」というのがあったが、
この時は「だから5分前までに来て下さい」でしたからまだまし。
この日の最後の方の台詞に「残飯が・・・」というのがあったが、
なんか、ホント、残飯チケットをもらった感じ。
チケプレの1つの目的は、「次回はチケット買っても行こう」
と思わせることだと思うが、
これで、公演自体がとても素晴らしければまだ良かったし、
また行こうかと思うだろうけど、
今回は前述のとおり、それほどの内容でもなかったし、
むしろこんなやり方では「もう行くの止めようかな」と
逆効果になってしまうのでは?
それだったら、こういうようなチケプレなら、
実施自体しない方が良いかも・・・と冗談でなく思いました。
正直、公演自体は2Pと思いますが、
以上の点もあるので1Pマイナスで1Pとしました。
描いたように(満員御礼!!無事公演終演いたしました!)
613
テアトルBONBON(東京都)
2011/08/24 (水) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★
人間が描けていない
初見の劇団ですが、ツイッターで存在を知り、主宰のかたのブログやツイッターを読み、興味を持ち、観に行きました。
受付や客席誘導係などスタッフの笑顔と親切さが印象的で、好感を持ちました。
しかし、劇が始まると、期待していたのとはだいぶ違うレベルで正直失望しました。
ひとことで言うと、最初に設定ありきで、作者がストーリーに都合よく登場人物をあてはめ、人間がきちんと描かれていないので感動が薄いのです。
点景としての登場人物が多すぎると思ったが、作品に合わせてキャストを選んだのでしょうか?
劇だけを観ると、学生演劇にありがちな、人数がたくさんいるので役を作らざるをえないような印象を持ちました。
普通のユニットなら、それはまずないとは思いますが。
人情劇を目指されるなら、そのジャンルの優れた芝居や名作映画を観たり、戯曲やシナリオを読んで、もっと人間描写を勉強されたほうがよいと思います。
料金設定も高めで、見合った内容の芝居とは思えませんでした。
素人観客なのに僭越なことを書いてしまいましたが、優れた人情劇を数多く観てきた経験から、とても不自然で後味の悪い芝居に思えたので。
また、登場人物が多いので、パンフには役名だけでなく職業や続柄も書いたほうが親切だと思います。
1時間45分。あと15分は刈りこめたと思います。
ネタバレBOX
ストーリーは公演情報に載っているので省略させていただく。
要は、売れない画家とカフェの女店員の、恋に不器用な若い二人が結婚を決意するまでの話。
画家の借りてる部屋が大家の倉庫になっているのでそのぶん家賃が安いが、人の出入りが多くプライバシーが保たれないという設定。
そのため、入れ代わり立ち代わり人が訪ねてきて、観ていて落ち着かず、出入りがわざとらしくてイライラした。
せっかく舞台美術がトップライトのある凝った部屋になっているのに、照明による時間経過を巧く表現していないので、観ていて時間が混乱する。
回想場面の挿入はともかく、主人公アキラの仕事が7時に終わるのに、帰りが11時で遅いと同棲相手のエミが文句を言っているが、画廊に勤めているカナが11時過ぎに訪ねてくる。ずいぶん遅い訪問だなと不自然に思う。
ところがそのあと、アキラもエミも同じ服装の時にキザキが昼の弁当を食べに入ってくるので、11時というのは午前11時のことなのか?と思うが、そうではないらしい。
このキザキの変人めいたキャラも笑いを取るためなのか、必然性がなく、わざとらしい。
大家のオオタワラ社長というのが、画廊のオーナーのような態度だが、業務内容が不明。
カナが絵の修復技術を持っているという設定だが、アキラが師匠のウダガワ画伯から譲り受けたという絵がどうして傷ついたのかも会話では説明がない。
冒頭で、カナがアキラに好意を抱いているとわかり、エミが同棲がかえって壊れるきっかけにもなるみたいなことを言うので、アキラとカナが結ばれるのかと思った。
いらだってばかりいる描写でエミの魅力が伝わらず、カナのほうに感情移入してしまうのだ。
配送業者が荷物を持ち上げる場面が多いが、小道具がみるからに軽そうで浮いており、芝居がわざとらしいうえ、重いほうの荷物を役者が軽々と持ち上げてしまうポカがあり、失笑が漏れていた。
形だけ重そうな芝居をさせるから、こういうポカが起きるのではないか。
姉の婚約者が聾唖者というのも結婚への障壁を表現したいのかもしれないが、蛇足のエピソードだと思う。
この姉がやけにベタベタしたキャラなのも意味不明。
運送業者とキザキ、オオタワラ社長とバーのママ、チハルが実は付き合っていたという設定も蛇足だ。
スリーサイズをやたら聞きたがるバイトの同僚も出す必然性を感じない。
私が一番呆れたのは、兄弟弟子のイチロウへの思いを、アキラがみんなとの雑談の場で説明してしまう場面。
その前にこの2人が水と油なのはみてとれるだけに、直接関係ない人間たちに「あの人はこういう性格で、自分とはこんな感情のもつれがある」なんてことや、イチロウの心の中を軽々と話してしまえるものなのか。わだかまりがあるだけに、ふつうの人間の感情の流れでは考えられない。
ラストのアキラとエミの甘いシーンも、それまでの描き方が表面的だからとってつけたようでいい気持ちになれない。
作者が自分の頭の中ではわかっているものだから、あれこれ都合よく人間を動かしている点が興ざめの芝居だった。
人情劇は設定だけでは感動できないことを作者には知ってほしい。
途中で急にムーディーな音楽が入る場面も、前後がバタバタしているだけに唐突に感じられた。
増殖にんげん
ぬいぐるみハンター
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/08/16 (火) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★
見て来ました!
とっても斬新な公演のスタイルで刺激的でした☆!
THE SPOT
KKP
天王洲 銀河劇場(東京都)
2011/03/09 (水) ~ 2011/03/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
振替公演
見に行って来ました。素晴らしかったです!!
明けない夜 完全版
JACROW
シアタートラム(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
これが面白いの!?ほんとに!?(怒)
久しぶりにこんなつまらない芝居にぶち当たってしまったと、まだこんな駄作芝居をやってるとこがあるのかと愕然とした。他にいくらでも良く出来て作りこんでる芝居沢山あるよ!?脚本家もこれに関わってる人も客も、他の芝居観てないの?本が一辺倒で、捜査も事件も人間も有り得ないほど浅くてありきたりで単純で浅はか、、そんなの全部やりつくしてきた事でしょ。皆見たことあるからよめたまんまで、拷問かっちゅうくらいつまらない。。説明台詞と説明シーンのオンパレードだし、べたな描写が工夫無くそれオンリーで見せられる。中学生だってもっとましな脚本かけるよ。俺でも描くなら工夫するよ?演技もクドイシくさいしベタダシつまらない。もはや火サスだってこんなの見せないよ。現実に起きてる事件のほうがよっぽど興味深い。ミステリー性も無い、推理性も無い、刑事物でもない、人間ドラマもない、作品の挑戦や新しさも無い。なんでこれがトラムでやってんの!?久しぶりに演劇に失望したよ…金返せと言う気さえ失せた。馬鹿にして笑うことさえできないつまらなさ。
明けない夜 完全版
JACROW
シアタートラム(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
完全版
完全版と銘打つだけあって、いままでの公演では本編だけでは消化不良だと感じる部分を「外伝」などで補うという形だったのを、今回は1回のステージの中で少しづつ各配役が持っている気持ち・感情などが説明され、見終わったあとすっきりするようにできていました。
でも、実はこの各役者が抱えている問題や知っているはずのことを頭に置きながらもう一度このステージを見ると、ああここはそういう意味だったのかとか、よくもしらじらしくそんなことをいうなとか、別の点が見えてきて二度おいしいらしい。
今までの劇場より広くなったため、役者の汗まで感じられるという具合ではなくなりましたが、聞かれたくない話は他の登場人物から離れてするとか、登場人物が退場したことがはっきりわかるなど、ストーりー展開はよりわかりやすくなったと思います。
JACROWはいつもはもっと頭を使わないとついてけないような話が多いように思っていてある意味それが楽しみでもあるのですが、今回のステージは初めて見る方でも楽しめるのではないかと思います。
Caesiumberry Jam
DULL-COLORED POP
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/08/20 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
現実よりリアル
今、僕たちが感じている原発への危機というのはすごくうっすらで現実味がないのだが、この芝居は村の最期までを描いているため、現実的だった。また、危険な状況の中でもたくましくキラキラと生きる人々というのがまた今の僕たちとは違う感じがした。それは僕たちが福島にいないからだろうか。ともかく、現実味のない今の僕たちにとって、知るべき生と痛みだと思います。
個人的に今までで一番新しくて愛らしい塚越さんを見ました。豆のシーン大好き。
シキサイ
裏庭巣箱
APOCシアター(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
小劇場ならではの素晴らしい公演!
個人的には、とても良い時間が過ごせた!
まず脚本と演出が良かった!!
特に演出は小劇場ならではのもので、評価したい!!
また、役者陣が熱演しており、好感がもてた。
評価は☆4つであるが、5つに近い4つである。
あとはネタばれで。
ネタバレBOX
<あらすじ>
介護施設で人生の最後を迎える女性が死ぬまでを描いた話。
既に起き上がることもできず、ぼけってしまった女性が、
自分の中で人生を振り返る。
息子がお見舞いにきても、息子とは分からないような状況。
「自分が保育園で働いていた頃」や「息子が子供の頃に交わした会話」を
思い出しながら最後の時を迎える。
芸術性を感じる作品でもあった。女性と息子の関係性が一見分からないような構成となっている。
しかし、決して難解なわけではなく、自然と分かるようになっている。
これは上手いと思った。
<演出>
・女性が天井から垂れた紐に繋がれて椅子に座っている。
これは介護施設にいる女性が自由に動けないことをあらわしてると感じた。
・芝居の途中でダンス?があるがこれがまた良い! 独特の世界感を感じた。
・最後の時を迎える前に、女性が介護施設の職員に紙を要求する。
そして彼女は描く。
女性の頭に浮かんだことが(役者陣によって)舞台床に描かれる。
まさに題名であるシキサイを感じた。
・芝居の途中ではさみを使った音響効果は、良かった!
そして最後に女性の死を表す、天井から垂れた紐を切る演出は
心に残った。これで彼女は自由になれたと思えた。
<役者陣>
・主役の女性が良かった。
絶叫、苦悶、笑顔、涙、細かい表情が印象的。
また、最初から紐に繋がれていて、90分あの姿勢は大変だろう。
お疲れさまです(笑)
・他の役者陣も各々の役割を熱演。
まだ若さが目立つが、今後期待できると思った。
全員が細かいところで、手を抜かない姿勢は好感がもてた。
ダンス?も良かった!
あのダンスも疲れるだろう。お疲れさまです(笑)
<その他>
公演後、東丸さんのダンス公演があった。
これがまた良かった!
これを観るだけでも価値がある。
お得感満載の公演であった。
小劇場ファンには、ぜひオススメしたい!
ハッピー・ジャーニー
劇団フライングステージ
OFF OFFシアター(東京都)
2011/08/17 (水) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
すごく、好き!!
彼らのロードムービーは……演劇だからムービーではないですね。彼らの珍道中は、誰かへの思いやりで溢れていました。
サヨナラ サイキック オーケストラ
Mrs.fictions
上野ストアハウス(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/29 (月)公演終了
満足度★★★★
軽いノリで
好感の持てる笑える舞台でした。何があっても楽しく幸せに過ごしたいね。アフタートークもおもしろく、気持ち良く帰りました。
明けない夜 完全版
JACROW
シアタートラム(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/28 (日)公演終了