描いたように(満員御礼!!無事公演終演いたしました!) 公演情報 613「描いたように(満員御礼!!無事公演終演いたしました!)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    人間が描けていない
    初見の劇団ですが、ツイッターで存在を知り、主宰のかたのブログやツイッターを読み、興味を持ち、観に行きました。

    受付や客席誘導係などスタッフの笑顔と親切さが印象的で、好感を持ちました。

    しかし、劇が始まると、期待していたのとはだいぶ違うレベルで正直失望しました。

    ひとことで言うと、最初に設定ありきで、作者がストーリーに都合よく登場人物をあてはめ、人間がきちんと描かれていないので感動が薄いのです。

    点景としての登場人物が多すぎると思ったが、作品に合わせてキャストを選んだのでしょうか?

    劇だけを観ると、学生演劇にありがちな、人数がたくさんいるので役を作らざるをえないような印象を持ちました。

    普通のユニットなら、それはまずないとは思いますが。

    人情劇を目指されるなら、そのジャンルの優れた芝居や名作映画を観たり、戯曲やシナリオを読んで、もっと人間描写を勉強されたほうがよいと思います。

    料金設定も高めで、見合った内容の芝居とは思えませんでした。

    素人観客なのに僭越なことを書いてしまいましたが、優れた人情劇を数多く観てきた経験から、とても不自然で後味の悪い芝居に思えたので。

    また、登場人物が多いので、パンフには役名だけでなく職業や続柄も書いたほうが親切だと思います。

    1時間45分。あと15分は刈りこめたと思います。

    ネタバレBOX

    ストーリーは公演情報に載っているので省略させていただく。

    要は、売れない画家とカフェの女店員の、恋に不器用な若い二人が結婚を決意するまでの話。

    画家の借りてる部屋が大家の倉庫になっているのでそのぶん家賃が安いが、人の出入りが多くプライバシーが保たれないという設定。

    そのため、入れ代わり立ち代わり人が訪ねてきて、観ていて落ち着かず、出入りがわざとらしくてイライラした。

    せっかく舞台美術がトップライトのある凝った部屋になっているのに、照明による時間経過を巧く表現していないので、観ていて時間が混乱する。

    回想場面の挿入はともかく、主人公アキラの仕事が7時に終わるのに、帰りが11時で遅いと同棲相手のエミが文句を言っているが、画廊に勤めているカナが11時過ぎに訪ねてくる。ずいぶん遅い訪問だなと不自然に思う。

    ところがそのあと、アキラもエミも同じ服装の時にキザキが昼の弁当を食べに入ってくるので、11時というのは午前11時のことなのか?と思うが、そうではないらしい。

    このキザキの変人めいたキャラも笑いを取るためなのか、必然性がなく、わざとらしい。

    大家のオオタワラ社長というのが、画廊のオーナーのような態度だが、業務内容が不明。

    カナが絵の修復技術を持っているという設定だが、アキラが師匠のウダガワ画伯から譲り受けたという絵がどうして傷ついたのかも会話では説明がない。

    冒頭で、カナがアキラに好意を抱いているとわかり、エミが同棲がかえって壊れるきっかけにもなるみたいなことを言うので、アキラとカナが結ばれるのかと思った。

    いらだってばかりいる描写でエミの魅力が伝わらず、カナのほうに感情移入してしまうのだ。

    配送業者が荷物を持ち上げる場面が多いが、小道具がみるからに軽そうで浮いており、芝居がわざとらしいうえ、重いほうの荷物を役者が軽々と持ち上げてしまうポカがあり、失笑が漏れていた。
    形だけ重そうな芝居をさせるから、こういうポカが起きるのではないか。

    姉の婚約者が聾唖者というのも結婚への障壁を表現したいのかもしれないが、蛇足のエピソードだと思う。

    この姉がやけにベタベタしたキャラなのも意味不明。

    運送業者とキザキ、オオタワラ社長とバーのママ、チハルが実は付き合っていたという設定も蛇足だ。

    スリーサイズをやたら聞きたがるバイトの同僚も出す必然性を感じない。

    私が一番呆れたのは、兄弟弟子のイチロウへの思いを、アキラがみんなとの雑談の場で説明してしまう場面。

    その前にこの2人が水と油なのはみてとれるだけに、直接関係ない人間たちに「あの人はこういう性格で、自分とはこんな感情のもつれがある」なんてことや、イチロウの心の中を軽々と話してしまえるものなのか。わだかまりがあるだけに、ふつうの人間の感情の流れでは考えられない。

    ラストのアキラとエミの甘いシーンも、それまでの描き方が表面的だからとってつけたようでいい気持ちになれない。

    作者が自分の頭の中ではわかっているものだから、あれこれ都合よく人間を動かしている点が興ざめの芝居だった。

    人情劇は設定だけでは感動できないことを作者には知ってほしい。

    途中で急にムーディーな音楽が入る場面も、前後がバタバタしているだけに唐突に感じられた。

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    2011/08/27 07:12

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