聖ひばり御殿
花組芝居
博品館劇場(東京都)
2011/10/14 (金) ~ 2011/10/23 (日)公演終了
満足度★★
昭和のテキスト
ものすっごくベタな大衆演劇だった。かつてこれほどまでの大衆演劇は観たことないわ!ってくらい。大きな健康ランドで公演してるような催しそのもの。しかも公演の半分はカラオケ大会みたいなナリ。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
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花組芝居は自らを『ネオかぶき』と称し、活動しているがあまりにも歌舞伎とは程遠い演劇。歌舞伎というよりも、いにしえのドリフターズを観ているよう。とにかく緩い。原川浩明はセリフを忘れ、アドリブかますわ、全体的にはちゃめちゃ。
劇団の紹介は「高尚になり、堅苦しく難解なイメージになってしまった『歌舞伎』を、 昔のように誰にも気軽に楽しめる最高の娯楽にと、『歌舞伎の復権』を目指す。 底知れない歌舞伎の知識を活用しながら、全く枠に囚われないユニークな発想と、 古今東西の音楽美術を取り込んで、独特の『加納ワールド』を展開。 」なんて偉そうに書いてあるが歌舞伎のかの字もない体たらくでした。マジ、びっくり!!
流石に衣装は豪華絢爛。キャストは男性ばかりなのでカマ風味も登場し、狸や狐や海坊主(原川浩明)も参加し殆どお化け屋敷状態!失笑
物語は、かつて狸軍を率い救世主と称えられた姫狸田の君。処刑裁判により火刑に処せられてから25年。ポントコナ七世の命により復権のため尋問が開かれようとしている。
なんつってジャンヌ・ダルクのような筋だが、観ているとジャンヌとはかんなりかけ離れた筋のように観える。休憩を挟んだ公演だったが、休憩時に帰られた観客も結構いらして眼の前の視界は遮られることなくゆるりと田舎芝居を観てヘタな歌を聴かされて、眠くなりました。
ニュートンの青いリンゴ
タマコロ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★
そろそろ
三太さんは違うことが出来ないのだろうか。毎回おんなじに見えてしまう。自分の団体ならばまだしも、他の団体でも同じならばなおさらである。
出ている役者もあまり代わり映えがしないのも理由のひとつか?
トーキョービッチ,アイラブユー
オーストラ・マコンドー
サンモールスタジオ(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★
今を生きる物語
生演奏が心地よい、古典をリメイクした人生讃歌劇。現代版「曽根崎心中」はシリアスで生々しい。でも、今を生きる人達にこういう形の応援の仕方もあるのかなって思った。
ネタバレBOX
父親は死んで、母親はアル中で、父親の借金のせいで風俗で働く女、お初、21歳。惚れた相手の徳兵衛は結婚している。好きだけど添い遂げられないと一歩身をひき、徳兵衛との間に出来た子も人知れず堕ろす。一方で、友人の作った借金を肩代わりさせられ、親戚からも金を借りまくり首が回らない徳兵衛。
さて。舞台上には、幾つかの箱馬が並んでおり、お初と徳兵衛の2人は物語のクライマックスまで、他の役者が動かして並べていく箱馬の作られた道を進み続ける。自分で選ぶことの出来ない、流されて進む道だ。現実に追い詰められた二人は物語終盤で手を取り合い心中しようとするも、徳兵衛は直前で躊躇し箱馬を降りて妻の元へ帰る。残されたお初は、周囲で「死ね」「誰も必要としてない」等と罵られ続けながらも、死なずに笑う。そして終わらない日常を生きる。
江戸時代と比べれば、当然我々はやり直すチャンスが多い時代に生きている。相対化すれば絶望は浅いなと感じる。でも、裏を返せば挑戦を求められ続け停滞を許さない息苦しさを内包している。そんな中自分の置かれた環境から抜け出せず、周りが皆自分を罵倒していると感じ、進むべき道がなくなった時に、死んでしまいたいと思う人をどうして責められようか。そして、それでも笑えるだろうか。お初のその姿に、観劇後何だか底知れぬ力をもらったのは僕だけではないはずだ。
ただ、その上で。やはり箱馬の上でしか生きられない2人の生き辛さを痛感してしまう。箱馬に乗って移動する姿は、常識や社会通念といったものに縛られた道の様に思えるからだ。箱馬を降りてみたり、自分で箱馬を動かしたり、舞台一面が箱馬に覆われている様な選択肢が許容されるような世の中を願ってしまう。単なる純愛ものに収めてしまえば、少し前に流行ったケータイ小説みたいな安直な不幸の羅列と同一視されかねない。差別化を図るために、もう一つ何かあればと期待してしまったのはゼイタクだろうか。
道成寺
劇団山の手事情社
アサヒ・アートスクエア(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
ウゴウゴ
昔テレビで観ていたウゴウゴルーガを思い出した、いや「道成寺」なのですが
タイム・フライズ
ミュージカル座
THEATRE1010(東京都)
2011/12/01 (木) ~ 2011/12/06 (火)公演終了
満足度★★★★★
熱い時代の申し子たち
オープニングがめっちゃカッコイイし、流石にミュージカル座だけあって歌があまりにも素晴らしい。
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ネタバレBOX
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平成生まれの哲平と大輔は就活するもなかなか決まらず、なんとなく過ごしていた。そんなある日、ひょんなことから平成から昭和にタイムスリップしてしまった二人は1968年、安保粉砕!権力反対!ベトナム反戦!!などとシュプレヒコールする学生運動の真っ只中に入り込んでしまう。
当時の世相や風俗を散りばめながらコメディタッチに描きつつも、昭和と平成、二つの時代の若者の姿を対比させて描いた熱く沸き立つようなミュージカルだ。一方でこの闘争に参加していた哲平と大輔は、若かりし頃の大輔の両親が、過激に学生運動を繰り返していたのを見つけて驚く。当時の両親がどんな思いで学生運動に参加したのかにも焦点を当てながら、ほっこりとした温かいエピソードも交える。
世の中の矛盾を感じて国を変えようとした彼らの行動をみて、平成生まれの哲平と大輔が感じたものは、自分達はあれほどの情熱を持って社会に立ち向えただろうか?ということだ。個人的には彼らのような恵まれた能力を暴力に使うのではなく自分が権力の一部になって国を変えたらどう?なんて安易に思ってしまう。
やがて平成の二人はタイムスリップして過去に行ったときと同じようにひょんなことから現代に戻ってくる。昭和の激動の時代を体験した二人は、少しだけ大人になった。今は平和だけれどちょっぴり生温い感覚も感じながら、哲平はNPOとしてアフガニスタンに活動の場を求め、そこでかつての学生運動のリーダーだった神崎に合う。大輔は「いつか小さな会社を持ってみたい」との夢を叶えた父の会社の跡を継ぐことに。
冒頭から平成の大学生コンビ(松原剛志、中本吉成)がコメディタッチで演出され楽しくてかわいくてとっても素敵だ。素晴らしい歌声と共に舞台全体が回転する鉄骨3階建ての舞台美術もド迫力だった。
笑いあり、涙あり、昭和な時代を感じて平成の時代を考える熱いHOTなミュージカル。
あゆみ TOUR
ままごと
森下スタジオ(東京都)
2011/12/01 (木) ~ 2011/12/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしい!
演劇でしか味わえない感動だった。
女性の一生を8名の女優が素晴らしい動きで入れ替わり立ち代わり演じた。
時には赤ん坊やお婆さんになりお父さんにもなる演技と演出が見事。
「わが星」のようでもあり、マームとジプシーのようでもあった。
「テトラポット」も予約した。
犬笛
ThreeQuarter
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2011/11/03 (木) ~ 2011/11/06 (日)公演終了
満足度★★★
ぎゅうぎゅう
客席もぎゅうぎゅう。
舞台上もぎゅうぎゅう。
残念ながら、良くない意味で。
もうちょっと中身をすっきりさせて、芝居の密度を上げて欲しい。
果樹の在処
集団as if~
笹塚ファクトリー(東京都)
2011/07/27 (水) ~ 2011/07/31 (日)公演終了
満足度★★★
インプロ
は、アタリハズレがあるのだな。
と思った2回目の観劇でした。
「ネガティブ」感が、無理やりネガティブな要素盛り込みました!に感じられてしまって残念。
あ、でも基本的にはスピード感がある作風はやっぱり好きです。
スプラッタはちょっと嫌い・・・。
Surprise Guest どっと COME
東京おいっす!
「劇」小劇場(東京都)
2011/11/05 (土) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★
良作!
まず脚本が素晴らしい!!!
これだけ張り巡らせた伏線を、きれいにきゅきゅっと収めてくれて
「どう収めるの??」とちょっとハラハラしながら見守っていたのが大変スカッとしました。
役者さんもそれぞれ個性ぴったりな役柄でまとまりがあった。
ネタバレBOX
とにかくすごかったのが
喫煙室の自動ドア!!!
あれ・・・どうやってやってたんでしょうか。
タイミングも動き方もバッチリで、ほんとに電動自動ドア?いやしかしそんなワケは・・・と釘付けでした!
and Rebirth
演劇家族ちゃぶ台
アドリブ小劇場(東京都)
2011/11/04 (金) ~ 2011/11/06 (日)公演終了
満足度★
・・・
声が小さい。
とにかく声が小さい。届かない。
12人の怒れるシェイクスピア
「戯」る黒猫
タイニイアリス(東京都)
2011/01/07 (金) ~ 2011/01/10 (月)公演終了
満足度★★
粒が・・・
題材は好きだし、よくまとまっていたと思うけれど
役者さんの力量のチグハグさが気になる。
いい人がいいだけに。
ザ・ボイスアクター ~アニメーション&オンライン~ (東京)
劇団6番シード
テアトルBONBON(東京都)
2011/11/16 (水) ~ 2011/11/23 (水)公演終了
満足度★★★★
アニメ&オンライン
両方観劇。
どちらも面白かったのですが
宇田川さんのテクニックと心情表現、どちらにも感動したオンライン編のが
より印象深いかな。
皆さんが本当に声優さんのように見えてきました。
すごかった。
マドロス豹十郎
ひげ太夫
テアトルBONBON(東京都)
2010/11/10 (水) ~ 2010/11/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
初観劇
チラシはいつも気になっていました。
面白い!
面白かったー!!
女性だけでこんなすごい作品(肉体的にも、ネタ的にも)ができるなんて
ねたましくさえある。
崑崙クジャク
ひげ太夫
インディペンデントシアターOji(東京都)
2011/06/21 (火) ~ 2011/06/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
2度目。
初観劇から「ここはすごい!」直感しての2度目のひげ太夫。
すっかりとりこです。
誰にでもオススメできる。
天竺ダイヤモンド
ひげ太夫
テアトルBONBON(東京都)
2011/11/08 (火) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
裏切らない。
今回も期待を外さない、むしろ大きく上回る素晴らしい作品でした。
組み体操も勿論すごいんだけど
笑いもしっかりあって
そして誠実であたたかいテーマがあって
とてもいい意味でサービス精神が旺盛でやさしくあたたかい空間でした。
どどーん!
我が儘な巨人の足音【千秋楽当日券はキャンセル待ち】
ノアノオモチャバコ
サンモールスタジオ(東京都)
2011/10/19 (水) ~ 2011/10/23 (日)公演終了
満足度★★★★
大人の童話
とにもかくにもノアノオモチャバコの描写が好きだ。その描写は劇団名と同じく夢見るオモチャバコなのだ。
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ダメ男・中村が今回の主人公。中村はテレビ製作会社に勤務する、覇気のない男だ。カレーに福神漬けが添えてなかったことで恋人・しのぶを詰ったことが原因となりしのぶに振られる。振られてからやっと今更ながらに彼女への想いがつのる中村ダメ男。笑
そんな中村が勤めるテレビ製作会社では「妻沼に現れる伝説の巨人の足」と称してVTRを撮っていたが局からVの契約解除をされ放送出来なくなった。
そして中村はその日から職場の全員が盗賊団ヴォルガになってる光景と、伝説の巨人が居る世界の夢を見始める。彼の観る夢の世界では、巨人の眠りを妨げないように神官が巨人の足を洗う事を義務付けされていたが、ある日、これを怠り巨人は目覚めてしまう。
巨人が眠りから覚めるとその振動で街は大地震が起こり滅びてしまう。だからこの街の勇士はヴォルガに「私たちの街の住民を盗んで欲しい」と頼むが、ヴォルガの長はこの申し出を断り「ならば巨人の足を盗もう」と強調する。
物語は中村の現実と夢を錯綜させながら現実社会と中村の心の内を風刺したような作品だった。つまり巨人の足跡は政治やら得体の知れない大きなものに屈服した人間の残骸で、それらが蓄積された垢なのだ。
そして中村は改めて感じる。恋人との関係も新鮮さを失い、なあなあになっていた事。始まりの頃や最初の想いが、次第に色あせてしまっていつしか恋人を邪険にしてしまっていたこと。これらに気付き後悔し去っていった恋人を取り戻すまでの物語だ。
ストーリーは決して難しくない。極めて解りやすい。中村の心理の動きを捉えた作品だ。
それをノアノオモチャバコ風にアレンジして一見、難しそうに魅せる技が巧みだ。
間の悪い時にばかり電話をかけてくる中村父も中村にとってはダメ父だ。しかし、中村はこれらを土台に立ち上がるのだ。その希望に満ちた幕引きが清清しくて素敵だ。
ねじ四季
ねじリズム
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/12/06 (火) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
イケメン6人の熱いお芝居
12/6の公開ゲネプロに続き、7日14時公演を観劇してきました。
今回は、ねじリズムのイケメン4人に、2人のイケメンゲストを迎えての60分強の番外公演です。
ギャラリーという何もない空間から、その特質を生かした劇場をメンバーで設営し、照明・音響・舞台監督など、すべてをメンバー自らが手がけるという、手作りの温かさが感じられる舞台です。
今までに上演された三回の本公演は、主宰の石川伸一郎氏が、ねじリズムの目指すシュールな世界を書かれていましたが、今回は初めてメンバーの鈴木祥二郎氏が書かれました。
ふたを開けてみると、そこにはやはりねじリズムの精神を踏襲したシュールな世界が描かれていました。
イケメン6人が真剣にバカなことを演じるその姿に笑い、歌やダンス、見せ場の演技に見惚れ、最後にホロリとさせられる、密度の濃い60分です。
他とは一味違ったシュールな世界、一度覗いてみたら癖になるかもしれません。
無事終了いたしました。ありがとうございました!【眠るまで何もしない】
タテヨコ企画
OFF OFFシアター(東京都)
2011/10/20 (木) ~ 2011/10/24 (月)公演終了
満足度★★★
濃密な夫婦
妻の死後一人で自宅に住む夫だったが、友人とのあることがきっかけになり、妻が元気だった頃の思い出として、この物語は動き出す。 最愛の人が元気だった頃、賑々しく友人や部下達が坂本家に集り、他愛もないおしゃべりをしていた当事。そして妻が少しずつ身体が病んで生気を失っていくさまを解りやすく描いた舞台だった。
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ネタバレBOX
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暗転が長かったのは物語を噛み締める意味において必要だったのかも知れないが、少し長すぎたように思う。序盤の描写は何が言いたいのかよく解らず後半になって、その伏線は回収されるも、本来の、芝居が始まった瞬間から観客を引っ張る力量や工夫がもうちょっと欲しかったところ。
また、歌手が坂本の妻に最後の歌を送るシーンがあったが、もうちょっと歌唱力が必要だと思う。物語の設定は歌手なのだから、やっぱ歌が上手くなくちゃ・・。苦笑!
舞台は決して楽しい舞台ではない。静かに粛々と脈打つ物語だ。そこには夫婦の愛しい時間だけが流れていく。夫婦とは何かを訴えかける舞台でもあり、涙ぐむシーンもあった。西山竜一の演技もしっかりと。
ユーリンタウン-URINETOWN The Musical-
流山児★事務所
座・高円寺1(東京都)
2011/10/14 (金) ~ 2011/10/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
今村洋一と関谷春子がいい!
アングラミュージカル。
地球上の干ばつにより、節水を余儀なくされた近未来のある街が舞台。ここでは有料公衆トイレの使用を義務付けられており、立ちションなどをすると警官ロックストックらに逮捕され、誰もが恐れている「ユーリンタウン」(実はあの世)に送り込まれることになっている。全てのトイレを管理しているのはUGC社。この法律はUGC社長クラッドウェル(塩野谷正幸)が賄賂で作り上げたもの。
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貧民街の公衆便所NO9では今朝も、金がなくてトイレを使用できないホームレス達が大騒ぎ。そんな中、管理人助手ボビーの父親(大久保鷹)が我慢しきれず、立ちションをし、「ユーリンタウン」に送られてしまう。ボビー(今村洋一)は失意の中、美しい娘ホープ(関谷春子)に出会い、恋に落ちるも自分が今何をすべきかに気づく。それは自由を求めて「革命」を起こすこと。ボビーは立ち上がり、ホームレス達はこれに賛同し、街は大混乱となる。
ボビーがついにクラッドウェルらと対峙した時、ホープが彼の愛娘だと知るが、二人の思いはいっそう強くなるのだった。ホープを人質にクラッドウェルと交渉するボビーだったが、クラッドウェルの陰謀によってあっさりとボビーはうっしっしビルの屋上から警官ロックストックらに突き落とされてしまう。息をひきとる前にボビーはホープに宛てた遺言をリトル・サリー(坂井香奈美)に託す。それは未来に対しての希望や夢や自由の言葉だった。
これを受けてホープはボビーの意思を継ぎ、革命の主導者となり、父のクラッドウェルをうっしっしビルの屋上から突き落とし、晴れて自由を勝ち取るのだった。
UGC社を引き継ぎ社長となったホープは愛とか正義に有頂天になって、肝心の水を管理する能力に欠けていた為、水を枯れさせてしまう。人々は倒れ街は消滅しやがてホープ自身もカラカラに干乾びてしまった。というお話。
物語に悲壮感はない。全体的にコミカルにパッショナブルに進んでいくため凄く楽しめるエンタメだ。入場すると、女子警官ロックストックらがエロい格好で、トイレや携帯電話の諸注意や客席誘導をしてくれる。ちょっとした大衆キャバレー風の衣装だ。笑
舞台は生音楽と同時に始まるが、とにかくキャストが秀逸だ。舞台セット、衣装、そしてミュージカルとしてちゃんと成り立っており、キャストらの気迫がビンビン伝わってくる舞台だ。主役を演じた今村洋一と関谷春子が特に素晴らしい。歌も素敵だ。今村洋一は小劇場の舞台で何度も観ているが今回の舞台では水を得た魚のように益々、活き活きとしていた。関谷にいたっては、初見の女優だがポップでキュートな雰囲気を上手く演じていて好感の持てる女優だと思う。そして警官バレルの清水宏もいい。彼を何度も舞台で観ているが相変わらず客イジリのヒットメーカーでどこの舞台でも同じようにインパクトがあり演技力も豊だ。警官ロックストックの別所哲也もサービス精神旺盛で、観客を楽しませよう、楽しませようと努力していて、その使命感が素敵だった。
役者が吐くセリフにはハートに聞けとか、愛は信じるものとか、自由を求めてとか、ベタでしびれるセリフが羅列する。解りやすいエンタメだ。このちょっとクサイ、アングラ的なセリフで観客は感動し泣けるのだ。革命を象徴する自己批判や自由、人種差別や階級のセリフも盛り込み、全ての民は罪人。と括るところは中々上手い。一人がみんなのためにみんなが一人の為に革命し、自由を勝ち取り、やがて水不足で死んでしまう愚かな人間たちの狂想曲!笑
全席指定4800円 2時間40分 ミュージカルとしては破格でリーズナブルだ。観劇して大満足だった。お勧めの舞台。
明けない夜 完全版
JACROW
シアタートラム(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
おっ
懐かしい舞台発見!
結構いい舞台やった。
セット、役者二重丸やな。