我が儘な巨人の足音【千秋楽当日券はキャンセル待ち】 公演情報 ノアノオモチャバコ「我が儘な巨人の足音【千秋楽当日券はキャンセル待ち】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    大人の童話
    とにもかくにもノアノオモチャバコの描写が好きだ。その描写は劇団名と同じく夢見るオモチャバコなのだ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    裏日記はこちら→http://ameblo.jp/misa--misaki/

    ダメ男・中村が今回の主人公。中村はテレビ製作会社に勤務する、覇気のない男だ。カレーに福神漬けが添えてなかったことで恋人・しのぶを詰ったことが原因となりしのぶに振られる。振られてからやっと今更ながらに彼女への想いがつのる中村ダメ男。笑

    そんな中村が勤めるテレビ製作会社では「妻沼に現れる伝説の巨人の足」と称してVTRを撮っていたが局からVの契約解除をされ放送出来なくなった。
    そして中村はその日から職場の全員が盗賊団ヴォルガになってる光景と、伝説の巨人が居る世界の夢を見始める。彼の観る夢の世界では、巨人の眠りを妨げないように神官が巨人の足を洗う事を義務付けされていたが、ある日、これを怠り巨人は目覚めてしまう。

    巨人が眠りから覚めるとその振動で街は大地震が起こり滅びてしまう。だからこの街の勇士はヴォルガに「私たちの街の住民を盗んで欲しい」と頼むが、ヴォルガの長はこの申し出を断り「ならば巨人の足を盗もう」と強調する。

    物語は中村の現実と夢を錯綜させながら現実社会と中村の心の内を風刺したような作品だった。つまり巨人の足跡は政治やら得体の知れない大きなものに屈服した人間の残骸で、それらが蓄積された垢なのだ。

    そして中村は改めて感じる。恋人との関係も新鮮さを失い、なあなあになっていた事。始まりの頃や最初の想いが、次第に色あせてしまっていつしか恋人を邪険にしてしまっていたこと。これらに気付き後悔し去っていった恋人を取り戻すまでの物語だ。

    ストーリーは決して難しくない。極めて解りやすい。中村の心理の動きを捉えた作品だ。
    それをノアノオモチャバコ風にアレンジして一見、難しそうに魅せる技が巧みだ。
    間の悪い時にばかり電話をかけてくる中村父も中村にとってはダメ父だ。しかし、中村はこれらを土台に立ち上がるのだ。その希望に満ちた幕引きが清清しくて素敵だ。

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    2011/12/08 15:26

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