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【ご来場ありがとうございました!】俺という宗教、女神のSEX

【ご来場ありがとうございました!】俺という宗教、女神のSEX

あんかけフラミンゴ

しもきた空間リバティ(東京都)

2012/01/07 (土) ~ 2012/01/09 (月)公演終了

満足度★★★

粗くて繊細な舞台
チケットプレゼントにて鑑賞。

パンフのとおり、確かにめんどくさい。
歪んだ人物はいるものの話自体に目新しさがなくやや寂しい印象。もう少しハッチャケててもよかったかも。笑える箇所はポツポツあった。全体的に悪くはない。どこがよかったのかわからないけど。あと、お尻が痛くなった。

役者は、山田佳奈が一番よかった。

ネタバレBOX

昨年観た、エレファントムーンの「業に向かって唾を吐く」のような、性的要素を入れ込んだエセ宗教団体が舞台。
村上淳也と椎谷万里江の破局後、村上はエセ宗教団体「G・I教」に救いを得るため入信。そこは、性と麻薬と金が入り乱れる怪しい世界だった…。
結局、教団に捜査のメスが入ることになるが、二人は、歪んでいるようないないような純愛で包まれるという感じかな。そこの描き方は、好きになれないけどよかったと思う。あと、山田さまとくまさまの関係とかもよかった。

ただ、全体的に要らない部分があったかなと。漫才のとことか。また、舞台のカーテンの内と外を描くワケなのだけど、長いなと感じてしまった(このカーテンが何度も開閉するわずらわしさも見せ方の工夫でクリアできる気がした)。

ラストの麻薬の中で2人が抱き合うシーン(BGM:碧いうさぎ)は、感情移入なんてしてないけど、ちょっとグッとっきた。「碧いうさぎ」がオチになってたけど、歌詞「今の二人 救えるものは きっと真実だけだから」が示唆するように、真実=愛なのかと思った。

性描写は演出に工夫がほしい。
あけましてロックンスペシャルvol.1 「おわせてくれよ!」

あけましてロックンスペシャルvol.1 「おわせてくれよ!」

万能グローブ ガラパゴスダイナモス

ぽんプラザホール(福岡県)

2012/01/06 (金) ~ 2012/01/08 (日)公演終了

満足度★★★★

ロックって…
ガラパの皆さんが同じ舞台に揃うと、言いようのない安心感を覚えます。若いながらも、どっしり腰が据わった演技!圧巻でした!

軽快にポンポコと君は

軽快にポンポコと君は

ぬいぐるみハンター

OFF OFFシアター(東京都)

2012/01/06 (金) ~ 2012/01/15 (日)公演終了

満足度★★★

う~ん
結構面白かったけど、この劇団はノーテンキに楽しみたいと思うのですよね。なんかスケールの大きなメッセージ性のある話になってくると、ちょっとね。アフターイベントは大いに笑えました。神戸さんサイコーです。

The Girls next door 公演は無事終了いたしました。ご来場ありがとうございました。

The Girls next door 公演は無事終了いたしました。ご来場ありがとうございました。

遊戯ヱペチカトランデ

APOCシアター(東京都)

2011/12/08 (木) ~ 2011/12/12 (月)公演終了

満足度★★★

合唱よかったなー
かなり凝った作品で、ちょっと分かりにくいところもありましたが、これだけ女の子達が多いと、なんか気分が盛り上がりますね。合唱よかったなー。

スピンドクター

スピンドクター

劇団 東京フェスティバル

OFF OFFシアター(東京都)

2011/12/15 (木) ~ 2011/12/20 (火)公演終了

満足度★★★★

やっぱり期待を裏切らない
相変わらずこの劇団の政治モノはいいですね。ワクワクドキドキしながら楽しめました。いやー満足です。

エキゾチックプレシャス

エキゾチックプレシャス

ブルーエゴナク

cafe de beach (北九州市小倉北区紺屋町7-15JMNビル1F)(福岡県)

2012/01/07 (土) ~ 2012/01/10 (火)公演終了

満足度★★★★

いやあ
おもしろかったです。
代表の穴迫さんは21歳という若さながら
あれだけの脚本を書き、あれだけの演出をされたことに
驚きを新たにしております。(才能と年齢とは関係ありませんが)
役者さんはいろんな方面ですでに活躍されている方々も多く
旗揚げ公演とはいえ、レベルはかなり高かったのではないでしょうか?
4月には早くも第2回公演が予定されているとのこと。
こちらも楽しみです。

吐くほどに眠る

吐くほどに眠る

ガレキの太鼓

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/01/06 (金) ~ 2012/01/15 (日)公演終了

満足度★★★★

相変わらずよかったです
初演を思い出しながら、ちょっと懐かしく観劇。一部ストーリーに変更ありか。なんとなくわかりやすくなっている気がしました。落ち込んだ時に観るのはシンクロしそうで怖いけど、相変わらずよかったです。

【ご来場ありがとうございました!】俺という宗教、女神のSEX

【ご来場ありがとうございました!】俺という宗教、女神のSEX

あんかけフラミンゴ

しもきた空間リバティ(東京都)

2012/01/07 (土) ~ 2012/01/09 (月)公演終了

満足度★★★

よかったです
ハードなエログロと思いきや、割と控えめでなんとなく純愛路線。もうちょっとハジケた作品を期待していたけど、結構楽しめました。多少ギクシャクしていたのが気になりましたが、旗揚げってことで。次回作も期待します。

迷わずダンス

迷わずダンス

NPO法人らふと

RAFT(東京都)

2012/01/07 (土) ~ 2012/01/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題254(12-007)
18:00の回、いろいろな表現があるのだなとあらためて思いました。RAFTの奥が舞台で、手前が客席。18:09開演~18:44休憩18:52~19:17終演。灯りと闇と影、映像や音楽好きです。桜井さんは、背骨のラインと、両腕のライン(鳥が羽を大きく広げるように)、2つの軸を持っているように、平田さんは、風から生まれて風の中に消えて行ったように、見えました。

ネタバレBOX

桜井さん/佐藤さん。灯りが1箇所から小さく分かれているので印象的、動きは緩やか、最初、蜘蛛のイメージ、地を這うように動く、お二人のシーンでは、温かい水と冷たい水が交じり合うことがなく永遠に回り続けているかのよう、2つのブラックホールか連星が引き合っているようにも。

平田さん。映像〜実像〜映像へ、何を紡いでいるのだろうか、仕草、歌、セリフ、列車、終演後ロビーでお見かけしたのは小柄なお姿、舞台ではとても大きくみえた、奥のスクリーンに映る映像とくっきりとした輪郭の影、映像が映っていないときはちょうど膝のあたりに(あかりの)境界ができ浮いたり/沈んだり。

想像させてくれるダンスはいいな。
snow drop

snow drop

プラザソルショーケースイベント

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2012/01/08 (日) ~ 2012/01/09 (月)公演終了

満足度★★★

お手軽なショー
個人的には、まあまあ楽しめた(笑)。

本日は6つのイベントがあったが、そのうち2つを観た。
「演劇ユニット三つの色(演劇)」と 「アラリン(一人芝居)」。

気軽に手軽がるに楽しめるショーであった。

ネタバレBOX

・「演劇ユニット三つの色(演劇)」は、脚本が弱かった。
 万引きをした犯人が、死刑と考えてしまうというのは、ちょっと。。。
 その分、演出と役者陣は、大学ユニットと考えるとまあまあかな。

・「アラリン(一人芝居)」は、なかなか楽しめた。
 一見素人っぽい雰囲気のアリランさんであったが、
 話術が上手く、惹きこまれた。設定も面白く、笑えた。
 一人芝居は何度か観たことがあるが、こういう日常的で
 おちゃらけたのは初めてで新鮮だった。
レニングラード国立バレエ―ミハイロフスキー劇場―『白鳥の湖』

レニングラード国立バレエ―ミハイロフスキー劇場―『白鳥の湖』

光藍社

東京国際フォーラム ホールA(東京都)

2012/01/07 (土) ~ 2012/01/08 (日)公演終了

満足度★★★

王道
クラシカルな演出による上演で、早めのテンポの演奏に乗せて踊る群舞が美しかったです。ラストにオデットが死なないハッピーエンド版でしたが、あっけらかんと展開して、ドラマとして盛り上がりに欠ける様に感じました。

オデット/オディールを演じたボルチェンコさんはとても細い腕で繊細に感情を表現していました。2役の演じ分けもハッキリ違いが出ていて、オデットの時のキメのポーズがました。ジークフリートを演じたシェミウノフさんはかなり身長が高い人でしたが体の重さを感じさせず、高貴な雰囲気がありました。優雅な動きは良かったのですが、あまりキレが良くないので、のんびりした感じの王子になっていました。
第2幕の白鳥の群舞が動き・形とも整っていて美しかったです。 第4幕の群舞は少し乱れが気になりなした。第3幕のポーランドの踊りがかなり速いテンポでエキサイティングでした。

美術は古風な書き割り的なもので、湖面の絵に波紋の様な照明が当てられ、奇麗でした。
国際フォーラムのホールAでのバレエ公演は今回初めて観ましたが、会場が広過ぎるため、ステージまでの距離がかなりあって細かい動きが見えにくく、オーケストラの音も拡散して迫力が失われてしまった様に感じました。

今回の来日公演は他の演目もクラシック系ばかりですが、せっかくナチョ・ドゥアトさんが芸術監督なのだから、コンテンポラリー系の作品も上演して欲しいです。

吐くほどに眠る

吐くほどに眠る

ガレキの太鼓

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/01/06 (金) ~ 2012/01/15 (日)公演終了

満足度★★★

私は自分自身が重い
ので、重いものを重いまま見せられても困るのです。

Ato-Saki

Ato-Saki

VOGA

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/01/06 (金) ~ 2012/01/09 (月)公演終了

満足度★★

幻想的
関西で活動する劇団の初の東京公演で、第二次大戦でニューギニアの戦地に赴いた兵士の物語を、ビートに乗せた台詞と身体表現で描いた、休憩込みで2時間40分の大作でした。

終戦後数年経ってから帰国した男が苦悩する話がファンタスティックに描かれていましたが、戦争の虚しさを訴えるといった様なテーマではなく、生きている人と死んだ人の繋がりをテーマにしていると感じました。ただ、あまり発展しないエピソードが多く、テーマが浮き上がって来ず停滞感があったので、もっと削ぎ落として2時間以内に納めた方が良いと思いました。

作・演出の近藤さんは維新派の出身とのことで、その経歴を感じさせる、関西弁でのラップの様な台詞回しやカクカクとした動きの様式性の強い表現が多用されていました。音楽に合わせたパフォーマンス的なシーンと普通の芝居のシーンが交互に続く構成でしたが、まとまりがなくて統一感に欠けると思いました。
演出が要求する空間のサイズに対して実際のステージが狭く感じられ、窮屈な印象がありました。もう一回り大きなステージで観てみたく思いました。

映像はほとんどモノトーンのシンプルな表現ながらも、とても効果的に使われていて素晴らしかったです。リバーブを用いて声に浮遊感を持たせた音響も、台詞が生々しくなり過ぎず良かったです。

やぎの一生

やぎの一生

セッションハウス

神楽坂セッションハウス(東京都)

2012/01/07 (土) ~ 2012/01/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

楽しい
これだけ客が楽しそうにする公演はとても貴重ですばらしい。上演時間120分。ホール、一万円札、セッション、歌舞伎揚げ、りんご、バー、他。

迷わずダンス

迷わずダンス

NPO法人らふと

RAFT(東京都)

2012/01/07 (土) ~ 2012/01/08 (日)公演終了

二日目
桜井陽子・佐藤健司、平田友子

わが星

わが星

ままごと

J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)

2011/05/19 (木) ~ 2011/05/22 (日)公演終了

「わが星」
今頃、アワード用ですm(__)m

先に映像で観ていて、「絶対観たい」と思って心待ちにしていた作品。

どうしても、震災後のいま自分が住んでいる「わが星」のことを想ってしまう部分もあって、本来の作品として純粋に観れているか・・・迷う部分もあります。

「わが星」が、
自分の住んでいる地球であったり、
憧憬のシンボルだったり。

等身大の自分の世界と、
広大で深遠な宇宙とを描いているのに、
違和感なく世界に入り込める。

長く生きれば生きるほど、
人との死に別れを経験する回数が増えるのだけど、
長く生きれば生きるほど、
長く一緒にいた人と別れることになるんですよね。

お姉さんとのシーンは、思い出したら、泣きそうになります。

ただ、舞台が円形のほうが、
より世界に入り込めたんじゃないかとは思います。

ネタバレBOX

Happy Deathday To Me ♪

生まれたときから、死にむかっているんだなぁと思います。
口ロロの歌は、ずっと心に残ります。

「拝啓」で始まるつきちゃんのシーンが、
すっごい好きです。

外から見守っている「少年」は、
火の鳥未来編のマサトを思い出しました。
ハムレット

ハムレット

劇団東京乾電池

ザ・スズナリ(東京都)

2012/01/04 (水) ~ 2012/01/15 (日)公演終了

満足度★★★

結果ベテランが際立つハムレット
冒頭あまりの早口にびっくりした。
その理由は私には定かでないが、この演出で
ベテラン勢のテンポと間が際立つことになった。
柄本明はいつも同じ顔をしていながら、その肩に乗っかっているものが
全く違う。
今回は「墓掘り30年の裸の肩」を見せて味わい深かった。
トリプルキャストのこの日のハムレットは嶋田健太さん。
じっくり悩むハムレットも聴いてみたいと思った。
柄本明が率いるからこそ、劇団乾電池に期待する。

軽快にポンポコと君は

軽快にポンポコと君は

ぬいぐるみハンター

OFF OFFシアター(東京都)

2012/01/06 (金) ~ 2012/01/15 (日)公演終了

満足度★★★★

ノリノリ
みんなめちゃ可愛いかった。ダンスシーンは一緒に体揺らしたかった(というかちょっと揺れた)。しょーもない話とベタなオチなのにちょっとウルっときたのが悔しいが、楽しかった。

【ご来場ありがとうございました!】俺という宗教、女神のSEX

【ご来場ありがとうございました!】俺という宗教、女神のSEX

あんかけフラミンゴ

しもきた空間リバティ(東京都)

2012/01/07 (土) ~ 2012/01/09 (月)公演終了

満足度★★★★

裏切られた(良い意味で!)
個人的には一昨年夏のHit Hitのような社会派の内容が好みであるのと、今回の公演のタイトルとフライヤーの写真を見て強烈なエログロものかと思い、観劇を決める迄は正直やや敬遠気味だった。
しかし、実際には私にとっては良い方向で推測が外れた。宗教と恋愛という素材の組み合わせ自体は新しいものではないが、根底に流れているのは純愛なのだと勝手に解釈した。実は脚本の著者は大変なロマンチストなのであろうと推察する。
冒頭の映像の造りも完成度が高く、音楽も効果的に使われていた。粗削りな部分もあったが、他の皆さんの感想でも述べられているように学生演劇らしいパワーを感じる舞台だった。良い船出となる公演だと思う。

ネタバレBOX

ストーリー展開上必要な性愛表現もあったのだろうが、その行為の一部と男優たちのケツ出しは、なくても十分ストーリーは理解できたし、あそこまでやらない方が逆にカーテンの向こうで繰り広げられているコトを観客が自由に想像できて効果的ではなかったかと思う。例えば一貫してシルエットで表現するとか・・・。
ハムレット

ハムレット

劇団東京乾電池

ザ・スズナリ(東京都)

2012/01/04 (水) ~ 2012/01/15 (日)公演終了

満足度★★★★

これが「東京乾電池」だ!
とても「危険」な演出を、今回も敢えてしたのではないだろうか。

35周年公演の1本。
25周年は『夏の夜の夢』だったから35周年は『ハムレット』。
45周年もやっぱりシェイクスピアになるのだろうか。

ネタバレBOX

東京乾電池の古いメンバー3人(柄本・綾田・ベンガル)の印象から、『ハムレット』を面白可笑しく見せてくれるのではないか、と思った観客も多いのではないだろうか。
また、『ハムレット』を正調で演じるのではないか、と考えて会場に足を運んだ方も、(少数だとは思うが・笑)たぶんいるだろう。

結果としては、どちらの観客にとっても、やや肩すかしだった感は否めないのではないか。

その感覚は、25周年のときに、同じスズナリで上演された『夏の夜の夢』でも感じたものでもあった。
ただし、『夏の夜の夢』は、劇団員総出演で、全員が登場するシーンがあり、舞台の上が大変なことになったり、あるいは柄本さんの出番が多く、圧倒的な存在感を見せつけてくれたりしたので、結果としては「とても面白かった」のだが。

今回、多くの観客が感じたのは、「なんでこんな人が舞台に立っているの?」「若手と古株の力の差がありすぎでは?」ではないだろうか。
同じことを、25周年の『夏の夜の夢』で最初は感じた。

しかし、よく観ていると、「あまりうまくない役者」(あえてそう言う)の演出は、「とにかく早口」にしていることに気がつく。
とにかく台詞を早く言わせて、相手のリアクションなどはとらせていない。よく見れば、(特に冒頭の3人)相手の台詞を受けているはずの様子はほとんどなく、棒立ち状態に近い。

これはどういうことなのか? 「芝居」とか「演劇」の決まりとしては、あり得ない行為ではないのだろうか。しかし、演出は、それを「敢えて」やらせている。

なぜ東京乾電池がそれをやるのだろうか、と考えてみると、例えば、月末劇場で上演されている演目や、座付きの作家(&演出)である、加藤一浩さんの戯曲を見ても、「不条理」なものが多いのに気づく。
同じく35周年で先日上演された『そして誰もいなくなった』も、別役実さんの作の、モロ不条理劇だった。

そういう「芝居としてあり得ない行為を敢えてやらせている」演出の劇団は、意外とあるのだが、それらしい劇団がやると、それらしく見えてくるということでもある。
だから、東京乾電池という劇団の(なんとなくの)イメージとして見ると落差があるのかもしれない。

つまり、「不条理劇をやる劇団」という路線から考えると、シェイクスピアだって「不条理劇」だ、とばかりに、こういう演出にしたのではないだろうか。

また、こうも考えられる。
台詞の1つひとつに情感を込めなくてはならないところを、早口で情感どころか相手のリアクションも考えずにしゃべらせる、それによって、「変な感じ」にしたいということではないのだろうかということ。
それは、役者を(さらに)「下手」に見せてしまうのだが、同時に役者の「地」のようなものを露わにしていく。

35年劇団にいる柄本さん、綾田さん、ベンガルさんたちは、それができたからだろう。実際、彼らはは、特に何か変なことを(あまり)仕掛けくるわけではなく、ハムレットの台詞を言っているだけなのに、なんとなくニヤニヤしてしまうような「味」が出ているのだ。

実際、今回の舞台でも、そういう「味」のようなものが出始めている役者も見受けられた。
そうではなく、自分の気持ちで演じている役者もいて、その幅を演出家(柄本さん)が微妙に調整していたように見えた。
だから、階層がある。
普通にいるだけで上手い人、自由に演じさせる人、普通だとかなり厳しい人、そんな感じだ。

こうした企みは、本人の「地」が問われるということなので、役者は大変であり、失敗は手酷く自分に返ってくる。

今回は(今回も)そうした「実験」のような「不条理劇」としての『ハムレット』ではなかったのか、と思うのだ。

結局のところ、これが「東京乾電池」なのだ。

私が観た回のハムレット(深水俊一郎さん)は、それほど「上手い」わけではなかったのだが(失礼!)、「若さ」と「勢い」があり、ときどきその台詞がそれにはまっているシーンもあったので、若さ故の「苛立つハムレット」を観た感じがあった。
なるほど、その苛立ちが、周囲を傷つけてしまう結果となる、という、青春の蹉跌的なハムレットになっていた。

あとから出演表を見ると、この人見たかったなあ、というのもあったりするので、そういう楽しみも、今後出てくるのではないだろうか。

今回、柄本さんの出番が少なく、単に台詞だけでなく「仕掛けて」くる間がなかったのは残念だ。ちょっと吹いてみせるような演技を入れ込んできたが、それは十分でなく、もっと出演している時間が長ければ、「怪演」が観られたであろう。10年後の45周年には期待したい。

ラスト&カーテンコールで流れていた、なぎら健壱の『ガソリンとマッチ』は、35周年を迎え、さらに先に進む、東京乾電池自身を奮い立たせる応援歌のように聞こえた。
「いそがなくちゃ あわてなくちゃ 心の灯が消える ガソリンとマッチをちょうだい」(by なぎら健壱)。

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