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ベルが鳴る前に

ベルが鳴る前に

ペンギンプルペイルパイルズ

本多劇場(東京都)

2012/02/16 (木) ~ 2012/02/22 (水)公演終了

満足度★★★★

 
コメディーファンタジーかな?
ラスト泣いた。号泣ではなく良かったなあとシミジミする感じで泣き度でいうと40%くらい。泣き度ってなんだw
奥菜恵の演技も良かったしセットのからくり(?)が凝ってて凄かった。

Hobson's Choice -ホブソンの婿選び-

Hobson's Choice -ホブソンの婿選び-

無名塾

ももちパレス(福岡県)

2012/02/10 (金) ~ 2012/02/18 (土)公演終了

満足度★★★★

仲代達矢の Hobson's Choice
 「仲代達矢役者生活60周年記念」というサブタイトルが付いている(パンフレットは仲代さんの写真集にもなっている)。デビューは1954(昭和29)年、黒澤明監督『七人の侍』の通りすがりの名もない浪人。わずか数秒のエキストラに過ぎなかった。
 それが国内外の数々の名画、名舞台に出演し、「世界の仲代達矢」にまでなったのだから、その記念作に何を選ぶかは演劇、映画界にとって注目の的であったと思われる。しかし、それが名匠デヴィッド・リーン監督による、ベルリン映画祭金熊賞受賞作とは言え、純然たる「喜劇」である『ホブスンの婿選び』であったことに驚いた向きも少なくはなかったのではないか。
 けれども、意外なほどに、と言っては失礼だが、仲代達矢はこれまで喜劇も多数、演じてきている。突っ込まれて「受け」た時、ボケる間が絶妙に巧い。今回も、飲んだくれの癇癪持ちのホブソン役を、「詰め物」もしているのだろうが、オリジナル版のチャールズ・ロートンよろしく、腹を揺らして楽しげに演じている。「モヤ」さんとあだ名されている通り、喜劇の場合の仲代さんは、どこか茫洋として、熱演しても熱演に見えない。生来の持ち味なのだが、今回もそれが発揮されて、舞台に「和み」を産んでいる。
 なるほど、記念作に『ホブソン』を選択したのはまさしく「Hobson's choice(=唯一の選択)」だったのだなと、納得させられたことだった。

ネタバレBOX

 その昔、トーマス・ホブソンという配達夫がいて、副業で「馬貸し」もやっていた。飼い馬には、良馬もいれば駄馬もいたが、借りに来る連中は当然、良馬ばかりを借りたがる。そこでホブソンは、出口に近い馬から順番に貸し出すルールを作り、顧客の貧富に関わらず、これを押し通した。
 その故事から生まれた成語が「Hobson's choice(=選択の余地無し、究極の選択)」である。

 支配的な頑固親父と、結婚適齢期(多少過ぎ)の三人娘の葛藤、という筋立ての舞台で真っ先に思い浮かぶのは、ショラム・アレイハム作『屋根の上のバイオリン弾き』だろう。昨年観劇した『焼肉ドラゴン』もこのパターンを継承していたから、これはもうドラマの一つの定型パターンであると認識して構わないようだ。
 三人のうちの一人が「幸せになる」というのならば、このパターンは『シンデレラ』にまでルーツを遡ることができる。しかし、残念ながらあの前近代的メルヘンには「父親」が存在していない。これはあくまで近代文学における「父性と「母性」との対立の物語なのだ(父と娘という形は取っているが、娘が体現しているのは極めて本能的な母性である)。
 そしてそれは、父性が歴史の中で連綿と築きあげてきた「封建制」に対して、原初的な母性が反逆を翻す物語でもある。
 そう考えていくと、この物語のルーツは、改めてシェイクスピア『リア王』にあったのだと見なすことができそうである。それ以前にこのパターンが存在していたかどうか、非才の身ゆえ断言はできかねるが、恐らく明確な形式としては無かったのではないか。日本の須佐之男にも三人娘がいたが、特に父親に反逆した形跡はない。
 シェイクスピアが「近代文学」の祖であることの、これも一つの証明になるのではないか。観劇しながらそんなことをぼんやりと考えていた。

 物語は、長女マギー(渡辺梓)が、根性無しのヒョウロクダマである靴職人・ウィリー(松崎謙二)を立派な男に「調教」する“逆”『じゃじゃ馬馴らし』な展開もあるから、作者のハロルド・ブリッグハウスが、この物語をシェイクスピアのパロディとして書いたことは間違いないことだろう。
 『リア王』では父親も娘も結局は“共倒れ”してしまうが、フェミニストのブリッグハウスは、そんな「痛み分け」みたいな結末はよしとしない。「男が女に勝てるわけ無いじゃないの」とばかりに、ダメな男どもを翻弄するのである。
 ついでに言えば、主人公ホブソン(仲代達矢)の名前は、ヘンリー・ホレーシオと言う。いかにもシェイクスピアの作品から名前を借りてきました、というのが見え見えの、オアソビのネーミングだ。そして、仲代達矢が黒澤明監督『乱』で、“リア王”一文字秀虎を演じていたことを思えば、この配役が「二重のパロディ」を意味することにニヤリとされるファンも多かろう。

 ヘンリー・ホブソンは、昼間から「酔いどれ亭」で飲んだくれているような道楽親父だが、商売のホブソン靴店は、名職人のウィリーと、切り盛り上手のマギーのおかげで繁盛している。
 三人の娘たちはもう結婚させてもいい年頃で、実際、次女のアリス(松浦唯)と三女のヴィッキー(樋口泰子)にはそれぞれ恋人がいる。ところが女手が足りなくなるのと、持参金惜しさに、ヘンリーは娘たちの結婚を一切認めようとしない。一計を案じたマギーが取った手段が、ウィリーの調教と、店からの「独立」だった。
 ウィリーを「主人」に、新しく店を作ったところ、顧客はこぞってウィリーの店に鞍替え、ヘンリーはたちまちジリ貧に陥ってしまう。酒で健康が悪化し、さらに訴訟沙汰にまで巻き込まれて(もちろんマギーが影で糸を引いている)、にっちもさっちもいかなくなり、残された選択肢はたった一つしかない。マギーとウィリーに頭を下げて戻ってきてもらうことだけ、というのがタイトル通り「ホブソンの選択」だったという落ちである(この期に及んでもなんとか給金を値切ろうとけちくさく交渉する仲代達矢の演技がまた可笑しい)。

 シェイクスピアの『リア王』は、もちろん「選択を間違えた男の悲劇」である。最も自分に忠実な身内は誰なのか、人は往々にして見誤る。しかし父親の身をコーディリアが本気で心配していたのなら、もう少し巧く立ち回ったのではないか、という疑念を抱かないではいられない。彼女もまた、あまりにも自分の感情にストレートで愚かすぎるのだ(だからあの父にしてこの娘ありなのだが)。
 その点、マギーは実に巧く男どもを操ったと言える。頑固親父のヘンリーが「骨抜き」にされていく様子は観ていて実に小気味いい。仲代達矢が従順にこっくりと頷く仕草の「可愛らしさ」などは、『乱』を観た直後に見比べたなら、抱腹絶倒してしまうのではなかろうか。
 無名塾では中堅の、松崎謙二の「変貌」ぶりも目を見張る。軟弱な田舎者だったのが、一転して全ての問題を収拾する「男」となって再登場するのだが、そのウィリーも最後の最後で、やはりマギーの掌上にあったと分かる落ちは、「女性上位の時代」を礼賛したブリッグハウスの快哉だったと言えるだろう。まさしく「歴史は女で廻っている」のである。
 何だかんだで妹二人も体よく排除し、ホブソン家の財産はマギーが独り占めすることになる。つまり、「最後の勝利者」、実質的な主役は彼女であって、ヘンリーではないのだ。ヘンリーもウィリーも、マギーの「引き立て役」にすぎない。
 すなわち、“仲代達矢記念公演”でありながら、彼はマギー役の渡辺梓を「立てる」立場に廻ったことになる。仲代達矢ファンとしては寂しい限りだが、彼女はその期待に充分答えたと言えるだろう。凛として、ウィリーに「あなたは私の最高傑作よ」と言い放つマギーの姿は美しい。
 このシーンで「男どもめ、ざまを見ろ」と溜飲を下げた女性観客は、初演当時、それこそ星の数ほどいたのではないか。そして恐らくは今も、この日本でも。

 もともと無名塾は俳優養成を第一の目標に掲げ、受講料も一切取らず、一人前になったと判断されれば、独立をどんどん推奨してきた劇団である。だから中堅までは在籍者がいても、50代、60代のベテランは殆どいない。
 その中堅も、外部公演、テレビ、映画出演をどしどしこなしているから、勢い、定期公演は若手ばかりになることが多い。おかげで仲代達矢との演技力の差が歴然としてしまうというネックはあるのだが、今回は前述した通り、仲代さんが「引いた」立場の役柄であったために、そこまでの落差を感じずにすんだ。
 仲代ファンとしては、彼が出ずっぱりでないのはいささか寂しいのだが、引退を撤回し、なおも無名塾を続けていくのはなぜか、仲代さんが出した答えがこの立ち位置なのだろう。

 それでも「仲代達矢の“主演作”をこそ観たい」というファンの声は少なくないだろう。映画でも実はこの20年、仲代達矢の純粋な主演作は『春との旅』くらいしか見当たらないのである。
 そんな声に応えてか、次回公演は、仲代達矢個人の公演『授業 La LeÇon』(イヨネスコ作/丹野郁弓演出)と、無名塾公演『無明長夜 ~異説四谷怪談~』(松永尚三作/鐘下辰男演出)とに分かれる。これは、仲代達矢亡き後も無名塾が存続することに意義があるか否か、それを問うための二分割公演でもあるのだろう。
 残念ながら、今のところどちらも福岡公演の予定はない。『授業』は仲代劇堂のみの公演である。東京で観劇できる機会がある方はぜひご覧になっていただきたい。
少しはみ出て殴られた

少しはみ出て殴られた

MONO

吉祥寺シアター(東京都)

2012/02/17 (金) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★

 
とある国の留置場の中の話。
その国が分断してしまい、丁度国境線の上をその留置場がまたいでおり、いままでなかよくやってた囚人たちが出身国の違いで険悪な状況になってしまいはてさてどうなるっていう。
些細なことでこうやって民族間の紛争や戦争などに発展するんだなとか考えさせられたなー。

熱の華

熱の華

セカイアジ

OFF OFFシアター(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/22 (水)公演終了

満足度★★★

 
昼ドラ系サスペンスの趣で演技がくどいw
ストーリー的にはわりと有りそうな話で昭和4.50年代くらいの設定かしら。
革命家の役の人が気持ち悪くてよかったなあ。

ネタバレBOX

後半、現実と幻覚のシーンが頻繁に入れ替わるので、こちらもちょっと惑わされるような感覚に陥る演出はすごいと思う。
大きな虹のあとで ~不動四兄弟~

大きな虹のあとで ~不動四兄弟~

九州DD

太宰府館(福岡県)

2012/02/19 (日) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

涙が頬を伝う感覚を久々に感じました
午前のBキャストを観劇した後に、たまらずAキャストも当日券で観劇しました。
(キャストさん友人のキャンセル分を分けて頂きました)

同じ物語りなのに、Wキャスト独特?なのか、違う人たちの物語りのように感じてしまい、また頬を涙が流れ落ちました。

全てのキャストが無名の役者さんなのに、こんなに心が震えるほどの熱演を魅せて頂き、本当にありがとうございました。
また観たい。

田園に死す

田園に死す

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2012/02/09 (木) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★★★

寺山修司に思いをはせる
千秋楽ということもあり、座席は満員。開場ギリギリに着いたのに人だかりが…。大入り状況で、観客の熱気としては良い感じでした(笑)
最初の言葉の洪水にのまれる感じ、一気に舞台へ引き込まれていきました。言葉遊びの応酬が物語を構成し、最初の何気ない言葉の遊びが後半にどんどん核心へつながっていく面白さ。野田秀樹の脚本もそうですが、この興奮は最近の作品を見ていてもあまり得られないものだと思います。
中盤の中だるみなどはありましたが、ラストへの畳み掛けはさすがでした。
寺山修司は公演が行われる限り生き続けているんだ、という寺山修司へのあふれるばかりの愛情が伝わってきました。

ベルが鳴る前に

ベルが鳴る前に

ペンギンプルペイルパイルズ

本多劇場(東京都)

2012/02/16 (木) ~ 2012/02/22 (水)公演終了

満足度★★★★

おとぎ話のような世界。
久しぶりのペンギンさんの公演、久しぶりの本多劇場、ということもあり、テンション上がり目でした。

今回はファンタジーの要素が入った喜劇。コントではなく喜劇といった印象でした。
見終わると、まるでおとぎ話を聞いたような心地よさを感じました。

ネタバレBOX

トラックに乗る2人の男。

1人は機械技士アロイ。ある村に落としてしまった巨大な機械を広いあげるため、重機をとりに夜道をトラックで激走しています。
村には婚約者シルミを見張りとして1人残しているため気が気じゃありません。

もう1人はダスタ。エヴン粒子という浴びると死んでしまう粒子が上空に漂い、いつ降り注いでもおかしくない危機の中で、その対策のカギとなるホムンクルスを地中から回収を命じられた男。
世界の危機に対し、自分の使命を果たすため一刻を争います。

2人はそれぞれの目的地に向かうため一刻を争いますが。

そしてエヴン粒子が降り注ぐまで秒読みの段階になったとき、アロイとアロイの家族たちは田舎の地から回収した機械に乗り込みます。
エヴン粒子から世界で唯一逃れられる機械に。

2人の使命は果たされたのでしょうか。
といったお話。

衣装も中世ヨーロッパの装いで、機械もトラックもモダンな感じ。
不思議な世界観を衣装や舞台装置からも感じました。

また会話や動きにくすぐられるような笑いが散りばめられていたのも楽しめました。
千和、立ったまま眠っている

千和、立ったまま眠っている

喀血劇場

ギア専用劇場(京都府)

2012/02/16 (木) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★

やっぱりずるい
 9回生だからって学生演劇祭に出るのはやはりずるいという出来

再/生

再/生

東京デスロック

ぽんプラザホール(福岡県)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★★

はまると面白い
途中から、作品がわかってくると観ていて面白い。
しかし、役者さん、体力をかなり必要とします。
お疲れ様でした。

ネタバレBOX

「再/生」、予備知識なしでは導入はつらいが、
再生しているんだとわかると、
同じ動きと微妙に違う動きがあったり
お客さんで観点が違うとおもいます。
モンスターボックス

モンスターボックス

*pnish*

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2012/02/01 (水) ~ 2012/02/12 (日)公演終了

満足度★★★★

見てきました。
岡さんのモンスターっぷりがよかったです。
若者たちは、若さはじける熱演でした。

昆虫美学

昆虫美学

角角ストロガのフ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

無題302(12-055)
18:30の回。午後、急に予定を変更、この劇団は初めて。電話で当日券の有無を聞くと大丈夫だとのこと、でも、電話の向こうは大声で騒ぎたてているようだったのでちゃんと伝わったか不安な気持ちのまま会場へ、30分前受付開始ですが45分前着、入り口前で待っていると女性の方から芝居をみに来たのか声がかかる、大きなマスクをしてらしたのでちょっと自信がないものの...角田さんだったのか。ちょっと早めに受付開始、名前を告げるがやっぱりなかったようで、事情を吉水さんにお伝えし受付をしていただく、どこがみやすいかお聞きすると、2Fの演技がポイントと教えていただいたので、本日は後方の3列目。1Fは3箇所=左(ペットショップ)右(会社オフィス)と中央(DK)、2Fは2か所(居間とバス&浴室)と視点が多い。18:29場内アナウンス(前説)〜18:35開演〜20:21終演〜20:48アフタートーク終了。

映画「冷たい熱帯魚」「ヌードの夜(2作目のほう)」で切り刻む場面をみているので、絵的には特にビックリはしないし、「実際の事件」に対する衝撃度を芝居に関連させないと決めていたので普通にみていました。なぜそうなったのか(作家はどう思いながら演出していたのか)がわからないまま終わってしまい、最後は「こうなりたかったであろう」ということなのか(アフタートークのコメントより)。なぜ、劇中に裁判を思わせるシーンを織り込んだのだろう、問われるべきものはなかったということなのだろうか、などなど考え中です。

ネタバレBOX

■雑記
私も「昆虫系」みましたが(2回)、こちらは全編どす黒く、陰湿、凄惨。それはみせ方の違い。「隣の家の少女」(映画)あたりも良いかと。

カマキリの話はよく聞きます、「恋するオスが進化する(宮竹貴久著)」が面白いです(頭が取れても挑むオス、とか)。

カマキリは本物だったのでしょうか…後ろからだとよく見えなくて…動いてなさそうだし。受付には大きいのがいました。

人体を原材料とするお話なら「ソイレント・グリーン」だけど古すぎて知っている人いないかも。出てきた「大きな手(ひじから先)」は人間の手のサイズじゃないみたいだし、その点、リアルではない。

でも、舞台の上は細かいところまでリアルで、2階に伝っている白い蔦のようなものだけは異世界っぽい雰囲気、これは呪縛か。

ところどころ幻視的な場面がありますが、ちょっとわからなかった、きっと心理描写なんだと思う…

突然のアフタートーク、ずいぶん片方向の会話でしたが、客席からの質問に気づかされる点があり、なるほどーと思う。

スミマセン、まだどう評価したらいいのかわからないので空欄です…
みないほうがよかったのか…とんでもない、
予定を変更してまでみにきて…よかったです。





ハムレット

ハムレット

東宝

シアタークリエ(東京都)

2012/02/01 (水) ~ 2012/02/22 (水)公演終了

満足度★★★★

見てきました。
もともと、「ハムレット」自体が救いのない話なので、十分に楽しんだとは言い難い。
音楽はよかったし、みんな歌えるので、そういう点では楽しめました。

昆虫美学

昆虫美学

角角ストロガのフ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★

「糖衣錠の毒薬」
キャッチコピーを付けるならば「21世紀版怪談」「糖衣錠の毒薬」「連鎖し増殖する狂気・悪意」といったところか?
見た目はポップだが中身は毒々しいというのはもしかしてルミちゃんそのもの?(爆)
鵺的の『昆虫系』(奇しくも昆虫繋がりだ)と同様に実在の凄惨で血生臭い事件をモチーフにしながら、全く趣の異なる作品に仕上がっているのも興味深い…と言うか、演劇の醍醐味?
また、4ヶ所・5つの部屋をコンパクトに同居させた装置を使い、時として(劇中の)空間を跳び超える手口は今回も健在。それも多用せずに「ここぞ」という時き効果的に使うのがイイ。
ただ、角角を何度か観ているならまだしも、観劇数の多い方でも角角を初めて観る場合、ひく虞が無きにしも非ず、ましてや観劇初心者には「危険」かもなぁ?(笑)

ベルが鳴る前に

ベルが鳴る前に

ペンギンプルペイルパイルズ

本多劇場(東京都)

2012/02/16 (木) ~ 2012/02/22 (水)公演終了

満足度★★★

流石本公演です。
まだスズナリで公演してた頃の公演に雰囲気が似てますね、個人的には「機械」を思い出しました。なんともやりきれない感じと、様々な思いがグチャグチャした感じもあって、地下のシーンは好きです。若干人が多過ぎなのと、ぼくもとさん演じるキャラが、あまりいい効果になっていない気がする。それ以外は好きな倉持さんテイストを味わえる作品だと思います。

鈴木優人×神村恵『バッハの平均律』

鈴木優人×神村恵『バッハの平均律』

神村恵カンパニー

横浜赤レンガ倉庫1号館(神奈川県)

2012/02/19 (日) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

良い!
夜の部。なかなかおもしろいダンスだった。

昆虫美学

昆虫美学

角角ストロガのフ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

角田ルミ面白いかも
元ネタの事件はろくに知らずに鑑賞。面白かった。

前回の「雑種愛」と同様、舞台が4、5箇所くらいに分かれている気合の入ったセットでスピーディに観せる演出が素敵。
ATで作演の角田ルミを初めてみたが、(凄惨な舞台に対して)終始ニコニコ笑顔で癒されてしまった。

ネタバレBOX

2002年の「北九州監禁殺人事件」を元に金井家の崩壊を描く。主犯の吉田(犬塚威)が三女・まどか(村田)の殺人をネタに金井家をゆするところから不穏な空気が漂いはじめ、次第に濃くなっていき舞台を包み込む。

吉田役の犬塚が、この異常な事件の中心にいるのだが、その演技がヤバイくらいにハマっている。加えて、周りの(一応)被害者らの演技も手伝ってその一体感が恐ろしくて素晴らしい。とはいえ、須藤奈々子(塚田まい子)や次女・あかり(島崎裕気)やまどかの、吉田への忠誠というか屈服による加害者への転向など黒く染まっていく様はうまいと思う。特にまどかとか、完全にいってるなと。その中で、終盤まで常識人であった次女の夫・修一(青柳尊哉)の存在が一種の光のようでもあったが、結局彼もまた吉田の元に屈服することになる。おまけに長女の佐和子(正木佐和)と吉田の色恋沙汰も加わり、全員が歪む。終始不安な気持ちになる、良い舞台だった。

本作品では、「カマキリ」というエッセンスが添加されていて、その異常で残忍そうなイメージが確かにマッチしてたと思う。以前に鵺的「昆虫系」という埼玉保険金殺人事件を元にした舞台を見たが、ヒトから見ると、昆虫は残忍で冷酷なイメージがあるなのだろうか。ただ、事実その犯人等は昆虫ではなく、紛れもない人間だったことが一番の恐怖ということか。

あと、椿かおりはスタイルが抜群すぎる。
蓮沼執太×山田亮太(TOLTA)『タイム』

蓮沼執太×山田亮太(TOLTA)『タイム』

TPAM・国際舞台芸術ミーティング

KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)

2012/02/19 (日) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度

税金をドブに捨てる
赤字の日本。こんな舞台に1円たりとも使うべきではない。最低の舞台。

狂おしき怠惰

狂おしき怠惰

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

構成も鋭い分析もいつも通り
現代の恥部をあばきだした後に近未来を鋭く予測するのはいつも通り。脱帽。
「怠惰」として非難されるべき人間の中には私も。叱られに行ったようなものでした。これこそプロテスト演劇。

ネタバレBOX

前半から後半にうつる時のわずか数分の間に大きな音を殆どたてずに行なうステージセットの転換。いつかタネあかしして欲しい。
田園に死す

田園に死す

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2012/02/09 (木) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★

うーん
少年王者館に比べるとだいぶ見劣りする。

熱の華

熱の華

セカイアジ

OFF OFFシアター(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/22 (水)公演終了

満足度★★

入り込めなかった
クラシカルな美術と衣装と化粧。
演技も大きく古めかしく。

どうにもハマらず、いま一つと思ってしまいました。
笑いは一切排除して作り上げてほしかったです。

ネタバレBOX

最後の熱の華は妖艶でよかった。

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