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【公演終了】ブスサーカス【感想まとめにリンクあります】

【公演終了】ブスサーカス【感想まとめにリンクあります】

タカハ劇団

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/02/21 (火) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

ブスとサーカス、
何ともこの単語が結びつきませんでしたが、こういう展開だったとは。

ネタバレBOX

ヤクザの舎弟ヒロシと彼と関係を持った女性たちが警備員を二人殺害して6億円を強奪、女性たちは潰れた元雀荘の建物に隠れてヒロシからの連絡を待っているという状況下で起きた出来事。

容姿には自信のない女性たちですが、基本的にはヒロシを自分だけのものにしたいと考えているところに、ヒロシが一人の女性と逃亡しようとしていることが判明した結果、最終的には嫉妬心から殺し合いが起こったという顛末。

警察を恐れながらも和気あいあい的な女子会風雰囲気から、徐々に裏切り者探しがエスカレートしていき、そして本当に殺してしまう、しかも次々と、驚愕の様を見せてくれました。面白かったです。特に内山奈々さんの執拗さが良かったです!!

サーカス?! 今でも意味が良く分かりませんが、見世物的な、サークル的な、そして繋がっている的な言葉として理解しました。

最後の犠牲的精神からの行動がレズだったからというのはちょっとオチとしてどうかなと思いました。そんな伏線みたいなものあったかなぁ、気付きませんでした。

当日パンフレットの順番も観終わってから見るとクスっと笑えました。
持ち主、登場

持ち主、登場

ナイロン100℃

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2012/02/16 (木) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★

持ち主、登場
ただただ笑った。クスクスでありガハハでありヒヒヒであり…。そして泣けた(笑)なんか贅沢この上ない作品でラストも良かった。というか好きだったです。

昆虫美学

昆虫美学

角角ストロガのフ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★

脳が回った
昆虫美学・・・スゴかった。
角角をずっと観てきたけど、いつもラストにはめまいを覚えるような、そんな衝撃を受けるのですが、今回は頭痛にまで到達。
目が回るんじゃなく脳が回る!
次もまた楽しみに。

復活 -恋が終わり、愛が残った-

復活 -恋が終わり、愛が残った-

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2012/02/10 (金) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

戦闘機の物語
関西に続いて東京でも公演を観てきました。

そして、宝塚の上演している「復活」はやはり素晴らしい作品だと改めて感じました。

時代背景などが昔のものであるためか、
どうも古典的で古臭いと思われがちのような気もするトルストイですが、
単純な筋のようでいて、
みるたびごとに色々な発見があり、
それでいて時代の行く末を予言している
スケールの大きさというのは、
とても現代の作家に真似できるものではないのかな、と思います。

それと同時に、
ロシアの巨木のような大男たちの熱い友情の物語が、
少年のような真っ直ぐな瞳のネフリュードフによって、
原作とずいぶんと違った手触りをもった物語に生まれ変わったことに
新鮮な感動を覚えたりもしました。

・・たぶん、少年というのは、
意図せず、凄く無邪気に残酷なことを平気でしてしまうこともあるけれど、
それによって自分の心の醜さに気づいたとき、
その罪を全力で償うことによって
愛とでも呼べるようなものに近づくことができる。

すごく単純だけれど、
今多くのひとが、自分が傷つかないために人を平気で傷つけ続ける世の中で、
自分が傷つけた償いのために
自分もまた血を流そうと平然と決意できるネフリュードフに学べることは多い。

自己満足かもしれない。
・・でも、無知ゆえに人を傷つけてしまった過去があるのなら、
それを見なかったフリをして大人の仲間入りをしたような顔をするよりも、
自分の誇りのために血を流し続けるのは
同じ男として素直に尊敬できる。

舞台を観ながらずっと、
「戦闘機」がエンジンからずっと燃料を滴らせながら飛び続けるさまをみるみたく、
ネフリュードフが時代を駆け抜けるさまを、見つめていました。

結末はたぶんネフリュードフだって分かっていたと思うのです。
彼もそれほどバカではない。
自分ならきっと途中で気づくに違いない。
でも、力の限り飛び続けなければならない。
だから、最後の結末に辿り着けるように感じます。

自分はたぶんこれからも死ぬまでずっと、
この戦闘機の物語を愛し続けると思います。

Spiral of Decay

Spiral of Decay

Aggressive Death Metal Band Super Star Seve Stars

アサヒ・アートスクエア(東京都)

2012/02/17 (金) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

始めて
とても素晴らしい舞台でした!
笑い涙ありって感じですね\(^-^)/
またこの劇団の舞台をみたいな、と感じました

贋作 春琴抄2012

贋作 春琴抄2012

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2012/02/14 (火) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★

鵙屋琴
歌ありダンスありで飽きない舞台。セクシーな女優さんも見所のひとつ。ただ、話はゴチャゴチャした印象。休憩10分の150分。

ネタバレBOX

春琴抄と谷崎・佐藤の細君譲渡事件の3者を下敷きに創作されたストーリー。ラストの、春琴を美しいまま佐助の目を潰すという春琴抄の解釈シーンは面白く感じた。
上海でのサーカス団を舞台にした意味は、秘密結社のためか、踊り子を登場させるためか。ここらへんの意味が掬い取れず戸惑った。とはいえ、休憩後のダンスはどれも良かったし、滝男(浦川奈津子)と樺島芳子(黒沢美香)の歌唱も聴かせてくれた。二人とも演技に不思議な魅力があったし。
また、細君譲渡事件にからめ、谷崎(奈良坂篤)と妻・千代子(戸田佳世子)と高夏(安達俊信)の心を、大杉(末原拓馬)という存在で際立たせたのも面白い。
ただ、もう少しシンプルな筋のほうが観やすいとも思う。谷崎ら3人に焦点をあてるような。

浅草の酔っ払いがうろつくような場所に立つ東洋館にマッチした劇団だった。あと、春琴の衣装が可愛くてエロい。
Spiral of Decay

Spiral of Decay

Aggressive Death Metal Band Super Star Seve Stars

アサヒ・アートスクエア(東京都)

2012/02/17 (金) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

爆音と殺陣の迫力
霜月さんと、陸くんが出ると聞いて行きました。
平面の会場に三方向から囲んで、観覧するという形の舞台で、役者の迫力が間近で感じる事ができました。

新撰組が元になっているので、殺陣のシーンが多かったのですが、音と光と合わせながら行う殺陣は迫力と熱気を感じました。
爆音と聞いて、大音量が苦手な僕はその時だけは耳を軽く塞ぎながら聞いていましたが、それでも満足を感じました。
主役もアンサンブルも一人一人が協力しあって出来ている舞台なのだと思いました。


でも、一番「すげぇ」と思ったのは、アンサンブルの早着替えです。

狂おしき怠惰

狂おしき怠惰

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

超近未来
よくできたセットに感心してしまった。こんなの観たことない。
病院を舞台に次々露呈する人々の裏事情、それを辿れば霞が関につながるという現代の暗部がてんこ盛り。
その設定とスピーディーな展開が素晴らしい。
全ては抽象的な言葉ではなく、取材のたまもののようなリアルなデータで語られ、その説得力に圧倒される。
この話は超近未来のシミュレーションだ。
ゆっくりと落下していく「生」の重み。
生きているうちにそれを感じる人は、ごくわずかかもしれない。

「やるべきこともやらないで、たらたら生きてんじゃねーよ!」
その声を背中に聞きながら、私は劇場を後にした。




熱の華

熱の華

セカイアジ

OFF OFFシアター(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/22 (水)公演終了

2月21日(火)S
ちと荒いか。冒頭のシーンは好きだなぁ。

【公演終了】ブスサーカス【感想まとめにリンクあります】

【公演終了】ブスサーカス【感想まとめにリンクあります】

タカハ劇団

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/02/21 (火) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

おもしれー
チケットプレゼントにて鑑賞。とても面白かった。

ネタバレBOX

とある廃墟の雀荘に6人のブスが隠れている。ヒロシ?というチンピラに入れ込んだ朱音(異儀田)、稔梨(高野)、美子(青木)、結梨(内山)、華音(二宮)の5人は、ヒロシの差し金で警備会社?の金を盗み、警備員を殺してしまう。金をヒロシに渡し、今はヒロシの訪問を待っているところ。そんな中、買出しや料理を担当している紀歌(高羽)が、携帯を隠し持っていることが発覚して、紀歌を殺してしまう5人。加えて謎の携帯も見つかり、5人の中にヒロシに愛されている女が一人だけいることが判明し、疑心が渦巻き、醜い争いがさらなる死人を生み出す…。
序盤の何気ない会話のクスっとするところから、紀歌殺害の急展開、そこから携帯の持ち主探しで笑わせて、結梨の華音殺害シーンへと、笑いとサスペンスフルな展開にドンドン引っ張られる。狂った結梨を3人で殺し、美子が毒殺されるところで、朱音が「携帯の女」で、その朱音に恋する稔梨が美子を毒殺したことがわかる。朱音のことを見抜いていて朱音を部屋から出そうとする稔梨を疑う朱音が、死んだ4人がメイド服で踊る中、稔梨を絞殺するラストもなかなか見ごたえあるが、もうちょっと毒の利いた感じがあっても良かったかな。朱音が、(殺害の)状況に一番恐怖していて、ヒロシに会えるか不安だとしょぼくれていてからの絞殺って展開も面白いけどね。

龍宮華音役の二宮の「舌先ファンタジスタ」には笑ったし、キャラも良い。皆が容姿や性格を褒め合うというかけなし合うシーンは率直に面白い。ブスをネタに面白いセリフの応酬に満足。二宮の右にしか歩けない演技も良かった。また、発狂しだした結梨は怖いくらいで、演じた内山奈々に拍手。てか、皆うまかった。

舞台には出てこないヒロシというクズに溺れる(溺れてた)ブスたちの劣等感の充満する舞台に、笑いと滑稽さと哀れさが同居する面白さを堪能できた。ブスという素材を脚本・演出・演技でうまく料理した良作品だった。
僕らの心象風景における、いくつかの考察【公演終了いたしました。ご感想お待ちしております。】

僕らの心象風景における、いくつかの考察【公演終了いたしました。ご感想お待ちしております。】

Minami Produce

新宿眼科画廊(東京都)

2012/02/11 (土) ~ 2012/02/21 (火)公演終了

満足度★★★★★

無題304(12-057)
本日最終、Bです。今夜は箱の正面席、ABセット券だったのに前回と違う...正面から見ているとずいぶん印象が異なります。「夏への扉」、これがお好きだということでした。私がハインラインを手にしたのは「SF70 銀河市民(76/8)」が最初、「SF181 メトセラの子ら(76/9)」、「SF207 月は無慈悲な夜の女王(76/10)」、「SF217 人形つかい(76/12)」。
「SF345 夏への扉」は79年5月、結構遅いのでした。だてさんは、劇中その本を手に…。新訳版ではなく、ピートが扉の向こうをみている文庫(福島訳)、キャラメルボックスが原作に沿って舞台で演ったのと、谷藤太さん脚本のものを1度ずつみました。私は、原作とは離れるけど後者が好き。ハインラインが亡くなっておよそ四半世紀、いつも読書とは別のカタチでSF作品に触れると、ずっと眠っている本たちを揺り起こし、ページを開こうと思うのですが、それがなかなか。

あの時、誰もがそう思うその時、踏み出すのか、振り返るのか、引き返すのか、開けるのか、閉ざすのか、見つめるのか、そらすのか、語るのか、沈黙するのか、それは誰のため。
2回目、骨子的な部分は同じですが、こちらほうが心に沁みる。役者さん、みなさんいい、改めてそう思いました。縦長の舞台、奥から手前まで、立体感があります。

19:35開演〜21:05終演。

dogma/黒髪と魚の足とプレシオサウルス

dogma/黒髪と魚の足とプレシオサウルス

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2012/02/03 (金) ~ 2012/02/12 (日)公演終了

満足度★★★★

両バージョン観ました
青の章と黒の章両バージョン観ました。

ネタバレBOX

dogma、長編化したからか、現実の世界観との違いをボヤカシ、違う次元世界の話を感じさせ、また世界観をより丁寧に描けてる感がして、前回よりわかりやすくなってたかも。よかったです。ただちょっと長いかなとは感じましたが。

黒髪と魚の足とプレシオサウルス、大幅な長編化はしていないものの、よい意味で上演時間以上の時間経過を感じた。
面白かった。
で、その後にあった遊び心は黒髪の余韻を吹っ飛ばす内容でしたが、面白かったのでOKです(笑)
僕らの心象風景における、いくつかの考察【公演終了いたしました。ご感想お待ちしております。】

僕らの心象風景における、いくつかの考察【公演終了いたしました。ご感想お待ちしております。】

Minami Produce

新宿眼科画廊(東京都)

2012/02/11 (土) ~ 2012/02/21 (火)公演終了

満足度★★★★

A:彼女との出会いにおける考察
なるほど確かに「心象風景」…でありながら考えようによってはパラレルワールド、あるいは過去に戻って「あの時ああしていれば…」を実行する時間モノの変奏ながらSF臭を消して見事。
主人公の「僕」が、哲学的な事を言う飼い犬(!)に導かれて辿る、スレ違い続けた女性と知り合うまでの記憶の旅路、いくつになっても浪漫を捨てられない男衆(σ(^-^) を含む)にはハート直撃か?
冒頭を筆頭に時折入るラップ風なパートも良きアクセントで◎。

風のあしあと『月夜の七曲坂 第二夜』

風のあしあと『月夜の七曲坂 第二夜』

塩竈市遊ホール協会

塩竈市遊ホール(宮城県)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★★★

ちょっと長い・・・
いろんなエピソードを盛り込んで、みんなの見せ場を作った結果なのか、公演時間2時間40分ほどの大作!
内容に飽きはしなかったけれど、尻は痛くなるし会場は暑いし・・・・
途中 休憩を入れてもおかしくない公演だった。
ただ自分も震災の記憶があるので、泣きそうになってしまった。

再/生

再/生

東京デスロック

ぽんプラザホール(福岡県)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

これまた“予想外”
繰り返される音楽に合わせて、男女が踊り狂う85分。

ネタバレBOX

いわゆるセリフのある“演劇”ではなかった…。インスタレーションというか、パフォーマンスというか、コンテンポラリーダンスというか・・・。もちろん、作品を観ながらいろいろと思うところはあったのだけれど、あまりにも想像していたものと違っていたので、完全に乗り遅れてしまった。最初からそういうものだとわかっていれば、そのつもりで観たのに。ラーメンを食べに行ったら、フランス料理が出てきて、まぁおいしかったからいいけど、みたいな感じだった。
ベルが鳴る前に

ベルが鳴る前に

ペンギンプルペイルパイルズ

本多劇場(東京都)

2012/02/16 (木) ~ 2012/02/22 (水)公演終了

満足度★★★★

倉持
冒頭からいかにも倉持作品で嬉しくなる。
会話の着地点が見えない感じが堪らんね。紛れもなく倉持戯曲でした。
奥菜恵も健在だなぁ。
役者ちょっと多い。あの装置はお見事でした。

ネタバレBOX

不条理な地下のシーンは好きだな。
そしてホムンクルスの造形が雑(笑)
龍を撫でた男

龍を撫でた男

オリガト・プラスティコ

本多劇場(東京都)

2012/02/03 (金) ~ 2012/02/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

戯曲が大変素晴らしい
戯曲に散りばめられた一見何気ない家則の台詞に含まれる含蓄に心惹かれました。「おもいどおりいってもいかなくても一生は一生さ」「あんたのいう情熱なんでものは、けっきょくのところ、この散文的な家庭生活にはかなわないということですよ」「人生は冒険じゃない。人生はくりかえしですよ。」 こういう昔の傑作が観られる機会は嬉しいです。初演時の劇評を読み漁ってみたいと思いましたが、探していくのにもなかなか骨が折れそうですね。

ワンダース・インベーダー

ワンダース・インベーダー

ジャイアント・キリング

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/02/17 (金) ~ 2012/02/21 (火)公演終了

満足度★★★

ユニークな設定と、達者でキャラの立った
役者さんたちで面白いのですが・・・・。どうしていつもこんなに大所帯なのだろう?客演まで頼んで。なんだかストーリーのための大人数の役者さんたちというより、これだけの人数を出すためにこういうストーリーになった、という感じだ。この劇団の個性といえば個性なのだが、話がなんとなく散漫になってしまい、尻すぼみに終わってしまう。これだけの面白い設定、いくらでも話を面白く出来たと思うのですが・・・・・。

スイートメモリーズ【ご来場ありがとうございました!】

スイートメモリーズ【ご来場ありがとうございました!】

GENKI Produce

笹塚ファクトリー(東京都)

2012/02/21 (火) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★

響く世代がわかれるかも!?
初日観てきました!
面白かったけど、全ての世代にうけるって感じじゃないかなぁ~と。若い人にはわからないものが多いかも!?
でも、ホロリとさせてくれるし、笑わせてくれるし、一見の価値はあるかも(^^)
私は、もう一回は観に行く予定です。最後まで観て繋がったものを、もう一度観て確認しようかと。
残念なのは、この劇場は、雛壇じゃないと非常に観にくい。
他の公演で行った時も、舞台が全然見えなかったけど、今回も同じでした。
あと、上演中、舞台後ろや舞台横から聞こえてくる足音がかなり気になりました。そんなことも諸々含めて、満足度はちょっと辛口につけました。
いろいろ書きましたが、会社の上司世代に、お薦めしたい公演です!

2012年・蒼白の少年少女たちによる「ハムレット」

2012年・蒼白の少年少女たちによる「ハムレット」

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2012/02/20 (月) ~ 2012/03/01 (木)公演終了

満足度★★★★★

「企み」がすごい!舞台美術必見!
上演時間3時間40分。密度の濃い時間を堪能しました!

まず全体の企み、完璧に蜷川氏にお手上げです。
とりわけ舞台美術は驚きです!(ネタバレに当たるので・・・)
さい芸大ホールインサイドシアター以外ではなかなかできない試みでは?

「蒼白の少年少女」の「蒼白」は彼らの世代の戦略であるということを、蜷川氏はご存知なのであろうな、と思いました。
このお芝居「ハムレット」は、世代間格差の問題を問い、旧世代の新世代への恐れを描きながら、世代間理解が可能かを問い、あるいは革命的世代交代が起きるとしたら、という仮想を試みているとも読める、そういう企みをまた感じてしまうのです。

彼らより上の世代はそれを心せねばなりませんと、言いたいのであろうかな、と。そのリトマス試験紙がこまどり姉妹だったと思うのです。

こまどり姉妹ですが、一番ぶっ飛んだのは、ハムレットがオフィーリアに「尼寺へ行け!」と叫ぶ、そのときに登場!したことでした。

では、こまどり姉妹の登場で、川口覚さんのハムレットと、深川美歩さんのオフィーリアは喰われてしまったか、というと、そんなことはありません。(深川さんは昨年の「美しきもの~」の伊藤野枝役が印象深いですが、今回は真反対のオフィーリアでありました。
お二人だけではなく、ホレーショーもガートルードも名前のある役だけでなく、旅芝居の「黙劇」部分の役者たちもよかったです。

ネタバレBOX

さい芸大ホールインサイドシアターということで、普段舞台となるところに座席を持ち込んで、三方囲み舞台で客席から見下ろす感じなのですが、舞台床がガラス張りでその下(奈落)が見通せる仕掛けになっています。この「奈落」は開演前は楽屋として、役者たちが着替えたり化粧してたりが見えます。天井からシャンデリアが降りてきて「開演」。その後は、床の下(ガラスの下)が第2の舞台として、役者たちは2段構造の舞台を走り回ります。で、逆にこのガラスの床とシャンデリア以外の美術はありません。

このガラスの床と奈落の底、の2重構造の舞台の効果は圧倒的で、
・楽屋を見せることで高まる「お芝居ですよ」雰囲気、
・ガラスの箱の中で演技しているように見え「標本箱」のような印象もある、
・地下、に当たるので、地下=墓場、もう死んでしまったものの物語
・・・そういう何重もの「虚構性」仕掛け作りに成功している

・王、王妃が現れると、それ以外のものは下に下がり、上下関係を見せ付ける。
・あるいは簡単に踏みにじることもできる
・ガラスの箱であることで、王が王国を掌握している
・・・そういう何重もの抑圧感を表現できる

・亡霊は、舞台の下からせりふを言う場面がある、それに対してハムレットが「天晴れモグラ殿」と答える。
・また、オフィーリア埋葬の場面では、文字通り
・・・戯曲に何回も「地下」が描かれている、それをそのまま表現できる

・だいたい、ガラス箱のような王国「デンマーク」だからこそ、「箍(たが)が外れてしまった」のせりふは意味を持つかも

なんて、いろいろ刺激され、とにかく、ガラス張りの舞台と奈落の底、この二重構造の舞台の「企み」に痺れてしまいました。

ネクストシアターの演技に、こまどり姉妹の企みも加え、これは4000円の価値以上のハムレットと思います。

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