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いっかいやすみ

いっかいやすみ

ポッキリくれよんズ

シアター711(東京都)

2024/07/12 (金) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

人生、いっかい立ち止まり考える時間と場所が必要、そんな特別な日を描いた物語。
チラシにあるような場所で偶然に出会った男女のほろ苦い思い、そのリアルな姿がちょっと切ない。登場する人物に料理人がいるが、その人が作るティラミスは<苦い>と評される。まさにその言葉を比喩としたような どうして苦いのか 得体のしれない不安や戸惑いが押し寄せる。

表現し難い感情、思いの距離感とでも言うのか、そんな曖昧で漠然とした気持を実に自然体に演じ観せる。また冒頭、男2人が何やら怪しく謎めいた会話から始まり 興味を惹かせる導入部、そして いつの間にか日常的な光景へ、その展開の仕方も好かった。何より この場所がどういう所なのかという設定が妙。
(上演時間1時間35分 休憩なし) 7.15追記

ネタバレBOX

舞台はリゾート地にある貸別荘 そのリビング。中央にテーブル、上手にビーチベット、下手はインナーバルコニーorテラスのような所に椅子、全体的にスタイリッシュといった感じ。上演前には海鳥の鳴き声、波の音が聞こえ海辺の風景が浮かぶ。

物語は、この貸別荘を契約するか否か判断するため下見(体験宿泊)にやって来た夫婦、そしてダブルブッキングしたカップルという2組、何とか商談成立させたい営業担当者(ベテラン-木村智之と新人-牧沙織)とその周りの人々が織りなす<休息劇〔⇦勿論 造語〕>といったところ。宮澤知宏・直美夫妻は、気持に微かなズレが生じているようで、それが修復できるか否か微妙な関係にある。特に妻は 夫が仕事に忙しく心に隙間を作っている。貸別荘はそんな夫との関係を見直すキッカケ、ゆったりとした時を過ごしたいと思っていたが、ここでも仕事の電話が…。
一方、予約手続のミスで同宿することになったカップル 相田悠木と福原美咲は、男より女の方が収入が多く、相田はデート代を節約するため体験宿泊(すべて無料)に申し込んだ。夫婦とカップルの契約に対する思いの違い、勿論 収入格差など嫉妬・卑屈・羨望などの感情を盛り込むことによって、一層 男と女の<気持>のあり様を浮き彫りにする。

冒頭、この貸別荘の契約をさせたい木村が、ここの清掃員 山内敏男に別荘(家)の前の持ち主であり、思い出深いと一芝居打ってほしいと依頼している。ミステリーを思わせるような導入が物語への関心を高める。また清掃員の妹?(劇中では木村の妹のようだったが、当日パンフの役名が山内葉子)が、レストラン勤務で心を病み この別荘へ逃げて来て…。皆なんらかの事情で<休みたい人々>が集まってしまう。夫婦、カップル夫々の関係の表面を取り繕いつつも、内に抱え発散できないモヤモヤした気持、その表現し難い感情を巧く描いている。また営業職にある者の焦りと苦悩、それをベテランと転職を繰り返す新人、この2人を対置させることで清濁を分かり易くしている。

舞台技術は、波の音や時間経過を表す照明の諧調。特に花火を連想させる音響・照明は効果的だったが、物語を強く印象付けるものは感じられなかった。
次回公演も楽しみにしております。
心の声など聞こえるか

心の声など聞こえるか

範宙遊泳

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/07/06 (土) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/07/12 (金) 19:00

115分。休憩なし。

『口車ダブルス』

『口車ダブルス』

劇団フルタ丸

小劇場B1(東京都)

2024/07/10 (水) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/07/12 (金) 14:00

125分。休憩なし。

春鶯囀

春鶯囀

Office8次元

シアター風姿花伝(東京都)

2024/07/11 (木) ~ 2024/07/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/07/11 (木) 19:00

Office8次元『春鶯囀』@シアター風姿花伝。
 初見のユニット。谷崎の「春琴抄」をベースに堀越涼がかいた脚本を寺十吾が演出した。スケールが大きく緻密に作られた芝居に圧倒された。観るべし!(3分押し)114分。
 基本は原作の流れは活かしつつも、鴬と雲雀を飼っていたというエピソードを広げ女優3人で演じさせたところは脚本の妙で、よく知っている展開に加えて、物語がふくらんだ。笑いが起こる芝居ではないが、タイトな演出で緊張感が維持される。美術や照明も見事だが、衣装が丁寧に作られているのが感じられ映えていた。
 古い知り合いの勝平とも子・木下祐子が出演しているが、勝平は琴の母を演じて大きな包容力のある役をしっかり演じ、木下は鴬を演じて物語に深みを与えた。2人はもちろんのこと、役者陣の充実も見事。特に、若い頃の琴を演じた米倉ゆいが16歳と知ってビックリしたし、存在感のある語り手役を演じた歩夢が初舞台というのも驚く。

心の声など聞こえるか

心の声など聞こえるか

範宙遊泳

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/07/06 (土) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

タイトル『心の声など聞こえるか』の意味を、観劇後に何度も噛みしめる作品だと思います。隣同士の二組の夫婦。両家の交流はほぼないものの、ゴミ出しのルールに関してのみ、意見の食い違いがあった…。

ネタバレBOX

隣家のゴミ出しに納得のいかない妻は、ゴミ出しを監視し、ゴミ袋を拾って帰り中身を検証する。大きくルールを逸脱していないことを自認する隣家の妻は、それら苦言や監視に辟易していた。やがて、ゴミ出しの件でしっかり話し合おうと、ワインを手土産に夫婦揃って隣家を訪れるのだが……。

二組の夫婦を演じた4名の俳優たちがキャッチーな存在感を放っていて、非常に見易い印象を受けた。劇作である以上、ややトリッキーな内容もあるが、現代を象徴する等身大の夫婦として、共感しながら見る人が多かったと思う。物語の展開も最後まで予想できず、興味深く観劇できました。

劇中には「現実」パートと「妄想」パートがあり、それらが交錯しながら物語は進んでいく。妄想にも、理想を練り込む登場人物もいれば、悲劇や自虐を練り込む登場人物もいて、そういう差異も興味深い。タイトルの「心の声」が何を指しているか?は複数の解釈ができ、そういう点もよく出来ていると感じる。シンプルな本音かもしれないし、願望や渇望かもしれない。劇中であまり丁寧に説明していない点が、全編への良いアクセントになっているように感じられた。想像する余地が残っていることが嬉しい。

あと、ラストシーンは良い意味で予想外でした。
かなかぬち

かなかぬち

椿組

新宿花園神社境内特設ステージ(東京都)

2024/07/10 (水) ~ 2024/07/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

威勢のいい演者たちに気圧されるよう席につくと、そこは独特の空間でした。何百年もの長い間多くの人々がお参りした場には、人を引き寄せる何かがあるんじゃないかなと思えてなりません。日が暮れて落ち着いた蒸し暑さや、照明に寄る羽虫の軌跡、都心の喧騒などが違和感なく受け入れられ楽しめました。どういった感情なのか推し量れない表情で禍々しく登場するアレはどこから来て、どこへ行くのでしょう。グローバルな都市の中心で境目が無くなる瞬間は、何かが終わったようでもあり、始まったようにも思えます。

TryAngle -その先に或るミライ-

TryAngle -その先に或るミライ-

演劇集団ふれる~じゅ

王子小劇場(東京都)

2024/07/11 (木) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/07/12 (金) 14:00

<★チーム>を観た。初見のユニット。力量があるのは分かるが、なんかちょっとハマらなかった。80分(10分休み)74分。
 雑誌社でチーフのサトルは自分のチームがミスしたために、休暇を取らされ、元カノからの手紙を読んで、15年帰っていなかった田舎に帰る。不和の母親と、一緒に星を見た仲間達が残っているが、親友が意識が戻らないことになっていて、…の物語。ていねいにエピソードを積み重ねて物語を紡いでいるのは分かるが、なにしろ160分の長さなので、それ本当に必要?、と思う場面もいくらかある。役者陣はしっかり演技しているが、主人公のセリフ回しが私のテイストではなかったことも大きいかな、と思う。寂れた田舎だったら若い世代ほど出ていくだろう…、とか、展開もちょっとご都合主義が多い気がする。

ナイロン100℃ 49th SESSION 「江戸時代の思い出」

ナイロン100℃ 49th SESSION 「江戸時代の思い出」

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2024/06/22 (土) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ナイロン100℃では珍しい時代劇(というか初めて?) それくらいしか事前情報が無いままの観劇でしたが、実際これを「あらすじ」として表現するのは至難の業、絶え間なく溢れ出す湧き水みたい
ただひたすら豊富なオモシロの流れを楽しむのみ
ケラさん独特の台詞の妙味(可笑しく人を腐す語り口は逸品)
観客をどう楽しませようか常にアンテナを張っているのだろうなぁと思わせる演出
それを全身から面白臭が放たれている役者陣オンパレードで演じられるのだから“最強”としか言いようがない
正味3時間、次から次へとよくもまあ、ず~っと笑いっぱなしでお腹いっぱいになりました

愛想回想

愛想回想

劇団透視図

ART THEATER 上野小劇場(東京都)

2024/07/12 (金) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今年できたばかりの劇団で旗揚げ公演ということもあり、そんなに期待していませんでしたが、見事にいい意味で裏切られました。すばらしい舞台でした。脚本がいいですね。簡単な話を丁寧に深く掘り下げていてなかなか深みのある舞台でした。最後のライヴの様子、ステージは見えませんがなんかステージが見えちゃいました。すごくよかったです^^

尺には尺を

尺には尺を

イノセントギアカンパニー

劇場HOPE(東京都)

2024/07/10 (水) ~ 2024/07/15 (月)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

『口車ダブルス』

『口車ダブルス』

劇団フルタ丸

小劇場B1(東京都)

2024/07/10 (水) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

噂の講談シリーズはじめて拝見ました。とても面白かった。それぞれの癖のある人物の演技も良かったですね。楽しい時間を過ごせました。あー楽しかった❗次回も期待ですね。

尺には尺を

尺には尺を

イノセントギアカンパニー

劇場HOPE(東京都)

2024/07/10 (水) ~ 2024/07/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

テンポよく軽妙な舞台でとても楽しめました。
シェイクスピアのよさをしっかり残しつつ、取っ付きやすくうまく仕上げられているなぁと…
ただ、独特の台詞回しに少し苦労してるという印象も受けました。
千秋楽に向けてこの点も含めさらに仕上がっていくと思うので、初めてシェイクスピアの戯曲を観る方にもお奨めできる舞台だと思いました。

かなかぬち

かなかぬち

椿組

新宿花園神社境内特設ステージ(東京都)

2024/07/10 (水) ~ 2024/07/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても素晴らしかったです。本物の火を使うのも野外ならではですね。暑くて汗を光らせながらの渾身の演技、そして内容も面白かったです。とても、迫力のある、非日常の時間を過ごせました。ありがとうございました。野外は今年が最後とのこと。最後に皆さんの野外公演見られてよかったです

いっかいやすみ

いっかいやすみ

ポッキリくれよんズ

シアター711(東京都)

2024/07/12 (金) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

初日昼公演、観劇しました。
土台=設定がちょっとありえないというか、しっくりこなかったですが、
演者の皆さん、「あ、いるいる、そんな夫婦、カップル、営業さん、新人君」って感じはすっごくしっくりきました。
ありえない設定だからハチャメチャコメディ―というか、ドタバタ劇かと思いきや、
ありえない設定なのに、普通にある人間模様で、個人的にはちょっと残念な感じでした・・・。

SHAKES2024~それは夢、だが人生という永劫の物語

SHAKES2024~それは夢、だが人生という永劫の物語

『SHAKES2024』製作委員会

シアターサンモール(東京都)

2024/07/11 (木) ~ 2024/07/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/07/11 (木) 18:30

シェイクスピアの複数の作品が混ざるだけでなく、役者たちの主役あらそいや、役者や舞台監督、プロデューサーの過去のキャリアや人間関係等が絡み合っているのに、複雑感は殆どない、楽しく見ることができる優れたエンターテインメントでした。

ナイロン100℃ 49th SESSION 「江戸時代の思い出」

ナイロン100℃ 49th SESSION 「江戸時代の思い出」

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2024/06/22 (土) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/07/10 (水) 18:30

ちょっと意表をついたナンセンスな笑いの連続で3時間以上もたせるというのは驚異的。憎めない。

『口車ダブルス』

『口車ダブルス』

劇団フルタ丸

小劇場B1(東京都)

2024/07/10 (水) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

『口車ダブルス』

『口車ダブルス』

劇団フルタ丸

小劇場B1(東京都)

2024/07/10 (水) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/07/11 (木) 12:00

保険の営業をネタにこんな面白いお芝居ができるとは! 私も人生において、保険の契約や見直しを何度かやり、しかも、営業の人の言うがままだったなあと感慨に浸りながら、ステージの成り行きを見守りました。人生の回顧、反省系のステージ。

神話、夜の果ての

神話、夜の果ての

serial number(風琴工房改め)

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/07/05 (金) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/07/11 (木) 14:00

親は入信し精神的に満足しているが、残された子供は不幸。宗教団体の施設の中で、親から断絶された孤独感、虐待。宗教2世の問題に焦点をあて真正面から描く。いい作品でした。

ネタバレBOX

アフタートーク(作者詩森ろば氏・佐藤信氏)で、後景のジャングルジムについて質問があり、宗教団体の施設をイメージしているとの回答があったがやはりジャングルジムにしか見えない。また、当初「古事記」をイメージして構想を練っていたが進まず、途中で「宗教2世」の問題にのめり込んだ経緯を話され、タイトル「神話…」の違和感が理解できた。アフタートークに佐藤信氏が登場したのにはビックリした。60~70年代に黒テントを主宰し活躍された方(現在80代)で今も現役で活躍されていることに驚いた。
流れんな

流れんな

iaku

ザ・スズナリ(東京都)

2024/07/11 (木) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ここ最近ずっと陰陰滅滅たる日々で、天野天街氏も逝去とは···。ここらで流れを変えようと横山拓也氏の公演に足を運んでみたところ···。

舞台は全篇広島弁、小さな漁港にある定食屋。お品書きを見ていると滅茶苦茶安い。架空の帆立に似た貝、ガッピギ料理のメニューが並べられていて何を注文するか計算しながら観ていた。この値段なら一通り頼んでみたい。

プロローグ、中一の娘がトイレで鼾をかく母親に声をかけている。何度呼んでも母親は目覚めない。醜い鼾をフゴーフゴー鳴らすだけ。まだ赤ん坊の妹が泣き出した。何度も繰り返し見てきたそんな遠い記憶の光景。

父と共に定食屋を切り盛りしてきた異儀田夏葉さんももう40目前。未婚のまま、ここまで来てしまった。貝毒(人体に中毒症状を起こす毒素を蓄積した貝)の発生で採貝業は出荷停止中。幼馴染みの漁師・今村裕次郎氏は彼女の面倒を見るのは自分しかいないと思っている。町の経済を支えるのは水産加工業の大手企業。役場と連携して町興しの為、特産品のガッピギを使った料理のメニューを集めている近藤フク氏。異儀田夏葉さんの、町を出た妹(宮地綾さん)が婚約者(松尾敢太郎氏)と共に顔を見せる。それは隠し続けてきた全ての本音が白日の下に曝される日だった。

異儀田夏葉さんが痩せたのか女の色香を漂わせて美しい。一人の女の抱えた半生の傷がまるで晒し者にされるように痛み出す。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

近藤フク氏は辰巳琢郎っぽかった。

これが横山拓也氏の作家としての核なのだろう。誰にも救えない人間がいる。ずっと苦しみ続けている。無論誰か別の人のことを救ってやることも出来ない。ただそんな人は現実に確かに存在している。それは何処かの誰かかも知れないし、他人から見た自分なのかも知れない。存在する厳然たる事実。その事実に立脚した作劇。一生苦しみから逃れられない者の慟哭。

これだけではとても観衆に受け入れられないので能天気なツッコミを入れる軽薄キャラを混ぜて笑いを足す。今作では松尾敢太郎氏が担った。寅さん的役回りの純情な道化、今村裕次郎氏も奮闘。だが異儀田夏葉さんの苦しみも観客の鬱も癒すに至らない。笑いが殆ど起きない重苦しい空間。

※気に入らない点。キャラ設定が凝り過ぎ。妹の婚約者の仕事、fMRI(機能的磁気共鳴画像)とAIを使って脳内の記憶を映像化する実験は現実に行われている。脳内の微弱な電気信号と血流変化の違いを分析し反応の変化の特徴から類似した映像を作成するもの。妹が母親の記憶を父や姉から取り出してどうしても見たいと願うことに無理矢理感がある。何か話の為の話になってしまっている。妹の妊娠を知った婚約者は出生前診断を勧める。これは胎児の染色体異常(ダウン症の有無)と先天性の病気を調べる為のもの。親族に思い当たる症例でもあったのかも知れない。その遣り取りを聞いていた水産加工業会社の男は勘違いから会社が汚染された産業廃棄物を海洋投棄していた事実を洩らしてしまう。
無駄にSF的要素がまぶされているが本筋とは全く関わらない。どうも話が見えて来ない。話と話が空回りしている。

経済的な話を持ち出すくだりは凄く好き。

店のトイレは用を足す音が洩れるので、音消しの為に水を流す描写がある。ラストは絶対に入りたくなかった母親が惨めに亡くなった場所で慟哭する異儀田さん。妹がその声に向かって叫ぶ。「流さんね!」

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