劇場版 ツインルームス 公演情報 丸福ボンバーズ「劇場版 ツインルームス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い。3つの観点によって構成されているようで、その総体が舞台となる この「HOTEL HEAVEN」を表しているよう。物語では、単純に「天国」というよりは「たいへん幸福な場所、状態」と捉えたほうが しっくりくる。「温かい」とか「優しい」といった表面をなぞるだけの容易い表現では言い尽くせない。

    少しネタバレするが、3つの観点は そのまま見所に直結する。第1は、ホテルの常連客(夫婦)の話、第2は、ホテルにある予備の部屋(SPARE ROOM)のようなところで語られる3つの話、第3は、ホテルで演奏している設定の生演奏。全ては、ホテルを舞台にしており、存在そのものが物語になっている。「敷居は低いけど、質の高いエンターテインメント」の謳い文句通り 見応えがあった。
    (上演時間1時間50分)㊟ネタバレ

    ネタバレBOX

    舞台美術は中央上部にスクリーン、その下に横並びの演奏スペース。その前(客席寄り)に白いソファが2つ。所々に瀟洒なランプシェード。ホテルの人々は同じ制服で雰囲気を醸し出す。
    3つの観点は次の通り。

    ●物語は、羽深泰治(41歳)が ふみ(25歳)に色々な名言を用いて結婚を申し込むところから始まる。2人の歳の差は16歳。泰治は、ニーチェの「未来は過去と同じくらいに現在に影響を与える」といった有名な言葉を用い、今の自分の幸福の有り様を説明する。そして これはラストシーンにも使われる。ちなみに「泰治」は 皆から「先生」と呼ばれている。

    ●ホテルには予備の部屋(800号室、幽霊も出るという噂)のようなものがあって、そこでバンドメンバーが経験した3つのエピソードが語られる。このシーンのストーリーテラーがヴォーカルの通称リヴで、自分のことではないので喜々として紹介していく。1つ目は、通称チャックが財閥 三ツ葉家の令嬢 ひめかと その父 一郎との仲を取り持つ心温まる話。2つ目は、通称フラップが自分の音楽的才能に見切りをつけてオーナー濱口瞳子に辞表を提出するが…の哀愁話。3つ目は、通称テールの双子の弟 美鶴とその娘 めぐみの 遣りたいこと巡りと思い出話。この室内ストーリーは3人のゲスト脚本家が担い、テイストは違うが それぞれ滋味溢れる物語。

    ●最後は、羽深夫妻、そして800号室に登場したゲストを招いてのホテルバンド「チャックテールフラップ with リヴ+ガン)による生演奏。上手からフラップ(ギター&ヴォーカル)、チャック(パーカッション=ジャンベ?)、リヴ(ヴォーカル)、エキストラで来たベーシスト通称ガン(ベース)、テール(ギター)が見事な演奏を披露する。数年経っており、既に ふみ と めぐみ(2人は浮遊感ある白衣裳)は亡くなっており、体はこの場所にないが 魂は来て演奏を聴いていると。そして ふみ はヴォーカルとして歌う。

    当日パンフによれば、劇中で演奏しているのは6曲。ホテルでの演奏という設定で、物語に巧く取り入れており充実した空間を創り出している。またホテルが海の近くという立地や館内・室内も映像で映し、情景も分かり易い。さらに波の音など効果音で臨場感を漂わす丁寧さ。最後にホテルのような受付対応、実に好印象。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2025/12/12 12:44

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  • タッキー様
    この度は丸福ボンバーズ「劇場版 ツインルームス」にご来場、そして観てきた!クチコミへのご投稿、誠にありがとうございます!おかげさまで昨晩をもちまして仙台での関連イベントまで全て無事に終了いたしました。
    タッキー様の観てきた!コメントは日ごろより参考にさせていただいておりますが、実際に自分たちの公演について書いていただくと感動いたしますね!!的確で細やかな描写の一方で、作り手への優しさに溢れたお心遣いもあり、一度のご観劇でどうやったらここまでのことがお書きになれるのか、と本当に圧倒される思いです。関係者一同の三日目以降の大きなモチベーションとなりました。

    改めましてこの度のご来場本当にありがとうございました。
    来年は劇団にとって20回目の記念公演になる予定です。今後とも丸福ボンバーズを何卒よろしくお願い申し上げます!

    2025/12/21 08:23

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