わたしは太陽 公演情報 ももちの世界「わたしは太陽」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ピンク地底人3号の筆による舞台はこれで4作目になるか...。青年座への書下ろし、ももち東京遠征公演、名取事務所への書下ろし、そして今作。シリアスな書下ろし二作に比べ、ももち舞台は前回観たのもそうだったが人情劇寄り笑いありのソフトな劇団っぽい手作り感。今作は更にドタバタ度も増して冒頭から呆気に取られる。だが後半は原発問題環境問題をきっちり絡めて作者らしさ?を発揮。俳優陣のデコボコした取り合わせも良し。

    ネタバレBOX

    のっけに登場するのが艶やかな衣裳、ディナーショーの歌手に見紛うがすぐ実は人魚と知れて笑いが漏れる。内田健介扮する<人魚王>が、執事(人間の形をした亀=目印は甲羅に見立てた背中掛けのリュック=ノートPCが入る形のしっかりしたサラリーマンがよく背負ってるやつ)に婚前逃亡を図った娘を探すよう言いつけている。ここでのやり取りで舞台の背景説明。人魚界(海)でも、ここは西の海で、結婚相手は東の王子。東が西の方まで幅を利かせて来た昨今、人魚同士の対立の根を断つというのが思惑らしい(関西人の東京人への目線を何気に反映?テンプレだろうか)。政略結婚の色合いはあるものの悪人にも見えない王は、ちょっとした独りよがりキャラ。でもってこの王、かつて妻には人間と駆け落ちされた過去あり、少し前には長女が人間と為さぬ仲となり出て行かれておる。残る姫は次女しかおらぬその姫、中々我の強いキャラで、これも人間界へエスケイプしようとしている。王の去った後、隠れていた姫の登場と相成るが登場するなり「人間界に自分も行く」と言われ困惑の執事。王の司令に従い、こわ~い魔女の許可がいるんだぞお~とか、人間の男と相思相愛にならなければ人間界に行けないルールや、尾ひれが割れて両足を持つので暫く足の激痛に悩まされる(これは本当なので仰々しくなく説明)等と引き留め作戦の間抜け振り。結局次女は「時代が変わった」ため厳しくなくなったルール(昨今の風潮でバイオレンスな要素は廃止の方向的なノリ)のお陰で人間界=浜辺に辿り着く。これを助けたのが、中学で同じ部活に所属する男女の二人組(ディベート部ともう一つ。実はその二つが得意な男子が好きで女子の方は入部している・・そのバレバレ演技も笑わせる)。姉の方はとある青年と相思相愛となり結婚して人間界に居ついているのだが、地上に上がった次女は二人の世話になる。姉の夫は内田健介が役を兼ねる人間界での「町長」の息子。以上の登場人物の前に立ち現れるのが、貧しい地方の一町村の前にチラつかせられていた原発を蹴って代わりに出て来た「再生エネルギー」すなわちメガソーラー誘致の話。さて物語は無敵キャラの次女の動静に注目させながら皆が一役担いながら当然、大団円へと向かうのだが・・
    こんな芝居を作者は元々書いていたのか、あるいは新機軸か・・今後も注目であるな。

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    2025/12/12 10:22

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