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ハッピーネガティブ・ボーイフル

ハッピーネガティブ・ボーイフル

神保町花月

神保町花月(東京都)

2012/07/24 (火) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

人対人 の
知らないこと が あった って
思い知りました。

ネタバレBOX

セットが ぶっ壊れるかと思いました。
それでも、展開していきそうな 力量と、
舞台上の 熱は すごかったです。
ドラマティック

ドラマティック

カラスカ

戸野廣浩司記念劇場(東京都)

2012/07/27 (金) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★

面白い!超オススメ!!
これはかなりいい!超オススメしたい!
かなり笑えて、楽しめて、ジーンとくるストーリーである。
死をテーマに取扱いながら、それを強くは感じさせない。
シンプル(ほとんど何もない)な舞台セットでありながら、
こんなに楽しめるなんて、脚本がしっかりしていて、
かつ役者陣が上手い証拠である!
1500円の芝居とは思えない!
上演時間2時間。

ネタバレBOX

なんといっても脚本が素晴らしい!
脚本・演出の江戸川崇さんの名前を覚えた。

こういう公演を芝居観劇の1本目にした人なら、きっと芝居の面白さに
嵌るんじゃないだろうか。

子供の頃に出会った動物との、出会いから別れ(死)までを描いた話。
出会った動物とは、「ミネユキ」。
「ミネユキ」とは限りなく、人間に近い動物であり、人と会話もできる。
ただ、寿命は犬と同じ程度の設定と思われる。

主人公の麻衣子は、、ノラ「ミネユキ」と出会う前は内気な子供で友達もいなかった。それが出会ってからは友達もでき、性格も明るくなっていった。
ノラ「ミネユキ」を麻衣子の家で飼い始めたのだ。

麻衣子が成長し、大人になり、幸せ(彼と両想い)になるのを見届けて、
「ミネユキ」は死んでいく。

一見ありふれた感じがするかもしれないが、
描き方が本当に楽しめ、良作だと思う!

役者陣も皆さん、本当に上手い!
麻衣子の両親、お兄さん、お兄さんの同級生、お父さんの愛人等、
多くの出演陣がいたが、いい感じで演じていた(笑)
脚本と見事にマッチしていた。

皆さん良かったが、やはり麻衣子役を演じた大仲マリさん、
ミネユキ役を演じた峰之さんは特に印象に残った。
どちらもはまり役である(笑)。

会場は、ほぼ満席。
私も楽しめたが、客席からは笑い声が聞え、私の前方に座っていた人は、
観劇中、皆笑みがこぼれていた。

評価は限りなく☆5つに近い、☆4つである。
記憶、或いは辺境

記憶、或いは辺境

風琴工房

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/06/27 (水) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

戦争か
初のシアターKASSAIにて風琴工房。「Archives of Leviathan」以来。

うーむ。もう勘弁してくれというくらいの良作だった。素晴らしい。素晴らしい。瞬きをするのが勿体ないくらいの2時間。終幕のシーンが最高。

何なのだろうな、あの空しくてどうしようもないのだけれど、集団になると乗り越えられてしまうという力強い感じ。戦争を精神論で語っても何の意味も成さないのだが、それでも気の持ち様で乗り越えられた困難を見事に描写してくれている。日本と韓国・中国・北朝鮮はまだまだ荒れ荒れな状況だ。ポーランドとドイツとかって実際どの様な関係なのだろうな、現状。やはりこちらまでは情報が届いていない軋轢がやはりあったりするのだろうか。

どこかで一回OFFにしないと、一生子孫に引き継がれ続けてしまうと思うのだが・・・でも加害者側と被害者側では、当然傷の深さが違うのだろう。ただ、加害者側の子孫(我々)って、本当にどう振る舞って良いのか分からないよなあ。戦争は絶対にしてはいけないと思うし、過去の軍国主義を完全に否定する事もできるのだが、被害者側の*子孫*達に「我々が悪かった」と本心で言えるかどうかは難しい。もちろん歴史の過ちは完全に認める事はできるのだが、我々としては「自分たちが係っていなかった戦争の責任云々」よりも、これからもっと前向きに一緒にアジアを強くしていきましょうと言いたいのに、その度に過去の戦争が云々と言われてしまうと、やはり興ざめしてしまうのだ。難しいねえ。

劇場に向かう電車の中で読んでいた週刊ポストの「宿命の子」の中で、笹川良一さんが終戦を迎え巣鴨プリズンへ収監される場面がちょうどあって、いろいろシンクロ。

役者さんが全員素晴らしい!ブルドッキングヘッドロックの津留崎夏子さん、相変わらず美しい。

新宿・夏の渦

新宿・夏の渦

ピープルシアター

サンモールスタジオ(東京都)

2012/07/25 (水) ~ 2012/07/31 (火)公演終了

満足度★★★★

新宿
 若い頃、新宿で毎日を過ごしていた自分には、マイノリティーの被差別状態を描いたこの作品を通して見えてくるのは、新宿という名の街。否、都会そのものである。いわば都会の腸と言ったらよいか。
 この劇団の社会性が、ちょっと変わった形で現れた舞台と言えよう。いわば、身体化した街という形だ。
 良く、幕が上がったら、そこからは、役者と言う。実際、ミロ役は素晴らしい演技だった。歌舞伎の女形の名優にインタビューアーが、「どうやって女性を演じるのですか」という質問をした話を読んだことがある。問われた役者の答えは、「男を殺すんです」というようなものであった。最近では、男性の中にも女性的なものがあり、女性の中にも男性的なものがある、ということが、諸学問の間でも認められるようになってきたが、俳優というものは、このような離れ業ができるものなのである。実際、自分の目の前で、男性が、なまめかしい女性性を獲得していた。
 ピープルシアターに出演する役者は、実力のある者が多い。身体能力の高さも抜群である。女性用の服装、靴のままで、カンフーのような動きをこなす。”おかま達”の置かれた微妙な社会的位置を後ろ姿で演じて見せる。
 都市の都市たる所以は、狭い所に多種多様な個性が犇めき合うこと。当然、その人間関係は、非常にセンシブルである。その辺りの呼吸も役者達は、登場人物のキャラクターを活かしながら演じている。
 更に、仕掛けがある。舞台と現実が、繋がって仕舞いそうな、新宿の新宿らしさとでも言って良いかも知れぬ演出が施されているのだ。実は、この公演に登場しているのは、役者だけでは無い。本当に新宿のその世界で生き、働いている方々も出演しているのである。観客は、演技者と本物を見分けられるか否か、狭く多様な演劇空間と現実の狭間を自分自身で見極めることすら、求められていると言えよう。

ルドルフ ザ・ラスト・キス

ルドルフ ザ・ラスト・キス

東宝

帝国劇場(東京都)

2012/07/05 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

感謝の気持ちでいっぱい
4回目、そしてマイラスト観劇。

こんなにも、心を揺さぶられたミュージカルは久しぶりでした。

たぶん、「モーツアルト!」(中川バージョン)以来でしょうか。

何度も観ても、どこにも厭きる場面がなく、全ての台詞に深い意味が籠められていて、これ程、完成形の舞台にもなかなかお目に掛かれないと思いました。

最初は、違和感を感じた、坂元ターフェも、どんどん演技が深くなって、進化していました。

竜真知子さんが、ミュージカルの翻訳に携わられるようになって、もう10年くらいになるのでしょうか?

当初は、歌詞が曲に馴染まなかったり、歌いにくそうだったり、聞き取れない部分が多かったりして、やはり、岩谷さんの穴を埋められる訳詞家はいないなあと感じていたのですが、今回の「ルドルフ」の竜さんの訳詞は、素晴らしいと思いました。それもあって、このミュージカルが、より心に沁みるのだと思います。

ネタバレBOX

明日で楽だからか、キャストの皆さんのパワーが炸裂していました。

それが、ちょっとオーバーに感じる部分もあり、ステージの出来栄えとしては、先日ぐらいの匙加減が塩梅いいように感じました。

初見の日は、村井さんのマイクの調子が悪く、雑音が気になったせいで、幕開きすぐの、皇帝と皇太子父子の確執場面が堪能できずにいましたが、その後の観劇では、まずこの場面で、既に涙腺が緩みました。

ルドルフが、「何故ですか?聞こうとしない」と語るように歌い出すシーンは、珠玉の宝石のようなきらめきを感じます。父親と口論して、思わず、皇帝が座っていた椅子に腰を下ろし、はっと我に返る表情に、胸が切なくなります。
いづれ、座る筈だったこの椅子に、もうルドルフが二度と座ることはないと観客は既に知っているから…。

こういう、細かい演出が、心憎いまでに上手なルウ゛ォーさんです。

ターフェが、チェックスを連れて来ようとするマイスナーに向かって、わざと焦らして、チェックスの妄想を掻き立てようと、人心の惑わし方を伝授するシーンは、なるほどねえと、大変勉強になったりしました。

観れば、観る程、良くできていると感嘆しきりのミュージカルでしたが、それだけに、最後の場面のピストルの音が、あまりリアルでなくて、残念でした。
しのぶさんも書いていらっしゃるように、ベットも、何だか形状が残念に思いました。あそこだけは、亜門さんの方が好みだったかもしれません。

ベットが出て来てもいいのですが、もう少し、羽布団ぽいとか、具体性のない形の寝具の方が良かったように思います。
スペーストラベラー ~LOVE is in the Mother Ship!~

スペーストラベラー ~LOVE is in the Mother Ship!~

スーパーグラップラー

あうるすぽっと(東京都)

2012/07/25 (水) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★

仕掛けが良い
 最早、地球には住めなくなったヒトは地球タイプの惑星を求めて宇宙の旅に出る。これは、初の移民船の物語だ。ブラックホールの向こう側には、ホワイトホールがあるということが、最近、科学雑誌の誌面を賑わすが、そういう知識も取り入れながら、物語は進む。指揮統括は、当然、コンピュータである。「2001年宇宙の旅」ではハルがその役を務めたのだが、この宇宙船のコンピュータはマザーマリア。出発当初は、総てが上手く回っていたが、総てのことがそんなに順調にゆくはずもない。
 目的の惑星までの所要時間は、10か月と10日。この日数から誰でも想像するのは、ヒトの妊娠期間である。無論、この推論は正しい。複雑系を持ちだすならば、ヒトに限らず、生命の振る舞いと物の振る舞いは、非常に近い関係にあることが、分かってきている。結晶を作るような振る舞いは、素粒子が、原子や陽子、中性子などを形成し、更に生物の基になるアミノ酸や、炭素などの分子、或いはその構造体を作るような振る舞いに似ているし、条件次第では、結晶は崩れて構造体ができたとしてもすぐに壊れてバラバラになり、一定の構造を有することができないカオスの振る舞いをする。生命体は、このカオスと結晶との間の領域、殊に、カオス辺縁部での自己増殖や安定構造を持ちつつ同時に遷移する相互連鎖系を持つことによってカオスと結晶構造の間でバランスを保つのである。このことは、コンピュータサイエンスにおける普遍的プログラムの諸様態にも対応する。
 さて、この物語解釈のヒントは与えた。みなさんは、どう解釈するだろうか?

銀河鉄道の夜

銀河鉄道の夜

からふる

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2012/07/26 (木) ~ 2012/07/30 (月)公演終了

満足度★★★★

生演奏が効果的
加えて効果音もやるとはプロですね

組曲『回廊』

組曲『回廊』

空想組曲

OFF OFFシアター(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

不思議
幻想的と いう 形容詞?でも 言い表せないような

ネタバレBOX

観終わると、
想像も出来なかったような 旅の果ての どこかに
連れていかれたような 感じがしました
病んだらおいで

病んだらおいで

ソラトビヨリst.

新宿シアターモリエール(東京都)

2012/07/26 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★

なかなか面白かった
心理治療クリニックの治療方法がユニークであった。
上演時間約110分。

ネタバレBOX

心が病んだ人たちが集まる心理治療クリニック。
ここの治療方法は、芝居を演じ、ストレスを発散させるというものだった。

芝居を演じる上での演出が大げさな感じで、面白かった。
役者陣の個性的な芝居も楽しめた。

脚本は、それぞれの患者ごとの芝居があり、1つ1つはなかなか楽しめた。
ただ、各患者にスポットを当てた結果、芝居の伝えたかったことが、
ぼけてしまったように思えた。
結局、誰が主役だったのだろうか?どの話が核だったのだろうか?

最後、付けたしのように、弁護士先生に多重人格は演技できるということを
分かるまで、芝居は続けるという下りがあった。
私にはこの話を軸に展開させた方が面白かったように思えた。

受付のスタッフの皆さんの対応が良かった印象。
特に、終演後の帰り客に対する挨拶は、皆さん丁寧で気持ちよく帰途につけた。
Goodnight

Goodnight

劇団競泳水着

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了

満足度★★★★

オープニング
佐藤佐吉演劇祭2012第一弾、劇団競泳水着。「いと愛し」以来。とにかく、とにかく素晴らしい劇団。この劇団といいTOKYO PLAYERS COLLECTIONといい、上野友之さんには毎回唸らされてしまう。ろりえの梅舟惟永さんが出られなくなったのがちょっと残念だけれども。

んー、上手いなあ。兄弟妹、友達、恋人、同僚、師弟、ちょっと距離がある先生と生徒。これらを全て織り交ぜた作品を1喫茶店で無理なく展開できる劇作家が今どれくらいいるのか。時間の経ち方もいたって自然で、水道管の破裂もさほど無理がなく、喫茶店に皆を留まらせる要因作りに強引さがない。うん、面白かった。

岡田あがささん・・・いいね、相変わらず。目力が鋭くてそれでいて、目力が暖かい女優さんだ。シリアスからオバカまで、幅の広さが無限に広がる女優さんを生の舞台で観させてもらえるというのは、本当に貴重、特権ですな。

黒木絵美花さん、すごく上手くなっている。初めて観させてもらったのは劇団競泳水着第9回公演の「真剣恋愛」だったかな?あの時も印象に残る女優さんではあったのだが、存在感の幅や深みが確実に増している。2008年の佐藤佐吉演劇祭では、劇団競泳水着が大トリだったんだ。

阿久澤菜々さん。大好きな女優さんなのだが、劇団おぼんろから脱退してしまってからは、定期的に観させてもらう事ができなくなってしまった。でも久々にガッツリと観させてもらって、あぁやっぱりいいなと。

時間堂の菅野貴夫さん。いいな、あのヌけ方。

クリンドルクラックス!

クリンドルクラックス!

石井光三オフィス

世田谷パブリックシアター(東京都)

2012/07/28 (土) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★

自己の殻を破る
精神的弱さを克服しようとする演劇オタク少年の成長物語で、所々に生の舞台ならではの魅力的な表現が盛り込まれていましたが、全体的には盛り上がりに欠けるように感じました。

前半は台詞が主体で物語としてあまり動きがなく、演出も単調で笑いの取り方も表層的に感じました。怪物退治に向かう辺りから物語も演出も惹かれるところが出てきて、前半も同じくらいの魅力が欲しかったです。

弱いままの現状を肯定しようとする、悪魔の声的な幻覚と対話する場面で、畜光塗料を用いてトリッキーな視覚表現をしていたのが印象に残りました。光量が足りていなくて、はっきりとその効果が出ていなかったのが残念でした。
パースのかかった、セピア調の書き割りの美術に童話的な可愛らしさがあり、物語の雰囲気にマッチしていて素敵でした。

ベテラン勢の安定感のある演技も良かったのですが、見せ場が少なく残念でした。ROLLYさんの弾けた怪演&歌が生き生きとしていて楽しめました。

赤鬼 ―レッドパージ立山― 【終演致しました。ご来場ありがとうございました!!】

赤鬼 ―レッドパージ立山― 【終演致しました。ご来場ありがとうございました!!】

サイバー∴サイコロジック

駅前劇場(東京都)

2012/07/26 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★

立山
OFF OFFから駅前劇場に進出し、ステージの広さは2倍に。ストーリーの規模はそれ以上。昨年の『閻魔堂コロシアム』も含め、立山が日本の裏のヘソのように思えてきましたが、これまでの作品と比べると、最後の衝撃が物足りなかったか。そして、この劇団の名物役者、松原遼平の降板も残念。近い将来、この作品が完璧な状態で上演される機会があるといいな。

病んだらおいで

病んだらおいで

ソラトビヨリst.

新宿シアターモリエール(東京都)

2012/07/26 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

病んでる時代
“異色セラピストコメディ”とうたっているが、個々のエピソードにホロリとくる。
出演者も多いがよく整理された構成と充実の劇中劇がテンポよく進み、
終わってみれば「私も行きたいクリニック」であった。

ネタバレBOX

内海心理治療クリニックは、飲み屋街の一角、
元スナックだった所に開業したクリニックだ。
カラオケステージやミラーボールがそのまま残っている。
内海年也(濱仲太)は、押さえ込まれた自分を開放するため、患者に演劇療法を施す。
ここへ、ヤクザの親分と舎弟、看護師、役者、数学の教師、女子プロレスの選手など
超個性的な面々が救いを求めてやってくる。

内海先生が当て書きする台本通りにセリフを言ううち、次第に素の自分が顔を出す。
堪え切れずに溜め込んでいたものを吐き出し、自分をさらけ出すようになる。
この過程がとても面白い。
コメディを面白くするのはマジなキャラと意外なバックグラウンドなのだと痛感する。

女子プロレスの赤マムシ三太夫(五十里直子)やリストラされた尾久(田口勝久)の
切羽詰った告白には思わず泣きそうになってしまった。
国会議員(中山英樹)の横柄な態度が素晴らしく板についていると思ったら
ゲイだったとわかって、それを隠そうともしないところがまた面白かった。
このクリニックは元スナックだった場所だが、
集まった中でも突出して愛想よくチャラい感じの男(濱崎元気)の
「実はここで店を経営していたのは自分で、破産して店も家族も失った」
という告白は、本当に切ない。
ヤクザの親分(二川剛久)と舎弟(原ゆうや)のストーリーには、
このエピソードで1本芝居が出来そうな重みと悲しみがある。

笑いながらも共感できるのは、一つひとつのエピソードが現実的なこと、
劇中劇が充実していて単なる再現ドラマに終わっていないことがあると思う。
参加者一人ひとりにスポットを当てるなど、照明もわかりやすくよかった。

全体を束ねる内海先生は常に「大丈夫です、やってみましょう」と励ましてくれる。
誠実さと温かさが伝わって来てとても心強い先生だ。
超個性的な相談者をまとめていく説得力とオーラがあって、観ている私にも安心感を与えてくれる。
彼自身も心に傷があり、それを忘れずにここでクリニックをやっている、
単なる熱血医師ではないという設定が良い。
ラスト、みんなでボールを回して最後に死んだ少女が持ったところで
じいんときてしまった。

「精神」という言葉の中には「神」がいる。
この神様は脆く繊細な神様で、この神を守るために私たちは闘っているのだという。
守りきれなくなったときに駆け込むのが、こんなクリニックであればいいな。
疲れた夜、だけどこのまま家に帰るのは辛い夜、ここへ来たら少し上向きになるような気がする。
今日、セラピーを受けたのは、実は私の方だったのかもしれない。
Goodnight

Goodnight

劇団競泳水着

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了

満足度★★★★

期待通りではありますが・・
人物配置と人物描写説明をプロローグに使い、本編はシチュエーションコメディ群像劇と言ったところで楽しめました。
ただ、あくまで期待通りで期待以上では無かったかなと。
優しくてお洒落で良いんですけど、登場人物の自己葛藤と支えてくれる周りがあまりに良い人過ぎ感がやや一本調子のような気がして、少し退屈でした。現実的で卑近な悪意があっても良かったのかなあと思いました。


ネタバレBOX

酒を飲まないと話せない人の方が闇が深く、ドラマ性があって広げても良かったかなと思いました。
看板娘ホライゾン

看板娘ホライゾン

ホチキス

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/05/31 (木) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

ビューティーぞろい
ろりえ観劇後、王子へ。「砂利塚アンリミテッド」以来のホチキス。もう8、9作品目になるか、観させてもらうのは。毎回間違いなく面白いので、観逃す事ができないのだ。

で、今作も面白かったです。ここのところ、ゴーストもの?が続いているな。

砂利塚アンリミテッドのカメオなど遊び心も満載。看板娘プロデューサーという、突拍子がないけれどシャッターストリートになりつつある最近のローカル商店街にはかなり必要な職業じゃね?と思わされてしまう設定が斬新だ。

ホチキスBeautyの名の通り、ビューティーぞろい。個人的な好みでは齊藤美和子さんがダントツなのだが、中村真沙海さんもなかなか目を魅く女優さんだった。で、丹野晶子さん、強烈だ。完全に彼女向けに書かれたキャラクターだった気がする。

PowerBook G4を久々に見た。

スペーストラベラー ~LOVE is in the Mother Ship!~

スペーストラベラー ~LOVE is in the Mother Ship!~

スーパーグラップラー

あうるすぽっと(東京都)

2012/07/25 (水) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★

一人サッカー
チケットプレゼントにて鑑賞。後半いい感じになった。

ネタバレBOX

地球から「次世界」へ多くの移民を乗せ、「宇宙船地球号」が出発する。地球号を管理しているのは、マザーマリア(竹村千穂)だが、マリアが侵入者からのウィルスを受けるところから船内が混乱し始める…。

侵入者らの話から、この船の人間は一人しか次世界へ行けないことがわかる。地球号は移民船でなく、選民船ということか。結果は、ヤマオキがマリアの子・卵子(原嶋あかり)と一緒になり?、次世界という現世界に似た世界で、マリアと謎の男(郷本直也)と似た夫婦の子として生まれる…という話。移民の話が地球の環境汚染等、人類を原因とする問題からの逃走でしかないとすれば、人類をそのまま移動させても繰り返しになる…という発想を人類の上層部がしたのかマリア等のコンピュータがしたのかわからないが、とにかく人類の再生を目論んだ計画なのだろうなと。ラスト、子として生まれたヤマオキの周りに、人類の普通の生活が溢れている描写がとても良いと思った。

観客を地球号の乗客に模し、公演案内や渡航ガイドなどの配布をするのもOKだが、若干クドいし、時間を取りすぎな気がした。程度の問題だけど、本編が始まるまででちょっとダレてしまいそうになる。
ドリームシアター(あなたの夢を叶えます)みたいな、コントも嫌いじゃないけど、話の進行に織り交ぜてやってくれると嬉しい。ちなみに笑いの箇所は、もっと調整をして質を上げてほしい。演者の力量って問題もあるけど笑いにくい。ネタが若干上の世代向けだったからかしら。ついでに、物販の案内もほどほどでお願いしたい。
こんな感じの前半を整理して、後半の混乱やメモリボールのくだりを厚くしてくれる方が好み。(てか、子として生まれたヤマオキはメモリボールをどうしたのかしら)

あと、早口だと聞き取りにくい場合があったのも、頑張って欲しいところ。
保母、処女

保母、処女

ホントに、月刊「根本宗子」

BAR 夢(東京都)

2012/07/14 (土) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

こういう演劇もどんどん増えたらよい
会場が良かった。
荒木町のBarで40分の演劇、という企画はいいですね。

内容については、
女子の会話をのぞき見する、というのが当方には合わなかった。

see/saw

see/saw

Nibroll

ヨコハマ創造都市センター(YCC)(神奈川県)

2012/07/20 (金) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★

ブラボー
ダンス系舞台は数回しか観た事が無いのですが、大変素晴らしくあっという間でした。
躍動するダンサーの身体に、美術、照明、映像、音声が有機的に絡み合い、生と死が情熱的に、静謐に提示されて行きました。
会場は石造りで、音の響きや振動が心地よい空間、それを最大限に生かす演出が冴え渡っています。
横浜の舞台芸術は、若手の台頭が素晴らしい状況です。
少し足を伸ばして、是非観にいらして下さい。

余談ですが、インスタレーションと一人芝居のコラボ、ワークインプログレスという事でしたが、こちらも本公演が非常に楽しみな仕上がり具合です。

組曲『回廊』

組曲『回廊』

空想組曲

OFF OFFシアター(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

うまい
手練れの傑作に好演。

【シアターグリーン学生芸術祭vol.6】に捧げる演劇儀式 (ご来場ありがとうございました!!!!!)

【シアターグリーン学生芸術祭vol.6】に捧げる演劇儀式 (ご来場ありがとうございました!!!!!)

宗教劇団ピャー! !

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/07/27 (金) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★

宗教を扱った舞台
救いの神に救ってもらおうと他人本願な人達が集まり、グダグダに生きていたが、もう救いなんかないんだと今更ながらに気がついた愚か者の賛歌。昆布臭い。

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