『ガラクタとペガスス』
8割世界【19日20日、愛媛公演!!】
ワーサルシアター(東京都)
2012/11/28 (水) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
「家族」をつなぐ「モノ」がたり
アットホームなコメディだけど、少し気負いすぎたかな。
ネタバレBOX
今や妹1人しか住んでいない実家。
その妹も引っ越しをすることになり、家の整理をするために、久しぶりに集まった兄弟と従弟たち。
両親の思い出の詰まった、星座早見表、招き猫、鳩時計をどうするか揉めている兄弟。
その当の本人たち(星座早見表、招き猫、鳩時計)が、捨てる前にお願いを聞いてほしいと言い出す。
百鬼夜行ではないけれど、モノに生命が宿り、いろいろ語り出すという趣向は面白い。
正確には、生命が宿って語り出すのではなく、モノの声が聞こえるようになる、ということなのだが。
登場人物全員の暖かい気持ちが伝わってくる。古いモノを持って帰ることに反対していた長男の嫁も、実は……ということがわかってくる。
アットホームなコメディ。
ただし、その見せ方は、勢いで見せようとしすぎたのではないだろうか。
つかみの雰囲気は、多少のテンションがあるのはいいのだが、3つのモノもそれぞれがすべてテンションが異常に高く、見ていて疲れてしまう。
もろちん、テンションの高いところとそうでもないところは、はっきりと分かれているのだが、とにかくテンションが高いところのレベルが高すぎるのと、テンションの高いのを、テンションの高いのが受けてしまっていること、さらにその部分が長く持続するので、全体的に無闇にハイテンションとなっているように感じてしまうのだ。
8割世界は全編ハイテンションではないものの、明るく元気な劇団だと思う。
しかし、その元気の良さ、明るさは、物語の盛り上がりに寄り添いながら、あるいはキャラクターの明るさが際立つように使われていた。
しかし、今回はなんとなく気負いが先立ちすぎているように感じた。
例えば、3つのモノでいえば、それぞれが方向性の違うキャラづけをされているにもかかわらず、テンションの高さで同じように見えてしまう。
何十年も家にあり、兄弟たちよりも年齢の高いモノたちなので、老人、と言わないまでも、もっと落ち着いていてもよかったのではないだろうか。
落ち着いた口調で兄弟たちが振り回されるという図式だ。そして、「ここぞ」というときには声を張る、でよかったように思える。
つまり、モノと兄弟たちが同じようにハイテンションなので、そういう意味においてはメリハリに乏しいと思う。
明のファンの女性たちも、両者とも同じようにハイテンションで、舞台の上が賑やかになる、を通り越してしまっている。彼女たちをそうするならば、テンションを下げて、バランスを取る登場人物や、シーンが用意されていないと、可哀想。
また、そういうテンションに全体があるので、長男の妻が、キレて怒鳴るシーンが生きてこないように思える。
朝から片付けでバタバタして、少し疲れ気味の兄弟たちが、古びたモノたちに振り回される、という、普通と言えば、普通の演技で進めていたとしても、コメディとしての演出のうまさと、役者が揃っているのだから大丈夫だったと思う。
長男夫婦のこと、弟の仕事のこと、妹と幼なじみの恋の行方のこと、などや、兄弟たちの過去の思い出、両親の思い出などが、「モノ」たちによって、うまく盛り込まれているのだから、そういう物語を大切に演出していけば、「家族」がテーマとなった、さらに味わいの深い作品になったのではないだろうか。
「モノ」は実際に声を出さなくても、「家族」の歴史を語るものである。それが「実際に語り出す」ことで、テーマがくっきりとしているのだから。
例えば、星座早見表が話す、ペガススのことなんか、とてもいいのだから。そこに向けての道程は、もう少し丁寧にしていってもよかったということなのだ。
「元気」な8割世界という特徴づけというか、差別化、というか、「こうありたい」が先に出すぎたのかもしれないけど。
ラストは、ちょっとホロっとさせた。こういうのをベタと言うのかもしれないが、それでもいいものはいい。
そして、ラストのあとの「オチ」はさらに「家族」というキーワードを絡めて、笑いつつ、いい締めであったと思う。
兄弟たちは、実家を片付けに来ているということなので(ほぼ片付いたという設定ではあるが)、軍手をしているとか、頭にタオル巻いているとか、ほうきがあったりとか、そういう細かい設定もほしかったところだ。
役者は、2人の兄弟(佐倉一芯さん、白川哲次さん)がいい味。妹役の日高ゆいさんも良かった。星座早見表の小早島モルさんは、何をやってもいい役っほいのでズルイけど面白い。嫌みにならないところがこの人の持ち味かも。
客入れのときに、鈴木雄太さんと小林肇さんが舞台の上から挨拶し、客を誘導するというのは、なかなかのアイデアではないかと思う。
今回、小林肇さんが芸名を付けるということで、アンケートに欄が設けてあった。どんな芸名になるのか楽しみだ。いい芸名を書いたので採用される・・・わけないか(笑)。
悪癖
製作委員会
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2012/11/30 (金) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★
年配の役者さんが良かった
解りづらいストーリーであるにも関わらず、ちょいちょいと笑わせてもらったので結構満足できました。そういえば観客の中で自分達が最年長かもと思いながら座ってみたら、結構年齢層高くてびっくりしたな。
過去から来た女
BASEプロデュース
BAR BASE(東京都)
2012/12/04 (火) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
いいねー
ちょっとテンション高めだけれど、バー公演らしい臨場感溢れる芝居です。神隠し的に消えちゃた女性が13年後に突然現れて翻弄される男たち。タイムトラベルものにありがちな話ですが、これは男のロマンなのかな。何か引き込まれますね。センスのいいキーボードの生演奏が雰囲気盛り上げています。上演時間もちょうどいい塩梅の60分。
むぐりんぼう
鮭スペアレ
シアター風姿花伝(東京都)
2012/11/29 (木) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★
タイムスリップ
たぶん奏でる音楽によるのでしょうが、あっという間に異次元というか異空間にタイムスリップしてしまいました。この不思議な感覚に漂うのがよいのでしょうね!?なので、ストーリーも今回のように単純なお伽話的なもののほうがマッチしますね!
眠れない羊
ライズ・プロデュース
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2012/12/05 (水) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
絶妙なサジ加減
森の奥の屋敷で繰り広げられる執事達の晩餐。
うーーん、面白かった!
がっつりサスペンスかと思いきや……ワンシチュエーションで、そんなに派手なことが起きるわけじゃないのに、シーンごとに全く違った感情が揺さぶられる見事な作品。
美しく面白く素敵な役者さん達の演技合戦を楽しめました。
ネタバレBOX
果たして主人を殺したのは誰なのか? そもそも本当に殺されたのか?
というミステリーを主軸に物語が展開する。
最初はコメディからサスペンス、というよくある展開かと思いきや、そこから数えきれないくらい何度もひっくり返っていき、いつの間にか人間ドラマになっていてラストには不思議な感動が訪れる。ほんと絶妙。
演技のスタイルがみんな個性的なのに、絶妙なバランスで成立、共存させている演出のバランスもお見事。
個人的には川村さんと鍛冶本さんの役が特にお気に入りでした。
『ガラクタとペガスス』
8割世界【19日20日、愛媛公演!!】
ワーサルシアター(東京都)
2012/11/28 (水) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しめました
ドメステックなファンタジー・コメディ、楽しめました。ちょっとクドいくらいにハイテンションなのですが、人情モノなのですね。ホロリとさせられました。
花と乱歩と曾根崎心中
演劇サムライナンバーナイン
SPACE EDGE(東京都)
2012/10/12 (金) ~ 2012/10/14 (日)公演終了
満足度★★★
いちもよりぶっ飛び
なんかいつもよりぶっ飛んだ展開だっな。また、役者の感情の起伏の激しさもいつもよりぶっ飛んでたなあ(役者陣は相当大変だな)
物語はなかなかには面白かったが、ぶっ飛び過ぎて、客席に伝わってこないのもわりとあったかな。
傭兵ども!砂漠を走れ! -サバンナ&オアシス-
劇団6番シード
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2012/11/14 (水) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
オアシス編を観劇
緊迫感のある戦場シーンと適度なコメディシーンが展開されて、ちょうどいい感じで観れました。 美しい話ですが、これは願望であって現実はもっと厳しいよね・・・。 考えたら暗くなったので、気晴らしに柿の種買って帰りました。
下品
ロスリスバーガー
新宿眼科画廊(東京都)
2012/10/12 (金) ~ 2012/10/14 (日)公演終了
満足度★★★
面白かった
タイトルほど下品ではなかったです。なかなかシュールで面白かった。
ただ、客席段差があまりないので、イスに座ったりする演出はもう少し控えた方がよかったかも。
週末たち(満員御礼で終幕。ありがとうございました。御感想お待ちしています!)
MU
BAR COREDO(東京都)
2012/12/01 (土) ~ 2012/12/04 (火)公演終了
満足度★★★
雰囲気は良かった
面白かったというより、リラックスして観られて、悪くはなかったなあという印象。雰囲気勝ちのきらいもあるなあ。
ボクのおばさん
自転キン演劇部
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2012/12/04 (火) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
多くの人に見て頂きたい舞台
舞台上のコタツが、臨場感満点でした。つい、舞台に上がって話に入りたくなるほど、集中できました。
人情もので、脚本も良かったし、何より、役者が演技派ぞろいでした。素晴らしかった。
ネタバレBOX
舞台は工場経営の一家の居間で、話も全てその場で展開していくのですが、全く違和感がなく、往年のドラマを見ているようでした。
複雑な家族関係が明らかになるにつれ、家族の関係が変わっていく様子が、自然に無理なく表現されていて、感動しました。特に、主演の樫山純子役は秀逸な演技で、舞台を力強く引っ張っていました。あのように、どんなに深刻な空気も一瞬にして吹き飛ばすオバサンパワーは、並の演技力では表現しきれないでしょう。また、一転してシリアスになり、美香に土下座するシーンなど、涙なしには見られませんでした。
圭介は、複雑な生い立ちの難しい役どころを、健闘していました。ロマンチックなプロポーズ、見てみたかったです。純子との和解も、変に収めず、ひねくれた感じに彼らしさを感じました。美香もだらしない圭介にお似合いの、しっかりした奥さんで、相性抜群でした。衣装もオシャレで、アパレルらしさが出ていました。つわりの後の細かい演技も良かったです。
隆史役は、頼りない長男役がぴったりでした。苦労を経て、父親の偉大さに気づくシーンが印象的でした。良子役は、虫好きの変人ながら、兄の友人に恋する乙女を好演していました。一番多く笑いを誘いました。
酒井役は、優しい友人がはまり役でした。ただ、元カノに未練があるのに、良子にキスしたのはやりすぎだと思います。変に気を持たせていました。笑
亀下役は、舞台のスパイスとして、非常に魅力的でした。場所柄から、劇場に向かう途中で本物のオネエ系を見かけたので、信憑性がありました。お母さんが死んだシーンの語りも涙を誘い、また、序盤で純子とミカンを食べるシーンでは大量の皮が時間経過を感じさせて、良かったです。
非常にバランスが良く、いい舞台でした。多くの方に見ていただきたいです。今後の活躍に期待します。
一騎当千
株式会社ダイス
博品館劇場(東京都)
2012/11/30 (金) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
萌え~!
ほとんどが格闘シーン、アンサンブルの人たち半端じゃなかったです。
ネタバレBOX
原作が良く分からないのですが、三国志の英雄たちの魂がこもったまが玉をイヤリングにした高校生たちによる高校別対抗格闘技大会といったところでしょうか。
格闘シーンは迫力がありました。女子も頑張っていました。
そして、萌え~な衣装にパンツ丸見えのサービスでしたが下品にならず素敵!
ただし、主人公の孫策伯符は可愛かったのですが、フリルの付いた黒いパンツは今一でした。呂蒙子明のメイド服は最高に萌え~で、関羽雲長はスタイルバツグンでした。
Zero Plus
白狐舎
シアター711(東京都)
2012/12/05 (水) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題542(12-285)
19:00の回 (曇)。18:37会場着、受付。質素な舞台、腰掛け用のベンチがあるだけ…一時帰宅者のためのツアー、4組の男女、それぞれの10年と今、そしてこれから。最前列はパイプ椅子、2列目から備付の椅子。上演時間2時間の予定。18:57前説(場内アナウンス)、19:02雨の音、暗転、いくつもの傘が拡がる〜20:54終演。選挙になり原発に関してさまざまな政策が語られています。本作、4組の登場人物、同じ時間を共有しこの「場所」にいながらも、違う想いが舞台上を彷徨っているようでした。想いを引き裂くようなヘリの轟音、激しい雨がもたらすもの、足元の大地に染み込んだもの。
終演後、吉水さん、白石さんにご挨拶。白石さんは青果鹿スタジオで一人芝居を見ていたのに最初わかりませんでした(すみません)、この方しかいないとはわかるのですが、声を聞くまで何となく(メガネ、帽子、役柄でずいぶん変わるものです)。
ネタバレBOX
『故郷を失った人々』と記されています。当パンにある(左)女性と(右)男性のペア、時間を図っていたわけではありませんが、一組15分×2、同じ時間を4組が共有しています。
雨があがったり、ヘリが飛んできたり、それによってこのツアーの参加者たちは、個々の事情でこの地にやってきて、それぞれの物語をみせてくれるということです。
兄妹、同級生、婚約者、父娘...髪を整えてもらう父..私も娘にやってもらうことがあり、少々感じ入るところがありました。
お話は、一人の男性を通じて繋がり、その「将来」については誰も語れないのかもしれません。
アントニーとクレオパトラ
THEATRE1010
THEATRE1010(東京都)
2010/12/01 (水) ~ 2010/12/05 (日)公演終了
満足度★★★★
大変遅くなりました、、
本当に本当にすみません。ネタバレ欄にブログ記事を転載します。
ネタバレBOX
先日観た蜷川さんのオールメールシェイクスピア「じゃじゃ馬馴らし」がとても楽しかったので、こちらもどんな素敵な舞台になるかとドキドキ。しかしアプローチの全く違う舞台だったので、また違う楽しみ方が出来ました。
思うに、蜷川さんの演出は蜷川さん独自の色がとても強かったのだな、と。こちらは非常にストレートで。きっとシェイクスピアが上演していた当時の演劇を素直に伝えたかったのかなと感じました。
TVやネットの無い当時の観客は、ポピュラーな娯楽として演劇にひたすら物語や歴史を求めたのではないかなと。今の時代の小劇場ほど多様性が求められてはいなかった、そんな気がします。そういう時代を今に伝えるなら正攻法が一番ではないかと。こんなことを考えながら観られる古典演劇。素敵ですよね。
役者さん的には、錚々たる顔ぶれの誰よりも小沢くんが目を引いていました。宦官役で。物腰の柔らかさ、優雅さ、気品。何もかもが他の人たちを圧倒していました。大舞台での素晴らしい存在感に、やはりこの人は将来最高峰に立つ方だな、と確信。素敵でした
アンダー・ザ・ロウズ
虚構の劇団
座・高円寺1(東京都)
2011/04/08 (金) ~ 2011/04/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
大変遅くなりました、、
震災直後に観たこの作品。余震の恐怖が続く中、5回通った日が遠い昔のようです。いじめ問題を重すぎることなく軽快に描いていますが、今DVDを観ても客席の皆さんと一緒に笑うことができません。しかし躍動感のある役者さん達は魅力に溢れ、特に大久保綾乃ちゃんの悲痛な演技は強く心に残ります。綾乃ちゃん、舞台に戻ってきてください・・・心から待ってます。
深呼吸する惑星
サードステージ
紀伊國屋ホール(東京都)
2011/11/26 (土) ~ 2011/12/18 (日)公演終了
満足度★★★★
大変遅くなりました、、
感想を書いてませんでしたすみません。ネタバレ欄にブログ記事の転載をします。
ネタバレBOX
10年間封印されていた第三舞台の封印解除にして解散公演。主宰の鴻上尚史さんの心境はもちろん想像できませんし、本当の気持ちなんて誰も理解できないのかもしれない。と、客入れで固い表情をしている鴻上さんを見て思いました。
で、初めて観た第三舞台。感想は単純に。
鴻上さんすごいな!!!!! 役者さん達もすごいな!!!!!!
いつも虚構の劇団を拝見してますが、やっぱり一世を風靡したベテランは凄まじい、と。蜷川シェイクスピア「じゃじゃ馬馴らし」でも驚愕させられた筧利夫さんがダントツで凄かったです。これほど凄い役者さんがいるなら、鴻上さんも楽しいだろうな、劇団も安泰だろうな・・・なんて思ったけど。そんなに単純な話じゃないから休止&解散しちゃうってことですよね。。
客席はもちろん往年のファンだらけで。どんな思いで解散公演を観てるのだろうと思うと、切なくなってキュンとしたりして。
虚構の劇団が解散、なんて考えたこともないけれど。そのとき私は何を考えているのだろう、と。あ、でも今は考えなくていいですよね。
天使は瞳を閉じて
虚構の劇団
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2011/08/02 (火) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
大変遅くなりました、、
感想を書いてませんでしたすみません。ネタバレ欄にブログ記事の転載をします。
ネタバレBOX
第三舞台での人気作品の再演とあって、まず驚いたのは、チケットが凄い勢いで売れてしまって千秋楽が取れなかったこと。リピートの予約は初日を観てからでと思っていたのに平日も早々に売れてしまい、結局3回しか観られませんでした。(前回公演「アンダー・ザ・ロウズ」は5回、その前の「エゴ・サーチ」は6回観ています。凄いのです虚構。何回でも観たくなる。)
それにしてもやはり人気の作品。心が洗われるような珠玉の言葉の数々と、痛烈な社会批判とを、胸躍るエンターテイメント性に絡めていて盛り沢山。存分に楽しみ、存分に考えさせられる重厚な演劇でした。
お話は実にタイムリーで。原発事故での放射能汚染地域に入った人達の、透明な壁の中での物語。そこで生きる人間達を見守る天使の目を通して、人間の愛しさや尊さそして愚かさが語られます。背中に羽根が生える奇病は、人間達の驕りの象徴なのかもしれません。自分達は神と同等の力を得て空を飛べる、と。
天使の役目は、ただ見守ること。時にはもどかしさを感じ、時には嘆き悲しみ。そして時には、禁を犯してそっと手を差し伸べる。
その天使を演じた小沢道成くんの演技がとてつもなく素敵でした。本当に人間なのか、本当は天使なのではと思わされるほど透明感に溢れた佇まいと表情。人間達を見守る慈しみの微笑み、深い深い嘆き。私の知る限り、この天使を演じることができる役者さんは彼の他にいません。あまりに繊細な空気に彩られた天使としての存在感やその語りに、終盤涙が止まりませんでした。
もう一人、注目をした役者さんが。ロックミュージシャンと不倫をしている役柄の高橋奈津季さん。その秘密を恋を表す表情に。誰がどんな演技をしていても、「彼女は今どんな面持ちなのだろう」と表情を確認せずにはいられませんでした。不倫に限らず、女なら誰でも、人に言えない恋の一つや二つはしたことがありますよね。彼女の演技を観ながら、胸がチクチクと痛むのを楽しんでいました。
それにしても、脚本・演出の鴻上尚史さんの社会批判の表現はこれ以上無いほどのストレートさ。その影響力を考えたら、国家レベルでの圧力がかかってもおかしくないと思うのですが(汗)鴻上さんだからここまでできるのか、ここまでできるから鴻上さんなのか。凄い方だなぁ・・・。
吉岡再生
コーヒーカップオーケストラ
シアター711(東京都)
2012/11/28 (水) ~ 2012/12/03 (月)公演終了
満足度★★★★
果たして
吉岡は無事に再生できたのでしょうか?!
若い頃の繋がりは時間が経っても、一瞬のうちに元の頃に戻れたりしていいものですね!?
ネタバレBOX
周りのみんなが知っていて、自分だけが知らないコトを知った時のショックは、当事者になったらかなりのものがありますよね!?外から見るのとのギャプが大きすぎ、そんなところも他の笑いと絡めて面白かったです!
リアル感電!!
ホナガヨウコ企画
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)
2010/04/24 (土) ~ 2010/04/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
はまったキッカケ
ダンスがこんなにも笑顔にしてくれるなんて!オッカケノキッカケ
迷いアゲハ
海市工房
「劇」小劇場(東京都)
2012/10/31 (水) ~ 2012/11/05 (月)公演終了
満足度★★★★★
観劇の感想
一月ほど経ってしまいまいたが、偶然このサイトをみつけて書き込みたくなりました。この劇団は以前通り掛かりに観て、小劇場にこんな劇団があったのかと正直驚き、それ以降欠かさず観劇しています。今回は再演ということでしたが、強い不思議なパワーを感じました。特に酒に溺れる主人公と蝶のような女さつきは秀逸でした。
何かある、ドキドキさせるものが必ずある、と感じさせてくれる数少ない劇団で、今回もそれは裏切られませんでした。