最新の観てきた!クチコミ一覧

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STEP OVER THE FUTURE

STEP OVER THE FUTURE

T1project

ザ・ポケット(東京都)

2013/03/05 (火) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題626(13-051)
19:00の回(晴、暖かい)。18:45会場着、受付(指定席)、中へ。座席はB列からで最前列は思いっきり舞台に近い。3列目までが平地で4列目から段差。舞台が高めなので2-3列目でもみえないということはないと思います。その舞台、テーブルや椅子(20脚はあったはず)、部屋(喫茶店)そのものが多角形で、見た目はごちゃごちゃ。これに「2つの時代」のメンバーが29名。
一番手前のテーブルに真っ白な折鶴(と思ったのですがカモメだそうです)。18:55前説(場内アナウンス、10分の休憩を挟んで2時間30分)。19:04開演~21:41終演。29年に1度行われる祭事。1984年と2013年をつなぐ「関係」、父と息子、次の父と息子。母と娘。永い時を巧みに重ね合わせた演出。
「ダイニングトーク(2012/5@楽園)」がすごくよかったのでみに来ました。大勢出ているのですが、世代の区切りを利用し、わかりやすい組み合わせになっています。当パンに相関関係が示されているので事前にみておくのもいいでしょう。みんな「不器用」ですが、後味爽やか。「ダイニングトーク」の第二弾が5月にあるそうで、そっちもみたい。

今、出来る、精一杯。

今、出来る、精一杯。

月刊「根本宗子」

駅前劇場(東京都)

2013/03/06 (水) ~ 2013/03/12 (火)公演終了

満足度★★★★★

今すぐ予約!観劇/感激すべし!
【いてもたってもいられないので、思いのたけを】

「月刊「根本宗子」『今、出来る、精一杯。』」鑑賞。

素晴らしい。最高だ。

もうめんどくさくてちょーうざい。それに加えて、なんて暑苦しいことか!しかし、少しも「退屈」になんてなりやしない。ぐんぐんと引き込まれ引き込まれ、「ここか、ここがハイライトか、いやまだここじゃない」。で、あっという間に幕。唸る。唸ることしかできない。とにかく拍手、そしてまた拍手。

大きな「私」がぐるぐると台風のようにやってきて「間違っているのはわかっている!でも…!」とあなた(その小さな「私」)を巻き込んでしまう。「あなたも大変だよね。わかるよ。だって私も大変だし」なーんて甘っちょろい関係は許されやしない。

「この私」が「そんなあなた」を巻き込むの(巻き込みたいの)!あぁなんてウザイ女子。でも、好きだ。いや、好きなんてもんじゃない。ちょー愛してる。いいぞいいぞ!もっとやるんだ!でも、オレのところにはお願いだから来ないでくれ!

オレは「根本的台風」に巻き込まてどっかに飛ばされてしまうのはごめんだ。だから必死で足で自らの大地(安全圏)にしがみつき、「根本的台風」の嵐にびしょ濡れになりながらも、それが去って行くのこらえる。少しでも油断したら巻き込まれて飛ばされてしまうから。
でも……巻き込まれてそのまま「どこかへ」飛ばされてもみたい。いや、飛ばされたい!あぁ、オレはもう巻き込まれてしまっていたのだ!


虚言の城の王子

虚言の城の王子

空想組曲

吉祥寺シアター(東京都)

2013/03/03 (日) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

とてもよかった
心が ふわっとして、容易く立ち上がれました。

ネタバレBOX

泣いた。
見上げてごらん

見上げてごらん

Ar-Style

ブディストホール(東京都)

2013/03/06 (水) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

ネホリーとハホリー☆
(^^)/ 昼の公演を観てきました。面白かったです!
笑いあり、感動あり、役者の個性はバッチリの舞台です。
大阪弁や、レゲエや、武士語(最近はこういうらしいですね)とか、面白すぎです♪
終演後も、ダブルキャストなので、大勢でお見送りしてくれて、気になった役者さんとお話の時間も長かったです。
観劇日記をブログに書きました☆

月の剥がれる

月の剥がれる

アマヤドリ

座・高円寺1(東京都)

2013/03/04 (月) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★

「死」が軽すぎでは?
扱われている題材はとてもシリアスで痛々しいのだけど、登場人物各々の心情が深く描かれてないから「死」がリアリティを持って迫っては来なかった。

散華メンバーのそれぞれの事情は一部を除いてほとんど描かれず、なぜ身を挺して活動しようとするのかの個々のバックボーンが全然見えてこなくて、活動といっても単に部活みたいで死に対する意識が軽々しかった。

肉が裂け、骨が砕け、親族が嘆き哀しむような「死」はそこにはなく、単に物語上のアイテムとして「死」が扱われているようで、どうも受け入れがたかった。

少年王者舘のような群舞は迫力あったし美しかったんだけどな。

LAND→SCAPE/海を眺望→街を展望

LAND→SCAPE/海を眺望→街を展望

北九州芸術劇場

あうるすぽっと(東京都)

2013/03/08 (金) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

採点できる感じじゃない
最初から最後まで全くチャンネルを合わせられず。音量、質ともに声が苦手すぎた。座席のせいもあるかな。四方囲みで全席自由です。舞台上、正面奥側がいいのではと予想。私は通常客席中央ブロックでした。これからご覧になる方はお早めに劇場へ。

ホロヴィッツとの対話

ホロヴィッツとの対話

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2013/02/09 (土) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

ブルーシートチルドレン

ブルーシートチルドレン

川崎インキュベーター

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2013/03/07 (木) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★

こういうのが観たかった!!
ラゾーナ川崎で上演される、川崎市に演劇の義務ができた世界。だから川崎川崎と連呼するのかと思えば、全くそういうのは無かっった。
自分の知ってる役者さんが一人も居ないのに十分満足できた。


最初のOPはだらだら始まる感じは、自分は好きじゃないかな。
自分はでも大勢が出てる舞台は苦手な方です。
でもこれは、意外とキャラが立ってて判別しやすく、ただ大勢が必要な部分は衣装そのままに舞台を暗くして演じ、それでもちっとも違和感が無い。素晴らしい。

あとは、照明の入れ方SEが的確だと思った。

それに、場面転換が凄い好き。シュプレヒコールのように、規約を読み上げながら直角の行進。見ごたえあるぞ~~!!


ダンスも素晴らしい。もう一度見たいと思ったら、その欲求も叶えてくれた。
特に男性2が伸びやかでとても良いと思ったら、ここは日替わりでした。そして

それからいつも○○○される彼女が可愛らしい。

市長の何とも不気味というか、彼の存在感が素晴らしい。
こういう方が居て芝居が締まると思う。

登場グループが、劇団「ワタリダロケット」・「ブルーシートチルドレン」・警官・演劇特別高等警察・市長・・・あと4つくらいあって、それぞれの話のリンクの仕方も面白い。
ちょっと長いけど、飽きさせない面白さがあった。


お勧めです!!
 

ネタバレBOX

関係者様もここを見るようですし、で率直な感想をということなので、
素人のうちが気になった所を少々書きます。

完璧ネタバレです。これから観劇する方は見ないことをお勧めします。



まず、上記の○○○は、いつも何故かビンタされる彼女。その様子が可愛かったです。

第二秘書が田中と2人のシーン。彼女のあんなPOPな衣装にあの黒のお仕事用のBAGはどうかな?例えば、ショッキングピンクや赤のショルダーの方が良いかと思った。

あとは2人のシーンって多かったけど、お互いを向き過ぎかなって思うの。
もっと、客席に向かっても良いんじゃないかな。

ちょっと長いのが、★が一つ少ない理由でもあります。
2人のシーンが多いので、裏方の事情(衣装替え)などもあるでしょうが、もうちょっとカットできるのでは・・。

NPOお金持ちの嬢様の服。近くで見ると毛皮かなと思う感じなんだけど、遠いとちょっとね。金が余ってしょうがないって事を衣装からも見せるなら、金色の上着やら、宝石をジャラジャラやら、どうかしら・・・
でも、あの3人の決めポーズ、凄いいいですね!!

と、ド素人が色々書いてスミマセン。
でも、良かっただけにちょっとしたことが気になっただけで、自分はとても楽しめました。有難うございました。


若手演出家コンクー2012 最終審査  

若手演出家コンクー2012 最終審査  

一般社団法人 日本演出者協会

「劇」小劇場(東京都)

2013/03/05 (火) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★

4日目
中村房絵演出「箱」コンテンポラリーダンス?セリフもあるのだけど1か所聞き取れないところがありました。何の徒競走だったんだろ。…。この作品もアフタートークをうんうんうなずいてきいていました。確かに。演出って大変な仕事ですよね。今日で4作品全て観ました。観客賞の投票も済ませました。来年も気になりますね。その前に最優秀は誰の手に??楽しみです。

3月歌舞伎公演「通し狂言 隅田川花御所染(すみだがわはなのごしょぞめ)」

3月歌舞伎公演「通し狂言 隅田川花御所染(すみだがわはなのごしょぞめ)」

国立劇場

国立劇場 大劇場(東京都)

2013/03/05 (火) ~ 2013/03/26 (火)公演終了

満足度★★★★

盛り沢山な物語・演出
許嫁の松若丸が死んだと思って仏門に入った清玄尼の前にその男が現れ、煩悩に心を乱して破滅する話で、ストーリー的にも演出的にも色々な趣向が盛り込まれていて、物悲しい内容ながらもエンターテインメントとして楽しめ、休憩込みで4時間半近くの長丁場を飽きずに観ることが出来ました。

序幕では主人公の清玄尼が僧になっても心が落ち着かず悩む様子がシリアスに描かれ、一幕目では都合の良い偶然が続き少々コミカルな味わいがありました。二幕目はユーモラスに始まりながらも、次第に清玄尼の嫉妬心が高まり、遂には妖怪に化けてしまうホラー的展開でした。大詰は常磐津に乗せた舞踊と大立ち回りが中心で、幽霊となった清玄尼が若松丸に化けて現れた上で清玄尼の生前の姿を演じるという入り組んだ構成が興味深かったです。
心中物、お家騒動物、怪談物等、舞踊物等を継ぎ接ぎにしたような物語でしたが、主人公が男に対して持つ執着心がブレずに描かれていて、一貫性のある作品となっていました。

回り舞台を使ったり、セットの乗ったセリを動かしたり、床一面が隅田川となって2艘の船が行き交ったりとスペクタクル的な要素が多く、楽しめました。早替わりや『道成寺』のような鐘も良かったです。

中村福助さんは、姫から尼、幽霊と変化して行く役柄を丁寧に演じていました。嘆く演技が少々一本調子に感じられたのが勿体なく思いました。
若手の役者達の台詞回しや立ち振る舞いに芯が感じられず、浮ついた感じになる場面が所々に見られたのが残念でした。

若手演出家コンクー2012 最終審査  

若手演出家コンクー2012 最終審査  

一般社団法人 日本演出者協会

「劇」小劇場(東京都)

2013/03/05 (火) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

3日目
サリngROCK演出「絶対の村上くん」好きな作品だなぁ。もちろん初観だし、関西なまりが心地よかった。ラストなんかすごく洗練されていた気がした。小道具が良かった。笑った。じわじわきました。東京でやるなら観たい!と思いました。

三月花形歌舞伎

三月花形歌舞伎

松竹

新橋演舞場(東京都)

2013/03/02 (土) ~ 2013/03/26 (火)公演終了

満足度★★★★

松緑の丑松は発展途上
本当は、大好きな長谷川伸の「暗闇の丑松」観たさに行ったのですが、観終えてみれば、菊之助のお三輪の方が満足感高い印象でした。

昼の部は、丸本物の「三笠山御殿」と世話物の「暗闇の丑松」の2狂言立て。
間に40分の幕間があるだけで、日頃、いろいろなジャンルの演劇を見慣れている観客には、むしろ良いかもしれませんが、今までの歌舞伎公演の幕間形態に慣れた年配の方には、トイレタイムとして不適当では?とやや心配になりました。

お三輪の菊之助と、お米の梅枝が、共に、女形としての風格と所作において、各段の成長ぶりだったのが嬉しくなりました。

松緑の丑松は、初役だし、まだ体に落ちていない感があります。台詞の言い回しとかはかなり努力されたなと感じますが、長谷川伸の女性感が色濃く出ているこの演目の台詞の読みが甘いと感じました。

更に上演を重ねて、役を自分のものにして頂ける日を心待ちしたいと思います。(お父様の辰之助さんの丑松には戦慄が走った記憶がありますので)

ネタバレBOX

「妹背山婦女庭訓」は、子供の頃、父から「ロミオとジュリエット」みたいな話だよと教わり、大変興味を持って観劇したものの、やはり、高校生の頃までは、あまり面白いと感じられない演目でした。

中年以降、ようやく、この作品の魅力に気づき始めた気がしています。

この「三笠山御殿」の場は、求女に片思いするお三輪という町娘が主人公なので、中心のストーリーとはやや逸れた展開ですが、今回、気づいたのは、この場面、歌舞伎狂言には珍しく、普段なら脇役に過ぎない官女達のしどころが多いんですね。
今までずいぶん拝見した場ですが、今回の官女は粒ぞろいだった気がして、時代ものには珍しく、退屈せずに観られました。

「暗闇の丑松」は、現代にも通じるような、親切な人だと信頼していた人間に騙され、悲劇へと突き進む男女の悲哀がテーマの芝居。
でも、この芝居、台詞をよく聞きとると、作者のトラウマにも似た女性感が主軸にあることがわかります。
何人も殺人を犯す丑松ですが、観客に見える場所で殺されるのは、四郎兵衛の女房お今だけ。このお今を殺す時の丑松の台詞が大変重要です。
その慟哭にも似た深い丑松の叫びが、松緑の台詞からは伝わらなかったのが残念です。やはり、仁左衛門や勘三郎の丑松にはまだまだ距離があるようです。

新歌舞伎だけに、現代的な舞台装置の工夫が、楽しめる舞台ですが、冒頭の、向の家の噂話の会話が聞き取れないのは残念でした。

この演目、時代ものを得意とされる、小劇場演出家にも是非チャレンジして頂きたい演目です。
忘却のキス

忘却のキス

東京演劇アンサンブル

ブレヒトの芝居小屋(東京都)

2013/03/01 (金) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★

難解でした
14のタイトルがついたシーンで登場人物は同じらしい。一つ一つのシーンが完結しているのか、つながっているのか、全体的なストーリーも部分的なストーリーもよくわからないままであった。ドイツ演劇の特性なのか。たぶん戯曲で読んでもよくわからないだろうなと感じた。白い移動する壁で舞台転換が行われ、役者の演技やせりふにはおもしろさがあり、ストーリーを追えなくても楽しむことができた。特に最初のアコーディオンと一輪車、ジャグリングには驚いた。アコーディオン奏者はただものではないと思ったら世界的な奏者だとアフタートークで聞いて納得した。いろいろな意味ですごい舞台であった。

夜光星ディスコルーム

夜光星ディスコルーム

エムキチビート

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2013/02/27 (水) ~ 2013/03/06 (水)公演終了

満足度★★★

シンプルverで
序盤の時間軸が前後するところはおもしろかったけど、「時間は現在から過去に流れてる」の感覚がもっと欲しかったです。もうちょっとシンプルver.で観たい。それと、音楽は好みだったけれど、ちょっと音量大きかった…

HAPPY GHOST

HAPPY GHOST

劇団野心

北池袋 新生館シアター(東京都)

2013/03/07 (木) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★

100円ビール
チケットプレゼントにて鑑賞。

ネタバレBOX

やる気のない社員が幽霊に出会い、幽霊の成仏のため奔走する…。

幽霊・山田の生前(解雇された同僚を想う)を見せることで、終盤話が面白くなった。ただ、全体としては面白くない。
山田のように背景が見えないと人物への興味が湧きにくい。山田の悲喜劇と、無気力から行動的になる社員・松本の二人にスポットをもっと当てたほうが後半がもっと盛り上がったかなと思う。
松本が変化するサマはなかなか自然で良かった。

話のテンポもあまりよくない。110分は長いと感じた。
演技については特段悪いとも思わないけども、衣装もほぼ変わらず、小道具もなくセットもない舞台上で惹きつけ続けるものがあると良かった。
ビシッとスーツを着ているキャラの靴下がダルっとなっていたり、キャリアウーマンの襟が折れてたりと、もうちょい気を配ってほしかった。
クールビューティな彼女がそのように見えなかったのが残念。

開演押してから前説がグダっとされると萎えるので、そこは事務的にやってもいいのではと思う。
真剣さは伝わった。
『宇宙をskipする時間』×『てのひらに眠るプラネタリウム』

『宇宙をskipする時間』×『てのひらに眠るプラネタリウム』

シアターキューブリック

ザ・ポケット(東京都)

2013/02/08 (金) ~ 2013/02/17 (日)公演終了

満足度★★★★

中野に通うはめに…。
「宇宙をskipする時間」キラキラした宝箱のような60分に魅入られて、1回きりのつもりがもう1回、もう1回だけ…と結局4回も中野に通うことに…。すごく好きなお話。以前から知ってはいたけれど、この公演でシアターキューブリックさんのファンになったと言ってもいいくらい。

「てのひらに眠るプラネタリウム」こちらは2回、公演期間のはじめと終わりに観にいきました。「なぜその言葉なの?」と思ったセリフがひとつだけあって、それがずっと心に引っかかっています。誰もがいつかの思い出と重ねる懐かしさのような暖かい切なさを感じます。

あとにさきだつうたかたの

あとにさきだつうたかたの

演劇集団 Ring-Bong

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2013/03/07 (木) ~ 2013/03/12 (火)公演終了

満足度★★★★★

上質で秀逸!
舞台のセットは簡素ながら、その情緒は見事に表現していました。

ネタバレBOX

歴史博物館に毎日現れる、初老の男の現在と、少年時代を交錯させながら、解り合えなかった父との感情と少年の生い立ち、育った環境を余すことなく表現していた舞台でした。

それなりの年齢の役者さんたちを起用することによって、物語の深みや奥行きを存分に見せつけ、また彼らの演技力で観客を酔わせた舞台だったと思います。

演出では砂浜の景色を想像させるに充分な、きめ細かな描写、それを補う照明など、人の心に訴えるものがありました。観て良かったと心から。

エダニク

エダニク

iaku

アトリエ劇研(京都府)

2013/03/07 (木) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

エダニク【おすすめ】
圧巻でした。素晴らしいです。この作品、3人の役者さん、誰も交換できません。3人がいるからできる芝居。おすすめです。

若手演出家コンクー2012 最終審査  

若手演出家コンクー2012 最終審査  

一般社団法人 日本演出者協会

「劇」小劇場(東京都)

2013/03/05 (火) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★

「箱」・・お洒落な小品
HPをみたら最後に選出が決まったというので、正直ちょっとナメてる部分があったことをここに告白しておきます(苦笑

ただ、観てみてその先入観は間違っていたことがはっきり分かりました。

ピンク地底人と本選を争ったというので、
「ピンク地底人(こちらの公演も観ています)と一緒に議論される」という作品が
どんなものかな・・と気にしながら観てみると、
なるほど、ほんのちょっと似ている気がする(笑

よく見ると全然違うのだけれど、
アフタートークを聴いて、
「どことなくちょっと似ている」と感じた理由がなんとなくわかった。

ひとつひとつのシークエンスの長さ、つなぎ方がちょっと似ている気がしたのだ。
もちろん、良く見ると全然違うのだけれど。

この作品は題名にもハッキリ分かる通り「箱」を題材にしている。

その視覚的な分かりやすさ(テーマはともかく(笑
が、ほんのちょっとピンクに先んじた理由かもしれない。

ただ、その分かりやすさゆえに、
ピンク(「長い人生の陰影」とでもいうべきものを音でザッピングしたものと自分は捉えました)とでは
微妙に好みが分かれ、選考現場では票が分かれたのではないかな、という気がした(推測です

この作品自体は、まだ4作品観たわけではないのでハッキリとは言えないけれど、
多分他のどの作品にも劣らない作品であろうと思われます(何となくピンク地底人がなければこちらに票が集まっていたようにも思うので。それはピンクにも同じことが言えますが(苦笑

別にこのまま優勝しても何らおかしくないと思いました。

それくらい、洗練された作品であるように思われました。

ネタバレBOX

作品は、5人の作家の作品を切り刻んで組み合わせたものです。

舞台上の□(平行四辺形含む)の上をさまざまに役者が動き回ります。

役者たちはなぜか靴下をはかず、
脛の途中で切られたストッキングは二人一組の同じ模様、
上着もまた二人一組で同じ模様。
そのため役者が動き回るごとに色の組み合わせが様々に変わり、
観ていて目が回るようです(笑

物語もまた、300年、1000年の話からたわいもない子供たちの話、
工場の女性たちの陰湿なやり取り、ノアの方舟の話・・さまざまに飛び回ります。

ちょっとした子供たちのやり取りから、次の瞬間には神話の出来事の話へと、
マイムでハコを突き抜けるたびごとに
時空が次々と変わるさまは痛快でもあります。

「身の回りに見えない箱があるなんて気のせいだよ。
飛び越えちゃいな、別の世界が広がってるから」
とでもいうみたく。

前日のサリ氏が、音楽にたとえるなら骨太なロックなら、
今回の作品はヴァンパイア・ウィークエンドみたいな
様々な物語を呑み込むワールド・ミュージックとでもいうものでしょうか。

物語を組み合わせる手腕に遊び心が感じられるので、
観ていて物語の意味をつかませるようでスルリと抜けてしまいはしても、
別にそれほどストレスには感じませんでした。

切り替えのテンポは非常に軽快で、
意味を追いながらも音楽が切り替わるごとに
幕が開ける次の物語へと
「小説を何冊も並べながら電車の中で音楽を聴きながら本の中の物語世界を飛び回る」
ように、
ウィンドーショッピングでもするみたく気ままに
移り変わりを楽しめる雰囲気があります。

この手法が新しいか、と言われると
別にそんなことはないのですが
(というかすべての手法はほぼ出尽くしているので、そのような議論は無意味のようにも思われるので
物語を飛び回るフットワークの軽さは、重苦しくもある2013年の今現在では、
目新しいというよりも「新鮮」と言って良いように思われます。

例えば、ピンクやサリ氏のように、一人の作家が書いて、
自分でその構成を考えるのとは違い、
物語の継ぎ目ごとに
リズムがザックリと変わる面白さ。

・・そのリズムの変化もまた全体の中で調和よく構成されているため、
切り刻んでもなお全体としてみると
ひとつの印象が残る良さもあります。

東京でこのような軽さとリズムの作品をあまり観た記憶が無い気がしたので
とても素晴らしいと思いました。

全然、この作品が優勝でもおかしくないと思いました。


ただ、全体としては文句のつけようもないのですが、
一応賞レースなので(苦笑
微妙に他の作品と比べると若干いうところがあります。

マイナス点の内容とは、アフタートークで審査員が言うところに全く同意なのですが(苦笑

①まず上演時間の60分と言うのが少し長い

・・・それは、前日に怒涛のテンションで50分で燃え尽きる
サリ氏の作品を観た後だからなのかもしれないです。

審査員の方が言うように、もし上演時間が40分なら、
物語の意味を追うよりリズムに集中できて
良いのではないかと思いました。

東京の人間に受けるためには、
何でもそうなのですが30分以内にカタを付けなければなりません(苦笑
何かを加えることによって得られるプラスより、
何かを削ることによって得られるプラスを第一に考えなければなりません。

「上演時間が少し長い」というのは、
制作者サイドにはそれほど気にならなくとも、
観る側にとっては致命的な違いになって現れます。

②全体として少し平坦な印象を受ける

脚本を書いたのは、演出家とは別の人たちなのですが、
脚本家と演出家が異なる最大の利点というのは、
演出家が脚本を情け容赦なくカットしたり、切り刻めるということだと思います(恐ろしいことに

そういう意味では、脚本と演出をハッキリ切り分けた今回の作品においては、
その利点を最大限に追い求めたとは言えないように思います。

演出家がもっとラディカルに、
本の量を1/10にしたりする。

あるいはもう文節ごとに切ってしまう。

誰か一人の役者の動きだけをラディカルにして、
他の役者が語ってる最中に体当たりするなどして強引に物語を分断するなどすれば、
もっと生の動きが出てエキサイティングになるんじゃないかと思ったりしました。

あるいは、審査員の誰かが言ったみたく、
途中で役者の誰かが物語を見失ってアタフタし、
みんなが心配して、
例えばそこに観客に紛れた演出家が登場して指示すると途端に完璧に戻るなど(苦笑
進行上、イレギュラーを装ったいろんな悪戯を紛れ込ませればもっとハラハラして面白くなるんじゃないかと思ったり。

まだまだ遊びを加える余地はいくらでもある気がしたので、
審査員の方が言っていた
「初演と今回の公演がほとんど同じ(15分短くなったらしいけど」
というのは、
自分は初演を観てないので何とも言えないけれど
初演より上演時間を伸ばしながら
個人的に特に長さを感じず、また色々な要素を盛り込みつつ
ぶっ飛んだ村上くんを磨き上げたサリ氏との大きな違いと言えるのではないかと思ったり。
(厳しいようだけど、半年経ったら作品が大きく成長しているのはアタリマエ。そうでなければ「若手」と銘打つ意味は無いように思う。無謀な挑戦を常に続けられれば80才を過ぎても若手でいられると思う


いちおう①、②と分けてはみたけれど、
それほどハッキリわかれるわけでもなく(苦笑

「削る」か「遊びまくる」かでちょっと中途半端な印象はあった気がする。

ただ、それらが決定的なマイナスという訳では勿論ない。

あくまで、「他の作品と比べたら」「もっと良くするには」
という観点で観たらそのような感想が思い浮かんだというだけで。

あとは好みの問題だと思います。

ただ、先に自分がみた東京以外の2作品(大阪・広島)は
東京ではあまり見られない珍しいタイプの作品にも思われたので、
エンゲキを東京以外に広めるためにはこの辺りから
選んだ方が良いのではないかとも思ったり
(東京の演劇の流れを「これが東京の流儀だから従うように」という時代ではないように思う。今現在の時代の先端は、マスコミの充実していない地方の片隅にあるように思う。東京の人たちは、地方の人にしたらそこここに転がっている些末な出来事を、週末わざわざ出かけて行って吸血鬼のように吸い上げて、爆発的なパワーで舞台に描いた方が良いように思う。

・・ただ、まだ東京の2作品が残っているので
こっちがもっと東京では見られない種類の凄まじい作品かも知れないので
まだ何とも・・(苦笑

そちらは明日観ます。・・入れるかな、特に8時の回。一応予約したけど(苦笑
虚言の城の王子

虚言の城の王子

空想組曲

吉祥寺シアター(東京都)

2013/03/03 (日) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★

新たなステージへ
ほさかようが小劇場の枠を飛び出して、新たなステージに飛び出しているのが良くわかる。近い将来、パルコやコクーンで、名前で客が呼べる脚本家&演出家になっているだろうことは容易に想像できる。

数少ない、大人に通用するファンタジー作家だ。

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