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へたくそな字たち※無事公演終了致しました!ありがとうございました!

へたくそな字たち※無事公演終了致しました!ありがとうございました!

TOKYOハンバーグ

ワーサルシアター(東京都)

2013/03/20 (水) ~ 2013/03/25 (月)公演終了

満足度★★★★

この国の真実と官僚というヒトデナシ
 舞台正面の黒板に、ハングル、漢字、日本語などで文字が書かれている。1988~9年頃、大田区糀谷の夜間中学が舞台である。息子に連れられて50過ぎの女性が、夜間中学の先生に面会にくるシーンから始まるが、彼女は挨拶時、腰を酷く深く折り曲げる。実際、自分がほぼ同時代東京の夜間中学の生徒さんとお会いした時の体験にも重なる。異様なほど腰が低いのだ。その様は、まるで自分が生きていること自体を恥じ入ってでもいるような、消えてしまいたいと願ってでもいるような幽けき姿であった。

ネタバレBOX

 コンプレックスというのが、単に劣等感という訳で片付いて仕舞うようなものではなく、当に社会的な矛盾が総て、最も弱い者に掛かってゆき、それに押し潰されそうな生き方を強いられて来た方々の全身から滲みでるような命の形が、こういう所作に現れる。
 文科省は、国民皆教育の立場から識字率100%を、主張、夜間中学の必要性を正式に認めなかった。目の前にある事実とは無関係。認識しようとすらしない朴念仁だったが、その姿は今、3.12以降の被曝問題に対する、現役の官僚の対応と変わる所が無い。こういう連中をヒトデナシと言うのだ。彼らは、官僚という名の鵺であり、官僚より前に人であることを忘れた存在であるから、ヒトデナシというのが正しかろう。そういう彼らの態度が、夜間中学生の社会的位置を“宙ぶらりん”のままにするのだ。ヒトデナシの都合で人が、宙吊りのまま放置されている。これを黙認と言うそうである。
 社会の根幹である教育が、その実施を実際的に担うべき官僚の手によって蔑ろにされ、ただでさえ資本主義の矛盾の生贄とされてきた社会的弱者のアイデンティファイを拒んでいる。一方、資本主義という体制のアポリアとして、この根幹の空白地帯に弱者の吹き溜まる構造があるとすれば、その場所の一つは間違いなく夜間中学であろう。字が読めない、字が書けないということが、この国にあって何を意味するか? その意味する所を抉りだすこと、抉りだされた内臓のようにひくひく蠢く柔らかく傷つきやすい傷口を、観客の目の前に提示することが求められている。何故なら、夜間中学があることさえ、多くの日本人は、知らないで済ませているからだ。敢えてするこの鈍感は、平和ボケだの、名ばかり~だのと同根のまやかしに過ぎない。まやかし、バイアスなしに事実の持つ凄惨を見て耐え、真実に昇華することが求められていると言えるのだ。
 この作品の良さは、こういった、この国の隠したい部分を、真っ向から、かなり真実に迫る形で演劇化した点にある。よく取材して、その本質を形象化している。役者達も、社会の矛盾を自らの内側から捉えて演ずる者が多く好感が持てた。
八月のラブソング

八月のラブソング

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2013/03/08 (金) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

戸田さんの魅力が、余すところなく発揮される舞台
何もかもが、譬えようもないくらい素敵な素敵な珠玉舞台。

お二人の共演は、「ランフォーユアワイフ」以来の観劇ですが、あの爆笑コメディとは、全く雰囲気の異なる、大人のファンタジーといった趣の、極上の二人芝居でした。

鵜山さんの演出だけあって、舞台装置も、照明も、舞台内容と見事にマッチングして、大人の絵本を見ているような夢の世界のようなラブストーリーでした。

戸田さんの魅力が、最大限生かされている芝居で、同性の私でさえ、うっとりしてしまう素敵さに満ち溢れていました。

私も、死ぬまでに、もう一度、こんな風に心を通わせられる異性に巡り合いたいと痛切に思いました。

ネタバレBOX

ある意味、「セイムタイムネクストイヤー」にも似た、若くない男女の、心の交流を美しく描いた大人のメルヘンのような芝居でした。

二人が出会った8月のたった一月のエピソードが、適度なバランスで、構築された脚本も秀逸なら、それを演じる、加藤さんと戸田さんの、役者としての技量、魅力。簡素で小粋なセットと、照明の美しさ。鵜山演出が冴えわたる舞台は、戸田さんの女優としての魅力を最大限生かす役どころで、歌やダンスのシーンが、より素敵なストーリーの調味料として、大事な要素を加味しています。サーカスでの舞台の様子を戸田さんが再現するシーンの美しさと言ったら、私の60年近い観劇歴の中でも、ベスト10に入る名場面。

戸田さんと加藤さんが、チャールストンなどを楽しげに踊る場面は、何故か無性にこみ上げる感情があり、涙が流れました。

男性の妻と、女性の一人息子の死を語られる場面の、説明過多にならない、程の良さは、秀逸で、だから余計に、涙を誘われます。

戸田さん演じる女性が、同業の夫の愛人に芸を仕込む気持ちを回想して吐露するシーンは、以前、戸田さんが一人芝居で演じた都蝶々さんともダブる部分があり、こういう複雑な女性心理を演じられる、戸田さんの演技力に感服と畏敬の念を感じました。

ずっとずっといつまでも、眺めていたい舞台でした。
BONE SONGS【本日23日(土)13時&18時開演、当日券あります!】

BONE SONGS【本日23日(土)13時&18時開演、当日券あります!】

劇団鹿殺し

西鉄ホール(福岡県)

2013/03/22 (金) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★

がががーーーー!!!
って意味のない叫び声をあげたいくらい面白かった!!
鹿殺しを初めて観たときの衝撃からはや??年??色あせてないなぁ~
まだ前進してるんだな~ 無償に感動して涙すら。  周りげらげら笑ってるのに(^_^;)

さくらの花束

さくらの花束

劇団ゲキハロ

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2013/03/14 (木) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

ゲキハロ史上…
本編80分、(ぐだぐだな)トークSHOW25分。
坪田文脚本とは思えない出来のドラマツルギー。
℃-uteファン以外には全く観るべきものがない。

かっぽれ!〜春〜

かっぽれ!〜春〜

green flowers

テアトルBONBON(東京都)

2013/03/20 (水) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしかったです
とにかく最近観劇した中で一番質が高く素晴らしい舞台でした!
どんな方にもお勧めできます。
ほんの数日の公演なのがもったいないです。

音楽家のベートーベン

音楽家のベートーベン

ダックスープ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/03/14 (木) ~ 2013/03/26 (火)公演終了

満足度★★★★

ギリギリセーフの
ナンセンスな会話と程よい間で充分笑わせてもらいました。

俺を笑うな

俺を笑うな

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田大学学生会館(東京都)

2013/03/21 (木) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

新鮮
『俺を笑うな』、タイトルはいまいちだけど、面白かったな。70分ぐらい? 最後まで退屈せずに観ることができた。

こんなふうにストーリーがちゃんとあって、そのストーリーに沿って、しっかりと場面を観せていく芝居ってのは、すごく新鮮だった。
いや、芝居には大抵ストーリーがあって、それに沿って物語が進行していくわけだけれども。それにしても、新鮮さを感じたのは、どういうわけなんだろう。必要最低限なシーンをつないで、しっかりとした物語として構成しているというか。無駄なものが感じられなかった。だから退屈もせず。

いいもの観せてもらったな。ありがとう。

ネタバレBOX

舞台が3つに分かれている。
左が、主人公の実家。
真ん中が、主人公が借りた自分の部屋。
幹が、友達のスズキくんの部屋。
場面転換が完全暗転なしで行われるので、観ていて気持ちがいい。

主人公のともだち鈴木が、面白かったな。いや、みんな面白かったんだけど。

結末については、好みがあるかも。絶望をああいう形で表現するのは、飛躍があるし、安易かなあと。
ラフ・オア・ダイ

ラフ・オア・ダイ

崖っぷちウォリアーズ

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2013/03/20 (水) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

殺人ジョーク
帰って思わずググりました。
めっちゃ面白かったです!
気になる箇所も気にならなくなるくらい笑わせて泣かせてもらいました(*´д`*)

俺を笑うな

俺を笑うな

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田大学学生会館(東京都)

2013/03/21 (木) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

学生演劇のレヴェルを超越!!
じつに「秀逸」な舞台。

話の展開も無駄が無く、役者の掛け合いもテンポ良く、観客の集中力をラストまで持続させる。これって凄いこと。
登場人物たちの会話もじつにウィットに富んでいて笑える。
家庭内の人物描写(主人公との関係性)が、もっと丁寧に描けていれば申し分なかった。

演劇って、キャリアじゃなくて「センス」なんだなぁ~ってつくづく思った。
いつも、観劇料4000円ちかくぼったくられた・・・と思うことが多いあたしにとって、久々に満足した舞台だった。

見尾田・伊藤彩奈の演技は、もう「異常」レベルに巧い!

Replica Velonica ※公演終演、ありがとうございました!

Replica Velonica ※公演終演、ありがとうございました!

劇団前方公演墳

小劇場 楽園(東京都)

2013/03/20 (水) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★

印象には残る
上演時間2時間。この回だけかもしれないが、紙一重で笑いの沸点を超えないことがあり、もっと楽しいはずで惜しい。と言いつつも楽しかった。

ピローマン

ピローマン

名取事務所

「劇」小劇場(東京都)

2013/03/20 (水) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★

上演時間3時間10分
最初、上演時間を聞いた時はびっくりしましたが、内容の濃い舞台でした。

ネタバレBOX

笑うしかないほどの悪意とおばかさ、不毛とナンセンス、不条理なアナーキーさを満載した、とんでもない問題作でした。たしか、以前、パルコ劇場で見たときも3時間以上でしたから、この戯曲はそぎ落とす箇所がないほどの戯曲なのだと思います。

子供達の味方だというピローマンの仕事はとても悲しく大変なものだった説明、そしてピローマンが、少年や少女のうちに彼らを自殺させてあげる加説は独特の世界観です。

それと、可哀想なメルヘンばかりを書いている作家カトゥリアンを取り調べる、ものすごく胡散臭い二人の刑事が、そこそこの悪党なのも面白い設定でした。有能なのか無能なのかよくわからない刑事。その部下で凶暴なのか心優しいのかよくわからない刑事。

かなりの問題作ですが、滑稽なまでに可笑しい不条理な舞台でした。

革命日記

革命日記

映画美学校

アトリエ春風舎(東京都)

2013/03/22 (金) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★

役者を活かす演出が素晴らしい
前提として、私は松井周さんの演出作品を初めて拝見しました。
よって、松井周作品の中での位置づけなどは全くわかりません。

特に映画美学校の生徒と作ったという点がどのように作用したのか?
この作品でしか見られない新たな魅力や強度があったのか、
他の演出作同様に松井色になっているのか、
はたまた、やはり生徒ということで完成度が低いのか、、、
全くわかりません。

なので、ここでは、映画美学校の生徒と作ったということは考慮に入れません。

その上で、

役者の個性を活かす演出が素晴らしかった。それは、キャスティングも含めて。特に、理由はわかりませんが、女の役者さんの個性がとても活きていたと思います。

ネタバレBOX

本当に小さい声で喋る役者の演出なども、松井さんの演出ではよくあることなのかはわかりませんが、すばらしかった。

それらの演出は大絶賛ですが、
ただ、この「革命日記」という作品が、観客である私に何を問うているのか、という根本的な問題が伝わってきませんでした。

今日でもこのような地下組織があるのかどうかは知りませんが、少なくとも活動家ではない私にはダイレクトな問題ではない。
すると、寓意的にこの問題を受け取るしかない。
集団と個の問題、論理と生理の問題、理想と現実の問題、
生きる上で最も大切なものは何かという問題、
日常の中にある現実と虚構の問題、男女の問題、、、など、、、
頭で考えればそれなりにテーマは発見できるものの、、、
そのどれもが、強く心に迫ることはなかった。

それは、脚本の問題なのか、演出の問題なのか、役者の問題なのか、
僕にはわかりませんが。


と、厳しいことを書きましたが、役者さんの<質感>がとってもよかったです。


(※私も映画美学校の卒業生です。ドキュメンタリー科ですが。学生の時、<学生の作品>として評価されたくはなかったので、厳しく書きました。かなり甘くコメントを書いている他の公演もあるのに、比較すると、これはちょっとバランス悪いかもしれません。自分の属していたところをプロパガンダするような形は嫌だったので、こういう書き方になってしまいました。すみません。)
花嫁遊戯〜煉獄編〜

花嫁遊戯〜煉獄編〜

楼蘭

pit北/区域(東京都)

2013/03/20 (水) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★

倒錯感◎
初めて2階席で観劇。

こういう耽美なテイストは基本的に非常に好み。

劇中歌がこの作品の世界観にとても合っていて、独特の雰囲気を生み出していたと思います。(歌もみんな上手だったし)

あと劇場の構造を上手く活かした演出や、照明、美術もセンスの良さを感じました。

ネタバレBOX

ただストーリー自体は平板というか、ありがちな印象を受けたので、この辺がもっと良ければかなりの傑作になったんじゃないかなぁ。



かっぽれ!〜春〜

かっぽれ!〜春〜

green flowers

テアトルBONBON(東京都)

2013/03/20 (水) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

お芝居+落語
お芝居と落語、両方が楽しめる傑作。登場人物全員が笑わせてくれる。面白かった!落語を楽しむヒントも教えてもらった。

探偵~哀しきチェイサー2・雨だれの挽歌

探偵~哀しきチェイサー2・雨だれの挽歌

ココロ・コーポレーション

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2013/03/14 (木) ~ 2013/03/26 (火)公演終了

満足度★★★★

音楽劇
ジュリーをはじめ出演者のステキな歌も楽しめる上質のエンタテインメントでした。あの名作映画を彷彿させるクライマックスのシーンはスリリング。

眼帯のQ

眼帯のQ

銀幕遊学◎レプリカント

藝術工場◉カナリヤ条約(大阪府)

2013/03/22 (金) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

水の中のナイフ
主演女優(と思われる)栃村結貴子さんあっての、そして地の果てっぽい秘密基地感満載のカナリヤ条約あっての舞台なのかな、と思ったりした。

ネタバレBOX

アングラ感は勿論?満載で(笑
演出らしい演出が施されたという気がして、
脚本の言葉の艶やかさ、
血と、林檎と、女優栃村氏の着るドレスの赤と、
それを引き立てる3人の役者の着る、
林檎の果肉にも似た白のイメージとが、
ギクシャク、すれ違いながら
円環を描くように邂逅し、結びつく様は、
なかなか見応えがあったと思います。

上演時間も1時間ちょいで、
その中に反復や、明滅(背景の絵や、役者の立ち姿、台詞まで含め)
が緩急をつけてきっちりと描かれていて、
凝縮されていたせいか、
観客席の端っこで見ていたちびっ子(女子)も黙って見ていたのが印象的でした
・・いや、別にいつもちびっ子を見ているわけじゃないんですが、
前夜京都のアバンギルドでライブ見た時は、
別のちびっ子(男子)が走り回ったりしていたんで、ふと見てみたら「おお!」と内心関感心して思っただけのことで(笑

雰囲気アングラだけど、
静かにしていればちびっ子も楽しめる?
公演ではないかと・・長くないしね(笑
カウラの班長会議

カウラの班長会議

燐光群

ザ・スズナリ(東京都)

2013/03/08 (金) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

30周年おめでとう!
なにより30年の重みを感じた。しかも戦い続けての30年である。
この作品も燐光群ならではの作品、戦時中の悲劇を取り上げながら、実は現代の日本を批評しているという構造は見事。

ネタバレBOX

当日パンフで懐かしい如月小春の名前を発見した。早稲田と東女と大学は違えど、同期の演劇人として協力しあった仲間である。彼女もまた戦い続けた演劇人だった。

懐かしさと寂しさを改めて感じさせてくれ、想い出に残る作品となった。
BONE SONGS【本日23日(土)13時&18時開演、当日券あります!】

BONE SONGS【本日23日(土)13時&18時開演、当日券あります!】

劇団鹿殺し

西鉄ホール(福岡県)

2013/03/22 (金) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

全力で生きなくちゃ損だと思わせるエネルギー
スカッとするというのともまた違う、全力で生きないと損だなぁと思わせる舞台。
愛嬌まで演出で何とかなるものなのかわからないけど、役者それぞれが愛らしく、何やっても許されそう。
次福岡公演がある時は、来月小学生になるコも連れて行こう。

かっぽれ!〜春〜

かっぽれ!〜春〜

green flowers

テアトルBONBON(東京都)

2013/03/20 (水) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★

わ~、楽しい!
明るく、すごくいい舞台でした。衣装も良く、ぱっと花が咲いたような感じでしたね。落語家風の切れのいい台詞もよかったし、何より劇中で「花見の仇討ち」があれよあれよという間に始まってしまうのも素晴らしい構成だったと思います。
次はどんな落語を劇中で見られるのかすごく楽しみ!それと、劇中では流暢な江戸弁の師匠が、劇後の挨拶で噛みまくっていたのに役者魂を感じました!?

忘れろ、思いだせ

忘れろ、思いだせ

大駱駝艦

大駱駝艦・壺中天(東京都)

2013/03/15 (金) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

記憶ついての考察か!?
村松卓矢「忘れろ、思い出せ」 一週間前の金曜日、初日を観た。

今回も非常に刺激的。公演は残すところあと三日。最終日にもう一度観に行く予定。(初日とは、大いに違う舞台になっていることだろう)

今回、出演ダンサーは男性のみ。ひとりひとりの体つき(キャラクター)がはっきりと伝わってくるミニマルな方向の衣装と美術。(「ツン」のデザインにも注目)

「縄」とのからみ、その大胆な展開は、まさにスペキュタクラー。

また、男たちの体つきの違い・・背が高いのも低いのも、筋肉質も、痩せ型も、顔の大きさ、全身バランス、ひとりひとり唯一無二の強い存在感をみせつける。

ふと気付くのが、通常、我々が、たとえば八等身美人のバランスを最上位に置き、美醜や優劣をつけていることへのアンチテーゼ。つまり、大駱駝艦のテーゼ「天賦」。あなたがわたしがこの世に生まれてきた事こそが大いなる才能なのだ、というその意を感じていること。
ついでに言えばスペキュタクラー、壮観な見世物性は「典式」だ。

この舞台にも、大駱駝艦のDNA「天賦典式」が脈々と受け継がれている。(そしてそれは観客にも伝播する)

以下、ネタバレ。

ネタバレBOX

タイトル「忘れろ、思い出せ」から察するに、「記憶」についての考察が本公演のテーマかと。(公演前に配布されるリーフレット。シーンタイトルにある「ニューロン」という言葉を見逃すな)

首くくりの縄、絞首刑、自傷行為、死なない程度の自殺未遂。
自己紹介、自己同一性、錯綜、記憶の掛け違い・・(セリフが行き交うこの場面はかなり面白い)

シーンシーンはダンサーの力量でおおいに楽しませるものだったが、舞台全体のテーマという観点では、よくわからん・・(過去の村松の傑作と比較すると)捕らえ所が無い、・・というのが、初日を観た正直な感想。つまり、初日はまだ粗削りで、まだまだ磨き上げる余地がある。だから最終日、どう変わっているか・・村松氏の才能、ダンサーたちの熟練、完成度があがっていないはずがない。期待は高まる。

記憶、ニューロンでググった。

>ニューロン、シナプス。
>短期記憶、長期記憶。
>消滅してもよい記憶と残すべき記憶。
>脳はそれをどのようにして決定し、どこから指令を出しているのだろうか。 

http://www.scj.go.jp/omoshiro/kioku2/index.html

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