最新の観てきた!クチコミ一覧

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「伽羅倶璃」-カラクリ-

「伽羅倶璃」-カラクリ-

護送撃団方式

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/30 (月)公演終了

満足度★★★

カラクリ
お尻が痛くて。

ネタバレBOX

張璃子はキレーだった。
No border !!

No border !!

多摩1キロフェス

パルテノン多摩【旧情報】(東京都)

2013/09/28 (土) ~ 2013/09/28 (土)公演終了

満足度★★

テクノロジー×パフォーマンス
4組のショーケース公演で、テクノロジーを前面に出した独特なエンターテインメントの要素が際立ったイベントでした。

明和電機『製品デモンストレーション』
昭和の町工場をモチーフにしたアートユニットで、電気機械仕掛けの奇妙な楽器群のデモンストレーションの体裁を取ったパフォーマンスでした。
水色の作業着を着て真面目な顔で、馬鹿馬鹿しい動きをする楽器を操作する姿が楽しかったです。

WRECKING CREW ORCHESTRA EL SQUAD『ILLUMINATION DANCE』
明滅がコントロールされた線状の照明を仕込んだ衣装と手持ちのLEDライトを用いて暗闇の中でブレイクダンスを踊るパフォーマンス、宙に浮いたり瞬間移動した様に見えるイリュージョン的な表現が楽しかったです。
格好良かったのですが上演時間が短く、もっと長く見せて欲しかったです。

オリジナルテンポ『Shut up Play!! ~喋るな、遊べ!!~ 多摩ver.』
6月にCBGKシブゲキ!!で上演した作品の短縮版でした。ショーケース公演ということもあってか映像を用いたトリッキーな演出は少な目で、身体を用いた音楽的パフォーマンスが多かったです。
客席に子供が多くいたので、客いじり等の分かりやすいベタなネタが受けていて、温かい雰囲気でした。

ホナガヨウコ×環ROY『かみあわない』
ラッパーとダンサーのコラボレーションで、自分の専門にとどまらず、お互いの領域に踏み込み、且つそこに演劇的な魅力も生み出されていて、1回しか公演しないのが勿体なく思いました。
対義語を言いつつ2人が近付き、交差するときに同時に「私」と言い、その後は離れつつ連想ゲーム的に単語を交すシークエンスが印象的でした。ピンスポットや帯状の照明、舞台奥から客席に向けられた照明が美しかったです。

Biggest!!

Biggest!!

劇団MARBLE

中野スタジオあくとれ(東京都)

2013/09/28 (土) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

大爆笑なり~♪
オカマちゃんとかオタク君を登場させれば笑いがとれると勘違いした劇団とは一線を画す!役者力と脚本力で真っ向勝負のイカした?もしくはイカれた若者たち。早押しクイズは横隔膜痙攣の巻~♪

アポリア

アポリア

劇団新和座

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2013/09/28 (土) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★

シナリオをしっかり
 毎回決めたテーマに沿った作品作りをしている劇団のようだが、今作は内容的に推理物に入るだろう。だとすると、場面と状況の設定が甘い。

ネタバレBOX

 常識的に考えて人が死ぬような事故、事件が起きた場合、直ぐ警察に連絡するだろう。それが、叶わない状況である場合は別だが。警察に連絡しないなら、密室的状況を設定すべきである。プロデューサーのメンタルな問題やその場の雰囲気だけですべきことをしないのは、劇作の原点、論理的に組み立てる、に反する。推理物であれば尚更だ。また、劇中何件もの殺人事件が起こるが、照明の落下にせよ、鋏で刺すシーンにせよ、カッターで刺すシーンにせよ、あの程度では、人は死なない。その辺りのリアリティーを考えない演出は安易と言われても仕方あるまい。百歩譲って照明器具の場合、当たり所が悪かった、ということは可能かも知れないが、小劇場の小さな照明が落ちた位なら怪我はしても大抵助かる。
 また、事件・殺人現場の証拠などをキチンと保存しない演出になっているのは犯人が証拠を消す為であるのは分かるが、推理劇としては、これだけで安っぽくなってしまう。何故なら、劇中、犯人以外の誰かが、その挙動に不信感を持つのが、自然だろうから。兎に角、シナリオが荒い。
 キャスティングにもミスを感じた。役作りである程度のレベルに達していたのが、薮崎 あずみ、ラストシーンでの梨沢 千晴。キャスティングミスもあって、他の役者は、存在感が薄い。シナリオの書き方についても、理想を言えば、劇作家は登場人物の各々がキチンと役柄によって立ち上がってくるように書くべきである。テーマのコンセプトに強引に合わせるのではなく。科白が生きていれば自ずとテーマは浮き上がってくるものだ。
next to normal(ネクスト・トゥ・ノーマル)

next to normal(ネクスト・トゥ・ノーマル)

東宝

シアタークリエ(東京都)

2013/09/06 (金) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

号泣
一幕はそれぞれのイベントがあまり大きくなく正直退屈してました。でも2幕は本当ずっと泣いてました(笑)狂ってしまった愛する人を支え続ける夫、娘のボーイフレンドの愛に感動しました。すばらしかったです。

悪夢六号室【東京大阪2都市開催】

悪夢六号室【東京大阪2都市開催】

ニコルソンズ

駅前劇場(東京都)

2013/09/27 (金) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

上手い
 銀座の老舗和菓子屋の御曹司、敬助は、誘拐され海辺の寂れたモーテルに監禁された。犯人は、殺し屋。依頼人は何と彼の妻、鮎子であった。(追記2013.10.1 )

ネタバレBOX

 舅にいびられ、夫に浮気をされ、男運も無いと感じた彼女の復讐というわけだ。而も、殺し屋は二人。一平は、男性器を切ることを依頼され、三郎は、尻を銃で撃つことを依頼されている。おまけに殺し屋たちは、ホモセクシュアルのタチとネコ。銃弾は、特殊な細工のされた強力なもの。撃たれれば命は、無い。殺してしまっては、敬介の人生を台無しにする依頼が果たせないと一平、殺し屋たちも敬助の話を聞き、何故、鮎子は、二人も雇ったのか? 何故、別々の依頼をしたのか? を探ろうとする。敬助の話から浮かび上がるのは。
 自分は、よんどころない事情があって開演から30分ほど遅れたので不備な点があるかも知れない。悪しからず。
 そもそも、寂れたモーテルの6号室は、誰が取ったのか? 鮎子か? それとも誘拐犯が偶々ということか? 何れにせよ6という数字はキリスト教神学の神秘主義では、特殊な意味を持つ。神が世界を作った日数は6日、その約数は総て素数であり、それを総て足せば6、乗じても6、逆もまた成立する。以上のような理由から完璧を表す。そして、時にサタンを意味するのだ。映画オーメンでダミアンの生まれが6月6日6時であることを思い出して欲しい。これはキリスト教の古い形で三倍のサタンを表す。宗教原理に則った中世キリスト教世界では、星は、人の性格決定の要因とされ、占星術が大きな意味を持っていたことも同時に考えるべきなのである。
 まあ、こんな深読みも可能な部屋に監禁されていたのだが、ここには、様々な人物が訪ねてくる。先ず、被害者の母、ピン子である。ピン子がどう監禁場所を知ったかと言えば、生まれたての敬助の背中にGPS発信装置を埋め込んだからである。セレブの当然の用意、と澄ましている。おまけに彼女は監禁された息子に「お腹がすいたら食べなさい」と新製品の和菓子を渡した。これは後ほど分かるのだが、肝心な所で母親の科白が重大な意味を持つ為の伏線になる。というのも、この中に盗聴器を仕込んであって、母親が部屋から返された後も彼らの一挙手一投足は、総て知られていたのである。
敬助の浮気相手は、鮎子の幼馴染で親友のミカ、彼女は玉の輿に乗ろうと敬助を狙い、つわりの素振りを見せ妊娠していると脅迫。そこへ敬助の母ピン子が「それはあり得ない」と戻って来る。鮎子との結婚に反対であった彼女は、息子の知らない間に全身麻酔を掛けパイプカット手術を施したことを告げる。では、ミカのお腹に居るのは? 何と高校時代の恩師、山下先生の子であった。
 一方、鮎子もまた「浮気」をしている。相手は、ヤクザの幹部、城島という男で他の組の組員からは鬼と恐れられる大物である。偶々、組長の息子が襲撃された時に彼を庇って尻に銃弾を受け、それがもとでインポテンツになっていたが、鮎子に遭ってそれが、治る。城島と鮎子が知り合うきっかけを作ったのは、城島の愛人、琴音。テニスをやった後、鮎子を気に入った琴音は城島ともども、レストランやカラオケに連れて行くが、ちょっと席を外した隙に、ハグする二人を発見。城島と鮎子に問い詰めた際、城島は、その局部を無言で触らせた。琴音は、女のプライドをズタズタにされる。
 而も、城島と鮎子との間に性的な関係は無い。もっと深い精神の繋がりがあるばかりである。鮎子は、城島に存在意義を認められてアイデンティファイすることができ、城島は、普段の強面を解いて素の自分を晒せる相手として鮎子を評したのである。
 母と子に関しても、未だ語るべきことがある。息子の知らない内に子供を作る術を奪われ、敬助は激怒、母親の首を締めて殺そうとする。回りに居た総ての人間が止めに入るが、さしもの城島でさえ、止めることができない。そこへ入って来た鮎子。敬助を抱きしめると、敬助の腕に込められていた力は緩み、母は、すんでの所で死を免れた。彼女は決めたのだ。どんあことがあっても世界を抱きしめる、と。それに、彼女には今日良いことがあった。妹に娘が生まれたのである。妹夫婦もやって来た。出生届けは出したものの、鮎子に名付け親になって貰おうと、未だ、名前をつけていなかったからだ。鮎子は、一応、マドンナという候補名を挙げるが、その正式な権利をピン子に譲る。ピン子は相変わらず、表面上は醒めた態度をとっているが、マドンナの英語名、マリアを提案。これが、娘の名になった。
 一時、其々の誤解や思い込みの為に、各々が自らの地獄を覘き見ることになるが、最後には、総てが丸く収まった。更に登場人物其々の後日譚を加えて大団円を迎える。
【満員御礼】偽装結婚式

【満員御礼】偽装結婚式

創像工房 in front of.

シアター風姿花伝(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★

さすがです(感嘆
さすがです。役者さんも本も。しっかり線が絡まってるおもしろとそれをプランナーと新郎新婦こ込めている深いテーマにもっていくところがやっぱりすごいし、それをすごい役者が演じてるからさらにすごい。

ナイゲン【ご来場ありがとうございました】

ナイゲン【ご来場ありがとうございました】

アガリスクエンターテイメント

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/10/08 (火)公演終了

満足度★★★★★

戯曲の秀逸さに舞台としての進化が加わって
昨年に作品を初めて観たとき(すでに再演だったらしい)、戯曲のコメディとしての圧倒的な出来のよさに心を奪われたのですが、今回はそこにさらなる武器が加わった感じ。

同じ会場であっても、レイアウトの変更で空間の寸詰まり感がなくなりその分役者たちのパワーがクリアに伝わってくるようになったし、演じられるもののメリハリもより強かに作られていて。また、昨年観たのと同じ役者であっても役者たちのいろんなベクトルの表現力にさらに磨きがかかってもいて。

よしんば、筋立てを知っていても、笑えるし感動すら覚える。
傑作だと思います。

ネタバレBOX

昨年に比べて、舞台の作りも大きく改善されているし、戯曲もあらためて秀逸だなぁと思う。
13人の登場人物が、誰一人個性を被らせることなく、一方でアイデンティティを失うことなく見事に描き分けられていて。

しかし、舞台の要素の中で、多分一番進化したのは役者達で、それぞれのロールに対する解像度が一桁上がったように感じられました。客演陣も、それぞれに一歩深いところにある表層のナチュラルさとキャラクターの内側を垣間見せていたし、なにより劇団の4人の役者たち、中でも二人の女優が本当に上手くなったなぁと思わせるお芝居。

結果として、前回観たときには戯曲の構造や勢いで稼いでいた笑いが細かい空気感での笑いに昇華している部分がいくつもあったし、骨組みを観る側の意識下にしっかりと沈め、刹那の場の空気で掴んで、さらにそのロジックでもっていくような多層的な可笑しさの重なりが、作品に丸まらないグルーブ感を醸し出してくれて。

前半で与えられる舞台の枠組みを学校生活の雰囲気と共にとても自然に思いだし、中盤で疾走感を持った笑いに導かれ、終盤の着地時にはその熱さめやらぬなかでさらなる踏み出しや高揚すら感じる。
この作品、ありそうでなかなか巡り合うことのできない、気取らず、ナチュラルで、良質なコメディの教科書のようなコメディだなぁと改めて感心。

いろんな味わいがありつつ、とても心地よく笑える。今後の劇団にとってもまちがいなく財産であり続けるような作品でした。
悪夢六号室【東京大阪2都市開催】

悪夢六号室【東京大阪2都市開催】

ニコルソンズ

駅前劇場(東京都)

2013/09/27 (金) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★

『悪夢の六号室』
昔風の最新、全体的に古臭い感じがしました。

ネタバレBOX

浮気した夫の殺人を依頼された殺し屋が夫をモーテルの6号室に監禁。もし面白い話ができたら逃してもらえると知った夫が、アラビアンナイトよろしく必死で妻の話をしだすというコメディ。

私の復讐は相手をそのまま受け入れること、ハグハグして最後は夫婦仲直り、お姑さんともハグハグ、めでたしめでたし。

全体に濃いキャラ、主宰さんが濃いだけかも。主役の妻役のJunko☆さんは永ちゃんの武道館ライブでバックダンサーも努めたこともあるというダンサー、キレが違いました。

ラストの男性は黒い服、女性は白いドレスによるフィナーレに、特にレトロな雰囲気を感じました。
アポリア

アポリア

劇団新和座

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2013/09/28 (土) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★

解せない部分も・・
犯人は誰なのか?どんな人間関係なのか?など、自分なりに考えながら観たので、その部分は楽しめました。が、あまりにも人がどんどん死んでしまい、それで犯人が絞られていくので、却って緊迫感が無くなるように感じました。

ネタバレBOX

ラストは、犯人の自白(?)でしたが、ストーリーの説明のようになっていたので、ちょっと安易に感じました。周りが犯人を突き止める内容の方が面白かったのでは?と思いました。
アルチュール・ノジシエル『L’IMAGE』 

アルチュール・ノジシエル『L’IMAGE』 

Arthur Nauzyciel(アルチュール・ノジシエル)

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2013/09/22 (日) ~ 2013/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★

アルチュール・ノジシエル「L'IMAGE」観ました
 あいちトリエンナーレ・プロモーション動画で、舞台上に敷き詰められた天然芝を噛みつつ動物のように動き回るダンサーを観て、期待(笑)
 たまたま時間が取れたので、当日券で観ました。

 

 期待通り、ダンサー、ダミアン・ジャレの動きが、とにかく好み。人間離れした、型にはまらない有様が、とても他人とは思えない。いきなり倒れる、四つんばい、ねそべって跳ねる、柴を噛む、なんでもあり。
 ただし、アクロバットを見せるのではなく、あくまでも舞台表現として演者の感性と繋がっている。

 劇場の舞台上に劇場外の風景、それから受ける刺激(触・視・聴・嗅 ひょっとしたら味も)から生まれる動き。


 静と動、ふたりのダンサー(正確にはダンサーと朗読家)が並び立つ姿の対比に、音や声が別の位相で重なる。
 ダンス・朗読・音楽…舞台表現のインスタレーションのようなたたずまいの構成が、妙に合理性を感じる。


 アフタートークで、ノジシエル氏やジャレ氏とお話できたのも、なんだか幸せな体験。(通訳を介してだけど、お2人とアイコンタクトしながらだったので♪)



 うわああああああ、あんなダンス公演やってみてえ。
 まずはC.T.T試演会で試すべきか…



※私、次回出演する所属劇団の舞台でも、そんな規格外テイストで動きます(ああいうふうにしかしか動けない私。。。)

【あいちトリエンナーレ2013・菅原朋香『まぼろし喫茶』昭和歌謡ライブMC、
フェスティバルFUKUSHIMA・橋本知久『イシノオト』ストーンウェルズ
玉川裕士出演】 

パズル星団第三回公演「 『白夜、そして約束の朝』『贋作山月記』二本立て公演」2013.10/18(金)~20(日)@ナンジャーレ(名古屋駅から徒歩10分)→ 
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=49837

OPUS/作品

OPUS/作品

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2013/09/10 (火) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★

楽団という最小単位内での人間模様
観終わって、「100%海外演劇だなぁ」というのが最初の感想。
演出次第によっては、後味の悪い、冷徹でブラックな話に
なっても仕方がない題材ですが、小川絵梨子氏の手になる
それは、違った方向性を求めていたようです。

ネタバレBOX

皆ベテランの俳優ばかりなので、開始早々、「こっからは
日本語にしとこうか」で、客席の爆笑を誘うなど、あ、上手い、と
単純に思いました。遅れてきた観客に「大丈夫?」とか、本当に
嫌味なく笑いが取れる人達です。

ラザーラ・カルテットは、ホワイトハウスでも演奏出来る程の
実力派カルテットなのですが、それほどの技量の持ち主達なら
当たり前のように火種を日々抱えているわけで。

ヴィオラを担当するドリアンはカルテット内随一の演奏家でありながら
鬱などの精神病を抱え、その安定しなさっぷりを原因に、花形の
第一バイオリンを演奏出来ずにいる。

第一バイオリンのエリオットは、癇癪持ちの上に、演奏の技量はそれほど
高くないことが周知になっていて、実は恋仲のドリアンの擁護があって
何とかなっているのが実際のところ。

第二バイオリンのアランは女癖が悪く、浮気が原因で離婚の憂き目に
あっているし、コントラバスのカールは5年も前から重いガンを患う。

こんな感じで表面的には上手くいっているものの、内部はいつ崩壊
してもおかしくないほどの緊張感があり、その微妙に保たれた均衡は
ドリアンが名器といわれるラザーラのバイオリン盗み出したことが
きっかけで解雇されるに至った時、一気に壊れていく…。

男の嫉妬や愛の果てにある憎しみって怖いな、って素直に思いました。
最後、ドリアンがエリオットを解雇し、自身を代わりに第一バイオリンとして
迎え入れるよう提案してきた時。その一端をかいま見た気がしましたね。

それを受け入れてしまう他の三人もすごい。この劇中でも見え隠れする
けど、表面上の仲の良さはさておき、最終的には演奏家、芸術家の
エゴ、最高の演奏をしたい、という欲望につきまとわれているんですね。

最後、第一バイオリンを返さないエリオットと他の皆でのバイオリンの
取り合いの中、末期ガンであることをドリアンに暴露されて焦っていた
カールによって、名器は叩きつけられ、完膚無きまでに破壊されます。

それは、このカルテットの崩壊を意味するのでしょうか。それとも、
新しい再生を意味するのでしょうか。それは演出家の解釈に多分を
任されているのですが、小川氏は後者の解釈を選んだようです。
それが正しいかどうかはさておき、続きが非常に気になる作品でした。

伊勢佳代氏、カルテットにまだあまり馴染んでない感ありありの、
力んでいる様子が可愛らしかったです。でも、カルテットに所属
する際に条件とされた、他のオーケストラのオーディションを
受けないことを破っちゃうあたり、ただの世間知らずな子では
ないんですよね。その辺の人物造形がリアルでした。伊勢氏は
もっと他で客演して欲しいと思っています、個人的には。
北とぴあ演劇祭2013

北とぴあ演劇祭2013

北とぴあ演劇祭

北とぴあ つつじホール(東京都)

2013/09/13 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★

女子聖学院高校演劇部『奇跡の場所』
時間が空いたのでフラリと観劇。そりゃぁ商業演劇でないし,脚本は顧問だし,学園祭の出し物といったものだったが,キャストは真摯にストレートで,小賢しいところはなく,芝居を演じており好感が持てる。この中から将来,劇団に入り,演劇界を支える可能性もないではない。芝居好きの自分としては頑張れ!と応援していたい。

アポリア

アポリア

劇団新和座

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2013/09/28 (土) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★

荒唐無稽
命軽視

ネタバレBOX

一年前の弟が殺された事件の真犯人を探し出し、復讐するためためとはいえ、救急車呼べよ、警察呼べよって、この一言に尽きます。

最近のニュースを見ていると、何か死を判断するのは医師にしかできないような風潮がありますが、それはそうとして、素人が勝手に死んだと判断して放置したとしたら遺棄致死罪にも該当しかねず、もう全員が犯罪者です。

そして、死に過ぎでした。

疑心暗鬼の異常な雰囲気が漂う中、真犯人以外の人による殺人まで起こってしまうとは驚きでした。そして、ナイフで刺されたこの時こそ救急車を呼ぶべきでした。

解決編が必要なのは分かりますが、真犯人が一人のときにこっそり独白しだしたのには笑ってしまいました。で、それを姉が陰で聞いていたというのも不思議な話でありました。
夏の終わりの妹

夏の終わりの妹

遊園地再生事業団

あうるすぽっと(東京都)

2013/09/13 (金) ~ 2013/09/22 (日)公演終了

満足度★★★

ミニマルの中に意味が見えてくる
遊園地再生事業団『夏の終わりの妹』@あうるすぽっと。
先月号の『すばる』(集英社)に、本作の小説版が載ったのですが、
正直よく分からなかった(苦笑 こうして、舞台での、役者の動きと
「ことば」に触れて、初めてその作品の持つ多重の意味に気付ける。
今回も、深く考えさせられました。

ネタバレBOX

この作品は、主に三つの構造が複雑に入り混じっています。

1つ目は大島渚監督の『夏の妹』のストーリーやそこでの台詞、
2つ目は恐らく事前の役者へのインタビューを基にしたモノローグ、
そして3つ目は謝花素子という沖縄出身、インタビュアー資格
受験者の女性を主人公にしたフィクション。

舞台美術も、衣装も白一色を基調とした中、文節を解体されながら
コーラスのように役者間で繰り返される台詞、唯一ともいえる、
舞台装置の簡素な椅子を用いての奇妙な動きを追ううちに、

舞台の中で大きな役割を果たす架空の町、「汝滑町」(うぬぬめ
まち)にある、これまた架空の制度、「インタビュアー資格制度」
について、話は一直線に向かっていきます。

「汝滑町」では、資格を有さない者は、何人にも問いを発する
ことが出来ない。それ故に、あの「大震災」での多くの問い、
「水は安全なのか」「いつ都市機能は回復するのか」「東京に
汚染が広がっているというのは本当か」、というその全ては
無効となり、誰も回答する者はいないのです。

他にも、人々が孤立化し、お互いに「問い」「呼びかけ」を
通じて交流し合うことが無くなった挙句、衰退をたどる一方の
コミュニティ復活のために、本制度が既に「汝滑町」のみならず
ニュータウンにまで導入され始めているということが語られます。

しかし、その状況を横目に、謝花素子が10年間の歳月をかけて
取得しようとした「インタビュアー資格」ヘのモチベーションは
ただ一つ。「『夏の妹』を撮った監督にたった一つ。何故あの
映画を撮影したのか、その意図を、私が分かるように聞きたい」。

2013年1月7日。謝花素子はついに念願の資格を手にするのですが
その一週間後、監督(大島渚)が亡くなった事を知ります。

もう会うことが永遠にかなわなくなった人。永遠に、宙に浮く
こととなった問い。その双方は、既に過去に、そして個人の
記憶の中にしか存在しないものになったのでした。

この作品、いつもの遊園地再生事業団と同じく、幾つもの意味や
物語を入れ込んでいるから、一回で文章に落とし込むのがすごく
難しいですね。ここに書いた以外にも、サイドストーリーに似た
ものが数多く挟み込まれています。

でも、観終わった後、問題意識、とか、あるはっきりとした
喜怒哀楽の感情よりは、どこかタイトル通りの、哀愁というか
もうめぐってくることのない過去の季節や時間を振り返るような
そんな寂しさを淡く感じました。
『起て、飢えたる者よ』ご来場ありがとうございました!

『起て、飢えたる者よ』ご来場ありがとうございました!

劇団チョコレートケーキ

サンモールスタジオ(東京都)

2013/09/19 (木) ~ 2013/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★

異なるニュアンスを支える戯曲の力
初演がとても印象に残っている舞台でしたが、役者、特に女優の紡ぐキャラクターにはそれに負けない新たな質感が生まれていました。
初演と再演での良し悪しということではなく、戯曲から広がる新たな視野に浸された感じもあって。

美術のインパクトや舞台の密度も、会場が広くなっても減じられることなく、再びその時間の濃密さに閉じ込められてしまいました。


ネタバレBOX

初演時には、ロールたちの抱くものが今回ほど明確ではなく、どこかカオスの中から浮かび上がってくるような印象があって。
対して、今回は、物語の構図がとてもわかりやすく感じられました。
それは、戯曲を知っているからということとは違う種類の感覚で、しいて言えばシーンの中でのロールの姿から曖昧さが消えた感じ。

そのことには、良い部分とそうでない部分があって、たとえば囚われた女性から生まれる思想のありようとそのトラップに陥る危うさは今回の方が繊細に表現されていたように思う。なんというか、その切れ味と細微に至るまでの表現力に、心が粟立つような感覚までがやってくる。
でも、そのことで、初演時に感じたその思想に染まる背景にある心の闇や、箍が外れてしまうことへの戸惑いやためらいの、混濁しているからこそ訪れるリアリティのようなものが薄れてしまったようにも思えて。

結果として、この舞台には初演時くに伝わってきた思想を抱くことの重さが生む踏み誤り感や人間の内にあるそこに陥る仕組みの感覚とは異なる、思想に心をゆだねることの根本にある抗い得ない軽質さや安直さや、手放し滅失していく矜持の感覚のありようが生まれていたように感じました。

装置やあかりにも、あえて観る側の視界を一部遮蔽するような構造で、その世界の閉塞性を表したり自由に見えて実は獄に繫がれたような感覚を導き出したりと、それ自体にしっかりと語る力があり、その中の役者たちにも息を呑むような想いの実存感で観る側を追い込む力があって。

観終わって暫くして、無意識に感じた初演からの作品世界の広がりが、たとえば初演時の行き場のない『愚かさ』と今回伝わってきたどこか青さをもった『浅はかさ』の如く、異なる視座から描かれる同じ世界だからこそのものだなと気づく。また、そのことは、戯曲の懐の深さを、異なる引き出しで幾重にも引きだす演出家と役者たちの力量だからこそ表し得るものだろうなとも思ったり。
単に初演の世界に連れ戻されたということではなく、新たな感覚に深く捉われ、今回の舞台の秀逸に対してのみならず、初演から単純に重ね塗りされたのではない作品を複眼しするような広がりをもった印象にも凌駕されてしまいました。
Hanger Boy

Hanger Boy

おぼんろ

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2013/09/16 (月) ~ 2013/10/08 (火)公演終了

満足度★★★★★

久しぶりの
末原拓馬の一人芝居。
以前見た一人芝居では、明らかに自分で集めた衣装などを着用していた。
今回の奇抜な衣装にメイクをみると、色々な人の手を借りて一つレベルをあげたような感じがしました。
しっかりとしたものに身を固めた彼自身も、それに増長されるように、生き生きと演技ができていました。
おぼんろの作品ということなので、おぼんろがやった「捨て犬の報酬」の一人芝居のように、わかばやしめぐみさんや高橋倫平さんが演じるこの作品もみたくなってしまいました。

戦湯物語

戦湯物語

KENプロデュース

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

ネホリーとハホリー☆
(^^)/
面白かったです☆
回想と今を行ったり来たりで、
場面転換は小気味よいです。
前半に笑いは随所にあり、
後半はじっくりと魅せて、
感動させてくれました♪
役者さんたちはフレンドリーで
素敵でした!
観劇日記をブログに書きました。

プラネタリウムを作りました。

プラネタリウムを作りました。

宇宙食堂

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2013/09/19 (木) ~ 2013/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★

サクサクと進む物語
出演者の人数も多めで、尺も相応にあり、描かれる時間もかなり前後しているのですが、一つずつのシーンが語る意図をしっかりともって作られているので物語が混濁せず、その重なりにサクサク感が生まれ見飽きることがない。

美術というか、投映されるされる星たちも美しく物語をもう一歩外側にまで広げる力がありました。

ネタバレBOX

そんなに単純な物語でもないのですが、シーンの内にもその重なりにも、観る側の足をとどめさせないリズムがあって、ちゃんとその顛末を追わせてくれる。

近未来にかこつけて、キャラクターも、展開も、どこか妙に口当たりがよかったり、勧善懲悪的でもあったりするのですが、でもそのことがあざとさにならず、むしろ舞台のベースを支える物を創生することやそれを現実にすることの楽しみや喜びを、スッと引きだしてくれる。

ヒールやそれに巻き込まれる側の思惑なども役者がしっかり支え腰がちゃんとあって、時間の移動もなにげに語るべきこと毎に束ねられていたりもするので、観る側が物語の展開を塊で受け取ることができて、迷わない。
その土台に乗ってのご都合主義的な部分だから、可笑しさや笑いが上滑りすることなく舞台のふくらみとして機能していて。

最終的に一人のキャラクタを立体的に観るような感慨に浸すには、もう一歩の歯ごたえをもった部分が必要なのかなぁとは思うのです。
この軽質さだからこそ、支えられるはずの重さがちょっと流れてしまった感じが惜しいなぁとおもったりも。
そこが舞台に煌めく星たちの美しさに埋もれてしまったようにも感じたり。
とはいうものの、エンターティメント的な部分もさりげなく骨を持って織り込まれ、観る側を繋ぎとめるだけの舞台の力があって。
終わってみれば、作品からやってくる充足感に満たされていて・・・。
楽しませていただきました。
【満員御礼】偽装結婚式

【満員御礼】偽装結婚式

創像工房 in front of.

シアター風姿花伝(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★

よかったです!
楽しませてもらいました。
若さがみなぎっていましたね。すごく好感がもてました。ドタバタなのも若さゆえ。これでもかってもってくるハプニングには多少疲れはしましたが、楽しめました。あと、制作さんの対応のよさは素晴らしいものでしたね。始まる前と終わってからも気分よく劇場を出られました。
ありがとうございました。

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