ナイゲン【ご来場ありがとうございました】 公演情報 Aga-risk Entertainment「ナイゲン【ご来場ありがとうございました】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    戯曲の秀逸さに舞台としての進化が加わって
    昨年に作品を初めて観たとき(すでに再演だったらしい)、戯曲のコメディとしての圧倒的な出来のよさに心を奪われたのですが、今回はそこにさらなる武器が加わった感じ。

    同じ会場であっても、レイアウトの変更で空間の寸詰まり感がなくなりその分役者たちのパワーがクリアに伝わってくるようになったし、演じられるもののメリハリもより強かに作られていて。また、昨年観たのと同じ役者であっても役者たちのいろんなベクトルの表現力にさらに磨きがかかってもいて。

    よしんば、筋立てを知っていても、笑えるし感動すら覚える。
    傑作だと思います。

    ネタバレBOX

    昨年に比べて、舞台の作りも大きく改善されているし、戯曲もあらためて秀逸だなぁと思う。
    13人の登場人物が、誰一人個性を被らせることなく、一方でアイデンティティを失うことなく見事に描き分けられていて。

    しかし、舞台の要素の中で、多分一番進化したのは役者達で、それぞれのロールに対する解像度が一桁上がったように感じられました。客演陣も、それぞれに一歩深いところにある表層のナチュラルさとキャラクターの内側を垣間見せていたし、なにより劇団の4人の役者たち、中でも二人の女優が本当に上手くなったなぁと思わせるお芝居。

    結果として、前回観たときには戯曲の構造や勢いで稼いでいた笑いが細かい空気感での笑いに昇華している部分がいくつもあったし、骨組みを観る側の意識下にしっかりと沈め、刹那の場の空気で掴んで、さらにそのロジックでもっていくような多層的な可笑しさの重なりが、作品に丸まらないグルーブ感を醸し出してくれて。

    前半で与えられる舞台の枠組みを学校生活の雰囲気と共にとても自然に思いだし、中盤で疾走感を持った笑いに導かれ、終盤の着地時にはその熱さめやらぬなかでさらなる踏み出しや高揚すら感じる。
    この作品、ありそうでなかなか巡り合うことのできない、気取らず、ナチュラルで、良質なコメディの教科書のようなコメディだなぁと改めて感心。

    いろんな味わいがありつつ、とても心地よく笑える。今後の劇団にとってもまちがいなく財産であり続けるような作品でした。

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    2013/09/29 10:34

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