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新釈・南総里見八犬伝

新釈・南総里見八犬伝

THE★落花生

北品川フリースペース楽間(東京都)

2013/12/28 (土) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★

どこまでも
千葉県愛に溢れていました。

ネタバレBOX

妖刀村雨丸をギターに加工していたとは驚きでした。武力ではなく音楽の力で玉梓を倒すなんて、平和主義のやり方で良かったです。ただ、玉梓が消えたことで千葉国独立が消えてしまったのは残念でした。八犬士の玉が殻付きピーナッツというところも千葉県愛を感じさせました。

雨が降らないことを玉梓のたたりなどと信じず、偶然が重なったことと言い放つところなどに高偏差値集団の良識を感じました。

しかし、全体として華がなく、大声、滑舌の悪さが気になりました。
「なんでわたしばっかり」

「なんでわたしばっかり」

プリンレディ

遊空間がざびぃ(東京都)

2013/12/26 (木) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

色々示唆に富む舞台
 彼が自室に寄った時、甲斐甲斐しく食事の用意をしたり飲み物の準備をしたりするシーンが出てくるが「来る時、お腹がすいてるなら来る前に連絡してって言ってるでしょ」から「お風呂入る」など何気なく見える科白など、女性が伴侶或いはその候補に見せる日常的な世話と愛情の形を見せて巧みである。
 一方、男には一言も科白が与えられていないシナリオと演出が頗る興味深い。また、妹と彼の浮気に気付いた姉が、彼を追い出すシーンで出て行く男が去り際、チラっと振り返って部屋を覘き込むシーンなども普段の観察力が見て取れる演出である。(追記2013.12.31)

ネタバレBOX

 自由奔放な妹のキャラクターを表現するに際して、他者から見られた妹のイマージュに従って可能な限り別の女優が演じているのも良い。この辺り、あおきりみかんの鹿目 由紀の発想に近いか。或いは、鹿目 由紀の影響を受けているのかも知れない。異なっているのは、鹿目 由紀の分身或いは分裂は、個々人の意識の多様性を表しているのに対して、今作では、見られたキャラを表していることである。また、観客に妹が同一人物であることを示す為に、妹を演じる時には、必ずレイを首に巻いて出てくるのも初心者向けのサービスではある。
 更に自由奔放な女と家庭的な女の差を、単に現在我らの暮らす社会のタイプの違いとして見るのではなく新約聖書のベタニアのマリアと姉のマルタの話を引き合いに出し、実際の生活実務活動と観想(遊び、哲学など精神的活動)を提起することで、社会的生活を営む、蟻や蜂迄含めた労働と遊び、即ち生産と非生産、或いは生きる為の労働と精神的働きという普遍的差異を呈示してもいる。
 更に面白いのは劇中「なんでわたしばっかり」という科白を妹(遊び)、姉(労働)の両者が共に発している点である。おまけにこの科白は、どちらにも当てはまるのである。但し、妹のどうして云々は、周囲の同性からの非難がどうして自分にばかり向かうのか? の意であり、姉の場合は、どうして自分ばかりが地味で苦しみの多い労働に携わらなければならないか、という内容の差があることに注意しておきたい。
 ここで男には科白がないことの意味を考えてみよう。それは、現在、この地で女性が置かれている状況を形作っている社会システムであり、それが彼女らを縛っていると女性達が感じているからかも知れないのではないか。つまり、多くの女性が、この状態を肯んじたいとは思っていないのだ。では、彼女達が望むようなパラダイムシフトは可能だろうか? それが可能だとして、それはどのように為され得るか? 為される場合、両性協力してか? その場合、どちらが、どのようにしてヘゲモニーを握るのか? 両性が協力できないとすれば原因は何か? 協力できず単性で為す場合、♂が有利か♀が有利か? セクシャルマイノリティーが存在するが、問題化するのかしないのか? そもそも問題化できるのか? 単性生殖やクローン技術をも射程に入れた疑問はいくらでも湧いてくる。頗る興味深い舞台である。
それなりにハッピー

それなりにハッピー

9-States

OFF OFFシアター(東京都)

2013/12/25 (水) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かった。
声にならない笑いが散りばめられていて、不思議な世界を堪能しました。物語の最後もどこか不思議な感じなのだけど、どこか真意をついているような。構成やセリフが上手いと思いました。ただ、少し、噛んでる人が多かったかな(笑)なので☆4。

呼吸

呼吸

白米少女

小劇場 楽園(東京都)

2013/12/26 (木) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★

続きが気になる
見終わった後に、登場人物達のその後を知りたくなる、幸せになったことを願わずにはいられない、そんな芝居でした。説明し過ぎないことで、観客に想像の隙間を与え、小劇場の灯りで写し出される登場人物達の表情や会話の呼吸を感じさせる、小さな劇場ならではの秀作だと思いました。

ただし、シーンごとに良い役者が偏り過ぎな気もしました。全部を本当に上手い役者でやったら、凄い傑作になるんじゃないかな。
コンテンポラリーダンスは、演者間のレベル差が大きすぎますね。。でも照明音響がすごく良かった。

ネタバレBOX

ホームレスと母親のその後、ゲイバーのマルコさんと黒服の女性のその後が気になります。特に母親役の方は、とても上手い役者さんでした。

マルコさんの表情、素晴らしいですね。女性〔役名がわかりません〕はもう少しだけ、仄めかす芝居をして貰えたら、さらに色気があったと思います。2人が伏し目がちに悩む顔が美しかったです。

この二組はもっと長く見ていたかったですね。
ハックルベリーにさよならを

ハックルベリーにさよならを

短い演劇推進委員会

劇場MOMO(東京都)

2013/12/24 (火) ~ 2013/12/28 (土)公演終了

満足度★★★

最終日14:30の回観劇
最終日は一日3公演。アイドルグループのような働きっぷりだが、舞台上の役者はかなり濃いメンツ、そして楽しんでいる様子がよくわかる。
キャラメルボックスの座付き作家、成井さんの初期作との事だが、自分自身は初見。疾走感満載の冒険小説を舞台化したような爽やかさの片鱗がいたるところに見えて、なんか納得。
子供時代の葛藤を時折ユーモアで包みつつ、歌と台詞がちゃんと届く60分勝負の熱い舞台でした。

銀色の蛸は五番目の手で握手する

銀色の蛸は五番目の手で握手する

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2013/12/27 (金) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★

楽しませてくれます
開場直後から楽しませてくれます。ちゃんと開演30分前に行かれることと勧めます。本篇も面白いです。正直,よくこんなおバカな話考えつくよな,って思いますが,これはもうサービス精神の表れなんでしょうね。年末の大笑いに,今年1年の疲れた心におススメです。PMC野郎では,自分は「麗子さん・・・」が最高に気に入っていますが,それに匹敵するくらいの出来だと思います。

銀色の蛸は五番目の手で握手する

銀色の蛸は五番目の手で握手する

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2013/12/27 (金) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★

初観劇
やたらと人間臭い宇宙人の話。設定がぶっ飛んでいたが、人間よりも人間臭い、いい作品だった。感動しました。ありがとうございました。

人魚の皇

人魚の皇

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新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/12/26 (木) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★★

異空間
ホント凄かった。圧倒的なスピード感で展開されるストーリー。全員が叫ぶ、歌う、踊る。音響ガンガン、照明バチバチ。過剰なまでにデフォルメされたメイクと衣装。この異空間ぶりが、ダーク・ファンタジーな世界観を納得度の高いものにしている。

ネタバレBOX

ほぼ全編歌と踊りが織り交ぜられているのだがその違和感のなさが不思議。あの演出は出色だ。何せ劇中で突然歌ったり踊ったりするのが基本嫌いな自分が楽しんで観てしまっている程なのだから。好きな人にはたまらんだろ。たまらん具合が客席に充満してた。

北伊丹と鯱のペアが良かったな。エンディングまでの流れがね。1番しっくり来た。ラスト北伊丹の優しさ。狂気じゃないんだね。優しさなんだね。と。北伊丹の一人称が「僕」なのも好きだな。あの状態の沈ゆうこが可愛いと思う自分もどうかと思うが。

ヤモメとウロコのコンビも良かった。何か恰好いい。劇中でハッキリと人外の存在。特別で。当パンきっちり読んでなかったから、ヤモメが中井萌だと帰りの電車で知って驚愕した。『素顔同盟』でのイメージとの乖離が凄い。やっぱ役者スゲー。

終盤オチまでの流れが残念。流れで勝者が誰になるのかは分かるが、なんで勝ったのかが腑に落ちない。その後どうなっていきそうなのかという暗示もなく。消化不良。人魚システムの優位性も腹落ちしてない。全部力技で持ってかれた感じ。

レティクルライブ観て何故タグにハム太郎とか黒バス使ってるのかわかった瞬間あまりにバカらしくて大笑い。だが雰囲気が危険。排他的過ぎないかと少し心配になる。自分も観たい役者がいてある程度好意を持って観ているから許容出来たのかも。と。。。あれは心配
人魚の皇

人魚の皇

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新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/12/26 (木) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★

とにかく
スピーディーな展開、激しい音響と激しいダンス、煌びやかな衣裳・・台詞が聞き取れず、正直よく分からなかったのですが、とにかく凄かった!という感じでした。すごい体力とパワーに圧倒されました。このパワーは素晴らしいと思いました。独特の雰囲気と世界観・・とにかく凄かったです。

人魚の皇

人魚の皇

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新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/12/26 (木) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★★

初観劇、観てよかつた。
本当は王子で1日だけだったかの公演で
シャイニングの二子風フライヤー見てチェックは
していたんですが、平日で行けず今日まで未見。
いや、勿体なかったですね。
大音響と歌とダンスってバナナを思い出しますが
狭いミラクルの中を、ピッタリ.スッキリした
ステージングで泳ぎまくる登場人物達。
最初の自己紹介から
短時間でも物語を理解出きる配慮もあって、
ごちゃつき無く、いいテンションで一時間弱
ダレる事なく終了まで向かいます。
独特の世界観もハマっていて三人の皇の候補が
裏表で争った末の結末は現代現実へ繋いでいく。
物語もスッキリ解りやすい
(終盤聞き取り難い台詞が多いですが)
終演後のオマケライブも楽しい
人魚からハムスターまでギャップも面白い
暇な人はオススメです。

晴れ、ときどき束縛、のち解放/アマリリス

晴れ、ときどき束縛、のち解放/アマリリス

santacreep

RAFT(東京都)

2013/12/24 (火) ~ 2013/12/28 (土)公演終了

満足度★★★★

田舎の良さと悪さ
両作とも舞台は田舎町で東京から一時的に帰って来た姉が登場する。少し悪意をもって描かれていて、田舎の良さと悪さみたいなものを強く意識させる。時間の流れの違い、雰囲気の違いが伝わってきた。

ネタバレBOX

『晴れ、・・・』は、片桐はづきと榊菜津美の会話がよかった。劇中に描かれているトラウマを浮き彫りにして行く展開にフィットしてたし、ちょいちょい入ってくる池亀流の笑いもフワッとした感じが出て好きだ。

『アマリリス』あやかが、笑わせてくれた。登場からラストまで掻き回しまくり。池亀ワールド。萱怜子がツッコミ役にまわってる時の噛み合い具合が特に良かった。いいテンポつくって進行していくのが心地良い。
平成25年12月歌舞伎公演「主税と右衛門七」「弥作の鎌腹」「忠臣蔵形容画合」

平成25年12月歌舞伎公演「主税と右衛門七」「弥作の鎌腹」「忠臣蔵形容画合」

国立劇場

国立劇場 大劇場(東京都)

2013/12/03 (火) ~ 2013/12/26 (木)公演終了

満足度★★★★

ゴーヤ
年末になって、ここに歌舞伎関係の感想をまったく書き留めていなかったことに気付いた。歌舞伎納めはこの作品だった。
個人的には、11月12月の歌舞伎座の忠臣蔵より面白いと思った。仮名手本はもうお腹いっぱいだから。
本編を知った上で「忠臣蔵形容画合(ちゅうしんぐらすがたのえあわせ)」を見ると可笑しさが増す。

最近白塗りがよく似合うおっとり美人さんになった米吉の「婆や」のアクセントが「ゴーヤ」と同じだったのは、あれが正しいのかどうか、通の人に尋ねたい。

銀色の蛸は五番目の手で握手する

銀色の蛸は五番目の手で握手する

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2013/12/27 (金) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★

毒はあるけどフツー
本編では、箸が転がってもゲラゲラ笑うような人がいなかったことが幸いでした。

ネタバレBOX

前説で、ただももいろクローバーZのしおりんと称して踊り続けるのを見てゲラゲラ笑う輩がいて、やはりいつも通りかと思っていましたが、本編では箸が転がっても笑うような人はいませんでした。

下ネタも少なく、幼稚な20代男性が笑うような話では無かったことにホッとしましたが、かと言ってじわっと笑いがこみ上げてくるというわけでもなく、DVありの、殺人ありの、結構重たいストーリーでした。銀ダコが超能力で殺された人を生き返らせましたが、せっかく殺人を免れたというのに、この特殊事情と銀ダコの思いが通じなかったばかりにまた殺人を犯すという何とも愚かしい事もありました。

幸福の王子のような銀ダコは、人々の命を救う度に手が失われていき、最後は人間で言うところの足だけになってしまいました。そんなこともあってか、毒ガエル星人の毒でサッカー選手が大量に死んだときには超能力は使いませんでした。仕方ないか、副作用があるのだから、大好きな人だけにしか使えませんね。
タレルキンの死

タレルキンの死

ロシア語劇団コンツェルト

早稲田大学学生会館B203(東京都)

2013/12/26 (木) ~ 2013/12/28 (土)公演終了

満足度★★★★

無題947(13-386)
15:00の回(晴)。14:30受付開場、やや傾斜をもたせた三角形の舞台、床面青系の配色で市松模様、手前に「穴」何か置いてありますが、薄暗くよくわかりません(動いてはなさそう)、一本の紐が天井まで。客席は中央の通路(役者が通ります)を大きくとって左右に椅子席。追加席がでていて盛況。

ずいぶんおして15:14前説(10分の休憩を挟んで120分)、15:17開演~16:10、休憩、16:22~17:03、終演後の挨拶が終わったのは17:22。

「ロシア語」での上演...ロシア語ができるからとかではなく、どんなものなのだろうと思いみにきました。

製本された当パン、みると1年生から大学院生、早稲田、東京外語、横浜、桐朋...から参加。

字幕をみながら(映画でもそうですが)なのでセリフのどのくらいが省略されているのかわからないものの、事前に「あらすじ」を読んだので大枠はわかりました(と思いました)。ロシア語が上手なのかは?ですが、みなさん途中でつまることがなかったので相当練習されたのではないかと思いました。

ロシア語を聴くことはなく(「惑星ソラリス」くらい)よい機会でした。

ひとつ。開演がそうとう押したことは仕方がないとして、開演時間になったら状況をお知らせするのがお客さんを迎える側として必要ではないかと思います。

銀色の蛸は五番目の手で握手する

銀色の蛸は五番目の手で握手する

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2013/12/27 (金) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

楽しんでください!というのが強く伝わる劇団ですね(^^)
「いい大人が定職にもつかず、この年の瀬に実家にも帰らず。」
頑張って作り上げた舞台です(台詞は前口上ですよ(^^)。
観ることを決めた方は<開演>時間に間に合うようにとせずに、
ぜひに開場時間に合わせた入場をお勧めいたします!是非にねっ!

(本編110分予定ですが、
上記理由を入れると2時間越えと考えた方がよろしいかと思います。)

ネタバレBOX

上演では終盤近い場面からの始まりなんですが、
主宰~ここは繰り返さなくてもよかったのでは?と感じました。

普通にオサム君の離島での学生時代からスタートで十分と思われました。

それにつけても普通に毒を吐く笑い入れてて楽しかったんですが。
30分過ぎたところで入るカッコいいタイトル映像からの展開で、
本当に腹がよじれるような笑いを入れられまして笑い涙が止まらなかった(^^;)
凄いです・・・・ヤドクビッチ・・・・破壊力ハンパなかった・・・・うけました!

開場後にいつものケンタウロス君がいると思ったんですが、
今回はいませんので他にファンの方いたら予めお伝えしときますね。

チケット受け取りまでの流れが滞らないように、
床や階段に矢印や列の区切りをテープで表示してる心くばりな処が
10年の歳月で培った観客への配慮とわかります。
ほんと観客をヒエラルキーの最上段に捧げる姿勢が美しいですね。
ここまでした劇団は自分いままで見たことほとんど無かったです。

ここまで褒めてなんでお勧めにしないかというと、
やはり万人受けしないかなぁとは思うのですよ。
(受けない人には受けないでしょう・・モモクロとか・・・)

マニアな一言
ちなみにチブル星人のパロディと思われたオサム君は、
手を広げるとクール星人みたいでした=
まぁどっちもウルトラセブンの宇宙人なんですけどね(^^)
=主宰の精神形成期間に一枚かんでたんだろねセブンは・・・
(と勝手に分析風なことしたりして・・・)。

ざっくり言うと。
話は離島育ちの少年が都会に出て夢を叶え初恋の人とも再会し、
その窮地を自らの大きな代償と引き換えに救い、
島の仲間と共に真の自分の夢を掴むという。
それはそれは王道の昼メロか少年漫画のようなストーリー展開であります。

まぁ自分が銀色のタコだったり、チームメイトが・・・・だったり、
育ててくれたじーちゃんが○○犯だったりするという。
それは吹原氏テイストにあふれた味付けが、
成されているという点が大きく異なるんですなぁ。
同行二人

同行二人

同行二人

magari 中野店(東京都)

2013/12/27 (金) ~ 2013/12/28 (土)公演終了

満足度★★★★★

無題946(13-385)
15:00の回(小雨)。14:42会場着、傘を置き中へ。右手に受付、ドリンク券を頂きソファ(二人掛け)席に座ります。入って正面がカウンター(奥にグラスやカップ)、両端にヨットの模型、時を刻まない振り子時計(これはそういう演出の一つとして設置していたのでしょうか...)、上手にテーブルと椅子、壁に絵、テープルにも。いずれも「河」が描かれています。カウンター手前、木製の椅子、骨董品クラスの扇風機、花瓶に花。全体に白い色合いの会場。

15:00前説(60分)、遅れているお客さん待ちでやや押し、15:06開演、女性がひとり入ってきます。誰かをさがしているようですが~16:08終演。コートを着ようと振り返ると長田さん(てがみ座)..後輩の公演をみにいらしたとのこと。

開演直後はシュールな展開になるのかと思いましたが、店内のさっぱりした造りとお話の内容が繋がってくるにしたがい、すっかりお話の世界に入り込んでしまいました。終盤、コーヒーの香りが客席に届く頃には二人の関係も明らかになり、切ない気持ちになるのでした。長尾さんは初めて、岡田さんは調べると「ゲキバカ」に出ていらしたのですね(2作みています)。

30歳~27歳~29歳、時が遡りまた戻ってくる展開と心情の移ろいが素直に伝わってきます。初演は「MODeL T」、みておきたかった...と思いました。

銀色の蛸は五番目の手で握手する

銀色の蛸は五番目の手で握手する

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2013/12/27 (金) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

相変わらず面白い
正当な笑いと、ブラックな笑いと、泣かせる展開に、溢れるサービス精神。
ポップンマッシュルームチキン野郎を観るのはこれで6作目ですが、一つのパターンが出来上がっていると感じました。
過去、ブラックが強かったり泣きが強かったりで、やや私の好みには合わない作品もありましたが、これはバランスがとれていたと思います。

役者さん達みんなに、お客を楽しませたいという「お・も・て・な・し」の心が感じられました。それは、観劇後のロビーにも溢れていて、今年の観劇納めがこの芝居でよかったと思いました。

パンフレットは2000円で、劇団四季なみ!(に高い・笑)と思いましたが、とても読み応えがありました。これは2000円の価値ありです。

ネタバレBOX

しかし、パンフレットの袋とじを開いてしまったがために、置き場所に困る物になりました。

サッカーシーンよかったです。解説も笑えました。
「ふわーっとした感じのフォーメーション」とか、思いがけないツボがあって聞き逃さないように必死。

実名がバンバン出て来るキョーレツなネタもいいのですが、だれも気付かなそうなセカチューパロなんかも笑えました。

高橋ゆきさんが初の美人役というのにも、感慨深いものがありました。
杉岡あきこさんにも、いつかフツーの人の役を!

それなりにハッピー

それなりにハッピー

9-States

OFF OFFシアター(東京都)

2013/12/25 (水) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★

ショートショートの作品を薄めて引き伸ばした感じ
でしょうか・・・?

オチの展開はチト古典SF的で懐かしく感じた程です

なんとなくトッチラカッタ印象を受けた1時間45分(開演遅れるしねぇ・・・)
         

ネタバレBOX

「人生は選択の連続」と「動物園に行きたい」がキーワードで展開する4つほどの物語が交差するのですが、いまひとつ説得力が貧相で弱かったです。銀行ネタでの上司コントの主任とハットリさんのキャラクターは楽しめましたが他は残念系が多かったです。強盗事件で展開する銃はエアガン(高出力改造系?)なのか炸薬系の実物なのかハッキリしなかった気がするし、なんかモヤモヤ・・したです。銀行の金庫内からの音声は普通に届くし・・・なぜ?=説明欲しいなぁ=内部モニターからの音声出力あるとかね。熟成不足感ハンパなかったです。
 モンテ・クリスト伯

モンテ・クリスト伯

東宝

日生劇場(東京都)

2013/12/07 (土) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★★

ドラマチック!
音楽、ストーリーともドラマチックで見ごたえありました。
終演後も楽曲が耳に残らなければミュージカルとは思いたくない私にとって満足いくものでした。衣装も素晴らしく綺麗。
モンデゴとの最後の対決は息をのみました。村井さんいい味出してましたし、岡本さんは、新国立劇場で何度か拝見してますが、この手の役上手く、キャストも文句ありません。
復讐場面にもう少し時間をかけもうひと工夫あればと感じました。
個人的には濱田さんの出番をもっと増やしてほしかったそれだけが残念!

銀色の蛸は五番目の手で握手する

銀色の蛸は五番目の手で握手する

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2013/12/27 (金) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

300近いキャパシティのシアターサンモールに、初進出!
このサイズでも十分にやっていけることを証明した、記念的作品。
いろんな意味でのバランスの良さが功を奏した。
彼らのスタイルが確立した作品。

と偉そうなことを言ってみる。

ネタバレBOX

初めてポップンマッシュルームチキン野郎(長いので以下「ポップンマッシュルチキン野郎」とする)を観たときに感じたのは、
「この笑いは、自分が好きやつではない」
ということ。

しかし、何か引っかかるものがあった。
それは「センチメンタリズム」。
「ベタ」と言い切っていいぐらいのセンチメンタリズムだ。

お下品でブラックな笑いの中にそれが確実にある。
だから「もう1回観てみよう」と思った。

そして気がついたのだ。
お下品でブラックなのは、ある種のサービスであり、それをストーリーに散りばめることで、恥ずかしくなって、身体が痒くなってしまうような、純愛だの献身だのといった、本当に言いたかったことを、言えてしまえるということ。

そういう見方をすると、少し合点がいく。

前にも感想で書いたが、どの役者さんも相当個性的ではあるのだが、ヘンにそれを押しすぎないし、例えば、デブだとかハゲだとかと言った一番つまらない「ありがち」なやつを定番的に伝家の宝刀とせず、たとえ自分の出番ではグイグイ前に出たとしても、他の役者のところでは、さっと引き悪目立ちをしない。
そういうところが、きちんと考えられていて、きちんと自分の役割を「演じて」いるのだ。
しかも「演じている」感を出さずに。
これは演出も役者もうまいとしか言いようがない。

作品全体が、おふざけや、その勢いでどうにかしようと思っていないということなのだ。

で、コメディフェスティバルで見せてくれた前作は、持ち時間が短いということもあって、非常にタイトにポイントを突いてきた。
その結果、全体的にバランスの良い優れたコメディになっていたのは、ご覧になった方の記憶に新しいと思う。

そして、今回、今までとまったく違う、大きなサイズの劇場での上演。
正直、どうなってしまうのか、多少の不安があった。
今までの、言わば、声も表情も確実に届くスケールでの芝居とは異なってくるからだ。

しかし、そんな不安感を払拭するように、見事に素晴らしいバランスの作品となっていた。

青春と純愛をベタすぎるセンチメンタリズムが物語を貫く。

自分に自信がない主人公が、中学で一番の女性に憧れ、破れる。そして、自分は己の進みたい道に向かい、大成功する、といったストーリーは、この作品のすべての設定を取り外してしまったら、どこにでもあるような普通のストーリーだったかもしれない。

さらに言うと、自分が憧れていた女性が、誰もがうらやむようなカッコいい先輩と結婚したにもかかわらず、不幸になっていた。しかも自分は超一流のサッカー選手になって彼女の前に現れる。そんな童貞臭い、都合の良いストーリーなのだ。
さらにさらに、彼女を助けるために自己犠牲を払う、なんて!

よくよく考えると、なんちゅうストーリーだ!

でも、そんなベタベタなストーリーであっても、観客がヘンな突っ込みをせずに、ストーリーに入り込んでいける、納得の展開で見せるうまさがあるのだ。

それは、単にお下品でブラックな笑いを入れればいいのではなく、その「バランス」と「センス」がかなり必要だ。
ブラックにしてもお下品にしても、度を超さず、うまく収めなくてはならない。
そこのさじ加減は、かなり難しいと言える。

彼らはそれをやってのけ、自分たちのスタイルを手に入れたと言っていい。
シアターサンモールのサイズで上演しても遜色のないモノだと言ってもいい。

これは彼らの新たな第一歩だ。

面白くって、少し毒があって、だけどホロリとさせる(ポロリではなく)。
それは鉄板でウケるのではないだろうか。

戦略的に考えてたどり着いたのかどうかはわからないが、この路線を続けていけば、マニアな客ではない、普通の面白演劇好きな人たちがお客さんになってくれるだろう。

偉そうに言わせてもらうと、全方向的な客層にウケるのではなく、今までのポリシーを貫き、「これ嫌いだ」という人がある程度いるぐらいの感じで進んでくれたら、とてもうれしいのだが。テレビ放映はできないぐらいの毒はあってもいいと思う。

さらに言えば、もう一回り大きくなっていくには、どうするのか、を絶えず考えていく必要もあろう。



今後を考えると、役者さんたちにも、サイズに合った、演技や発声が求められてくる。
それは実感したはずだ。どうにか台詞を置いてくるだけな、演技的には厳しい役者がいたのだが、それは自分でもわかっているだろう。

ハナ子を演じた小岩崎小恵さんは、少し悲しくて健気なところがうまい。前回に引き続き、他の役者さんたちとは違った次元にいたのだが、今後も同じような設定の役に固定するのか、あるいは冒険するのかが気になってくる。

後白河先生(サイショモンドダスト★さん)、出っ歯(杉岡あきこさん)、主人公の父・清一(NPO法人さん)、ヤドクビッチ(今井孝祐さん)、美しが丘先生(高橋ゆきさん)あたりの役者さんたちは、とてもいいポジションに配置され、自分の役を丁寧に、そして下品に、演じていて、ストーリーを盛り上げていた。
こういう役者さんたちがいて、それはつまり誰か一人が「飛び道具」のようになるのではなく、バランスがあるからこそ、この劇団のこの物語が成立しているのだということも実感できた。

っていうか、褒めすぎたかな。
でも面白かった。
次回も楽しみになってくる。

……そう言えばハナ子って2人も殺してるんですよね。

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