最新の観てきた!クチコミ一覧

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MOMO

MOMO

STUDIO D2

萬劇場(東京都)

2014/01/16 (木) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★

楽しめましたけど・・・
シンプルでスタイリッシュな舞台。コンパクトにうまくまとまっていると思うけど、淡々としすぎて、もうちょっと盛り上がりが欲しい気もしますが。

東海道四谷怪談

東海道四谷怪談

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2014/01/16 (木) ~ 2014/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★

今後も注目したい劇団!
劇団俳優座創立70周年記念公演の第1弾「東海道四谷怪談」。
劇団俳優座さんは初見であったが、こういう演目は夏に観たかったなあ。
お客さんは年輩の方が大半を占めていた。
上演時間2時間55分(休憩15分含む)。

ネタバレBOX

あらすじは説明文に詳細が記載されているので、割愛。

怪談に相応しい舞台音楽は全て生演奏で行われたが、この演出は非常に良かった!舞台脇に演奏場所が設けられ、3名の演者が演奏した。
舞台を見ながら、演奏していたので、息がぴったりあっていた。

公演開始時に役者陣が全員の客席から登場する演出も楽しめた!
名前に違わず役者陣が安定していた。噛む人なんていない。

ちょっと物足りなく感じたのは、役者陣が上手いのだが、卒なくこなしている感じがしてしまった。
小劇場公演のなんとも言えない熱気溢れる雰囲気に慣れているせいかもしれない。

最後に、公演後の舞台挨拶は、全員正座で行われた。
こういう姿勢は本当にいいな。やっぱり70周年を迎える劇団は違う。

次回以降の公演にも注目したい!

櫻ふぶき日本の心中

櫻ふぶき日本の心中

椿組

ザ・スズナリ(東京都)

2014/01/15 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

日本の心を巧みに挑発する快作だ


『座頭市』は、世界的映画監督・黒澤明の代表作として多くの人が知っている。昨年10月、シネーマート六本木にて『座頭市血笑旅』を鑑賞したが、時代劇という映画作品ながら、コマ割の削れるところを削っていく大衆性を感じざるをえなかった。
この東京国際映画祭2013関連企画上映会『時代劇へようこそ~先ず、粋にいきましょう』は、国立近代フィルムセンター等が中心となり現在進められている「フィルムプリント復元事業」の成果を社会一般へアピールする企画として、文化庁が昨年から主催するイベントだ。


『椿組』は、国際社会のバッシングの対象となっている「ハラキリ文化」「恋色沙汰心中」「輪廻転生」(インド・バラモン教へ通じ、カースト制を生む原因)の三点を、驚くべき編成、人物描写により劇場空間を席巻してしまった。
四方のステージ。通路を老人が歩き出し、「盲で ございまーす。盲でございまーす」(差別語であることは承知しておりますが、江戸時代を描く史実関係も大切だと思い、台詞をそのまま掲載させて頂いています)を お知らせする。
黒澤明も撮影した その『座頭市』を現在進行形の形に添えた上、終戦後50年代〜60年代の「色沙汰心中」で交差させる、スリリングな構成であった。


開場中、ずっと音響スピーカが流していたBGMこそ「50年代ニュース映画」である。1951年4月16日7時25分マッカーサーの離日実況中継は、当時の「民主化の父」へ対する崇拝の世論を映し出すようで興味深い。
戦後復興期を迎え、「金」が絶対権利を持つ資本主義社会と、個人の悲壮感「挑み、そして散る者」に哲学価値を定義する舞台は多い。漫画家・手塚治虫も1980年代以降、こうしたテーマを強く意識した作品制作を行っている。
だが、『椿組』が全く異なったアプローチであるのは、「色沙汰心中」を、かなり思い切って肯定してみせたことだろう。


「都会にはレモンがいる」等の台詞が、シェイクスピア調の格式高い香り。あまりの難解なセリフは笑いすら起こった。





















女王の盲景

女王の盲景

空想組曲

シアター風姿花伝(東京都)

2014/01/08 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★

ダークじゃないファンタジー
4人で大人数のお芝居。
小玉さんの孤軍奮闘が見れる舞台です。
そんな騙されるハズないよーと思いますが
みなさんの演技も良かったから
魅入ってしまいましたね、
みなさんはどう思うのは解りませんが
個人的には幸せな方のファンタジーだと思います。
これこそ優しい嘘なんでしょうね。

ブラックホールの出来事

ブラックホールの出来事

とくお組

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/01/14 (火) ~ 2014/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

荒唐無稽なんだけど
初めて見る劇団でしたが、出演者全員が、この人がいると絶対面白い作品になるということで私の記憶にある顔。

容疑者と刑事たち、もしくは刑事同士の丁々発止のやりとりを楽しみながら見ました。荒唐無稽なんだけど憎めない。

人魚の夜

人魚の夜

青☆組

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/01/10 (金) ~ 2014/01/20 (月)公演終了

満足度★★★

今年も観劇始めは青☆組さんから
今年も、初観劇でいい観劇が出来ました。
体調が良くなかった事もあって、朧げに観ていた部分もありますが
女性の妖艶な場面や幼くも恥ずかしい夢を織り交ぜながら
遠い未来、世界はおそらく荒廃していくのであろうと思わせる世界に
なんとも静かで、もの悲しいセレモニーとその思い人が居りました。
客席も満席、開演前から客席の案内に奮闘する主催さんの姿から
一気に静謐な世界へ一転するのがすごいですねぇ。
次回作は体調万全で観たいです。

協走組曲 -TOUR-

協走組曲 -TOUR-

ステージタイガー

松原市文化会館(大阪府)

2014/01/18 (土) ~ 2014/01/18 (土)公演終了

満足度★★★★★

真冬であることを忘れる暑い熱い舞台
自分が出演予定の共演者の方が所属されているステージタイガーさん。
今回初めて鑑賞させていただきました。

とにかく熱い!きっと舞台上はもっともっと暑いのでしょう。

前日にHPを拝見していましたが、パワフルさは想像以上でした。

その皆さんのスタミナにあんぐり、ストーリーにほろり。
出演者全員が個性的で、素敵でした。

元気ない時にはステージタイガー!
パワーもらえます!!ありがとうございました!!

独り芝居『審判』

独り芝居『審判』

多田直人案

吉祥寺シアター(東京都)

2014/01/15 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★

血と肉
面白い。作品自体初めて。140分。

ネタバレBOX

捕虜となった7名が軍服剥ぎ取られ、食事も水もない地下室で人肉食にて命を繋ぐ。生き残った二名の内、ヴァホフ大尉は裁かれるため法廷に立ち、その顛末を傍聴人(客)へ語る…。

傍聴人へ一言一言を投げかけるスタイル(裁判資料をご用意くださいといった演出)で、凄惨な状況と人の情を訴えてくる。人肉食ってショッキングな要素ってこともあるが、戦争の傷痕をくっきりと見せ付けてくれ、また、裁くことの価値を問うようなつくりでもあり、いい本と思う。観てるこちらが音を上げそうになるような。

演技がだめと思わないが、いまいちノリきれない感触もあった。表現力の問題かなと思うし、あくまでドラマな作品でないからノリもへったくれもないのかもしれないけど。
Fairy Floss

Fairy Floss

私立ルドビコ女学院

上野ストアハウス(東京都)

2014/01/15 (水) ~ 2014/01/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

観てきた!
とっても楽しかったです♡

人魚の夜

人魚の夜

青☆組

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/01/10 (金) ~ 2014/01/20 (月)公演終了

満足度★★★★

大人の青春学園もの
一風変わったおとぎ話だけど、中身は、ちょっと大人向けの青春学園もの。冒頭の教室がちゃぶ台に変わったり、火をつける場面もあったり、劇中歌もあったりして、一風変わった青★組らしさになった、100分でした。

MOMO

MOMO

STUDIO D2

萬劇場(東京都)

2014/01/16 (木) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★

1年が1日!
”時間の源”の世界では通常の世界の1年が1日で過ぎる。
ゆえに有意義に使わなければ、必要な時間が無くなってしまう。
我々は、自分の心を豊かにする為に時間を使い、生活しているだろうか、
物質なものの為にばかり時間を費やしてはいないだろうか。
時間、人の心、生活が分かり易く表現されていて良かったです。
ひと味変わった内容、そして歌よりもダンス重視のミュージカルでした。
最後列に座りましたが、言葉がハッキリしてて聞き取り易かったです。
照明効果も良かったと思いますが、もう少し、明るめでないと表情が見えにくいので改善したほうが良いかも。

コンダーさんの恋

コンダーさんの恋

明治座

明治座(東京都)

2014/01/02 (木) ~ 2014/01/27 (月)公演終了

満足度★★★★

本当の話だけど面白い!
鹿鳴館時代の裏話です。
実話をシリアスかつコミカルに描かれていて飽きません。
大地真央さんの滝廉太郎作曲の「荒城の月」、「花」が聞けるわ、舞台衣装は素晴らしく綺麗だわ、男装の踊りは観られるわ、冗談聞けるわで予想外(失礼!)に楽しめました。江守徹さんも勝海舟役で相変わらず渋さ出てました。
因みにコンダーさんとは鹿鳴館を作った人です。初めて知りました!

夢も希望もなく。

夢も希望もなく。

月刊「根本宗子」

駅前劇場(東京都)

2014/01/10 (金) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★

ダメな部分をえぐる
男女それぞれ誰しもが持て余しているダメな部分をえぐり出してくる。観ている者の共感と苛立ち、不安と希望をない交ぜにした感情を引き起こさせるのが凄い。イライラするけど、完全否定出来ない自分の一部を登場人物達に感じてしまった。

ネタバレBOX

当日パンフにもあったが、演劇にしか出来ない演出にこだわった作りも良かった。舞台美術の違和感を徐々に解消しながら観客を引き込んでいく導入部も出色。物語の展開につられ徐々に自分の感情も深まって行くのが良かった。

大竹沙絵子の色々あり過ぎて感情爆発してテンパって声裏返って、、の演技はなんだかんだでやっぱり好きだな。ねもしゅーでアレがないというのが最早考えられない。『中野の処女がイクッ』『モスキート』でも炸裂してたから。

梨木智香もやっぱり欠かせない。出てきただけで何故かホッとした。雰囲気からして楽しい。独特の存在感。今作では長井短とのコンビでぶっ飛び具合がたまらない。ラストシーンの体勢が去年駅前劇場で演った『今、出来る、精一杯。』と同じという。。。
「日」本ヘラヘラなぐさめあい in flont of ロボット・演技性人格障害・紗羅薔遺兎子の聖聖瞬(DQN or 中二 mixmax)→ていうかそれすらどーでもいいから神待ちhapppppppppy!!!!!!!!!

「日」本ヘラヘラなぐさめあい in flont of ロボット・演技性人格障害・紗羅薔遺兎子の聖聖瞬(DQN or 中二 mixmax)→ていうかそれすらどーでもいいから神待ちhapppppppppy!!!!!!!!!

宗教劇団ピャー! !

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/01/16 (木) ~ 2014/01/20 (月)公演終了

満足度★★★★

ポコペン
第Ⅰ部では、現在、若者のみならずこの「国」の普通の人々が置かれているカオティックな状況が、その精神のアンバランスという形で表現されている。今回は、“ピャー”がこの数作特徴的に描く、巨大な機械や正体不明の何者かに焦点を当ててみよう。(追記2014.1.19)

ネタバレBOX

 今作では、ポコペンと名付けられたロボットだが、カオスの中で悶える人々の光明たるべく、科学者が作り出したものだ。
 ところで“ピャー”作品に現れるカオスは、ギリシャ神話でクロノスの前に支配者であった始原のカオスではない。生存の与件が壊された果てのカオスである。そして現代資本主義社会に於ける生存の与件とは、言うまでも無く、衣食住が、基本的に自給できること、健康で不安のない暮らしをする為に、余計な災厄の心配をする必要がないこと、其処に生きる人々が思想と自由を制限されない保証として借金財政でないことの三つである。
 だが、現在、我々の生きる日本社会はこの与件総てが壊されてしまった。カオス以外にどのような様態が可能であろうか? 而も、このカオスが、ギリシャのそれのように初源の物でない為に、一体化はしておらず、分裂している。片やロック音楽として、片や飲む宗教として。アウフヘーベンならざるアウフヘーベンとしてポコペンが位置づけられていると考えることも可能である。
 というわけで、仕上げに科学者は、日本の歴史を教えている所だ。若者と言えば、社会的力が貧弱で経験も少なく、経済力も乏しい、というのが基本であろう。即ち、社会的弱者に近い。彼らの武器は傷つくことのできる柔らかな感性と魂である。その柔らかい感性と魂で彼らは正確に何が壊されたかを理解している。その上で、彼らの力だけでは、手に余る部分を機械という形の表象にして紡ぎ出しているのだ。こんなわけで、ポコペンは、恰も生き物を思わせる形態を採る。裾は膜か襞のように広がり中央部は煙突のようにそそり立つ。とはいえ、ポコペン唯一の機能は、他人の話をしっかり受け止めることだけなのではある、が。
 これらの要件が揃った所で、第Ⅱ部では、自らの位置の再思考、再定義が行われ、生命に収斂して行くが、物も、ヒトの生き方も何もかもが、命を目指す流れに組み入れられてゆく幻想と捉えたら良かろう。或いは、そういう願望と。
終に終幕第Ⅲ部 生命の羽ばたきが聞こえる。蜂か或いは蝿の王、ベルゼブブか? これも問題だ!
独り芝居『審判』

独り芝居『審判』

多田直人案

吉祥寺シアター(東京都)

2014/01/15 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★

これは凄い
演目については超有名戯曲で
わたしの好き嫌いなどあまり関係ないので置いておくが、
感想としては「多田くん凄い」につきる。
何かが憑いたように語っていた。
時には冷静に、時には感情を爆発させながら。
そして最後は本当に別人のように観えた。
顔がね、全然違っていて驚いた。
縷々として語られる台詞は、
変なたとえだけど落語の語りのようにも思えた。

ネタバレBOX

美術はシンプルで、暗い背景に証人台の柵があるのみ。
動きはそれほど無い。
翻訳戯曲独特の難解な台詞回しは予想通り。
面白いな、と思ったのは途中何回か客席を明るくし、
観客を陪審員に見立てていた演出。
そして「裁判記録」として7人の兵士の名前を書いた紙を
当パンと一緒に配っておき、劇中に参照させる演出。
ロシア人の分かりにくい名前を観客に事前に知らせる事により
ヴァホフの証言からイメージを引き出そうとしていたのだろうか。
数少ない効果音の威力が大きかった。
女王の盲景

女王の盲景

空想組曲

シアター風姿花伝(東京都)

2014/01/08 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★

観応えあり
よく作り込まれたシナリオ構成。舞台美術も綺麗で観応えあり。ただ、今作は展開が読めてしまった事もあり、ダダ泣きとまではいかなかった。ラストにぐわっとくるタイプで、じわじわときた『空想』の方が好みに合うという我儘な感想。

ネタバレBOX

ちよっと気になったのは、納得感が少し低いこと。本当にそんな事あるのか?と疑問を感じてしまった。力技でもいいのでその辺りを流れで押さえ込んで欲しかった。自分で無理やり理屈付けしなければならない部分が何箇所があり、そこがクライマックスに影響したかも。

小玉久仁子が良かった。コミカルな部分を担いつつ、実は一番悲劇的な役柄を好演。普通に考えれば一番悲惨なのは彼女。シナリオの力点がもう少し彼女にも傾いていたらもっと素晴らしいものを観られたのではないかと思うほど。

最後の暗転下での演出は吃驚。何度か近いものは体験していたが、演出効果として確り体感出来たのは初めてかも。強弱も絶妙にコントロールされてた。あれはやっぱり場当たりからいろいろと工夫と調整をしたんだろうなと感心。
「日」本ヘラヘラなぐさめあい in flont of ロボット・演技性人格障害・紗羅薔遺兎子の聖聖瞬(DQN or 中二 mixmax)→ていうかそれすらどーでもいいから神待ちhapppppppppy!!!!!!!!!

「日」本ヘラヘラなぐさめあい in flont of ロボット・演技性人格障害・紗羅薔遺兎子の聖聖瞬(DQN or 中二 mixmax)→ていうかそれすらどーでもいいから神待ちhapppppppppy!!!!!!!!!

宗教劇団ピャー! !

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/01/16 (木) ~ 2014/01/20 (月)公演終了

満足度★★★★

良いんじゃない

観客を見ると、退屈にしている人と割と楽しめてる人に二分されていた気もする。

自分はどちらかというと割と楽しめていた気が。

1月は、青☆組とか、異常に完成度の高い作品もあったりするんだけど、
個人的には先週の「しようよ」や「レクティル座」あたりからの
王子小劇場の荒削り路線が自分には好感が持てる気がする。

20代の作家は今のうちに見苦しい作品を量産して、
10年後に最高にエッジな作品に到達してほしいといつも思う。

ピャーが10年後にどうなるかはさっぱりわからないけれど、
いつか確変するかもという予感は前回もした気がする。

もうちょい色んなテクニックを多用して、
脚本を2~3か月前にあげておけばもっともっと何とかなるかも。

というか、以前に作った作品群のリミックスして、
あと巨大ロボット?でも置いておけば結構いい作品が作れるかも。

一個一個の作りこみがあとちょいだっただけに、
全体としてちょっと落ちた感がするけど、
意外とひとつひとつをどうにかすればブレイクスルーはじき行くかもしれない。

村川拓也氏やムルエなんかのテクニックなんかを分析して吸収すれば、
こういう題材も凄く見やすくなると思うんだけど・・。

二人のロミオと、二人のジュリエット

二人のロミオと、二人のジュリエット

トウキョウ演劇倶楽部(活動終了)

ザ☆キッチンNAKANO(東京都)

2014/01/17 (金) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★

豊饒と貧困
 ご存じシェイクスピアのロミ・ジュリだが、シェイクスピアの作品内へ現代の若者が入り込んで、ロミオ、ジュリエットと出会い、彼らと関わることで成長を遂げる物語だ。が、シェイクスピア翻訳部分でのダイアローグの煌めき・ボキャブラリーの豊穣に対し、現代の若者達の語りに見られる発想の乏しさ、ボキャブラリーの貧困が、際立つ。恐らく、それは、実際、プアな会話なのであって対話になっていないのだろうし、ボキャブラリーやイマジネイションの深刻な迄の枯渇もその通りなのだろうが、その点をもっと批評的演出で強調して欲しかった。
 発声に関しては、悪くは無いが、未だ身体の深さについての認識は甘いと言わざるを得ない、と終演後役者の一人と話して感じた。何と風姿花伝も知らないのだ! 演劇に関係している人間が、20歳を越えて基本中の基本を記した本も読んだことが無いばかりか、知りもしないのだ。驚く以外に何ができよう。
 アフタートークでも多くの出演者が読む、というレベルで朗読を語っていたことは、矢張り残念だ。身体パフォーマンスが伴わないということをタメの訓練として用いれば良いものを。この辺り、スターシステムの中に在る何らかのメソッドを学んだだけで金科玉条としているのかも知れぬが、それでは、大成できないことが明らかである。
 ジュリエット役だけが、内面からの表現の意味する所を意識していたように思う。彼女は星4つ。他の役者は3つ。トータル3つである。

MOMO

MOMO

STUDIO D2

萬劇場(東京都)

2014/01/16 (木) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★

ダンスミュージカル
無駄な時間って何だろう。

ネタバレBOX

普通に働いている人たちが人生に満足できないのは、日々の仕事に忙殺されて、やりたかったことができないと思い込んでいるからなのでしょうか。

人々は目的を達成するために無駄な時間を省いて灰色の男たちに時間を預けますが、後で返してくれるとも思えず、灰色の男たちにゆとりの時間を盗まれるだけのようでした。

灰色の男たちは、個人個人からちまちま奪うのが面倒くさくなり、時間を管理する神様から丸ごと奪おうとしますが、それをMOMOが防ぎ、人々はゆとりを取り戻すという話。

亀のカシオペアは、甲羅にもう少し厚みがあれば良かったとは思いましたが、殊の他亀に似ていて驚きました。

無駄な時間の一つに、どうせ大成もしないのにダンスと歌のレッスンをしているというのがあって、D2自虐ネタには笑ってしまいました。
 燕のいる駅

燕のいる駅

Theatre Polyphonic

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/01/14 (火) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★

【A CAST】観劇
土田さんの1997年初演版を観ることができました。

ネタバレBOX

環境汚染が進み、外国人排斥政策が施行されている日本人社会の世界を、断片的な情報から推測してみる話。

日本村4番から外には出られない。線路沿いに歩けば出られるのかもしれない。パンダ型の雲が大きくなると人間は生きていられないらしい。居住が許された外国人にはバッジ装着が強制されていて、赤色の方が緑色より序列が上。

日本人社会ですが、そもそも日本列島にあるのかさえ確証が持てません。原発事故による空気汚染を防ぐために、日本村ごとに透明のドームで覆われているように想像していましたが、病気の進行が早いので、村ごとに壁で仕切られているような気がしました。

でも、そんなに急にみんな耳が聞こえなくなってしまったっけ。そんなに死が迫っていたっけ。もっと漠然としていなかったっけ。駅員のようにもっとのんびりと不安や滅亡が進行するんじゃなかったっけ。そもそも、漫才師なんていたっけ、巨大なミミズはいなかったっけ、と思っていましたが、今回のが1997年初演版ということで、観ることができて感激です。

ところで、発表会的要素が強いので仕方ないのかもしれませんが、15分のアフターアクトの『侵入者』(脚本:宇野イサム)も含めて全体に一生懸命感が出過ぎていたように感じられました。小栗剛さんが出演されていたのは驚きでした。当日パンフレットで知りました。

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