
パラダイス・モーテル
阿部一徳のちょっといい話してあげる
MAREBITO(東京都)
2014/02/14 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
マレビトという希有な空間で…
この茅場町のマレビトという場所。確か看板らしい看板もなく最初来た時は、ほんとに此処なのかと何度も番地を確認しましたっけ。普段はリビングギャラリー&スペースと銘打ち 様々な古道具を展示(すべて、売り物)、雑誌の撮影にも使われる場所なのだそうで、しかもエレベーター無しの徒歩5階… と、なんだか愚痴っているわけではなく、大好きな場所、なのである。
この阿部一徳氏による一人芝居、初見。マレビトの 様々な顔の椅子、ソファーが 絶妙な間隔で置かれ、すなわち舞台装置 イコール マレビト。我々はどの椅子に座ってもどんな姿勢でもよく、その統制のなさ、自由さが実に心愉しい。待ちの間にアナウンスもないから気持ちをざわつかせる必要もない。
さて 唐突に 阿部一徳氏(構成・脚色・演出・演者)と 寺田英一氏(音楽・演奏)の登場。そういえば…みたいなゆるいおしゃべりのあと(今思うと、これが舞台前のチューニングのような役割を果たしていたと思う。このいかにもお肉大好きです!みたいな風貌の阿部一徳氏、我々に「筋を追うより、私を信じてイノセントに」とメッセージ。
一人芝居というより一人がたり、焚き火を前に村長(おさ)の話を聴いている気分にもなり もちろん筋など追いきれないが、長の語りの魔法、イメージが色が匂い臭いが拡がってくる、それが見えない霧のように場を覆い、そこにシテ・ワキの阿吽のタイミングで寺田英一氏の音が加わる、、いや加わるというより長の語りの一部となっている。
最初 私は 座禅のように 半眼にして、長の語りが次第にイメージとなってたゆたってくる感じを楽しんでいたが、次第に話の人物が長に憑依してくるのを見、何度も時間が止まった。
夢うつつ、催眠術にかかってしまった。宴が終わって…目覚め、やっと拍手(笑)。不思議な体験。

ダークナイトライジング
カプセル兵団
ワーサルシアター(東京都)
2014/02/13 (木) ~ 2014/02/18 (火)公演終了
満足度★★★★
隊長
黒づくめの男ばかりでくり広げるマジで可笑しな会話劇第二弾。
第一弾はヒーローたちによる悲哀に満ちた日常だったそうだが
今度は怪人たち、つまり悪役の悪役による悪役のための“歴史と論理と愚痴”大会。
“世界の警察”アメリカを揶揄しながら特撮ものの歴史を紐解く辺り
吉久氏の脚本はさすがのうんちく。
途中日替わりゲストが出て来てからは、怒涛のユルイ展開に笑ってしまった。

し き
fabricant fin
カフェ+ギャラリー can tutku(大阪府)
2014/02/14 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★
いなくなる
坦々としていて、でも気は逸らせず、そしてじわじわ来るお話でした。
一期一会とかそういう感じではなく、何かこう感情的にうわぁっとくるような。
年齢のせいもあるのかな、主人公に感情移入するところも多かったです。
自分が「いなくなる」って、自分ではどういうことかわからなくて、
だから、もうどっしょもない気持ちになりますね(^^;。

Rと無重力のうねりで
マームとジプシー
横浜にぎわい座・のげシャーレ(神奈川県)
2014/02/10 (月) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
マスターベーション演劇?!
マームとジプシー初見です。
正直言って、技巧に走ったわかりにくい演劇が作りたいだけ。
という感じでした。
他劇団でも見られる繰り返しの技法が
取り入れられているのはまだいいのですが、
失敗している感あり。
1時間半という短い時間なのに
途中で飽きて帰りたくなりました。
最後にはなんとか無理やりまとめた感じだったけれど。

荒野の家
水素74%
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/02/07 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

宴、疑う、唄方の
とりにく
ザ・ポケット(東京都)
2014/02/14 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★
和風ファンタジー
初めの演出、鳥肌がたちました。もちろんいい意味で。すぐにお話に引きこまれました。衣装も華やかでそれぞれ特徴があり、そこもまたすごいなと思いました。殺陣かっこよかった…!

「売春捜査官」「熱海殺人事件〜友よ、いま君は風に吹かれて」
★☆北区AKT STAGE
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2014/02/12 (水) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★
OI
本日、OとIの二本を観劇。Iの売春捜査官、劇団員の木村、水鳥はさておき、研究生二年目の徳永、大山役の栗林の演技が、素晴らしい。
こんかいの卒業公演は全部で六本みたが、お手本のR以外では最も良い出来上がりであったと思う。劇団員昇格者の発表が待ち遠しい。

「売春捜査官」「熱海殺人事件〜友よ、いま君は風に吹かれて」
★☆北区AKT STAGE
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2014/02/12 (水) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

ダークナイトライジング
カプセル兵団
ワーサルシアター(東京都)
2014/02/13 (木) ~ 2014/02/18 (火)公演終了
満足度★★★★★
さすがカプセル兵団。
特撮好きなら大満足、特撮はよくわからんという方々も楽しめる作品では?
「怪人たちの会話」に隠された何かを感じとる面白さがいいなぁと思っております。
もちろん、笑いもあり。
肩肘張らず見られる良い舞台でした。

ブラック西遊記~ステッピン・イントゥ・ユア・ダークサイド・ワールド
X-QUEST
インディペンデントシアターOji(東京都)
2014/02/05 (水) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
天竺へ!
初日含め、3回観ました。
DVDでは拝見したことがあったのですが、生で観るのは初でした。
とにかくあつい! 殺陣、ダンスがかっこいい! そして笑と涙も忘れない!
会場をめいいっぱい使っているので役者の距離が近く、迫力満点。とても興奮しました。
東西南北、どの席から観ても楽しめます。
(お目当ての役者さんにもよりますが)
初日北東側の席に座ったのですが、足の短い私は地面に足がつかず…疲れるかな。と思いましたが、そんなことも忘れて楽しめました。(でも次来たら座席の高さ低くなったみたいでした。)
2回目観にいったときは、殺陣のスピードもアップしており、ダンスや演技も安定していたように感じました。
今回の公演後、恒例となってた撮影タイムに加え、3回目がちょうどバレンタインデー当日で、バレンタインデースペシャルプレゼントとして、クエストメンバーと写真が撮れるというファンサービスも。
まさかこんなにリピートしたいと思える舞台に出会えるとは…。
長い公演期間で、ふと役者さんの疲れが見える時もありましたがどうか最後まで無事に天竺へたどり着けますように!

Psyborg papa
W.Strudel
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2014/01/31 (金) ~ 2014/02/02 (日)公演終了
満足度★★
いろいろな愛情
いろいろ過ぎてどれかに焦点を絞った方が良かったのになと思いました。
場面が変わる度の暗転で舞台上から誰もいなくなる時間が長く感じられました。

FLY ME TO THE DREAM 〜夢の欠片の向こう側〜
Succeed Project
六行会ホール(東京都)
2014/01/24 (金) ~ 2014/01/26 (日)公演終了
観客熱狂で呼び出される『マンマミーア!』の「リピート回数」
千秋楽の回、既にカーテンコールは4度目であった。
熱気に沸き立つ観客。
どこで入手したらやペンライトを握り、前方は総スタンディングオベーション。
「せ〜の……ありがとうございました!」と、頭を下げていたのが主演・渡辺 瞳だ。
舞台通M氏は苦言を呈す。
「前列に座るリピーター客が求めているのは一種のトーク。
ミュージカル養成所が母体だから、友人、保護者が大挙して集まったはず。笑顔をみせ、手を振って、幕が降りたら“はい、おしまい”だと、日頃から支えてる分、不満が残るでしょう」
老舗『ミュージカル座』が定期的に公演場所に選ぶ「六行会ホール」。
「Succeed Project」の本公演『FLY ME TO THE DREAM ~夢の欠片の向こう側~ 』 は、まるで同座を含む先達ミュージカル劇団へのリスペクトだった。
使用したミュージカル楽曲は『ミュージカル赤毛のアン』『レ・ミゼラブル』『マンマミーア!』などなど。
全寮制ミュージカル専門学校生徒に扮したキャスト陣が、忠実に唄って踊る。
「物語は ありきたり。男性インストラクターとの恋模様は、20代に向かって投げた球かな」
赤ふんどしを締めたイケメンの生尻を、渡辺 瞳がビシビシ叩く衝撃場面も。
「女子高校生は美術教師(役)の尻を叩かないでしょ。
笑い声が少なかったのが気になる。
女性客は引いちゃった」
「劇団スタッフにも疑問を持ってるんです。遅れた客へ『視界の妨げにならないよう頭を低くしてください』と要求するのはいい。ただし、なかには“四つん這い”で這っていく若い客も。
『そこまでしろ!』とは言ってないけど、真面目な人は結構いますからね」
挿入歌を聴けば、あの頃のミュージカル映画が思い浮かぶ。
カップルで鑑賞していた観客も、一人で録画再生した観客も。
むしろ、「偉大なミュージカル」を 紹介するダイジェスト版のようだが、残念ながらオリジナル・ミュージカルは記憶に残らなかった。

幸福レコード
Bobjack Theater
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2014/02/06 (木) ~ 2014/02/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
石川が演じるラストシーンはヤバイ
この脚本は以前にも上演された舞台だが、舞台は演出と役者によって出来栄えも味も変わるのだろう。
Aチームの主役は石川。彼は影のある、シニカルな役柄を淡々と演じている。
ある瞬間から感情を徐々に表に出し始め、ラストは爆発する。そのギャップを演じきった。故に最後は泣けるのだ。

Nuages
86B210
Art Space 呼応 co-oh(東京都)
2014/02/08 (土) ~ 2014/02/15 (土)公演終了
満足度★★★★★
無題1000(14-039)
15:00の回(やや曇り、所々青空)。14:15会場着、路面には雪の山々、14:30受付(ドリンクチケットあり)、開場。桟敷、ベンチシート席。何もない舞台、コンクリートむき出し、上手は黒い壁になっていて、入口横は鏡。15:05開演〜15:50終演。お二人の公演、この会場も初めて。ずいぶん前、チラシを手にし、気になっていた公演。雰囲気は「サイト」にある写真そのもの。白いサラシを巻いたような衣装、舞台奥の床にあるのは白い砂のようなもの…?無音、デジタル音、クラシック、ヴォーカル曲。手に持ったライトが自身の影を形作り、天井にあるミラーボールからはたくさんの星が降ってくる。無機的、未来的な表情と動き。嵐のような音や蝉の声、四ツ谷駅のアナウンス。生命を喪った(今を投影した)、不安に満ちた未来世界を提示しているように見えました。薄暗い照明の中、均整のとれた身体、二人のパフォーマンス。最寄り駅からでは列車運休で移動できないのでキャンセルしようかと思ったのですが、来てよかったです。

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青春事情
ザ・ポケット(東京都)
2014/02/05 (水) ~ 2014/02/11 (火)公演終了
満足度★★★★
いい味わいでした。
面白く観ることができて好きな内容だったんですが
ちょっと10年間不在という設定は長すぎたように思いました。
関連するあれこれがいろいろ気になってきてしまうというか。
他にも細かい点は気になったりしたんですが(受験にこれから向かうとしたらいま何時よ、とか)。
チラシだと義兄が主役かなという感じだったので
彼目線の描き方でも観てみたかったです。
もっとこじんまりたお店だと思うので
作品に対して劇場が広かったかなーという気もしました。
が、登場人物みんな幸せになってほしいなーと思える作品でした。

ブラック西遊記~ステッピン・イントゥ・ユア・ダークサイド・ワールド
X-QUEST
インディペンデントシアターOji(東京都)
2014/02/05 (水) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

案山子
トム・プロジェクト
本多劇場(東京都)
2014/02/07 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★
嘘と生活者へのアンビヴァレンス(追記あり)
東憲司氏の作品には、時代状況への問いかけが常にあるため、
そのような部分で期待が裏切られることはない。
必ず何かしら受け取ることができる。
だが、今作は芝居自体としては惹き込まれなかった。

二重ノ裁ク者
DAZZLE
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2014/02/14 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
大勢の人に観て欲しい作品。
公演中なので内容には触れませんが、好きとか嫌いとか、ダンスを知ってるとか知らないとかを
完全に超越した、人間の放つ煌めきをバシバシ感じる「凄い」作品でした。
まだDAZZLEを知らない人がいるのは勿体無い。是非、大勢の人に観て頂きたい作品です。

し き
fabricant fin
カフェ+ギャラリー can tutku(大阪府)
2014/02/14 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
生前葬
過去を振り返り未来を見つめ直す。大切なことだなあと再認識。切ないお話の中に微笑ましい場面が織り込まれ癒されたひととき。色々色々ありがとうって伝えたい。
【16日17:00追加公演決定!!】かあいい日本~ごどーちゃんの居る77の風景~
鮭スペアレ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2014/02/11 (火) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題999(14-038)
20:30の回(雪)。19:20、3階着(3階は初めて)、受付(整理番号券あり)。会場内では写真の展示とDVD映像。19:36プレトークイベント(中込遊里×西尾佳織(鳥公園)×塚田史子)~20:15。4階へ移動。椅子席に座り見回してみます。乱雑ななかに独特の雰囲気が漂っているようで、シタール、太鼓、ギター、アコーデオン、トライアングル、鈴...など音を出すものがいたるところに。天井にはビニール製縄跳び~21:44終演。こちらは初めてで、劇団名は知っていましたが鮭(料理)のスペシャルアレンジという意味かななんて思っていました。トークに来ていらした西尾さんの鳥公園は「女生徒(2011/4@神楽坂フラスコ)」を観ましたがやはり太宰はダメだったのでした(すみません)。
帰宅後、ネットをみると生演奏、俳優のセリフにも音楽の響き、「俳優」・「ウタイ」・「楽団」による構成という説明やYouTubeの映像。
プレトークで「ゴドー」についてのお話がありました。もちろん「ゴドー」は観たことがなくこれからも観ないと思っているのですが、お話にもあったように「ゴドーを待ちながらを待ちながら」(トツゲキ倶楽部(2013/10)で大雑把な内容を知っている程度です。
始まるまでは「生演奏」付の「お芝居」なのかなと思っていましたが、その程度の想像など遥かに超える内容でした。初めてなので、「様式」を咀嚼すること、独特の節回しによるセリフ(発声)をつかむこと、いろいろな音が会場を駆け巡ること、衣装(頭に乗せた松の盆栽。能は「道成寺」を2回@国立能楽堂、みただけです)や化粧のこと、など多くの素材と表現が迫り来るのでした。
「d’UOMO ex machina」の公演も発声が独特で聞き取れるのは半分くらい、即興性のある動きなどこちらの公演と通ずるものがあるのかなと感じました。
ダンサーの片ひとみさんは「ダンス花vol.19(2013/9@セッションハウス)」、The Bambiest「TRACE」で観ていました。