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毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」

毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」

鵺的(ぬえてき)

小劇場 楽園(東京都)

2014/06/12 (木) ~ 2014/06/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

Bプログラム『昭和十一年五月十八日の犯罪』観劇
ハマカワフミエさん、キリッとしていて素敵でした!

ネタバレBOX

ずーっと鎮座まします阿部定。いい設定でした。捕まってすぐの取調室における僅かな時間の話。

阿部定事件とは、心底惚れた男との隠遁中に金が尽き、現実世界に戻るのが鬱陶しくなったことと、首を絞めて快楽を楽しむプレイが盛り上がり過ぎたことが重なって死に至らしめた事件性のある事故であるとともに、男を忘れがたく身と残り香を持ち去ろうとした死体損壊、下着窃盗事件であったということが良く分かりました。

ハマカワフミエさんのスムーズな着付けは眼を見張るものでした。彼女の女優力は大したものです。

ウィキペディアで定本人と警察関係者の写真を見たとき、なぜみんなが笑っているのかと不思議に思いましたが、そんな写真から彼女をヒロインに仕立て上げることにより226事件など他の重大事件から世間の目を外らそうとする内務省の陰謀だったとする発想が生まれてくるとは、虚か実かは分かりませんが、素晴らしいことだと感服しました。

椎茸とお刺身の件は何のことかと思いましたが、ググって分かりました。便利な時代ですね。
#16  Requiem

#16 Requiem

進戯団 夢命クラシックス

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/06/18 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

はやり!
世界観が好きです!

今回は、哀しいのだけれど・・・ちゃんと、笑える所もあるので、どんよりしないです♪

衣装も、アレンジが素敵な和装で、素敵でした!それぞれキャラクターに合った色も!

アクションも、間違いなく、殺陣もかっこよかったです!

ダンス!始まる前に、みんな笑える~♪と、言ってた意味がわかりました!可愛らしくて、楽しいダンスです♪

からの~利休さまは、美味しいなぁ~!!!

市への愛あふれる長政さまに、泣かされました~!

「Lullaby」観た人は、繋がった!!!と、思えて楽しいし、これを見て、「Lullaby」を観ても楽しめると思います!!!

パダラマ・ジュグラマ終演いたしました!総動員3672人。ありがとうございました!

パダラマ・ジュグラマ終演いたしました!総動員3672人。ありがとうございました!

おぼんろ

ワーサルシアター(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★

不思議な!
空間と・・・始まりでした・・・!

ストーリーは、切なく・・・とても哀しくなるお話でした・・・

でも、明るくて、可愛いいキャラクターに、希望を一緒に感じたりと、一体感のある空間でした♪

また・・・体感に行きたいと思いました!!!

ベニクラゲマン〜実験都市マーベラスの逆襲〜

ベニクラゲマン〜実験都市マーベラスの逆襲〜

X-QUEST

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

パワーのある劇団からパワーをもらえます!
前作の「ブラック西遊記」で初めて知った劇団です。
高速で繰り出される殺陣とダンスが、物語をぐんぐん引っ張ります!
ちょっと難しい設定やセリフがあるので、セリフだけでストーリーをあまりにも一生懸命追おうとすると…あっという間においてけぼり(笑)
ここの作品は良い意味で「考えるな、感じろ」という言葉がぴったりです!

目と耳と、あと皮膚(笑)から受ける刺激が強すぎて、終演直後には椅子からなかなか立ち上がれませんでした。痺れたような解放感のような…とても不思議な感覚です。セクシードロシー様に刺されちゃったかな?(笑)

とにかく、すごいです。
次回作が楽しみだ~♪+゜

グローバル・ベイビー・ファクトリー Global Baby Factory

グローバル・ベイビー・ファクトリー Global Baby Factory

劇団印象-indian elephant-

調布市せんがわ劇場(東京都)

2014/03/26 (水) ~ 2014/03/30 (日)公演終了

満足度★★★

社会問題の多面性に挑む真面目さ
 インドでの代理母出産をめぐるさまざまな問題点、当事者たちの葛藤を描いた佳作。インドのクリニックに取材したというだけあって、代理母たちの生活、特に帝王切開をめぐるやりとりには痛いほどのリアリティを感じました。
 先進国と途上国の関係の複雑さはもちろんですが、この物語の起点にある晩婚・晩産、不妊といった問題もまた、決して当事者本人だけの責任に落とし込まれるべきでない、非常に複雑な背景を持っているものです。さまざまな視点をテンポよく交えて物語を進める本作には、一面的な善/悪を作らない工夫が凝らされているとも感じました。もちろん、そのことによって、多少、典型的な人物造形をせざるを得なかった部分も、ドラマとしての盛り上がりを作りづらかった面もあるかもしれません。しかし、社会問題への取り組み方としては、誠実ですし、だからこそ、「正しさの主張」を感じることもなく、違和感なく観ることができました。
 それにしてもなぜ、若い男性がこの問題をとりあげるに至ったのか。そのモチベーションはどこにあったのでしょう。観劇後、ふと疑問に感じたのも事実です。ラストシーンでは、待望の子どもを得た女性が、これまでとは異なる日常に戸惑う姿が描かれます。なんだか皮肉なこの結末は、問題の複雑さを表現してもいるのですが、ここにもう少し、「社会の問題」としてこの課題に取り組んだ、モチベーションが見えても良かったなと思いました。

演劇計画Ⅱ-戯曲創作- Read in Progress vol.4 柳沼昭徳

演劇計画Ⅱ-戯曲創作- Read in Progress vol.4 柳沼昭徳

京都芸術センター

京都芸術センター(京都府)

2014/06/24 (火) ~ 2014/06/24 (火)公演終了

満足度★★★★

☆★山崎彬さん(悪い芝居)の回★☆
今回は「二幕の悲劇」というテーマをもとにした戯曲を

山崎彬さん(悪い芝居)が書き上げて俳優による朗読会

セットもない和室での朗読会は何か新鮮!


出演者は橋爪未萠里さん(劇団赤鬼)

池川貴清さん(悪い芝居)

大塚宣幸さん(大阪バンガー帝国)

北岸純生さん(悪い芝居)

そして山崎さん!


朗読と言っても感情を込めて読んでいるのを

至近距離で観ているで熱量が伝わってきます!


山崎さんの言葉の強さと会話の面白さもあって

話しに惹きこまれ続きがもっと観たくなる戯曲♪


それにしてもいつもは舞台上でしか観れない役者さんが

同じ座敷での朗読会はちょっと贅沢な時間♪

その後はゲストの岩松了さんを交えてのアフタートークも興味深かった

たまにはこんな時間もいいですね♪

パプリカな夜に 〜逃亡者の館〜

パプリカな夜に 〜逃亡者の館〜

K2WALKプロジェクト

六行会ホール(東京都)

2014/06/17 (火) ~ 2014/06/21 (土)公演終了

満足度★★

う~ん・・・
なんともちぐはぐで締まりのない舞台。準備不足なのかな。ベテランの役者さんに申し訳ない気がしました。セクシーなお姉さんを間近に見れただけでいいとしますか。

ベニクラゲマン〜実験都市マーベラスの逆襲〜

ベニクラゲマン〜実験都市マーベラスの逆襲〜

X-QUEST

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

定着
私の一番のお気に入りの劇団。ステージ・演出・衣装・殺陣にダンス、どれをとっても、ここならではの味と迫力がある。トクナガワールドはなかなか難解ではあるが、そういうことを考えずとも、充分楽しめるエンターティメント!!この世界に定着し始めた人類も多いようだ。つわもののレギュラー陣に臆することなく、のびのびと愛らしかったエリザベス・マリー!!こちらもなかなかのつわもの!!彼女もできれば定着して欲しいものだ。

迷迷Q

迷迷Q

Q

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/04/24 (木) ~ 2014/05/01 (木)公演終了

満足度★★★

ポップ、グロテスク、キッチュ……その先にあるのは?
 動物や生命、性に対するフラットな視点と禁忌に踏み込む大胆さで異彩を放つQ。そのグロテスクかつキッチュな魅力が、今回はやや自家中毒的に見えてしまいました。母子の語りの中に織り込まれた、あられもなく、多面的なセックスや生殖のアレコレ、そこに横たわる違和感が、それ自体の面白さ、珍しさから抜け出し、外の世界(社会/他人)に開かれていく回路をもっと明確に掴みたかったと思います。たとえば、混血の女の子「バッファローガール」にはその可能性を感じたりもしたのですが……。とはいえ、これだけ悪趣味とも言えるアイテムを、時にはグルービーに、ポップに料理してしまう手腕には、眩しいものを感じています。

#16  Requiem

#16 Requiem

進戯団 夢命クラシックス

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/06/18 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★

アクションたっぷり!
初日観劇。
入り口向かって右側が入場列、左側が物販列でした。物販は開演20分前でもそれほど並んでおらず、サクサク買える印象でした。

冷房がそれなりに効いてるので、冷えるのが苦手な方はストールなど持参すると安心。冷え方は座席位置によるかもしれませんが。
お手洗いは1階と2階にあるので、下が混んでたらさっさと上がりましょう。
椅子の座面がクッションほぼゼロなので、2時間半はしんどかったです。

大谷吉継のファンがいたら泣きながら歓喜するんじゃっていうくらい大活躍で。
一番ずるかったのは間違いなく千利休ですけども!大穴すぎる!
玉城裕規さん目的でチケ取ったのに、結局アクションとキャラもえで楽しんでしまいました。

進戯団夢命クラシックスを劇場で見るのは#12「花音~Canon~」以来2度目。
その際に#8「Equal」、#9「雅貴とクダンの奇妙な夜」を購入したので、作品としては4作品目でした。
「Equal」には花組芝居の美斉津恵友さんがちらっと客演してて、「雅貴とクダンの奇妙な夜」は同じく二瓶拓也さんが主演なんだけど、雅クダDVDは見た感じ物販に並んでなかったなー。見て欲しいのになー!

ネタバレBOX

客入れにてこずって開演押しまくって、終演時刻は21:50でした。19:00には大多数が着席していたので、約3時間の長丁場はお疲れ様としか……。

遅れてきたお客さんを案内するスタッフが、客席に入ってから「前がいいか後ろがいいか」と遅れ客に聞いてて、開演中の会場内でスタッフが喋るなんて…と、すごく気になりました。ドアを開ける前に聞けば問題なかったのでは。
3 crock

3 crock

演劇集団 砂地

吉祥寺シアター(東京都)

2014/05/09 (金) ~ 2014/05/12 (月)公演終了

満足度★★

古典←→現代劇。そのモチベーションとは?
全体に漂う停滞感、殺伐とした空気。吹き消される蝋燭が象徴する命のともしび、そのはかなさ、せつなさ。現代的で洗練された空間設計、演出が印象的でした。ただ、怒号が飛び交う一方で、対話はやや平板に抑えられていたこともあり、三人吉三の複雑な人間関係、ドラマをきっちり把握しきれなかったことには後悔が残りました。この出発点を前半でよりはっきりさせるころができていれば、この物語を現代劇にしたモチベーション、この作品の持つ骨太な魅力もいっそう際立ったのではないでしょうか。やや段取りがかった殺陣も気にかかってしまいました。

怪獣使いの娘たち

怪獣使いの娘たち

味わい堂々×バジリコFバジオ合同公演

駅前劇場(東京都)

2014/06/18 (水) ~ 2014/06/24 (火)公演終了

満足度★★★★

無題1141(14-179)
19:30の回(曇)。18:32受付、ロビー開場、過去作品の人形がたくさんある、整理券なしなのでほとんどのお客さんはここで待つ、人で溢れる(30人くらいか)、18:58開場、パイプ椅子にクッション、BGMは大きめの音量、メルヘン調(緑の大きな葉)の舞台、下手に赤い花弁を拡げた花(人形)。19:28〜19:32、人形(3体)による前説、19:36開演〜21:31終演。

「バジリコ」は「ここは世界の〜(2011/2@OFF OFF)」以来、「味わい堂々」は「タマゴの秘密(2011/11)」…お味見公演。

宮本さん「ライクアプラスチック(2013/7)」、浅野さん「ファニー・ガール(2013/10)」「時々は、水辺の家で(2013/12)」「OLと課長さん(2014/4)」。

濃いキャラクターたちが入り乱れるおとぎの世界。子供のような大人とうんちくさえ語ってしまう子供たち、歌にダンスと早い展開でした。

TERAMACHI

TERAMACHI

Baobab

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2014/05/30 (金) ~ 2014/06/02 (月)公演終了

満足度★★★★

人間の魅力を感じた
ダンス公演というより演劇としても楽しめた。

舞台空間から京都の街が浮かび上がり、何より北尾亘がその街を愛しているのだなということが伝わってきた。随所にセンスを感じ、一人一人のダンサーに魅力を感じた。途中まで観て、北尾亘の振り付けは舞台上でダンサー(あるいは役者)がきらめく瞬間を見たいのだなとわかった。

私は残念ながら京都の寺町に行ったことがないのだが、この公演を通じてとても興味が湧き、実はこの夏、行ってこようと思っている。それを感じさせる力がこの作品には確かにあった。

【無事終演しました】荒川、神キラーチューン【ご来場ありがとうございました!】

【無事終演しました】荒川、神キラーチューン【ご来場ありがとうございました!】

ロ字ック

サンモールスタジオ(東京都)

2014/05/14 (水) ~ 2014/05/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

猛獣使いのように!
 □字ックが公演毎に成長しているのは感じていたが、今回は特に成長を感じた。今までの作品はどちらかというと山田佳奈の思いがあまりにも強く、あまりにも先行しているため、作品が未消化な部分を感じたのだが、今回は見事に仕上がっていた。

 作品からはみ出すような個性的な役者を集め、それらを飼い慣らす様子はまさに山田佳奈は猛獣使いと感じた。その中で小野寺ずるの魅力は際だっている。

 作品からエネルギーがほとばしり、そのエネルギーが直接心に突き刺さるという作品で、久々に観終わった後に放心状態だった。

ベニクラゲマン〜実験都市マーベラスの逆襲〜

ベニクラゲマン〜実験都市マーベラスの逆襲〜

X-QUEST

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しかったです!!!
ダンスもアクションも目の前で繰り広げられる臨場感に圧倒されっぱなしでした。あの空間にいると自分も一員になった気分になります。
4面舞台ということで、違う席から観ると違ったお芝居が観れるのもとても楽しめます!
家に帰っても興奮がさめません!!

ベニクラゲマン〜実験都市マーベラスの逆襲〜

ベニクラゲマン〜実験都市マーベラスの逆襲〜

X-QUEST

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

観ない手なし!!
昨日4回目の観劇してきました
なぜ4回も?それは4回観ても新鮮に観れる作品だから
笑いの要素が非常に多くて劇場内
笑い声が耐えませんよ♪
そして注目なのは殺陣とダンスのシーン
目の前で繰り広がれる殺陣は迫力十分!
ダンスのキレキレのダンスが堪能できます。

朗読劇 四畳半神話大系

朗読劇 四畳半神話大系

演劇ユニット*エンゼルランプ

多目的スタジオ「プロモボックス!」(東京都)

2014/06/17 (火) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★★

夏クソ暑く冬かじかむほど寒い京都盆地の青春グラフティー
 京都の大学3回生の可能であったらやり直したい、をオムニバス形式の朗読劇に仕立てた作品。中退してしまったものの、自分も2回生を終える迄、京都の大学で学生をやっていたので、土地の感覚が非常に懐かしい。
 新歓の際、どのサークルも勧誘の為に、様々な企画を立てて新入生を誘うのが常だが、その中で、主人公の私が興味を持った3つのサークルの其々に入ったとして主に、1、2回生の時代を描いた青春物だ。が、シナリオが可也長く、シチュエイションに重なる部分がある物を3回繰り返すことになると、余程、朗読する側に力量が無いと、観客は退屈してしまう。読み物としては、他の楽しみ方が可能だとは思うが、朗読劇にこういう作品を選ぶのは如何なものか? 著作権の問題があるので、いじれないだろうから、自分なら選ばない。仮に選ばざるを得ない場合、著者と交渉して朗読作品として、面白い物にする為に、もっと、千年以上の都としての歴史を持つ京都を掘り下げる。出町が出てくれば、鞍馬や貴船迄話を飛ばす。そうすれば、樋口のキャラや神の超越性ももっと生きて来よう。このような箇所が他にもたくさんあった。現代の描き方は、まずまず面白い。猫ラーメンの話などもグーだ。残念なのは、演者の年齢が若く、技術も拙いのに、これだけ長時間の物をやらせるというのは、演出に疑問を感じるのも事実だ。脚本を持っているのに噛む。テキストの分量が多いので、じっくり考えて間を取ることが出来ない。無論、科白は、自分のものになっていない。序盤に特にそれが酷かった。観客は、最初の数分で、劇団であれユニットであれ、演ずる者達の力量を量ってしまう。自分の場合は、先ず、十数秒から1分である。それで力が無いと判断すれば、集中できない。今回拝見して、自分のめがねで合格を出せるのは、樋口を演じた谷 伸二氏だけだ。主催の方には、ご自分の好みばかりでなく、演劇そのものの正体を探って頂きたい。

ベニクラゲマン〜実験都市マーベラスの逆襲〜

ベニクラゲマン〜実験都市マーベラスの逆襲〜

X-QUEST

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

アンチエイジング!!
歌あり!殺陣あり!ダンスあり!ギャグに涙に哲学ありの、ありありだらけの超ありな舞台!!観ないなんて、あり得ないwww

氷のほむら

氷のほむら

エーシアター

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/06/14 (土) ~ 2014/06/18 (水)公演終了

満足度★★★★

Bキャストを拝見
 江戸時代、初夏、六月朔日、将軍家に加賀の氷を献上する習わしがあった。その年の将軍の無病息災、幕府の安泰を祈願するという行事である。その為、加賀で冬の間から氷室に収めて安置していた氷を4日間かけて江戸迄運び、将軍に食べて貰うのである。加賀藩の名誉の掛かった重大な行事であるから、当然、運ぶ人間も選りすぐりの脚自慢。報酬も通常の三倍だが、しくじれば仕置きが待っているという厳しいものであった。舞台は四代将軍、家綱の治世である。

ネタバレBOX

  先代の氷見役は、責任感が強く良い仕事をこなし評判も高かったが、他界した。先代に目を掛けられていたにせよ、今年が初仕事になる波戸に従い走る飛脚は、宗次郎に迅助。然し、直前になって伴走の者が来ない。代わりに根性だけはあるが、体の小さい、女のようなへんちくりんな「男」が現れた。実は、先代の氷見役の娘、六花であったが、波戸は目を掛けて貰った人の娘であるから、真実をバラス訳にもゆかない。同行を許し、四人は江戸への旅に出発するが、大奥で権勢を揮う矢島の局は家綱の病弱を案じる余り、過保護の愚に陥って彼らの行く手を阻む計画を練っていた。ところで、彼女がこのような権勢を得たのは、家綱の乳母であったからである。当然、自分の娘、雪も家綱とは同世代、乳兄弟として育っているから、彼への影響力を持ってはいるが、朱子学の支配する時代、雪と雖も母たる局には礼を尽くさねばならない。然し、幼年期を共に過ごした彼女のサジェスチョンは、家綱に幼児の記憶を蘇らせ、彼本来の優しさ、他人を思い遣る心を蘇らせるの功があった。歴史をひも解いてみると、家綱が病弱であったり、若年で将軍職を継ぎ、優秀な家臣のお陰で大人になる迄は散々にフォローして貰ったのは事実である。然し乍ら、暗君であったというわけではない。体は弱いが、決して愚かでは無く、様々な新政策を打ち出している。更に、彼の地位が下の者に与える影響を早いうちから自覚し、気遣いを見せる逸話の残っている所を見れば、逆はあり得ても、一応、彼は優しかったと信じておきたい。将軍職に就いたのが11歳で約30年その職にあり、男子の子はできずに他界した。一方、「左用せい」としか言わなかったとして暗愚と見られることがあるのも一方で事実であるが、これは、生後4カ月で脳膜炎に罹り生死の境をさ迷っていることから言われることであり、今作でも、献上された氷に関する逸話が、それとなく挿入されているのは、この史実を指す。為に局は異様なまでに家綱の身体に気を使ったのである。彼女の犯した愚が愛情から出たことに注意したい。無論、娘の雪も、彼を愛している。それ故に、彼をヴィヴィッドな感性と共に生きさせたいのである。そこには、幼馴染しか知り得ないような微妙な感性の交流があり、男女通常の恋愛感情とは異なるタイプの愛もある。この母子の命を受けた忍びや剣術指南役、加賀忍軍迄が加わっての道中譚。生きることの本質を取り戻した家綱が、氷献上の使者達をねぎらって自ら迎えに行く下りは、感動的である。
緑子の部屋

緑子の部屋

鳥公園

3331 Arts Chiyoda(東京都)

2014/03/26 (水) ~ 2014/03/31 (月)公演終了

満足度★★★★

生理を揺さぶる知的空間
 一枚の絵に書込まれた「視線」のズレを起点に、今はもういない「緑子」の存在/不在が語られます。さまざまな人物、さまざまな側面から語られる「緑子」は、元は学校の教室であった今回の舞台の設計(白い壁に囲まれた空間に裏通路や切り穴、顔を出せる窓などが設置されている)とも相まって、徐々に(不在にも関わらず)その存在感を増していきます。一見、淡々としたテキストの中にも、ドキリとする生々しさが隠されていたり。やや、(空間の)仕掛けが先行した感もありますが、知的な考察と生理を揺さぶる感性を併せ持った、たくさんの可能性を秘めた公演だったと思います。
 美術も現代口語の淡々とした語りも、どこかサラリとして洗練されていますが、特に対話のシーンでは、もうちょっとベタな部分があっても、面白かったかもしれません。

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