ふみきりと桃
meyou
谷町空庭(大阪府)
2014/07/20 (日) ~ 2014/07/22 (火)公演終了
満足度★★★★
おはじき 母と娘
おはじき 窓開ける 横になる 風鈴 洗濯物 服 作る ウール 二日に一度
一つ 二つ三つ 親と子 手の動き 髪を編む 母と女の子の生活の様に見えた 樋口一葉の子供への・・・
手の動き 母と女の子の様 生活の様 なぜ元気 私を縛る
読む、歌う 体を近付けもたれ 離れてもたれない 頼る 頼らない
娘と母の関係 男では無い母との関係
桃を食べる 母と娘 動きは 頼る 頼らない 母娘の生活の様 面白かった
母に欲す
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2014/07/10 (木) ~ 2014/07/29 (火)公演終了
満足度★★★★★
作・演出の三浦大輔さんの、外連味、演劇へのスケベ心の放出
「不在」の「穴」は埋めることができない。
それを抱えて生きるしかない。
ネタバレBOX
銀杏BOYZの峯田和伸さん、田口トモロヲさんの出演に、大友良英さんが音楽を担当、というロックな布陣に、三浦大輔さんの作・演が気になって劇場に足を運んだ。
体たらくな毎日を送っている兄・裕一は、電話にも出ずに母の死を知らなかった。
友人が携帯に残したメッセージで初めてそれを知り、家に帰る。
葬式に長男がいなかったことをなじる弟・隆司。
仕事も手につかないほどに、嘆く父。
しかし、四十九日が過ぎ、父親が女を家に連れて来て、住まわせ始める。
そんなストーリー。
冒頭、むさ苦しく、暑苦しいアパートの一室で、電話の呼び出し音が鳴り響く。
テレビは付けっぱなし。
ベッドには半ケツ出した男が寝ている。
携帯も鳴り始め、ようやく男はゆっくりとベッドから出て、冷蔵庫の水を飲む。
そして、携帯の着信を確かめる。
その間、台詞なしで、電話の呼び出し音、携帯の着信音、付けっぱなしのテレビの音が小さく聞こえているだけ。
ゆっくり起き上がり、夢の中にいるようなスローペースで動く男に観客の視線は集中する。
このシーンは正直、凄いと思った。
「ベッドから男が起き上がる」だけのシーンを延々時間をかけて見せているだけなのに、とてつもない緊張感がある。
観客は固唾を飲んで見ているだけ。
全体のストーリーもそれほど複雑ではない。
しかし、このように、実に丁寧に、登場人物の内面までが見えるように、じっくりと1つひとつを見せていく。
時間があることをとても有意義に使い切っていると思った。
(休憩時間に「最初のシーンを見て、これだから3時間超えるのね」みたいなことを言っていた人がいたが、まさにその通りだと思って、思わず笑ってしまった)
銀杏BOYZのボーカル・峯田和伸さんが演じる兄の姿には既視感があった。
友人の1人に似ているのだ。
姿形ではなく、その佇まいが。
大学を中退して、家には帰らず、好き勝手なことをして過ごし、毎日は自堕落そのものと言える生活を送っている。
自分では理想に目指していると言っているが、それだったら何かしろよ、と周囲の人々は言う。
真面目に働いている弟がいて、弟から時折非難もされるが、兄弟仲はいい、そんな男だ。
私も人のことは言えない兄なのだが……。
私の友人は東北の出身で、方言ではなく、イントネーションの訛りがある。
その独特の一本調子の話し方、人の目を見て話せない様子、目自体がよく見えないボサボサの髪型、まさに劇中の兄と重なる。
劇中の一家の地元は、新潟かそのあたりではないだろうか。
新宿から高速バスで5時間ぐらいと言っていたし、方言というよりは、訛りがある標準語という印象で、どこか都会に近い場所。イオンではなく、でかいイトーヨーカドーがあるような町。
実母が亡くなって、葬儀に来なかった兄を弟はなじるのだが、「この気持ちを共有できるのは兄ちゃんしかいないと思っていた」と吐露するところで、兄と弟の関係が見えてくる。
一方的に非難するだけでない、そういうリアルな肉親の関係が見えて来るところが上手い。
実母が亡くなって、父親が飲み屋にいたらしい女を連れて来る。
もちろん、兄弟は反発をする。
その反発の仕方が、子どものようで笑ってしまう。
怒りがあったとしても、母がいないという現実に、寒々しい隙間風が吹いているような家庭に女性が居るということに、何か安堵を覚えてしまったので、強い口調で反発をしないのだろう。
この感覚がのちの彼らの行動にもつながっていく。
普通に考えて、四十九日が過ぎたからと言って、突然死した妻に代わる女性をいきなり連れてくるということは、あり得ないのだが、そこはストーリー的には譲るしかないので、そう見た。
(母となり得る)「別の女性」(兄の友人が「ニュー母ちゃん」と呼んでいたのには笑ったが)がやってくることで、「母の不在」が急に大きくなり、自分たちと母との「距離感」だったり、「依存感」だったり、「想い」が見えてきてしまう。
生きていたときには、「そこにいることが当たり前」すぎて見えなかったことが見えてきたり、そばにいるからこその面倒臭さなどは、「いなくなって」しまうことで、「甘い思い出」に姿を変えたりしてしまう。
死んでしまった者は何もしないが、残った者がいなくなった者に対しての感情を変化させるのだ。
父、兄弟たちの目には、新しい妻・母の姿は、「失ってしまった妻や母」の姿(いい思い出だけの)にしか見えてこなくなってしまう。
反発していた兄弟が新しい母を受け入れる気持ちになってきたときに、時間差で現れるのが、父の会社の同僚だ。
「それはおかしい」と正論を振りかざし、もちろん、薄々は父も兄弟も感じていて、誰もが口にだなかったことを指摘されてしまう。
正論だから反対はできない。
この、時間差によるショックはなかなか面白い。
全員が頭を殴られた感じではなかったか。
そして、ラストにつながっていく。
行き場を失った「母への想い」が、奇妙に捻れた方向に噴出する。
母の残した留守番電話のメッセージに性的興奮を覚える兄、新しい妻になるはずだった女性らしき女が出ているビデオに興奮する父、そして、それまでは年齢にふさわしい若い女性の格好をしていた弟の恋人は、まるで母のような衣装で現れ、弟はそれを受け入れる。
このラストは、普通に考えてあり得ないと思うのだが、作・演出の三浦大輔さんの、外連味、演劇へのスケベ心として、アリだと思う。
「行き場を失った母への想い」の噴出先は、「あり得ない」ほどの方向しかにないのだから。
父、兄弟たちは、「不在」を胸に抱えながら、次の1歩を踏み出した。
それは今までの生活と変わりがないのだが、確実に「母」の分だけ、「穴」が空いてしまった。
空いてしまった「穴」は何をもっても埋まることはない。
それを抱えて生きるしかない、というラストだ。
兄を演じた銀杏BOYZの峯田和伸さんは、とても存在感があった。
彼の出身は山形らしい。普段どういうしゃべりをしているのかは知らないが、ボソボソとして独特の一本調子の訛りは、リアルだった。
そこは演技ではないのかもしれないが、演技でない姿を見せることができるのは才能だと思う。
ロックなカリスマ性ではなく、等身大さが良かったのだ。
弟の池松壮亮さんもとても良かった。もう少しきつめの訛りと、兄との会話で、兄を慕っているし、信じているという、兄弟関係を、見事に演じて見せてくれた。さりげなくて上手い。
音楽は、大友良英さん。劇中歌だけでなく、客入れのときの音楽もとても良かった。
劇中歌のCDは買ってしまった。
第一幕で歌い、休憩を挟むのだから、つい買ってしまうではないか。
Get a Life(ご来場ありがとうございました!)
613
劇場MOMO(東京都)
2014/07/16 (水) ~ 2014/07/21 (月)公演終了
満足度★★★★
堪能!
臨床心理士が末期がん患者のケアを通して、自身の成長と患者、その家族からの思いを聞き取る…そんな心温まる話である。しかし、死期が迫っている者の心魂に触れることが出来るのか。ケアルームでの会話劇は圧巻で暗涙するだろう。死んでいく者が今さら何を言っても仕方がない。
この当たり前の吐露に対し、臨床心理士はこう言い放つ…。
(ネタバレBOX)
ネタバレBOX
臨床心理士は言う…仕方がない、(死ぬ)順番なんだから。人はいつかは死ぬ、早いか遅いかだ。何て非情な説明だろうか。慰めの言葉でもと思うが、意味のないのは自明なこと。患者の自分より年齢が上の人がいるのに、何故と言う叫びは悲痛だ。
さて、感想の記載としては、前後したが上手いストーリー展開だと思う。後輩の相談に乗れず自殺させてしまったと悩む臨床心理士。その自責の念から勤務していた病院を辞めたが時を経て同病院に再勤務することになる。その仕事の手始めが末期がん患者のケアという設定である。
脚本を書くにあたり、取材を重ねたと思うが、末期がん患者から思いを聞き取るため、あそこまで積極的な姿勢をとるだろうか。どちらかと言えば「傾聴」では…。
今後の公演も期待しております。
マボロシ兄妹
悪い芝居
青山円形劇場(東京都)
2014/07/18 (金) ~ 2014/07/21 (月)公演終了
満足度★★★
マボロシ兄妹
わたしが思う幻は、ずっと見つめているのに、いつのまにか、一人の人間が別人になってなっているようなことです。ですから今回の大勢の役者が演じ分けるスタイルや、キャラクターを固定化してしまう衣装は好みではありませんでした。
「廃墟の鯨」
椿組
花園神社(東京都)
2014/07/12 (土) ~ 2014/07/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
夢と希望の物語
期待以上の良い舞台でした。
野外テント劇場という特性を活かした演出、そして、泥にまみれ、水をかぶっての役者陣の熱演。最前列という特等席だったこともありますが、まさに役者の息遣いも聞こえてくるような、熱気あふれる舞台でした。
マイクを使わない地声の舞台、というだけで、評価が3割増しくらいになってしまいます(笑)。
桟敷童子の東憲司さんの作・演出ということで、程よいアングラ感がありつつも、作品は、「愛と希望を持ち続けることの大切さ」ということが沁みてくる、そんな優しい作品になっています。
久しぶりに、「いい芝居を観たな」、という幸福と、「あぁ、もう見られないんだな」、という寂寞感の両方が味わえる芝居を堪能させていただきました。
ネタバレBOX
ネタバレ、というほどの話でもありませんが、ラスト近くに、群衆がスローモーションになる演出があるのですが、この時、最後列にいる時子役の坂井香奈美さんの演技が、あっぱれです。
芝居の動きで、「身体ができている」、というお手本のようで、地味だけどすばらしい演技でした!
ムシノホシ
大駱駝艦
世田谷パブリックシアター(東京都)
2014/06/26 (木) ~ 2014/06/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
ミクロの視点から広大なマクロへの広がり
「外」にも「内」にもあるマクロ。
大駱駝艦を観はじめて20年以上になると思うが、その間の数々の作品の中にあって、本作『ムシノホシ』は、間違いなく私の中でのベストに入る作品だ。
ネタバレBOX
大駱駝艦の公演では、毎回、驚くことがある。
いつからか、言葉を発したり、台詞を言ったりするようになっていたり、今回のように白塗りではなく、銀色(ゴールデンズの金色ではなく)だったりと、「いつもの」場所に安住することなく、大駱駝艦は、常に変化することに対して貪欲である。
今回、ムシをテーマということで、ストレートに虫を想像させる姿と動きを見せた。
そういうストレートな感じもチャレンジではないだろうか。
誰が観ても「ムシ」なのだ。
前回はウイルスがテーマであったが、こうしたベーシックなもの、微細なもの、がこの世界を形作っているという意識から、この作品は生まれたのだろう。
「この世に生まれ入ったことこそ大いなる才能とする」と言い切る大駱駝艦だからこそ、「生」は大切なテーマであり、その「生」は我々だけで成り立っているのではないということを、思い起こし、それを見せることで、観客に感じ取ってほしかったのだと思う。
「ムシたちは何を考えているのか」と、人間の目線で擬人化してもしょうがない。
「あるがまま」「その姿、形、動きのまま」を踊ることで、見えて来るものもあろう。
踊り手の人たちが、それを身体で感じたことは、観客にも伝わる。
伝わり方はさまざまだ。
しかし、それでいいのだろう。
そしてそれは、具体的な「言葉」になるのではなく、「何だかわからないけど、ムシだ」「ムシが生きている」「ムシが死んでいる」という「そのまま」の姿だけで十分なのだろう。
「言葉」にする必要もない。言葉にするのならば、語ればいいのだから。
踊り手たちの身体によってトレースされたたムシが、観客の身体に入ってくる瞬間がある。
今回の「ムシ」という視点は、ミクロであるが、マクロの世界を背中に背負っている。
マクロを感じさせるのは、村松卓矢さんが芭蕉のような姿で現れ、俳句を詠むところだ。
具体的な個である「ムシ」という生き物、それは単に「サイズ」だけのことではない、そのミクロが形成する「世界」、さらに侘び寂びに代表される広がる「感覚「感情」、それを俳句の世界で表していたのではないだろうか。俳句も17文字というミクロにマクロを表現しているのだから。「マクロをミクロに閉じ込めている」と言ってもいい。
具体的なモノから、「感覚」「感情」という、途方もない広がりへ、だ。
しかし、俳句と同様に、マクロはミクロの外にあるだけではなく、「内」にもあるのだ。
大駱駝艦のヒエラルキーの頂点には、麿赤兒さんがいる。
そして、その下にピラミッドのような関係が築かれている。
舞台の上で、それははっきりとする。
そうしたヒエラルキーはあっても、マクロの視点からは、ムシの麿赤兒さんはミクロの世界であり、マクロの感情に包まれていく。ヒエラルキーなんて関係ない。世界は感覚のサイズだけ広がっていくのだ。
それがまた面白い。
村松卓矢さんが「静」ならば、我妻恵美子さんは「動」である。
ミクロの「ムシ」の世界を包む「静」と、破壊する「動」である。
彼らの存在によって、ぐっと広がりと奥行きが見えた。
最近、村松卓矢さんはこうした設定が多く、もっとアグレッシブに踊ってほしいと思うものの、逆にこうした「立つ」「歩く」だけで、さらに「台詞を言う」というのは、かなりの難度なのではないかとも思っている。「立つ」「歩く」だけで、観客を緊張させるのだから。
一方の我妻恵美子さんは激しい。単に乱暴なのではなく、美しく調和を破壊していく。
ムシを含む、この世界の無慈悲さと、儚さが、この2人の対比によって生まれている。
今回、麿赤兒さんが、激しく動き回り、踊る。
舞台上にいるシーンも多い。
じっと、立ち、腕を少し動かすといったような、「渋い」踊りではない。
一時期は、身体の線が崩れ、動きは大丈夫なのかと、不安に感じたこともあったが、「麿赤兒は健在」であった。
他の踊り手たちと絡み合って、世界を動かしているような踊りだ。
それにはシビれた。
ジェフ・ミルズさんと尺八の土井啓輔さんの音楽も素晴らしく、電気と竹、洋と和の対比から、それが混沌となっていくことで、快感が増幅される。
大駱駝艦を観はじめて20年以上になると思うが、その間の数々の作品の中にあって、本作『ムシノホシ』は、間違いなく、私の中でのベストに入る。
0号 -2014-
ゲキバカ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2014/07/17 (木) ~ 2014/07/21 (月)公演終了
満足度★★★★★
涙腺が緩みました
とても面白かったです。ストーリーは分かり易く想像が付いてしまうのですが、それが良さでもありました。殺陣・ダンス等も盛り沢山でレベルが高く、見入ってしまいました。笑いあり涙あり、そして役者さん達の熱演で、楽しい時間でした。途中から、泣いている観客も多く、それにつられ自分も堪えていた涙が出てきました。気になった事は、序盤で笑いを取る物真似ネタの部分が長く、もう少し短くてもいいかな?と思った所もありました(でも、本当に似ています)。全体としては、観客を楽しませる事に全力を尽くしている舞台で、とても素晴らしかったです!
ちいさなひまわり
ぱぷりか
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2014/07/18 (金) ~ 2014/07/21 (月)公演終了
満足度★★★★
好印象
多少の物足りなさや違和感もありましたが、日常のような非日常のようなちょっと浮遊感のある舞台は好感が持てました。姉役の女優さんの涼しげな感じが印象的。上演時間も1時間程度で、この季節にはいい塩梅でした。
「ウルトラリップス0」
劇団ハンニャーズ
劇団ハンニャーズ月潟稽古場(新潟県)
2014/07/13 (日) ~ 2014/07/21 (月)公演終了
ゼロ
伏線といいましょうか、設定といいましょうか。
上手くまとめ上げるためには話が複雑になりすぎて
スカっと1回の観劇では理解できず。
稽古場劇場化計画により劇場となった会場で、
広くなった舞台、近くなった客席。
(頑張れば)横から滑り込みながら登場できる、(頑張れば)上から飛び降りられる
という舞台構造の説明的公演でもあったのかな。
前作までの女子メインではなく、男子メイン。
そのためツンデレ要素少なめ。残念。
ゼロには何を掛けても0。
でも、移動したのなら、足し算じゃないのか。
何故、掛け算になってしまったのか。ぐるぐる。
時を凍らせるの能力の対象範囲は。何人までなのだろう。ぐるぐる。
新撰組哀歌 -びいどろ揚羽蝶-
劇団 歴史新大陸
座・高円寺2(東京都)
2014/07/18 (金) ~ 2014/07/21 (月)公演終了
満足度★★★
豪快と繊細。
新撰組というと、土方だったり沖田がメインなことが多い気がするけど、組織の道半ばで散っていった芹沢鴨というところが良い。
斎藤の平片手突き、原田の切腹痕、細かく見ていると再現度が高いものがあって好き。殺陣は芹沢さん強すぎませんか、ってくらい扱いが特別なのが腑に落ちなかったが、大衆演劇のような感じとして見ればよいのかもしれない。尺が長いので、新撰組の亀裂や悩みにフォーカスをより欲しいとも思う。市井の面白い人物たちやコメディ色も楽しめ、ラストの終わり方は良い。
第21回王子落語会
王子落語会
インディペンデントシアターOji(東京都)
2014/07/22 (火) ~ 2014/07/22 (火)公演終了
満足度★★★★
ときには
おすすめ
ネタバレBOX
瀧川鯉和 『金明竹』 枕で、雑誌の編集のバイトをしていたときのこと、占いの欄の魚座の箇所に〆鯖を食べると運が上がると書いたところ食中毒が発生。鯉和の占いは当たるというオチが面白し。
金明竹の分かりづらい大阪弁の早口口上はさすが。
桂米紫 『堺飛脚』 関西でこの演目をやれるのは米紫師匠と米朝師匠の二人だけとのこと。今やまともにやれるのは一人だけ云々と。なぜ誰もやらないかというと面白く無いからと。
堺に向かう飛脚を狸が騙そうとする話で、一つ目小僧などを古い古いと馬鹿にされるので最後に海辺で鯛に化けてこれでも古いかと飛脚に一矢報いたか報いなかったか程度のオチが微妙。
-仲入り-
神田京子 『カルメン -かっぽれ-』 最近真打ちに昇格した京子師匠、お祝いの仕方を丁寧に教えてくれました。
オペラ「カルメン」を10分程度の講談にまとめたものとかっぽれ踊りを披露。
瀧川鯉昇 『宿屋の富』 落語の世界に入ったときから力まないというか、頑張らないのがモットーと教えられたとのことで、宿屋に泊まった貧乏旅人が買わされた子一三六五番の富くじに千両が当たった話を飄々と。
Get a Life(ご来場ありがとうございました!)
613
劇場MOMO(東京都)
2014/07/16 (水) ~ 2014/07/21 (月)公演終了
満足度★★★★
生きてくって~。
心理カウンセラーの再帰するお話。
遅くなってしまい伺う。会場案内のスタッフとは意思疎通できず。。。
作品はテンポ良し。各々人物の絡みなどは軽快で見やすかった。後半からの患者の心情は良く伝わってくると思う。
心理学に関しては、大学で専攻していたので結構消化不良。検査の名前は出てきたけど、アプローチの方法とか、ロジャーズなのかユングなのか、傾聴とかもっと込めて欲しかった感じはあります。
演劇だからある程度はご了承なのか、徹底して追求なのか、幅広く客層に理解してもらうにはどれくらい本領域の内容を盛り込んでいくのか。そちらの面でも考えさせられ、勉強になりました。生きていくって大変。
HARVEST
teamオムレット
座・高円寺2(東京都)
2014/07/11 (金) ~ 2014/07/13 (日)公演終了
満足度★★★
女性の歩く道。
初の観劇。座・高円寺なのでシート良し。しかしここまで長時間と知らなかったので少しきつかった。作品のチョイスやテーマ的なもの、流れは面白かったです。
厳しく見ると、下手の前席で現代パートや転換中の劇がほとんど見えませんでした。最前列は潰していいと思います。アンサンブルは活躍してて良いが、衣装と髪が合ってなくて掴みにくかったかな。小道具が落ちた対応とか、途中退席など客のマナーなど、ストーリーの良さがあるゆえ気になる部分も多めだったと思う。生演奏とラストのコーラスはとても素敵だった!女性に活力を与えて欲しいですね。
愛、あるいは哀、それは相。※無事公演終了致しました。ありがとうございました!
TOKYOハンバーグ
サンモールスタジオ(東京都)
2014/07/16 (水) ~ 2014/07/23 (水)公演終了
満足度★★★★
公開ゲネにて。
公開ゲネの方を拝見させてもらいました。コリッチでの知っている方もチラホラ。
再演で要領を掴んでいるからか、ゲネの段階でも完成度は高かったと感じる。物語に設定されている地域には、自身が何度も足を運んでいるので、地元の細かい情報に始まり、舞台美術の精巧さには目が自然と行きます。とても大切なテーマであると思うので、もっと欲深く、情念が込められて欲しいシーンもあった。
本日千秋楽ということで頑張って欲しいです。
「広島に原爆を落とす日」
非シス人-Narcissist-
サンモールスタジオ(東京都)
2014/07/09 (水) ~ 2014/07/13 (日)公演終了
満足度★★★★
力強い作品だった。Bチーム
Bの方を観劇。登場人物やセリフは本家の方で知っていたのですが、作品は初めて伺う。
つか作品に多い見られる、セリフの聞き取りにくさはそこまでなかったです。竹下優子さんの幸薄そうな感じ、かすれた声での熱演は良かった。演出の間天憑さんがいじってて周りが少し困惑しているような感じがあったですかね。劇団HPはアメブロだけでないと良いかもです。ダンスもあり面白かった。
おむすび
劇団サミシガリヤ
シアター711(東京都)
2014/07/17 (木) ~ 2014/07/22 (火)公演終了
満足度★★★★
おむすび
お父さんが死んで家族、親戚が集まってこれからの事を話し合っていました。
最後の方で泣けてしまいました。
愛、あるいは哀、それは相。※無事公演終了致しました。ありがとうございました!
TOKYOハンバーグ
サンモールスタジオ(東京都)
2014/07/16 (水) ~ 2014/07/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
無題1181(14-229)
19:30の回(やや曇)。18:50会場着、で、地階へ下りようと思ったら目の前に受付、ここで受付するのは初めて(開場時間には定位置に戻っていた)で、いつも受付しているのかしていないのかはっきりしないことが多かったので、とても新鮮。
初日はゲネプロでしたので、特に座席誘導はありませんでしたが、今夜はお客様いっぱい、場内誘導している仲村さんはよく通る声で、何よりも一語一語聞き取りやすく、また対応が丁寧で、テキパキと動いていました。
2回目です。座席が舞台に近づいたので多少観難いシーンもありました。下手テーブルに椅子が4脚、手前の2脚の背もたれ部分が役者の顔に被ってしまうのでちょっと残念。
一方では、照屋さんのゲーム中の細やかな視線の動き、光藤さんの握りしめた両手、奥のテーブルに座っての表情、どこをみても自然なものに感じました。
帰ってから確認すると…内藤さんは「実験都市(2011/7@MOMO)」に出ていらしたのですね。G.comはこの作品が初めてでしたので「闘争か〜」は未見です。
観終わって、やはりこの作品は続けなければならず、また成長もしなければ…と強く感じました。また出会えることを楽しみに…
アメリカンバッファロー
北口裕介プロデュース
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2014/07/04 (金) ~ 2014/07/06 (日)公演終了
満足度★★★
☆★男たちのシュールな会話劇★☆
1970年代のシカゴを舞台にした男3人の話
あまり観た事のない何とも独特な雰囲気の会話劇
松木賢一さんがなだぎ武のデュラン風の話し方で熱く語る
それに対してクールに対応する北口裕一さん
そして少年役の迫田萌美さん
あまり観たことのない雰囲気のある3人の役者さん
皆さん上手い演技で魅せてくれるのですが
前半はこの会話の何が面白いのかなぁと思いつつ…(^^;;
後半はこれは真剣に聞く話ではないなぁ~
と思って観てみると
自分勝手な男が熱く語る姿が滑稽に見えて
そんな男たちが熱く語るほど段々と面白くなってくる♪
クソ野郎たちの欲と猜疑心が招いた悲劇⁈ 喜劇⁈
ある意味シュール過ぎる大人の会話劇♪
☆印象に残った役者さん
独特な語り口調だった松木賢三さん
今年の6月からテノヒラサイズに入団されたそうなので楽しみ♪
☆印象的なシーン
後半の松木さんの怒りが頂点に達して
ブン殴り、暴れてモノを蹴散らすシーン
『ハヤブサ』&『動物失格』
ネコ脱出
小劇場 楽園(東京都)
2014/07/16 (水) ~ 2014/07/27 (日)公演終了
満足度★★★
動物失格みました
なかなか怖かったですが、途中途中で息を抜くところもあり、でも最後はやっぱり怖い。
人間の欲、と言うところではとても良く表現されているなと思いました。
SUMMER・end・START
移動する羊
シルクロード舞踏館 http://web.amina-co.jp/silkroad/ (神奈川県)
2014/07/20 (日) ~ 2014/07/21 (月)公演終了
満足度★★★
悪魔と神
2パートに分かれた作品。パート1は朗読色の濃い内面の旅をモチーフとした哲学的妄想作品。パート2は、冒険ファンタジーだ。
1,2で出演者が異なる。
ネタバレBOX
先ずは、1から行こう。妄想収集家を自任する24歳くらいの青年は、小学校4年の時に、特異な少年と仲良くなる。親友と言って良い仲である。彼は、父の仕事の関係で世界中を歩いていた。ある時、6年生の不良グループに絡まれた彼が、あっという間に6年生の腕を捩じ上げ、静かにこういった。「ストリートチルドレンって知ってます? 親の居ない子です。僕はリオでその仲間に入っていました。ギャングですよ。死がいつも周りにあるんです。何でもやりますよ。僕らに手を出さないで下さい」それ以来、このクラスの何人もが遭っていたカツアゲにも会わなくなり、女の子たちからは、勿論、男の子達とも仲良くなった。彼は決していばらなかったし、皆に溶け込んで遊んだので、皆から好かれた。そんな彼は、僕の偏見の無さと自由なイマジネーションが気に入ったようで、僕らは大の仲良しになったのだった。お互いの家にも良く泊まりに行くようになった。ところで、僕の父は、ある時期から僕を殴るようになった。顔こそ殴らないものの、他は体中痣だらけになるほどだった。4年生も終わりに近い頃、彼は言った「僕の体は大丈夫かい?」と「痣だらけなんじゃないの?」と「見えないようにしていたハズなのに、なぜ、そんなことが分かるの?」と訊くと「僕がやらせたからさ」と彼は言った。「君のお父さんが訊いてきたんだ。どんな風に育てれば、君みたいな良い子に育つのか?」って。だから僕は答えた「殴れば、いいんですよ」って。「こんなに早く始めると思わなかったけど」と。「何でそんなこと言ったの?」と訊ねた僕に彼は応えた。「自分の一番大切な物が、壊されてゆく時、僕がどんなことを感じるのか、どんな風になるのか知りたくってね。君は壊れたね。でも君の広いイマジネーションだけは壊れなかった。それはとても美しい。僕は、壊れながらそういう美しさを失わない君が好きだよ」と。この時、僕は悪魔に出会っていたのだろう。彼と別れた後から、僕は、妄想を集め始めたんだ。もう大学ノート20冊以上にもなった。これはもう、一つのクロニクルと言っていい。
こう言う青年には、現在、影のおうに寄り添う女の子がいるのだが、彼女は彼の影、内面の形象化された無いかである。彼は、彼女との対話の中で何故、自分が、妄想を集めてきたか。その答えを得る。それは、未だ未成熟であった彼が、既に大人びた悪魔の攻撃を受けた時に、自らの可能性を様々な時空、つまりパラレルワールドに分散避難させ己に力が出来る迄逃がしたからだというのだ。そして、彼はそれらの断片を集めることで自らを再構築しているのだと。そして、4年生の時分かれた彼が、本当に悪魔であったなら、主人公は神だと暗示されて終わる。
パート2は、不思議の国のアリスの劣化した焼き直しのような作品で、自分には興味が持てなかった。パート1で気に入ったのは、上記の説明部分であるが、物語で男の子を演じた役者? はとても良い声をしているが、いかんせんテキストが長大なので、間をとってじっくり聞かす、という点では不満が残った。もっと話の肝心な部分だけに絞って、朗読らしい深みを加えて欲しい。それから奇しくもの読み方は“キシキモ”ではなく“くしくも”である。
パート1で自分が説明した部分のシナリオは★5つ。読みなどに関しては日本語のまちがいもあるので、★4つ。パート2に関しては★2つ。総合★3つとした。