最新の観てきた!クチコミ一覧

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紅蓮、ふたたび

紅蓮、ふたたび

ACRAFT

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/10/08 (水) ~ 2014/10/19 (日)公演終了

満足度★★★

良くも悪くも・・・
あくまでも私的な印象だが、TV的な作りだなというのが第一印象。
前半30分ぐらいで伏線に関してはほぼ予想できてしまうが、飽きずに楽しめた。
また、前作を拝見していなかったので、観劇前はその点の心配があったのだが、まったく問題なかった。

どの役も埋没することなく、きちんと印象に残ったのは演者の役柄への造詣に寄るものが多いように感じ、これは嬉しいところ。
殺陣やアクロバットは「みせる」ということに意識をおいた感が強い。確かに格好いいのだけど、全体に占める割合も多いため、私のように殺陣好きな人や演者に思い入れのない人にはちょっとお腹いっぱいと感ずるかもしれない。

ネタバレBOX

紅蓮が正当な後継者という裏づけをするだけの殺陣の力量が足りないことも一因にあるが、存在感があまり感じられないのが残念。終演後にほとんどといって印象に残っておらず、主演って桜花?と思うほど。

桜花率いる雷火、雨月、風牙はそれぞれの性格や思いが殺陣にも現れており、互いの関係や連携の良さを随所に感じた。
キズツクキカイ

キズツクキカイ

たすいち

ザムザ阿佐谷(東京都)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

目崎剛おそるべし(笑)
かなりベタでマンガをそのまま立体化して舞台に乗せたような冒頭部分でツカミはオッケー、以降、使役する妖怪たちと同居する陰陽師一家を描いたホームコメディ風味で進みながらも中盤で妖怪というものに関する民俗学的な考察(?)が披露されてからは一転。
民俗学的・歴史的に妖怪は減って行くという説を覆し、新たなファクターから現代にも妖怪が生まれる可能性を(劇中で)実証してみせるとは、目崎剛おそるべし(笑)。
そのあたりからタイトルの意味もワカってきて、身につまされる部分も少なからず。
そんなシリアス寄りの後半にも程よく笑える部分を配してカタくならないのも巧いんだなぁ。
あと、古材を使った会場内装を活かした舞台美術や照明 (コックリさんの時とか)もステキで大いに満足♪

ネタバレBOX

キャラクター設定と演技の相乗効果で人物がそれぞれ生きて(活きて?)いたんだが、中でも中盤での登場以降、物語を締めたサディ嬢、終盤で泣かせるいっちゃん、意外な(?)コメディリリーフが妙にハマっている肉丸さん、のお三方が特に印象的だった。(←「女優ばかりじゃないか!」というツッ込みは黙殺(爆))
鎖と肖像とウサギの夜

鎖と肖像とウサギの夜

FEVER DRAGON NEO

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/10/01 (水) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かったです。
複雑なストーリーだったけど、わかりやすくて物語の世界に没頭できました。個人的に、塩崎こうせいさんが、見たことのないような役柄で、その演技に魅入りました・・・・!

紅蓮、ふたたび

紅蓮、ふたたび

ACRAFT

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/10/08 (水) ~ 2014/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★

久保田ワールドにハマりました☆
久保田さん作品を観たのは、THRee’Sに続いて2作品目です。

今回、殺陣だけのイベント的公演にしても、成り立つ作品だし、
殺陣シーン取っ払って、芝居部分だけにした作品にしても、
小劇場芝居で成り立つ作品じゃん!と思ったり☆

全てのジャンルが、しっかりした形となってた。
それを、「良い(色々あって面白い)」か「悪い(詰め込みすぎ)」かは、
その人の好み次第かなぁ☆

ネタバレBOX

久保田さん2作品観てきて、思ったのは、
名目上、“主役”という存在は、あれど、
登場人物一人一人に、しっかりした背景(バックボーン)があるから、観てくうちに、誰が主役か分からなくなるとこが、面白いと思う。
ただ、登場人物の全てを語るわけじゃないから(語ってたら膨大な上演時間にな りますよねww)、
見終わってから、
「えっ?あの人は、どーなったの?」「で?あの人、なんで、そうなったの?」って、煮え切らないこともあり。
しばらく、作品(登場人物)について、考えてしまうっつうね。

これって、久保田さんワールドならではの策略なのかな??

1459

1459

劇塾!S.W.S

魅殺陣屋スタジオ(大阪府)

2014/10/03 (金) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★

☆★後半になって愉しめたコメディ★☆
8人の男女が織り成すオムニバスコメディ。

第1話「喫茶サイレンス」
第2話「待つ女」
第3話「だぁれだ」
第4話「動くな」
第5話「1459」

はっきり言って最初の2話はコメディとしてのクオリティは低く
失笑は起これど笑いに関しては厳しかった…
見ている方が気恥ずかしくなる程、
舞台上とお客さんには距離があったのではないでしょうか⁈
ストーリーや展開など全体的に雑な様に感じました
細かいところでは喫茶店の出入りするドアの鐘の音など違和感を感じました…

3話目は分かりやすくベタな話ですが
お客さんも雰囲気に慣れたのか笑いも起こり出した♪

4話のファンタジー的で不思議な雰囲気を盛り込んだ
妄想彼女の話は私的には一番面白かった♪
お客さんにもウケていたと思います♪
そして全ての話が繋がってくる5話

前半は何だかなぁ~と思っていたら
後半になって少しずつ愉しめたお芝居♪

御ゑん祭

御ゑん祭

バンダ・ラ・コンチャン

青山円形劇場(東京都)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★★

観て良かった
各団体の特徴が出ていました。ただ、それぞれ20分では個性を出し切るのは難しく、ナカゴーとMrs.fictionsが一点集中でインパクトがありました。

ネタバレBOX

近藤芳正さんに誘われて近藤さんを使うということは主役として使うということ、けだし当然の帰結でしたね。

上演順は書き込みNGということで順不同ですが、ぬいぐるみハンターは好きな人に告白する練習をする中学生の話にUFOが絡む話。盛り上がりに少々欠け、せっかく出ることになった小川菜摘さんの使い方も中途半端で、お祭りだからこんなものかなとも思いましたが、神戸アキコさんがなにげに弾いたピアノが素晴らしく驚いてしまいました。

青✩組は母親よりも先に死ぬ男が彼の人生を走馬灯のように思い出す話でしっとり系でしたが、全体のお祭りとしての賑やかしの中では埋没した感がありました。

ナカゴーは、森に売春婦を買いに来た男がひたすら口裂け女軍団と戦い続ける話。ナカゴーは二回目でしたが、ゴリラみたいな顔の人はすぐに思い出し、松竹新喜劇でしゃししゅしぇしょと言う滑舌の悪い人みたいな人は作演の鎌田順也でした。金づちでひたすら殴り続けるシーンは強烈で、これぞお祭りにふさわしい大バカ騒ぎという感じでした。

半海一晃さんと寺十吾さんが楽屋を訪ねてきた風の箸休め的な時間は、とてもしっとり趣がありました。

Mrs.fictionsは若年性健忘症の話で、健忘症故に夫婦が出会った頃のドキドキ感で告白される妻は、この時だけは嬉しいでしょうね。しんみり、しっとり、いい話でした。相楽樹さんを見るのが目的の本公演。もうすぐ大学に入り家を出ていくことになる娘の、この年代のちょっと汚い言葉遣いも素敵でした。

アフタートークは近藤さんと鈴木浩介さんと半海さん。あの話は全く出ませんでしたが楽しい時間でした。

最初、舞台はぬいぐるみっぽい美術に囲まれフェスティバルといった雰囲気で、始まってもお祭りだからこの程度かなという感じもしましたが、次第に盛り上がり、最終的には観て良かったと思いました。
衝突と分裂、あるいは融合

衝突と分裂、あるいは融合

時間堂

十色庵(東京都)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★★

お見事!
toiroan十色庵にて観劇。十色庵,わかりにくい場所にあるけど,ちんまりしていて役者さんが近い,とても良い空間。土足厳禁のため靴を脱いで入場,舞台?には特別なセットはなく,役者さんたちは楽屋がないのか?舞台上に集合,開演まで各自適当に過ごしている。手前側最前列に着席。奥の背もたれのある椅子の方が良かったか?たまに役者さんと眼が合い,素の状態であるため,ちょっと照れる^^;  芝居の内容については,これはもうお見事としか言いようがない。深いぞこれは。見応えあるし,後にも引く,振り返るたびに考えてしまう。好みの芝居。自分的には絶対おススメの一作。

桜×心中 -再炎-

桜×心中 -再炎-

BLACK★TIGHTS

世界館(大阪府)

2014/10/02 (木) ~ 2014/10/10 (金)公演終了

満足度★★★★★

パワーアップ
初演を観て、衝撃を受けたので今回も期待大で観劇。
キャストさんが1部変わっていたり
脚本や演出も違っているところが有ったり
色々楽しめた。
でも何より野村侑志さんが良い!
かっこよすぎる!!
外道丸は彼以外にはいない!!!

御ゑん祭

御ゑん祭

バンダ・ラ・コンチャン

青山円形劇場(東京都)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★

近藤さん、八面六臂の大活躍
チケットプレゼントにて観劇。
蓋を開けてみれば、こんどーさんのこんどーさんによる、こんどーさんの為のdead or alive公演。多種多様な劇団に弄ばれているのかいないのか、ミヤタケイコさんのpopな背景の中、くだらなさと面白さと切なさとノリの良い音楽に彩られ、近藤さんの魅力が目一杯詰め込まれた楽しい舞台でした。
初見の劇団を一挙に見る事が出来、そちらもお得感がありました。
開演前のみ舞台セットの撮影許可サービスあり。
本編約2時間。 約5分休憩後、AT約20分。(観劇日ゲスト、鈴木浩介氏)

ネタバレBOX

上演順はネタバレの為、書き込まないが確かにあの上演順が妥当だと思った。
全て初見の劇団。五十音で
・青☆組
乙女チックな世界観だったが、別れの切なさをきれいに見せて、ついジーンときた。
・オールド
このメンツの中では特別枠扱いのような気も。フリー演技かと思うような自然な芝居の導入に、どこまでがセリフでどこまでがアドリブなのかわからなかったくらい。もう少し、大人のおちゃらけをやってほしかった。
・ナコゴー
くだらないけど笑った、本当に笑った。インパクト勝負みたいだったけど面白かった、特に、一言発しただけなのに、全てを持っていった太鼓の達人に釘付け!
・ぬいぐるみハンター
出だしのアッコちゃんのセリフから一挙手一投足まで可愛い。中学生日記のような宇宙初恋物語。中学生なんてそんなもんだよね、と妙に納得。
・Mrs.fictions
過去の美化、まだらボケと向き合う夫婦。夫と妻が正装して近所に買い物行くのに、年月が培った妻の愛情あるセリフには単純に良い話だなーと思った。

================================
本編終了後、ここでも出ずっぱりの近藤さんと半海さん進行によるアフタートークあり。当日ゲストは役者の鈴木浩介さん。トーク覚え書き。
強大ウサギさまを背に、近藤さん、鈴木さん、半海さん の並び。(発言簡略、発言者末尾、氏名抜きは3人の総合発言)

・登場時、先輩から「ゲストなんだから真ん中に座れ」と勧められるも「いえいえいえ」と恐縮しまくる浩介氏。「相変わらず律儀なんだから〜」と先輩方の評。
・電話でトークゲストの依頼受けた。緊張するっ。(浩介氏)
・今回の公演の劇団経緯。元々、近藤さんがいろんな劇団の公演を見ていて今回一緒に公演出来るようになった。それに伴い、全ての演目に近藤さんをどんな形でもいいから参加させる事を条件にしたら、こうなってしまった。他に円形劇場も取り壊されるし、ここでやった事ある人、近藤さんに一度でも関わった人達が参加。
・スズカツさんの「LYNX」「CLOUD」河原(雅彦)さんの「NECK」シスカンパニー「叔母との旅(初演、再演)」の計5回、円形劇場に立った。円(状の舞台)は落ち着く、好きな劇場(浩介氏)
・自由に動ける分、観客が近くにいるとかえってやりづらい場合もある、全体見られると思うと緊張する、さらされてる感が半端ない、観客の顔見えるし。舞台が回る演出の公演に出た事はあるが、円形(劇場での舞台)は初めて。背中が気になる。今回(の出番のきっかけ)も客電点いての登場でいじめかと思ったw(客席に向かって話しかける)あの会話は緊張の裏返しからやっている。(半海氏)
・「オールド」はもともと大森さんの(戯曲?)作品、演出は近藤さんが担当、いい話だったねー。他の役は童貞なのにっ。

・初めて見る劇団ばかりだった、その中でも「ナカゴーは凄い‥!」とその噂だけはよく耳にしていた。近藤さんがサポーター着けた時点で「ン?」と思ってたが、今日見たらほんとに凄かった‥!ぬいぐるみハンターのアッコちゃんもキレッキレっじゃないですか、なのにピアノ弾いてる意外性あるし!(と静かに熱く語る浩介氏)
・(関係する)全部(の公演)見に行った。フィクションズはクリエーター集団でそれだけはビデオで。(今回の企画発案者の)CMプランナーさんと知り合いになり、色々なコンセプト、企画が出来た(冒頭の内容)。端役で良かったのになー。(近藤氏)
・(見ての通り)ナカゴーの後だと、休憩させないと体もたないからw
・太鼓叩いてた鎌田君のあの一言は絶対真似出来ないっ!全部もっていった!
・稽古期間は1ヶ月半〜2ヶ月くらい(近藤さんの仕事の都合で)主役抜きで稽古する時もあった、青☆組のように一字一句、台本通りのセリフ稽古もあれば、ぬいぐるみハンターは比較的自由だった、ナカゴーは鎌田君の口立てで(一人で)全部やる、それがまた上手い、それ見て落ち込んだ、鎌田君の手が柔らかくて妙に落ち着くし、接し方が優しいw(それぞれの芝居に出て)大変だったけど楽しかった。(近藤氏)
・アフタートーク恥ずかしいですね。一食一飯の恩じゃないけど、舞台「ハゲレット」の時、近藤さんにご飯いっぱい食べさせてもらって恩があるから〜、に、先輩2人のやさしい突っ込みがあったり。
・円形劇場の初出演の舞台は「笑いの大学」だった。(自身の)ダンダンブエノの舞台もここでいくつかやった。(独特な形状の舞台設備なので、他の劇場ではこのようなステージがあまりないが)ダンダンブエノでも、同じ(円の形のままの)舞台セットで地方公演をやったら「なぜ、円の形でやったの?」とかなり言われた。(近藤氏)

・円形劇場あるある、色々ありますよね、に
円形ステージの中心部分でセリフ喋っていると、声色が変化するんですよ。え、ほんと?、の浩介氏の発言に、3人順番に直線距離から真ん中に向かって「あ〜あ〜」言いながら歩いて確かめる。が、特に変化見られずw。役者の間では、舞台上のそこに立つと、こもった声色に聞こえるとの噂があるそう。
・観劇中、自分の座席から見えていた、客席の観客の一人が某氏に似ていてずっとその人かと思って、そっちも気になっていた。似てませんでしたか?とその近くに座っていた観客に同意を求めるも、先輩達の「そんな人居たか〜?」と微妙な反応に「でも似てましたよ〜」と明るく拗ねる浩介氏可愛かったw。
そこで時間切れになり終了。
死ぬまでに一度でいいから、ロマンス・オン・ザ・ビーチ

死ぬまでに一度でいいから、ロマンス・オン・ザ・ビーチ

20歳の国

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2014/10/04 (土) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★

初、20歳の国でした。
描きたかったシーンははっきりしていて最後はとても印象的でキレイなシーンだった。空間を広く使った舞台だったが、もう少しその広さを有効活用してもいいのではと感じた。物語は良くも悪くもシンプル。
もっと劇的な演出がほしく、途中展開していかない時間が少し辛かった。でも次の公演も観たいと思う。

痕-KON-

痕-KON-

ピタパタ

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2014/10/10 (金) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★

擬制の終焉はやってくるか?
夏、エアコンが故障した居間に、集まる人々。

ネタバレBOX


実は妾、アキコ宅で、息子が二人。兄、マサヤは結婚しており、妻は5カ月の身重であるが、いつでもトンデモナイ音をしでかしては、女房から逃げている。女房のチェックには中々厳しいものがある。父は現在入院中であるが、本妻の娘、リエコも父とアキコの縁を切らそうと何度も訪ねてくる。そのリエコは主婦で子供が一人。弟のシゲルは、一見、まともだが、先端恐怖症以外にもナーバスな所がある。そんな彼は、母性的なものに対する複合的な意識を垣間見せる。更に、彼らの従姉妹、サキの彼は自分の父親より年上で、どうやら妊娠している。
 この家の中で、最も落ち着きを見せているのが、アキコだが、良くも悪しくも妾として生きて来た女の持つ肯定的な広がりを見るようである。
 因みに狂言回しとしては、エアコンの修理に訪れた電器屋がいて、現代風に見えながら、案外古い劇の構造を保つと同時に、矢張り現代劇であるのは、上記に挙げたようなそれぞれの所作は、所詮、見せ掛けであり、各々が各々の利害に従って目先の利益を図っている点である。マサヤは、ライターを失くしているし、そのライターらしきものが、放火現場である、彼らの家の前に建ったマンションから見付かった。サキは、リエコがアキコに渡した手切れ金を盗む。恐らく堕胎のためだろう、と類推させるのだ。
アンドロイド版『変身』

アンドロイド版『変身』

青年団

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★

原作を知っていても多分楽しめます。/約90分
原作では虫に変態するグレゴワールが本作ではロボットに変身。
違いはそれだけで、ストーリーはほぼ原作通りなのかと思いきや、グレゴワールが変身する対象が“虫ではなくロボット”であることに重きを置いた話になっていて、原作を知っていても楽しめた。

家族の一人が人間からある日突然ロボットになるという出来事がもしも現実に起こったら、ロボットになった当人(という言い方でいいのかしらん?)は何を思い、どう振る舞うか? そして家族はロボットと化した身内を前にどう反応し、何を考え、どう行動するか? そして両者の間にどんな事態が持ち上がるか?

これをオリザさんが頭の中でシミュレートし、一番ありえそうな顛末をシナリオ化した感じ。

虫は下等だし喋れないが、ロボットは高度な思考ができるうえ人並みに口が利ける。

この違いが原作との大きな隔たりを生み、寒々しい原作にはないユーモアさえ醸し出し、それなりには面白い。

ただ、フランス人俳優による字幕付き上演は隔靴掻痒の感が否めず、また、グレゴワールを演じるロボットがあんまりアクティブではないため、動きが魅力の一つを成す演劇としての醍醐味に乏しく、評価は星の数で示した通りとさせてもらった。

それでも、世界戦争を懸念させる不穏な国際情勢など今日的な問題まで絡めてあって、脚本だけで評価するなら4つ星クラス。

ネタバレBOX

人間とロボットはどこが似ていてどこが違うか?

グレゴワールと家族によるこの議論がかなり踏み込んだ内容で、とても聴き応えがありました。

死ぬまでに一度でいいから、ロマンス・オン・ザ・ビーチ

死ぬまでに一度でいいから、ロマンス・オン・ザ・ビーチ

20歳の国

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2014/10/04 (土) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★

兄のキャラ付けに難あり/約135分
20歳の国は3作目。
これまでに観た中ではいちばん残念な出来だった。

まず、“夏の歌謡曲”をバックにしてのダンスアトラクション。
これに劇の一部を受け持たせて話を先へ進めていく手腕には感服したが、能天気な曲に合わせて陽気に踊るパターンばかりで、途中から食傷。
これに、何度も蒸し返される大同小異の“人生談議”が相俟って、全体に単調かつ冗長な印象が否めなかった。

フォーカス対象が誰なのか曖昧なのも問題。色んな人物を写そうとして、結果どれもピンボケになってしまっている感じ。

タイトルから、私は主に“童貞の兄”へ着目しつつ鑑賞したが、兄については、キャラクター付けにも難を感じた。

ネタバレBOX

童貞の兄は28歳。
この若さで末期ガンと判り、純潔なままで死ぬのはイヤだ、とあがいている。

そんな兄を見て思ったのは以下のこと。

「女を知らないまま死ぬのはイヤだ!」と声高に叫ぶようなキャラ付けは避け、そうした気持ちを胸に秘める奥ゆかしいキャラ設定にしたほうが物語に奥行きが出て、作品はより良くなったのではないだろうか?

もっと控えめなキャラ付けをしていれば、早く男になろうと焦るあまり実の妹を姦ろうとする荒唐無稽な展開も多分避けられたに違いない。

そもそもこの兄、明るいのか暗いのかを筆頭に色んなことがあやふやで人物像がはっきりせず、感情移入がとてもしづらい。

作・演出家は兄のキャラ付けをするにあたり、もっと慎重を期するべきだったと思う。

兄と好対照なヤリチン弟のキャラ設定にはまだしも一貫性が感じられるが、その一貫性を崩したのが、兄の死後、弟がチャラ男の仮面を脱ぎ捨てて秘めたる悩みを父に打ち明けるシーン。
そうした悩みを自分からは打ち明けず、図らずも露呈させるほうが彼らしい。

ついでに言えば、痩せ我慢の果てに悩みが漏れ出してくるほうが、多分より強く観客の胸を打つ。
六悪党

六悪党

トライヲンズ

下高井戸 HTS(東京都)

2014/10/01 (水) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★★

高密度な舞台
初期ガジラ舞台を千葉さん演出監修、との事で出演者の経歴とか二の次で観に行く。
役柄の年代が近い所為か、どの配役も見事にマッチしていたし、幕末Rockな世界観で客入れ選曲も上手くハマっていた。
息抜き場面の着付け動作はたどたどしかったが、緊迫感ある間合いと殺陣には瞬きする間もなく集中して見る事出来、迫力あって面白かった。気になる役者さんが増えた。
約110分。終演後、当日出席者告知のアフタートークあり。

入場時に下足し、素足観劇となる。
中に入ると客席40席弱、混雑時は座布団席スタンバイ(=ツバ被り、汗被り席)出来れば、場内の状況を前もって知りたかったが指定HPやブログ上では詳細不明。
次回公演を行う場合、この辺りを改善していただければ、と思う。

ネタバレBOX

この作品と関係あるガジラの「かげろふ人」は見たが「六悪党」は初見。
尊王攘夷、勤王志士、倒幕、水戸藩、天狗党、憂国、郷士、足軽、忠義、等々、時代の変革期の出来事とはいえ、全ては武士としての信念や誇りが役者の顔に生き様となって現れていたかのよう。刀を交わせば生きるか死ぬか、の正に真剣勝負。
協力と友情を育くむような会話があったかと思えば、一瞬で敵対する関係となるが、待ち伏せのあった先に起こった惨状、それを焚き付けたのは誰なのか、誰が間者で誰を信じていいのか、疑心暗鬼の時間が交差しての進行だったが、場面転換ごとの役の切り替えが上手で理解しやすい。話そのものも面白かった。

対面客席が舞台を挟むようにスクエアなスペース、突き当たりには酒樽が置いてあり、壁面には天狗面と蝋燭台。たったこれだけの世界で、腕を伸ばせば役者に手が届いてしまいそうな、そんな距離。目の前で繰り広げられた世界はダイナミックで壮絶感ある世界だった。
距離感を見誤る'14

距離感を見誤る'14

(石榴の花が咲いてる。)

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/10/06 (月) ~ 2014/10/07 (火)公演終了

満足度★★★

荒削り?
距離感をキーワードとして観たら、何となく伝わるものはありましたが、先入観なしで観るとなかなか解りづらいのかな!?とも思いました。台詞の中に、ヒントというか象徴的なモノが入っていたら、また、印象も変わり、よかったのではないかな!?と感じました。

こいぶみ

こいぶみ

システマ・アンジェリカ

早稲田大学学生会館(東京都)

2014/10/10 (金) ~ 2014/10/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1277(14-316)
19:00の回(曇)。18:35会場着、受付、中へ。白い舞台、左右に薄布、円形の段が3段、おはじきが点在。特に理由はなかったのですが、ふらっと観に来ました。19:00前説(75分)、19:06開演~20:21終演。

4人の女性による幻想的なお話。冒頭、少年と少女の出会い、そのときの少年役寺門さんの表情が秀逸。特に「時代」が明示されているわけではありませんが、女中さんがいて、男女の関係はとても淡い。

夫に捨てられた母と息子との関係や少女との「恋文」のやり取りが、セリフのやや長い間合いを挟んで静かに展開。

少年は白いシャツにサスペンダーの短パン...トーマの心臓..の少年のよう。
その母役の田久保さんは、狂気の様を、目の動きを含め緊張感を維持。

当パンをみると田久保さん..劇団百日紅御一行様(2014/12@空洞)に出演されるとのこと。この公演予定に入れていますのでまたその時に。

ネタバレBOX

少年の白い「シャツ」はやはり男物がよいと思います。
御ゑん祭

御ゑん祭

バンダ・ラ・コンチャン

青山円形劇場(東京都)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★

構成のよさが際立つユニークな企画公演
 近藤さんの独り舞台の感もありましたが、各々20分の短い持ち時間にエッセンスが凝縮されたあれだけカラーの異なる劇団の作品群をその持ち味を損なうことなく全体として一つの作品にまとめ上げてきたその構成力の手腕が際立っていた、演劇ならではの醍醐味満載のユニークでおもしろい企画公演になっていたと思います。

ネタバレBOX

 轟天張りの先輩のアドバイス的な実況中継が印象に残るナカゴー作品はナンセンスワールド炸裂の舞台で、一撃でカオスをつくり出すその破壊力が衝撃的でしたし、現実世界から作品世界へそしてまた現実世界へとその揺れ動きの中へ観客を誘っていたチームオールドの自然体の演技は見事でした。
図案

図案

イデビアン・クルー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2014/10/10 (金) ~ 2014/10/12 (日)公演終了

満足度★★★★

ダンス
あまり具体的な意味を持たせないダンスの部分が気に入った反面、意味的なところは好きではなかった。珍しく大道具を組まないすっきりした舞台と思ったら、会場を活かしていた。端の席は見切れが大きいので極力避けたほうがよい。

10月歌舞伎公演「通し狂言 双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)」

10月歌舞伎公演「通し狂言 双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)」

国立劇場

国立劇場 大劇場(東京都)

2014/10/04 (土) ~ 2014/10/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

通し狂言
上演時間4時間35分、休憩3回。幸四郎がなんと50年ぶりの濡髪役、さすがの貫録だった。染五郎の3役演じ分けがじわじわと面白くなってきた。

ジャンヌ・ダルク~フランスの大地に聴け~

ジャンヌ・ダルク~フランスの大地に聴け~

劇団熱血天使

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

結構オーソドックスな作りに思えた作品でした
入場前に並んでいて入り口塞ぐからと横に並ばせられ、後から来たおじさんが先に受付を通過・・・・・。 何の為にいるんだ受け付け前の係さん? パンフとアンケートがあるとの話があって持ってる人も見かけたが、何処で渡していたのか?手元には届かなかったなぁ・・・・。もらいに行く行動力も沸かなかった・・・。 という開演前の出来事が、観劇始まるんだ~といったウキウキ感を台無しにされてしまい残念なテンションで観劇開始です。 きちんとゼロアワーでのスタートでしたが、前説(ランスで行われる王の戴冠式を見に行くというジャンヌの親友=カトリーヌの設定)の開始でありました。導入は上手で飴玉も貰えたがテンションは上がらず観劇続行。 劇場施設は出来が大変素晴しくセットも頑張ってはいたが、他の方も書いていた通り、主役級はマイク付けてたけど・・・って感じました。 細かい説明は無く=狂言回し役もいないので場所や時間的な説明無く、知ってますよね的な感じの展開は少し不親切かなぁとか思った。アンサンブルとかオリジナル楽曲は頑張っていたが、いろいろとチグハグな印象を受けた作品でした。 2時間半の長丁場ながら眠気は起きなかったが、歴史に興味ある好奇心と観劇前に予習で見たジャンヌ関係の番組のせいだろうと自己分析。

ネタバレBOX

火あぶりになる前のジャンヌのセリフは普通の女の子でいたかったが・・・と史実として伝わってるセリフが感動的に話されたんですが。ここまでの自分の経緯を話すトコで仏蘭西皇太子と王がごっちゃになってて大変気になったです。

星の数は精神力が低下したんで無星といたします・・・・・身勝手に・・・

話はオルレアンの篭城戦をジャンヌが勝利に導き、火あぶりになって2年後。ジャンヌの親友に戦場で掲げていた旗を渡すまでです。奇のてらい無く、大衆の想像できる範囲での模範的なジャンヌ像が描けていたかなぁとは思えたデス。→17歳で戦場デビューした農民出の少女が駆け抜けた2年間・・・・。

象徴的なジャンヌの旗は、まぁ史実に即した旗にして欲しかったが。
そーゆーとこは凝らなかったのね。
せめて蛇の舌みたいな形にするとか頑張って欲しかったなぁ・・・。

鎧や衣装も頑張っていたが、やはり戦場の戦いのシーンは難しかったかなって思えた。 大司教とライオンハーディストはカッコ決まっててキャラ的にも良かったです。

超、身勝手な脳内妄想・・・・。 →アンサンブルというとなぜか「ベニクラゲマン」の市長さんを思い出してしまいます・・・。 「秘書~! アンサンブルー!」とか叫ぶも、「いなかった・・予算の関係でいなかった・・。 自分で頑張る、やれば出来る、俺なら出来る。」といった感じのセリフで自分を鼓舞するシーンがど~しても蘇ってしまいます・・・(^^;)。 インパクト強かったんだなぁと感心しきりです。

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