組曲『演習』
ENBUゼミナール
シアター風姿花伝(東京都)
2014/03/25 (火) ~ 2014/03/26 (水)公演終了
満足度★★★★
まだ何者でもないものが何者かになっていく過程
役者の卵が役者の卵を演じると言う実験的で、ある意味ドキュメント的でスリル溢れる公演でした。
私の考える役者とは、自分は役者であると言う「自覚」と自分は役者ですと公言出来る「覚悟」で成り立っていると思っています。(役者だけで飯が喰えるとかは違うような気がします)
少なくとも今回の公演で彼ら彼女らにはその自覚が萌芽しかけたのかと、それが観れただけでも貴重な観劇でしたね。
博多千年まんじゅうの旅/ななつ星号の冒険
ギンギラ太陽's
JR九州ホール(福岡県)
2014/12/22 (月) ~ 2014/12/23 (火)公演終了
満足度★
負け組を揶揄する冷たい姿勢
久しぶりに観たギンギラ太陽’sの舞台はゴチャゴチャと雑駁で、舞台の質は明らかに低下していた。
勝ち組を持ち上げ負け組を揶揄する姿勢に疑問を感じた。
詳細は、演劇感想サイト「福岡演劇の今」 http://f-e-now.ciao.jp/ に書いています。
ダキニ城の虜
舞台芸術集団 地下空港
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2014/12/16 (火) ~ 2014/12/22 (月)公演終了
満足度★★★★
お伽噺
ダキニ嬢のかなり個性的で美しい白と、他の出演者の制服をモチーフした青ベースの衣装、壁の文字と良い相性だったとセンスの良さを感じました。またストーリー、あっちこっちの壁から行きなり現れる登場人物が、上手く運んで行ったような気がします。最終的にすべてが救われるのは、どこかお伽噺のようですが、たまにはこんなラストのもいいかなと思います。
となりの田中さん(再演)
劇団HallBrothers
ぽんプラザホール(福岡県)
2014/12/10 (水) ~ 2014/12/23 (火)公演終了
満足度★★★
戯曲の評価と舞台の評価は別
1年前の初演を観たときにはそれほどおもしろいとは思わなかった。その後この戯曲がことしの九州戯曲賞大賞を受賞したので今回の再演を観ることにした。戯曲はよくできてはいるが、戯曲の評価と舞台の評価とは分けて考えたほうがいい―という舞台だった。
詳細は、演劇感想サイト「福岡演劇の今」 http://f-e-now.ciao.jp/ に書いています。
僕は眠る事を知らない
projectDREAMER
シアター711(東京都)
2014/12/23 (火) ~ 2014/12/29 (月)公演終了
満足度★★★★★
爆笑の嵐!
スタート直後はお笑い無しかと思いきや、
コントの嵐!悲しいシーンも織り交ぜて、
笑いの涙、悲しい涙のオンパレード。
もう、涙が止まりません。
観に行って損の無い舞台です!
シカク
企画演劇集団ボクラ団義
サンモールスタジオ(東京都)
2014/12/18 (木) ~ 2014/12/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
又、観たくなる
ボクラ団義さんの『シカク』昼公演みて来ましたよ
今回は、出演者4人の会話劇
唯の会話劇じゃない所が、作、演出家の久保田マジック
それぞれの役者さんのポテンシャルとその役が日によって変わるので
又、其処が見せ所
又々、リピーターして観たくなる作品です( ̄^ ̄)ゞ
是非、新宿@サンモールスタジオにて観たくなりますよ
ブルー・デビル
演劇集団☆邂逅
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2014/12/19 (金) ~ 2014/12/21 (日)公演終了
満足度★★★★
とても楽しめました。
ミュージカルではありませんが、小規模な宝塚のようで、とても楽しめました。
ネタバレBOX
拙い自ブログで感想を綴りました。
http://ameblo.jp/gooharuhide/entry-11968477753.html
花と魚(劇作家協会プログラム)
十七戦地
座・高円寺1(東京都)
2014/12/12 (金) ~ 2014/12/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
十七戦地の中ではピカ一
2011年に十七戦地旗揚げ公演として書き下ろされ、同年、第17回劇作家協会新人戯曲賞を受賞した代表作。
本公演の内容はもとより素晴らしいが、2014年という3年後に再演したところを評価する。
ストーリーは解説文にあるが、その内容は東日本大震災の背景をモチーフにしていることは容易に想像できる。人間は”忘却”するという良し悪し両面がある、この特質を持っている。時間とともに風化しそうな問題をしっかり捉えて離さない、そんな柳井氏の強い思いが出ていた秀作である。
ネタバレBOX
村おこしのイベントを控えた住民たちは、怪物の駆除派と保護派で村が二分され対立が激しくなる。そして、村人の一人が襲われるという事件が発生する。
地方都市の経済的は、政府の補助金、地元漁業、そして観光イベントといった現実感あるもの。一方、怪物という少し現実感から離れた生き物...これを自然保護に置き換えれば、原発の話が透けて見える。
同じ土地で育ってきても、その境遇や立場によって考え方は違ってくる。しかし、彼らはその土地を愛しつつも、自らの故郷での産業発展が見込めないことも承知しているようだ。地方ならではの苦労を肌身に感じて育っているかのような、説得力のある会話(せりふ)である。
この二分された住民の主張はそれぞれ理屈が通っており、怪物の駆除か保護かの判断は第三者(民間の野生動物調査員)に委ねる。怪物という危険排除と怪物を保護し、寄り添い、生命の神秘を探る。東京のど真ん中であったら、どう対処するのだろうか。地方という地域事情だからこそ切迫・切実感がある。
とても芝居の中だけの話とは思えない切実感があるのは、都市的な経済発展志向の偏重のようだからである。それは現代社会が消費経済を優先するためには、例えば原発などを確保するため、将来のリスクを貧しい地方に押し付けるという構図に共感してしまうからだろう。
この高円寺・1という小空間の中で、人類はどこに進むのかを問われているようだ。この鋭い投げかけが重く心に響く。壮大なテーマであるが、それを実にコンパクトに描いた秀作である。
次回公演を楽しみにしております。
タイム・フライズ
ミュージカル座
THEATRE1010(東京都)
2014/12/18 (木) ~ 2014/12/23 (火)公演終了
満足度★★★★★
見応え十分!
説明にある「昭和の団塊世代の若者たちと、閉塞感のただ中にいる平成の若者を対比させてジェネレーション・ギャップを描き、自分たちの時代は自分たちの手で創って行こうというメッセージを投げかけた。」は十分描かれたと思う。しかし、制作サイドの思いと同様に、観客側にもジェネレーション・ギャップがあったようだ。休憩時間に母娘の会話が聞こえてきたが、どうしてあの時代の学生はあのように熱くなれたのか…と。
時代背景を描き切るには難しく、観る世代によって受け止め方も違うだろう。しかし、表層的に捉えたとしても青春群像劇の醍醐味は十分味わえる秀作だと思う。
ネタバレBOX
ストーリーは、説明文の通り。
わかり難い点は、過去へタイム・スリップ、また逆に現代へ戻ってくる契機・原因の説明がないこと。しかし、まだ科学的に説明できないこととして、詮索は止めた。
公演の底流にある若者が自立していく成長過程と国家・時代という大きなスケールの両面を上手く描いていた。特に時代(1968年)が沖縄返還前(当時は沖縄からベトナム戦争へ、そして現在でも米軍基地問題は解決していない)であること、1945年広島市への原爆投下によって体内被曝した女性が平和運動の延長として学生運動に身を投じる姿は、若者へのメッセージだけでなく現代に生きる日本人…一人間として魂を揺さぶられた。学生運動という行為の良し悪しは、本公演において問題にしていない、という点も当時では当たり前だったのだろうが、その評価は後世に委ねられた。
舞台は、盆を回転させ躍動感、臨場感を増し、キャストの演技力をより一層引き立てた。申し分ない公演であった。
赫い部屋
深夜ガタンゴトン
スタジオ空洞(東京都)
2014/12/23 (火) ~ 2014/12/23 (火)公演終了
満足度★★★★
往年のATG映画の如し
所謂「イケメン社長」の浮気現場写真を撮影するための張り込みに恋人も連れ込んだ興信所員の物語。
スタイリッシュな台詞と渇いた雰囲気は往年のATG映画を思わせる。
今一つ起伏に欠けるところまでATG風だが(爆)、ラストのビジュアルはインパクト大アリ。
体夢-TIME
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2014/12/11 (木) ~ 2014/12/23 (火)公演終了
満足度★★★
辛口ごめんなさい
私には消化不良な舞台に見えました。
俳優さんは皆さん素晴らしいと思いましたので俳優さんに星をひとつつけます。
ネタバレBOX
私は脚本や物語に気持ちを揺さぶれて芝居を見る観客です。
キャラクターに感情移入できれば、気持ちのフックに「なにか」が引っかかることで物語にあわせて持ち上がったり揺れたりして楽しむタイプなのだと思う。
そんな私は「青二才」が愛を経て後「己を殺す」葛藤、もしくは「狂人」になるドラマのほうが見たかった。
今作の主役のふわふわした感じは、私にとっては「だから、どうした」という感じで。
でもいままでの桟敷童子とはまったく違う手触りを感じたので、回数を経て、この物語や世界観が育っていくのではとそこに期待しています。
空想科学
うさぎストライプ
アトリエ春風舎(東京都)
2014/12/21 (日) ~ 2014/12/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
頭が混乱
モヤモヤ感に大満足でした。
ネタバレBOX
60歳で死んだ叔母さんの妄想の中の行きずりの男で忘れられない男を、成人した甥が夢の中で叔母さんがたった一度男と出会った若い頃に殺したような話。
時間と空間が全く異るのに重なっている摩訶不思議感、別々の人の妄想と夢が交錯する頭が混乱する関係性に大満足でした。
これまでの作品には全くストーリー性を感じませんでしたが、何となくのストーリーもあって良かったと思います。
叔母さんと男のセックスシーンらしきパフォーマンスは結構何か他のことを考えながらやらないと大変なことになりそうで、ご苦労なことだと思いました。
十二月大歌舞伎
松竹
歌舞伎座(東京都)
2014/12/02 (火) ~ 2014/12/26 (金)公演終了
満足度★★★★
昼の部
昼の部は、三幕
第一幕は『源平布引滝』
愛之助さんの見事な立ち回り!
夜の部では、全くと言っていい程目立たなかったけど、
この演目は正に主役!
戸板返しや仏倒れなども見事でした!
二幕目は『幻武蔵』
新作歌舞伎で、玉三郎さん演出、獅童さん主役!
『幻』とタイトルにある通り、終始幻想的な暗いステージ…
最後は松也さんも登場し、幻の世界の終幕へ
三幕目『二人椀久』
昼の部最後は、玉三郎さんと海老蔵さんの歌舞伎舞踊
二人の舞踊は最近多いけど、本当にどんどん息が合ってきて、
正に美男美女カップルです
また唄がとても良い!
でも、昼の部は後半二本がゆったりとした演目で、
構成的にはちょっとあきちゃうな…
うぶ
INUTOKUSHI
駅前劇場(東京都)
2014/12/19 (金) ~ 2014/12/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
全開!
良くやるよーってぐらい凄かったです。
ネタバレBOX
ゴスロリのクロミが心の中のゴスロリシロミと対話しながら生き様を貫く話に、それだけでは足りないとばかりに、子供の頃から下ネタに親しもうという運動を続けているクロミの兄の、男性器や女性器を主人公にした紙芝居を織り交ぜた強烈な下ネタ全開のストーリー。
凄まじき紙芝居、役者は個性的で強烈、声も大きめ。
地獄のエンマ様は隈取りが素晴らしく、ガタイも大きくて存在感がありました。シロミ役の綾乃彩さんに対する新型のダッチワイフみたいな顔というツッコミが一番受けました。
『自作自演』<第10回> 立川談春× 前川知大
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2014/12/22 (月) ~ 2014/12/22 (月)公演終了
満足度★★★★★
違う土俵だけど相通じる組み合わせだった
リーディング順
前川知大さん「地下室の手記」の部分編成
立川談春さん「談春 古往今来」の一編
朗読65分、10分休憩後、2人だけで45分程度のトーク
客席も特に男性の年齢層高かったような印象。
後半は2人による(主に談春師匠が舵取りしているような)トーク。
カシスウーロン、競走馬、落語界に残る蜷川幸雄伝説や談春さんと談志師匠、気難しくも隙のない会話に感心する事ばかり。
こちらも興味深い話ばかりで面白かった。
トーク部分、口述筆記のため、一部発言省略あり。(12/26up)
ネタバレBOX
登場時、劇場スタッフによる紹介。
マイク持って2人登場。飄々とした談春師匠とは違い、普段以上の注目もあり、かなり緊張している前川さん曰く「蜷川さんの現場で稽古前の「作家読み」の本読みした時みたい。あの時は出演者やスタッフ含めて60〜70人近くいる前で喋ったので拷問のような2時間半だった、(今は)それに近い(状況)。
談春師匠も「普段はマイク持って(喋って)ないし。(前川さんの)今日読むの原作ドフトエフスキーって!自分の書いたやつでしょ〜〜、俺のなんか「古?往?何て書いてるかすぐには読めないし」「高田文夫が書けって言ったから書いた」とかなんとか自虐発言連発、と余裕の構えで談春調に場を和ませる。
セットも何もないむき出しのステージにはテーブルと椅子、アコースティックライブで演奏するときによく見るようなマイクスタンドがあるのみ。読みが始まると読み手のみ照明あてられる、そんなステージでリーディング。
緊張の面持ちだった前川さんだったが、簡単な内容説明(現代の日本の男の話、ネット動画、簡単なあらすじ等)から、「え〜と」と自然な流れで朗読し始めるスムーズな導入から(水飲むペースも多かったけど)話に聞き入ってしまった。状況説明の部分も客席に向けて発言してたが、あの表情には演出家としての習性が垣間見えたりして。この続きは次回公演で。
スーツ姿の談春師匠、マイク持って前川さんと入れ替わり。冒頭から喋りが本業故からくるものなのか、しばし歓談の様相だったのにまるで羽織を脱ぐかのように自然に椅子に座り、「赤めだか」の続編ともいえる今回の話を高田文夫氏とのつながりと解説絡め朗読。(「赤めだか」か「古往今来」どちらか忘れたが、その作品を書いた時期は、自分の境遇が「不遇で怒っていた時期」だったそう。)飲み屋で噺家の若い男と同席した男、ジェネレーションギャップから来る小話。音読しながら客席に目を配るのが様になってて、朗読中なのにとっさのアドリブにも即対応、笑わせ感心させ、まるで高座の噺を聴いているみたいだった。
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休憩後、一人掛けソファに座り、手持ちマイクでアフタートーク実施。
上手に前川さん、下手に談春さん。立川ボーイズでは(自分の並ぶ)立ち位置が違うので(この配置は)喋りづらいな。とのこと。
*談春さん、口が滑らかすぎてどこまでが本当でどこまでがネタなのかわからない部分もあるけど、人前に出て喋ってる落語家のトークということを前提に読んでください。
今回の読み合わせについて
談/落語にも江戸言葉とか使うので台本ある、昔、志ん朝師匠や談志師匠の前で師匠読みをやった。今日の話は弟子に聞かせりゃ良かったな。
前/この前(シアターコクーンの「太陽2068」)舞台稽古前の顔合わせで、演出の蜷川さんや出演者、関係者の前で2時間半、脚本家読みというのをやって酸欠になりそうだった。「半分いじめだね」完全いじめです。「蜷川さんは何してんの?」→読んでる横で「ウンウン」と聞いてるだけでした。台本にいろいろ書き込んでいたけど。
落語界の蜷川さん伝説
・昔、まだ蜷川さんが灰皿投げてた時期、杉良太郎さんのドラマ出演していた古今亭志ん駒って人、揉み手しすぎで指紋無くなったっていう人がいるんだけど、あの人、蜷川さんと同級生でその縁で舞台「近松心中物語」(タイトル失念、多分この作品だと思う)に出演した。時代劇だからって着物着て蜷川さんやってたけど、休憩時間には志ん駒が何かと「幸ちゃん幸ちゃん」「駄目だよ幸ちゃん、大事な役者さんに(物投げちゃ)〜」って話しかけるんだって。(演出家なのに)それがあまりにも恥ずかしくって「俺にも立場ってもんがあるし、お願いだからみんなの前で幸ちゃん(呼び)はやめて」って裏でお願いされちゃった、というのが落語界に残る蜷川幸雄伝説。
前川さんと談春さんの繋がり
・昨年1月、談春さんが鈴木おさむ作演の舞台「The Name」に出演し、そこでイキウメの大窪人衛さんと共演した。そこで知り合ったらしい。一番若手でランドセルが似合いそうだけど、自分も舞台の演技は初めてで、あの時は一番若い彼に救われた。(鈴木氏は演技指導をしないタイプで様子見する方らしい。それでかなり悩んだようで)自分は屈折した自意識持っているから毎日どーすればいいんだと悩んだ。出来ることなら公演丸ごと買い取ってなかったことにしたいくらい追い込まれたらしい。それを見ていた大窪さんが「うちの前川は違います。ちゃんと教えてあげたいです。」等々、彼流のアドバイスを送っていたらしく、最終的には「お願いだから芝居を嫌いにならないでほしい」と言われ、人衛に救われたと。それらがあって舞台期間中、世話になっているし、毎回タクシー手配して乗せて帰らせたら、なぜか困惑した表情を浮かべる。理由は車に酔うから。却って迷惑だったらしいと自らオチを振る師匠。
・その時の舞台共演者の方と休憩中の雑談で、前座が前座に教えてる、という話。その時の舞台とそれに絡めた内容から、なにも言わなくても「出来る人もいる。出来るから聞かない。出来ちゃうから。でも出来ちゃうから(それ以上の進展が望めないから却って)かわいそうだなーと。求めてくると客の目が上がってくるのに。」との感想。
・いつも書けるものなの?→だいたい3つ(くらい考えてる?)。本当はゼロだけど、と言ってしまうけど。
・今日の朗読の内容は2人とも「怒り」だね。
トークについて
談/今回前川さんが出るっているから来たんだよ。凄そうだなーと思って。
前/トーク自体もあまりやらない。この前(「新しい祝日」公演中)にイキウメメンバー全員集合のアフタートークみたいなお話会をやった。意外と楽だった。それまで(イキウメでトーク)やったことないから(やるまで)カチカチだったけど、(話を振る立場だったので)僕、楽だった。
談/(役者は)役を与えないと。ずるい。他の人格になるし。痩せたり毛抜いたり歯抜いたり。
談/深夜、落語家や役者や集る某所に有名店があるそうで、そこで飲んでいたら「演劇なんて儲かるはずないのになんでやってる」落語界似たような状態で「知っているのになぜ聞く」と話が極論まで行ってしまい、役者と落語家が喧嘩ふっかけられたりして。あそこは凄い店だよねー。(みたいな感じ)
・(舞台)儲かんないのに、いい加減飽きない?→表現は昔よりも落ちているのがある。社会に物申すわけではない。単純に言ったら面白くないかなー、大勢の人に言っているわけではない。溜まっていたものを出しただけ。
現在の仕事に就くキッカケ
前/(始めて)5〜6年くらい動員出来てないけど。(客の)1/2は友達、(それが動員できるようになって)お客来る時には自分の考えもかわって(今度は)続けられるかと疑問になってた。
談/落語家になったのは普通に働けないからやっているだけ。競艇選手になれなくて落語家になった。
前/高校は中退した。単純に面白くなかったら。実家は新潟、父親は庭師職人。(自分も)サラリーマンにはならないだろうしそんな環境でもなかった。冬場、出稼ぎ行っている人もいたが(父は)親方なんで家にいた。仕事しようにも雪深いところなので、1〜3月は基本やることないから暇。家にずーといて酒飲んでる。冬の間、父は映画を見るのが好きだったので、その影響で自分も映画見てた。勉強して大学行くとは思わなかった。独学で(映画の脚本?)書いてたら、ある時、兄から大学に行けと言われ、そこで入りなおした。その時もなんとなく、という感じだった。
・劇団の長(オサ)でしょ、弟子より大変だよね→それなりに大変(と同意)
イキウメの「獣の柱」を見て
・見たら全員シャブ中みたいな感じなんだよ!劇団員がみんなシャブ中の動きなんだよ、いつもこんなことやっているの?って聞いたら「は?」って顔された。それを日常的にやってるんだよ。いや凄いよ。凄いことをやっているのにそれを凄いことだと気づかずやっている劇団が凄い。難しい。感動した。考えた。あの後、三茶(トラム前)のタバコ吸うところで難しい顔して(感想を)喋りまくっている男たちがいて「めんどくせ」と思ったら安井さんと人衛だった。ここでも人衛つながり。
今後
談/50になると一つのことに打ち込みたくなる。それまでは自由に。(だんだん)落語好きになってきた。考えたら(これまでは)なめてたのかなー。終わった後の(客の)顔見て嘘の落語は出来ない。(客の)本当の素の笑顔を見て「ああ、これでいいんだ」と思えるようになった。それ分かったら中村(勘三郎丈の両手合わせの姿)屋みたいに、手を合わせたくなっちゃう。(気づけば)自分も近頃そうなってた。好感度上がっちゃうね。談志死んだ後、真面目にやってる。褒めてくれる人いないのに。やっぱ好きなのかな。…ね、こういう事言うとあとでいいように上書きされるんですよー。こんなこと言った時には脳が萎縮してるんですよー。
・なんか質問ありますか、なんなら私がマイク持って行きましょうか。といい雰囲気を自らぶち壊す談春師匠。ここからQ&Aへ。
Q&A
1)イキウメという劇団名、かなり変わった名前で驚いたが、なぜこの名前に?
前/勢いでつけた。生きたまま死んで世界を覗いてみようというのがコンセプトで。
談/「イキウメ」なんて普通はつけないわな。アングラだと思われる。「イキウメ」だったら「火炙り」「どざえもん」でもいいんじゃねぇか。
2)イキウメの上演舞台はほとんど観劇した女性。今夏シアターコクーンで上演された蜷川演出の太陽2068の舞台内容には落胆。自分の作品が他の人に演出される時、不安などはない?
前/ない。落語の噺のように、噺家によって違ってくるし、いろんな人にやってもらう方が面白いと思う質(タチ)なので。蜷川さんは個性強いから(作品の変化が)わかっていたから(変化を)むしろ楽しんだ。
3)客と自分が一体化するような、または自分の考えと客席の反応の違いを感じることはある?
談/落語30年やって2回あった。やりすぎないように。今の落語は演劇に近づいている。今の俺のやっていることは落語じゃない。きっと「らしい」ことをやっている。その通りやっててもそれは落語じゃない。この前、横浜(にぎわい座?)でやった時は何やっても「わー」ってウケてた。自分でもやりすぎ。リミッターを外してたというか。お客さんにやらされ「やった」感じだった。あの後疲れた。(あの感じは)何だったんろうねー。あ、終わっちゃった、と思った。
前/作品的に笑いをとる作りではないし。笑いの反応が大きい時もある。演目によっては(笑うような場面が)全くない時もある。不要と思う。ただ、終わった後の拍手の反応で一体感を感じる事はある。綺麗にハマる(瞬間)ことが嬉しい。お客さんの中で座って見るのが苦痛。隣の反応が気になる、初日だけは反応見るために座って見るけど、他は裏で反応見ている。
談/やっているとね、誰が喋っているだろう、と思う時がある。なんというか、一人トリップ?こんな感じで(ここで握りこぶしを目の前に差し出し「これ観客」拳を頭上に移動し「これ神様」)…イタコ…?みたいな関係…?20〜30ステージやっていると俳優が精密に動くと儀式化してくる。その感覚。「儀」が抜ける瞬間がみえて、それが何に捧げているんだろうと思う。祝詞(ノリト)になればいいけど。ダンドリ(?)になってしまわなければいいけど。
・終了後の観客の表情は嘘をつかない、で意見一致。
4)劇場や客、大きくなると伝わりづらくなるのでは。その違和感はある?
前/イースト(の規模なら)はわかるがコクーンでは全身動かないと〜という変化はあるかもしれないが、そのまんま。書いている分では演劇のお客さんがついてきてるから。ただ(3月のスーパー)歌舞伎の時は、とにかくわかりやすく書いた。(これまでとは違う客層なので)歌舞伎関係のスタッフから「このセリフ伝わりません」「おじいさんおばあさん達ここまでやらないとわかりません」と毎回指摘されたので。セリフで「寝ます!」に至るまで3行あるとしたら、それを10行に(わかるように)書き直してた。ここまでやらないとわからないかと思って書いた。
談/感情に流されず。(立川)志の輔なんて「個人芸なのにチームリーダーにならないといけない」と言って頑張ってるふりしてるけど、それだけの技?努力してるし。パルコの客席から1000人近い客前に、同じ演目なのに聞かせる。ま、人のことはいいか。
ここで時間となり「そろそろ時間ですか。このまま残って、私たち2人がコントやってもしょうがないんで、帰ってくれませんか。」
という談春師匠の締め言葉でトーク終了。
前川さん、時間たってからはスラスラ会話していたから、今後も人前に出て作品トークしてほしい。
談春師匠は場慣れもあるけど、最後の振る舞いまで皮肉交じりの軽妙洒脱、さすがでやんした。
男たちの馬鹿
劇団スパイスガーデン
Geki地下Liberty(東京都)
2014/11/11 (火) ~ 2014/11/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
めっちゃ熱い芝居
加藤啓さんが出てるってことで行ったのですが、とにかく熱く熱くたまには、がむしゃらに熱く生きるのも素敵だなぁ~って思いましたよ。
笑えて、泣けて、胸が熱くなる最高の作品でした。
劇団スパイスガーデンの事まったく知らなかったのですが、一気に劇団スパイスガーデンの虜になりました。
啓さんには、素敵な劇団を紹介してくださって感謝でございます。
今後も劇団スパイスガーデンの芝居を観に行こうと思いました。
その河を渡れ
朋ノ会
新宿眼科画廊(東京都)
2014/12/20 (土) ~ 2014/12/24 (水)公演終了
満足度★★★★
孤独と孤立の差
想像した通り対立の構造を持った作品だった。
ネタバレBOX
が、それが、同一人物という所が味噌だろう。何れにせよ、SF的に捉えるか、存在哲学として捉えるか、或いは心理学的に捉えるかで評価は異なってこよう。作者の立ち位置が、定まっていないということだけは確かなように思われるが、他者との関係をキチンと築いてゆくことによって、それは解決されよう。孤独というより孤立していることが、アイデンティファイできない理由である。
体夢-TIME
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2014/12/11 (木) ~ 2014/12/23 (火)公演終了
満足度★★★★
楽しめました
今までの桟敷童子とはちょっと変わっているようで、かなりファンタジー色が強かったですね。それでも現代的アングラのアーシーな感覚はそのまま。違った側面を楽しめました。
マスターズラン
ホチキス
劇場MOMO(東京都)
2014/12/23 (火) ~ 2014/12/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
ホチキス定食
初ホチキス!すごいワクワクしながら行きました。
短編集ということもあっていろんな作品が
観れてお得感あり!!
中野MOMOの小さいキャパで楽しさ満載。
日替わりゲストと劇団員の2人芝居も見所。
公演期間中毎日通っても飽きないと思います。
日替わりゲストも豪華ですよ。
大阪芝居
ネコ脱出
「劇」小劇場(東京都)
2014/12/17 (水) ~ 2014/12/23 (火)公演終了
満足度★★★
はじめは元気よく
しだいに人情厚く暖かな展開
ネコさんらしいにぎやかでそれでいて心が和む芝居であった」