最新の観てきた!クチコミ一覧

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完熟リチャード三世

完熟リチャード三世

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/17 (火)公演終了

満足度★★★★★

シェイクスピアがこの舞台を観たら・・・
 シェイクスピアが現代にタイムスリップしてこの舞台を観たら腰を抜かすだろう、「これはおれの戯曲ではない」と。 しかし「これもありかな?」とも言うかも知れない。 私にとっても初めての"女体シェイクスピア"は新鮮だった。 何よりも女優陣(と言っても男優はいないが)が全員魅力的で素晴らしい。 女性全員がナイスバディという演劇も初めて観た。 濃密なストーリーをスピード展開させながらしかも分かりやすい、というのも良い。
 ただし、次回作品が同スタイルのままであれば同程度の面白さだったとしても、★は確実に1つ減るだろう。

ワンダーランド

ワンダーランド

Straw&Berry

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/02/04 (水) ~ 2015/02/11 (水)公演終了

満足度★★★★

ソフトクリーム
面白い。125分。

ネタバレBOX

甲田茂(小西耕一)と香田繁(池亀三太)の恋とその結末。
桜(椎谷万里江)にフラれた茂の家に高校時にバンドやってた今日子(鮎川桃果)が訪れ、交際が始まる。デリヘル嬢の咲良(中村真沙海)を前にしてもインポな繁の家に高校の文化祭?の時一緒にアイス食べた恭子(岩崎緑)がやってきて交際が始まる…。

交互にシーンを見せ、一つの結末として「結婚」、一つの結末として「殺人」を提示し、最終章として茂が今日子を殺し、繁が恭子と結婚し子を授かるシーンに繋げる。同音の名前だから仕掛け自体に驚きはないけど、裏側にある愛情みたいなものの違いがくっきりする最期のシーン(二組が上下でキスするシーン)がちょっと怖い。
殺人を犯したシゲルを受け入れられるかどうか。色々すっとばしてる気もするけど、許されたシゲルと愛を示したキョウコの小さな関係性がちょっと羨ましい。

全体的にテンポアップしても良かったかなと思うけど、笑えるとこも多めで面白く感じられた。女優なハナコ(亀田梨紗・佐賀モトキ)の対比(蜷川に誉められた・風俗ばれてCBクビになった)がウケた。
夏目漱石とねこ

夏目漱石とねこ

DULL-COLORED POP

座・高円寺1(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★

静謐
静謐な空気感。
役者の存在感を色濃く感じました。

心に突き刺さるセリフが所々にちりばめられている。
前作の時も感じたが、見終わった後、全体の印象よりも、セリフを単体で思い出し、心地よい苦味を感じている。

完熟リチャード三世

完熟リチャード三世

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/17 (火)公演終了

満足度★★★★

上質な…
初の女体シェイクスピア
とにかく女優さんが魅力的。
上質なおもちゃを観ているような感覚であっという間の80分でした。

夏目漱石とねこ

夏目漱石とねこ

DULL-COLORED POP

座・高円寺1(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★

明治のリアリティ
事実に忠実に漱石が描かれているようで、気難しい性格ということもあり一見かなり地味な印象の舞台になった。しかし、全体的に暗いトーンと当時そのままの衣装が明治のリアリティを強く感じさせ、役者陣の抑揚を抑えた質の高い演技も光っていた。
障子と襖を利用してセットを作り、組み換えて転換させ(室内と室外の逆転も)、さらに障子に映す影で演技を見せるなどの工夫は見事だった(過去に類似の技法を観たことがあるがここまでのものは無かった)。

ネタバレBOX

それにしてもやたらと猫が多い。しかも役者が操るのだから賑やかだ。その場面の全体の静かなトーンとのアンマッチが少し気になった。
猫の賑やかさが漱石の「さみしさ」を余計に際立たせる、ということ?
ワンダーランド

ワンダーランド

Straw&Berry

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/02/04 (水) ~ 2015/02/11 (水)公演終了

満足度★★★★

長いな
わたしの好きな脚本、演出家2人の役者ぶり、キレイな女性ばかりで良かったけれど、期待が大きかっただけにもう少し纏められないのと感じた。もっとも、河西さんは「わかるヤツだけわかってくれればいい」と言ってるから、わたしは分からないヤツなのかもしれないが。異名同音の登場人物の意味はよく分からなかった。

ネタバレBOX

暴力とか殺人とか小西さんや根本宗子さんの芝居にもよく出るが必要なのかな⁈何を伝えたいんだろうって思います。面白いことは面白いけど、後味が悪いです。
完熟リチャード三世

完熟リチャード三世

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/17 (火)公演終了

満足度★★★

「新キャラでーす(棒」
柿喰う客 女体シェイクスピア007完熟リチャード三世。
通常3時間超で演じられる大歴史劇のリチャ3を、7人の女優さんが80分で駆け抜ける疾走感と力技と色気のスペクタクル!
相変わらずのこのシーン切ってくか!なショートカットとこの台詞こうしちゃいますか!な名訳ぶりが素敵。

とはいえ…このシリーズ、003から観ているのだけど、今回は流石の中屋敷さんでもリチャ3はこうなるかぁ、な印象かも。

面白いんだけど、厨二妄想自己陶酔悪役志願なリチャ3は小劇場演出ではわりとメジャーな感じがするし、
正直そういうのは夢の遊眠社「三代目、りちゃあど」で上杉祥三さんが演じた名演を観ているから、
もっと違う換骨奪胎が観たかった…なんて、贅沢言い過ぎですね、はい。

あつ苦しい兄弟~港のふたり編~

あつ苦しい兄弟~港のふたり編~

劇団道学先生

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/02/06 (金) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★

「喜劇」のストレートプレイ(歌その他色々入るけど、まっすぐな「喜劇」という意味で)
演技上手揃い、悪い所ほぼなし。
敢えてあげるなら大掛かりなセットによる場面転換の遅さぐらい
(逆にこのセットが活きる場面もいくつかあり)。

どこまでも喜劇でありながら、役者達の台詞の中には
観ているこちらの「心に刺さる」ものも・・・

観客自体の年齢層が皆高かった事など、
観劇しょっぱなからちょっと気にはなっていたのですが、
劇団道学先生自体の主なターゲット層は
45歳~なのかしら?

日本の第一次ディスコブームがドストライクなその世代には、
ドストライクな曲/ダンス/笑いネタの数々がドンドンぶっこまれてくる。
※ ただし、自分はちょっと下の世代なので「共感」までは難しかったかな( ´ー`)

自分の世代でドストライクなネタの「あつ苦しい兄弟」が観てみたくなりました。

ネタバレBOX

フライヤーの時点では、「喜劇」である事、ターゲット客層の高さを
予想していなかった自分には


・ どこで観客の気持ちをグッと引き込むのかな?
  (怒り、悲しみなどの場面を出して観客の感情を引き込む)
  と思ってたけど、各役の抱える小さな(その当人には大きな事でも)
  いくつかの抱えてる事以外、特に引き込まれる場面はなし。
  完全に「喜劇」でした。


・ 曲/ダンス/笑いネタの数々がほぼ、
  ターゲット客層限定のものだったかと・・・
  笑いがちょっとコテコテめ、
  その他のネタも自分が知らないものなので
  「当時を懐かしむ」その他の感慨などはなく
  そこもちょっと寂しかったです。

  せめてジョン・トラボルタの「サタデーナイトフィーバー」は
  観ておけばよかったと後悔(´・ω・`)


・ グルグル回る大舞台セット×2の組み合わせで
  色々な場面を表現するのは観ていて楽しいものですが、
  場面転換ごとにいちいちかなりの間が入ってしまうのは、
  ちょっとマイナス。
  ※ 「喜劇」一本やりだったので、まだ物語から感情が離れる、
    その他はありませんでしたが。


・ 社長が波止場でギターを取り出した場面、
  最初下手に(?チューニング?)弾いてみせたので、
  これも「笑いネタ」かな?
  と思っていたらそこから(多分)吉田拓郎を1曲まるごと
  演奏しつつ、大舞台セットもグルグル回って
  各場面のみんなが揃っての大合唱、
  ここが一番の見せ場かと思いました。
  ※ 本劇中では一番涙腺緩んだかも


・ ダンスコンテストシーンが始まったと思ったら、
  すぐに「息子を助けに行く」のシーンに切り替わってしまいましたが、
  (その当時を知らないなりに)
  自分はもう少し第一次ディスコブームの各ダンスを
  若手から年寄りまで多くの役者陣が表現するのを
  観てみたかった気もします。


・ 単なる「喜劇」をあまり観ない自分にとっては、
  「喜劇」一辺倒にせず、
  東京の息子の苦悩、
  二郎の何をやってもうまくいかないという苦悩、
  東京から港町へやってきて10年のスナック嬢の感情など、
  涙腺引けそうな設定をちょっと深めてもらって、
  泣かせてほしかったですね。


・ めちゃくちゃタイムリーな航空機墜落事故を入れてしまったのは、
  「マズイか?」と思いましたが、
  こちらは全員救出され、とあくまでも喜劇的展開で良かったです。
  (ネタ自体にドキリとさせられました。)


ハズレでは全くないけど、
「対象世代」をちょっと絞って曲/ダンス/笑いネタ全て
「懐かしさ」その他で共感させようとした形のお芝居でしょうか?
(多分「対象世代」から外れた自分にはそこだけがちょっと悲しかったですね。)
夏目漱石とねこ

夏目漱石とねこ

DULL-COLORED POP

座・高円寺1(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★

吾輩は見た
傍らにいた猫たちが見た人間・漱石。走馬灯ならぬ走ニャー灯。ライフ・イズ・疑心暗鬼。河童と一転して淡々とした舞台なので、若干の集中力は必要かもね。

稚拙で猥雑な戦争劇場

稚拙で猥雑な戦争劇場

雀組ホエールズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

最高に面白い!!
縦糸に織り込んだ横糸の方が幅広い、やりたい放題の素晴らしい話でした。

ネタバレBOX

集団的自衛権を行使するようになった日本。国際協力隊に入った首相の娘が中東のルバル国に拘束されたため首相自ら出掛けて行き、世界に報じられていなかった過去のルバル国に対する無差別空爆事件を報じること条件に娘を救出するとともに、戦争の悲惨さや家族の素直な気持ちを知るにつけ、集団的自衛権を放棄する方針に首相の考え方が変わる話。だったかなと思い出すのが難しいくらいドタバタや裸芸がとことん面白かったコメディ。

神田川首相の娘百合子とフセイン閣下の主役二人は可愛らしく、脇役は面白過ぎだったり、色っぽかったり、お母さんはポッチャリだったり、局所だけ隠すスッポンポンだったりとメリハリがついていて、素晴らしかったです。

めちゃくちゃエンターテイメントでした。
19☆80s ナインティーンアンドエイティーズ

19☆80s ナインティーンアンドエイティーズ

Q -codeblue&red-

萬劇場(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★

スクールメイツ?
始めから終わりまで・・・小声で歌ってました!スッゴク楽しかったです!トップアイドルとこれから昇り始める新人の対比も悪くはなかったけど、ちよっと芝居の部分が少なかったかな?ちょっと曲が多すぎる気もしないでもない。女性陣のクオリティーの高さには脱帽だけど、男性陣(特にメイン)ちと物足りなかった。一番懐かしさをあおったのは“スクールメイツ”もどき?のダンスかな?

【T OF N】

【T OF N】

エビス駅前バープロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/19 (木)公演終了

満足度★★★★

接近戦
全体が観られる後方の席もいいけど、やっぱり「眉」の上げ下ろしまでわかる奥側の席のほうがより楽しめるかもしれない。

雰囲気がファンタジーっぽいけど、動きなどは派手なところもあり、面白い。

3つの話、受け取り方それぞれかも。
2回目観たら印象変わりそうな感じ。

ネタバレBOX

一番好きなキャラは、3つめのお父さん。
一番楽しい話は2つめ。とくに、柏手は、なんでやねん、と思っていたら劇中でもツッコミがあり、2度おいしい、という。
一番雰囲気があったのが、最初の話。大沼さんの声の渋さと、酒井さんの表情の起伏&ハモリとわざとハモらないところ。
あと、紙を食べてしまったのにはビックリ。頭の中では、♪「白ヤギさんたら読まずに食べた~」。

(初日、ある演者さん、ちょっとノドハナの調子が悪そうに見えたけど、ホントのところはわかりません。)
一夕ノ夢

一夕ノ夢

劇団わたあめ工場

シアターシャイン(東京都)

2015/02/06 (金) ~ 2015/02/08 (日)公演終了

満足度★★★

七夕異聞
一年に一度出会う男女の、その先を綴ったような話。

ダークファンタジーを基調とする劇団とのことでしたが、それほどダークなイメージはありませんでした。

登場人物にもう少し感情移入できればよかったのですが。

暗く暖かな日々

暗く暖かな日々

小松台東

OFF OFFシアター(東京都)

2015/02/03 (火) ~ 2015/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

目が離せない
音楽も無い。照明や派手な道具やセットも無い。
しかし、魅力的で最後まで引きつけられる舞台でした。

ネタバレに続く

ネタバレBOX

内藤家長男 克則と妹 朋美二人兄弟は、長期入院中の母の見舞いをしながら、長い時間生活を共にして来た。

父、内藤晴夫は、何十年も前に失踪し音信不通。その晴夫が突如帰ってきて「今日からここに住む」っと言いだした事から舞台が始まる。

当然だが、娘 朋美は、身勝手な父晴夫が許せない。その息の詰まるピリピリとした嫌悪感が観て居る会場中に伝わる。

晴夫は、うなぎの骨を手土産に帰って来た事で、事無かれを通そうとするが、当然許されるわけがない。この晴夫の身勝手さが九州男子の性質そのもので、観て居て納得できる。こんな奴が九州の身勝手な男そのものだ!!!そうだ、こんな感じだ。終始晴夫役の坂口候一の存在感が九州そのものだった。

息子、内藤克則は、無職で頼りない。細かい事にうるさい。妹朋美に頼りっきりな姿は、本物のニートそのものだ。
克則には、何故か可愛い彼女が居る。幸恵ちゃんは、克則の部屋で生活をしている。無職だけれど優しい克則なのか?っと想像が膨らむ二人の存在が素晴らしい。

父晴夫には、親友、稲本勝が居る。稲本は世話好きで晴夫が口下手で許して欲しい気持ちを伝えられない事を知って居て、朋美と晴夫の仲を取り持とうとするその存在は、こんな人って必ずどこにでも居るっと言う感じが出て居て良かった。

この舞台は、親子の亀裂のピリピリ感とそれを中和しようとする世話焼きの空気感が、見事に描かれている。違和感を感じさせる瞬間が無いと言っても良いくらいの、見事な出来栄えだ。

是非、お勧めいたします。
ワンダーランド

ワンダーランド

Straw&Berry

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/02/04 (水) ~ 2015/02/11 (水)公演終了

満足度★★★★

妙技
構成の妙に驚いた。

ネタバレBOX

二組のある男女とその友人たちにまつわる話。
並行して二つの物語が展開する。
登場人物たちの名は同名だが異なった漢字表記。

二つの物語は似た展開なのだが、微妙な違いがある。
まるでパラレルワールドのような。

淡々と物語は進行する。
劇的な展開のない物語なのかと気を抜いていると、後半でひっくり返される。
このひっくり返しが実に見事。

物語内で、主人公の男は駆け出しの小説家で、雑誌に小説を発表している。その小説の題名が『ワンダーランド』。この芝居のタイトルと同じ。
その発表された雑誌を劇中で友人が読む。友人は最後まで順で読み進めるのが大変なので先にエピローグを読むことにする。最終章よりも前にエピローグを。その伏線があり、この劇自体も、エピローグが先に語られる。それは、登場人物の出てこない。情報だけのもの。一方は留守電に残された母?の言葉で、もう一方はテレビから流れてくる報道。
それまでの展開から、グダグダな方が悲劇へと至り、うまく行っている方がハッピーエンドとなったのだろうと予想する。
で、最終章がラストに来て、すべての謎解き。グダグダな方はずっと何かに苛まれ続けている。その痛みがどこから来ているのかは具体的には明かされないものの、過去に殺人事件を犯していたというような情報がちょっとだけ出される。その過去に苛まれ続けているのか、それともあらゆる事象に絶望いたからこそ事件を犯し、今もその中にいるのかはわからない。いずれにしても、苦しみ続けている。そして自殺をしようとするも、死ねない。そんな男を女は全てわかった上で優しく包み込む。そして男は女に結婚し、子供を作ろうという。(彼女と付き合ってからもインポテンツで立たなかったのだ。それは、安易に解釈すれば、子孫という未来に対する希望が失われているということのメタファーかもしれない。それが未来を志向できるようになったという。)一方、うまく行っているように見えた男は、女を殺めてしまう。こちらも結婚の約束をしていたのに。
共に理由は語られない。だらか想像するしかない。
この二組の関係は、一方が光で、一方が影。ポジとネガの関係のようにも映る。つまり、一見光の中にいるように見える側の闇が実は深く、闇の中にいる側にも光がある。または、光の中では闇は見えづらく、闇の中でこそ光の輝きが理解できるのだと。
まぁ、そんな解釈は作品の意味を矮小化しているだけかもしれない。
多様な解釈や想像を観客に想起させる仕掛けとして、劇的な結末に至る過程をすべて空白にしたところが、何よりも素晴らしい。
それも物語構成の順序を入れ替えることで、その空白を創り出していると共に、二つの物語はお互いの中で出てくる小説『ワンダーランド』を演じている劇中劇であるかのようにも見せている。その点も秀逸だった。どちらがどちらの劇中劇とも規定できないメビウスの輪のような仕掛け。凄い。

河西裕介氏の物語構成の妙に驚いた。

おまけ演劇も安定の高クオリティ。

<※2015.2.28 追記>
未読のため気づかなかったが、
村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』もパラレルに進行する物語のようだ。「ワンダーランド」はそこにもかかっているのだろう。
12人の怒れる・・・

12人の怒れる・・・

G/9-Project

神奈川県立青少年センター(神奈川県)

2015/02/06 (金) ~ 2015/02/13 (金)公演終了

合理的疑問が生じたため無星
かの傑作「12人の怒れる男」を、三審制度が廃止され陪審員制となった日本に翻案、父親を刺殺したとされる被告の青年が有罪か無罪かを男女各6人の陪審員が議論する物語。
半数が女性であることから一部の設定が変わっていたり、役割分担が変更されたりで「そう変えましたか」「それはあの人が言うのね」など原作を知っていればこその楽しみ方(「七人の侍」を知っていて「荒野の7人」を観た時のような)ができた。

がしかし、四方囲みの客席にしたのはいただけない。
現場見取り図を陪審員たちが見る場面、今まで観てきたものは大きなそれを掲示することで観客にも見せていたのに対して本作ではファイルされた資料を見る演出になっており、観客には見せないのだ。
やはり最大三方囲みにして掲示すべきだろう。

また、大熱演の方から時々トチる方まで役者の力量にかなりの差があったが、この値段ならやむなしか?

ところでチラシも当日パンフレットも「作・演出:仲尾玲二」となっており、レジナルド・ローズの名前がないのはいかがなものか?
この程度の翻案であれば「原作:レジナルド・ローズ「12人の怒れる男」」とした上で「作」ではなく「脚色(あるいは潤色とか脚本とか)」にすべきではないのか?(「作」の前にもう一文字あるならともかく)
以上の合理的疑問が生じたので評決は無罪…いや、評価は無星。

なお、当日受付にあったチケットに添付された予約票には私の苗字が誤記されており(よって受付担当者がまごついている間に私が見つけた)、下の名前を受付担当者に誤読された。(記載はカタカナ)
客の名前をこのように間違えるとは失敬な。
接客ということについてよく考えて、今後はこのようなことが決してないようにしていただきたい。

【追記】
公演ページの説明には「1954年、レジナルド・ローズの手により生み出された名作、『12人の怒れる男』にヒントを得、座付き作家・仲尾玲二により新たに書き下ろされた最新作!」とあるが、「ヒントを得」て「新たに書き下ろ」す予定だった「完全新作」が、何らかの事情により書き下ろせなかったのだろうか?

スィートホーム

スィートホーム

トム・プロジェクト

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/02/04 (水) ~ 2015/02/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

ずっしりと
「家族」というものを事件を通して考えさせられました。心地好い居場所=家であるべきだろうけど、あの少年は家庭の中でボールのように扱われそして爆弾に変わったのではないか?とも感じました。 古川さんらしい事件に想を得ての物語。今も色々な事件が起こっているけれど共通しているものもあるんだろうなぁ。人間だものね。高橋長英の祖父の心の揺れがじわじわと浸透して、孫の成長も見守りたく、、、。そして何より殺された家族の出し方とかの演出が感慨深く感じました。

Hello Ghost

Hello Ghost

すわいつ企画

ザ・ポケット(東京都)

2015/02/04 (水) ~ 2015/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★

初見
面白かった!笑いあり、涙ありの120分。リメイク作品との事だが、それだけのことはある。初日だったので台詞に多少怪しい部分はあったものの、最初から最後まで飽きることなく、時間の経過も忘れてのめり込んで観ていられた。ブレのないストーリー展開、お見事。

蛍の頃

蛍の頃

ペテカン

あうるすぽっと(東京都)

2015/02/06 (金) ~ 2015/02/11 (水)公演終了

満足度★★★★

ほろにが
 昭和30年代初頭、九州は宮崎、延岡、酒が飲めない体質の母、絹子はキャバレー、シスターのママをしていた。叔母の静江がチーママ。(追記後送)

スィートホーム

スィートホーム

トム・プロジェクト

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/02/04 (水) ~ 2015/02/09 (月)公演終了

満足度★★★

正攻法
堅実な舞台だった。

ネタバレBOX

役に入り込むことが演技の最良の方法なのかはわからないけれど、
ラストの辻井彰太さんの役への入り込み方は凄かった。

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