最新の観てきた!クチコミ一覧

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Béranger

Béranger

EgofiLter

シアター711(東京都)

2015/05/13 (水) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★

どんな人間のなかにも
Berangerは潜んでいる-------

私は、かつてポーランドを旅して以来、ユダヤ人について強い興味を持っていた為、実に有意義な2時間となった。
イヨネスコとシオラン、または、アンドレアとベランジェ、ひつじと八男坊(村の子ども)など対比の妙が心地よく、最後まで、手に汗握る、ドキドキのstageだった。
さらに、このFlyerのデザインをよく見ると、5人の人間が串刺しになっている。ルーマニアのウラキア公ヴラド3世(ドラキュラのモデル)の過去とリンクして、実に意味深な仕上がり。
観劇後、ルーマニアを訪ねる旅に出たくなること、間違いなし!
Good Job!!

ネタバレBOX

圧政や貧困、そして宗教観と外圧。。。この手の不条理劇に「魔女」を登場させ、いろいろな提起を観客に与えてくれた脚本に脱帽。
朝劇 センター街VANDALISM『渋谷・イン・ワンダーランド』

朝劇 センター街VANDALISM『渋谷・イン・ワンダーランド』

朝劇

CAFE & BAR VANDALISM渋谷(東京都渋谷区宇田川町26-9 太田ビルB1F )(東京都)

2015/05/14 (木) ~ 2015/08/31 (月)公演終了

満足度★★★★

これから
頑張って早起きして、朝ごはん食べて、お芝居観て、役者さんとお話して、お見送りされて、仕事と。

まぁ充実した一日の始まりでした!

お芝居のほうは、これからもっと良くなっていくと思います。

でも、週一だといろいろ調整が難しいかな

また観に行きたいです

1人芝居『てのひらの夜/とみこのむすこ』

1人芝居『てのひらの夜/とみこのむすこ』

浅見臣樹1人企画

風みどり(新中野)(東京都)

2015/05/16 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★

予想外に愛情あります。
前半の「手のひら~」雰囲気違う
真面目な風貌で、奇妙で狂気っぽい話
真摯に演技されて新鮮です。
後半は、対話も交えて浅見さんらしい
笑っちゃう現象から始まり
母親とへの思いを照れながら表現されてました。
一人芝居っていう堅苦しい形を崩して、こんなのもアリかなって思えます。
富子愛の滲みでる可愛い作品です。TB済

恋するアンチヒーロー

恋するアンチヒーロー

合同会社シザーブリッツ

サンモールスタジオ(東京都)

2015/05/08 (金) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

チームAを観劇
5月10日(日)マチネ、チームAを観劇。女性客が非常に多く、やや場違いな気持ちでしたが開演とともにそんなことはどこへやら、すっかり見入ってしまいました。
ヒーローと敵役。そう簡単に線引きできるものではなく、時と場合によって人はどちらにもなりうるわけですからね。ちょっとおバカだけどカッコいいレッド、ダンディーなブルー、体型はともかくキャラのイメージは保つイエロー、実は最強ピンク、そしてグリーン・・・終盤の展開は観ていて「えっ!?」ってなりました。
笑いすぎて涙が出るほど楽しませていただきました!

わしゆん!

わしゆん!

BuzzFestTheater

「劇」小劇場(東京都)

2015/05/13 (水) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

感動!!
すべてのことに凝っていて、沖縄の雰囲気に癒されました♪

色々なことが起こって色々考えさせられるけど、最後にタイトルの意味に繋がる、すごくキレイなストーリーです。
好きな場面…と思い返してみたけど、選べない!それくらい全部の場面が大好きです。

かべぎわのカレンダリオ

かべぎわのカレンダリオ

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2015/05/14 (木) ~ 2015/05/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

A公演~銃声の意味
いやー、大変面白かった。
ギャングの抗争、裏切りと復讐というよくある設定なのに、
登場人物が魅力的で魅せる。
主人公のカレンダー(福地教光)のクールなだけでない隠れた苦悩や、
ピストーネ(上杉逸平)の含蓄ある台詞、
ヒステリックに怒鳴り散らしながら必死で不安を押し殺そうとするヴァンチュラ(土屋兼久)、
日和見主義のピアス(ガラかつとし)の世渡りぶりなど
人物像の陰影がくっきりしていてストーリーに厚みがあるのが素晴らしい。
私の大好きなバンタムの銃声に“意味”を持たせるのは、このキャラの奥行きに他ならない。
完璧なタイミングで放つ銃声と死に方、薬莢の乾いた音にたまらなく震える。

ネタバレBOX

ローマを牛耳るボス、ピストーネ(上杉逸平)が、手下のピアス(ガラかつとし)に裏切られ
撃たれて死ぬところから物語は始まる。
後継者ヴァンチュラ(土屋兼久)は、ピストーネが守って来た街の映画館を潰そうと計画、
赤字を立て直すと称して映画館に会計士を送り込むが、この会計士が、
実は殺し屋のカレンダー(福地教光)だった。
ラウラ(椎名亜音)とマレーネ(宮島小百合)が二人で切り回す小さな映画館は、
会計士の指示で少しずつ売り上げを伸ばしていく。
マレーネの暗殺を命じられたカレンダーの真意はどこにあるのか。
やがてマレーネがピストーネの娘であることや、カレンダーの悲痛な過去が明かされる…。

舞台上で殺し屋ほど魅力的な役はないと思う。
究極の緊張を伴い、人としてある部分が欠落していなければできない職業だけに
その抑制の効いた行動とコンプレックスのギャップがアンバランスで面白い。
カレンダーもその一人で、自信たっぷりだったかと思うと弱々しい過去を晒したり
会計士として誠実に腕を振るったかと思えば、女の殺し屋をあっさり葬る。
福地さんはその振れ幅が大きくてきれいなのが最大の魅力だ。

ピストーネの映画に関する深い台詞もいいし、
裏切者ピアスの日和った生き方も味がある。
神父で殺し屋という超アンビバレントな職業を自在に行き来する男も面白かった。
演じる小川大悟さんの2丁拳銃がかっこよかったし、カレンダーを助ける男気がいい。
サイショモンドダスト★さんの抑えた声と崩れない姿勢が、とても印象的だった。
女優さんがみなクラシックな雰囲気を持っていて綺麗。

スピーディーな場転と出ハケ、時間と場所を瞬時に切り替える照明も効果的で
教会の場面や回想シーンなど映画のようにドラマチック。

結局マレーネを守ろうとした男たちは、誰かに守られて生き延びる。
それが最後に温かな手触りを残すので、途中結構凄惨な場面もあったはずなのに
何となくめでたし感を以て終わる。
細川氏の向日性が感じられてちょっと嬉しい。
カレンダーがいつか客席に座る日を、私も密かに待っている。


「ままごとの次第。」

「ままごとの次第。」

インプロカンパニーPlatform

小劇場 楽園(東京都)

2015/05/12 (火) ~ 2015/05/16 (土)公演終了

満足度★★★★★

堪能しました
インプロの特徴を活かした話しの展開に、「ままごと」が大変楽しくスリリングさに堪能しました。観客のノリも重要な要素ですが、上手くのせた劇団の力量は確かでした。インプロ以外のお芝居も観てみたいものです。

消失点

消失点

JACROW

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/05/13 (水) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

問題提起してくれる、社会派作品...
社会の仕組みが変化しつつあるところで、一番しわ寄せを受けているのが子供ということかもしれない。各キャストが、ベストを出し切っている、と感じました。次作も大いに期待です。

消失点

消失点

JACROW

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/05/13 (水) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★

ネグレクト
 話題に欠くことの無い児童虐待・遺棄の話である。

ネタバレBOX

 行動原理の特色として、この「国」はprincipleを持っていないということを最近随分書いているから、またか、と思われるむきもあろう。然し、記紀以来、日本に独自のprincipleが生まれたことなど一度も無い。海外で高く評価される武士道の根底は江戸幕府が、支配の為に編み出した手段の一つに過ぎず、その根底に流れるのは、儒教の中でも最も君臣の恩、上下関係の絶対性を強調する朱子学であり、唯一、儒教の中で革命を説いた哲学である陽明学を報じた者は、出世街道から外された。因みに江戸時代以降、幕府・中央政権に反旗を翻した革命家で西洋思想によ
らない者は、陽明学の流れを受けている。大塩平八郎然り、佐久間 象山然り、吉田松陰然り、西郷隆盛然り、高杉 晋作然りである。その行動原理は知行合一。
 何でこのようなことを書くか? 無論、今作と関係があると考えるからである。今作で問題になっているのが、母親のネグレクトによる小学校入学相当女児の死である。この母、根本 幸は3年前に離婚。幸の母は教師であった。短大を卒業した後、根本 公平と結婚、離婚後も旧姓に戻していない。この苗字と名前にも、作家が深い意味を持たせていることは明白である。公平は公平な判断に通じ、幸は、幸せに通じる。それが、日本の民衆が、根本的に思っていることだと、少なくとも念じていることだと考え、作家は祈るような気持ちで根本という苗字を選んだのだろう。ということは、この夫婦の抱えている問題は、我々皆が抱える根本問題であり、公平を期してする夫の会話は、日本の平均的夫の価値観を代弁し、幸の願う幸せは、この「国」の平均的主婦の願う幸せなのである。だが、ここに問題の根があると筆者は考える。問題点は2つ。1つは、第1段で述べた、principleの欠如、即ち行動原理を明確な言語化し難いという文化・文明的背景。もう一つが、事件の核心を描くに当たって“お約束通り”外堀から埋めに掛かっている点である。男女の関係は、最も遠く同時に最も近い、という微妙な関係のバランスである。夫婦ともなれば、それに世間、世間体が大きく関わってくる。principleの欠如する社会に於いて、行動原理を規定するのが情緒、それも原理主義でしかあり得ない以上、それを現実に規制するのは、村の掟、村社会の掟以外ではない。此処までは、誰でも見えるのだ。そして、その地平からしか描かれていない点に今作の難がある。同時に大衆受けもするのだが。問題は、ディスコミュニケーションの本体は、人間の根本的孤独を人間全体の問題として捉えることのできないこの国のディスクールにあると考える。そして、そのことを本質として、作品作りをするなら、別のアプローチが生まれたハズである
 更なる作家哲学の深化を期待する。
 以上のことは、作品を観て貰えば、理解して貰えよう。因みに取り調べを受け持つ刑事、梶原の部下、田村が、署長の富山が飼っているペットのオウムに言葉を教えることに関して、オウム語ってどんな言語なのか? という意味の問い掛けをし、根本的に通じない言葉(言語・状況)を問題にしている点に、このことは凝縮されているとみて良かろう。
もっと超越した所へ。

もっと超越した所へ。

月刊「根本宗子」

ザ・スズナリ(東京都)

2015/05/09 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★

根本満載だけど
たしかにお芝居としてレベルは高いのは事実だけど 
一部の方も書かれてるよう みなさんの評価がここまで高いことに ちょっと違和感を感じるかな。

ネタバレBOX

まず 四つの部屋が現れ 同時に四人の女性が別々の部屋で生活しているという。 
台詞が無い状態が五分くらい?続くのですが そこのシーンが長くて飽きちゃったこと。


他の方も書かれてた気がしますが 
まちこ(根本宗子)の部屋に初めて行った レイト(土屋シオン)が くつろいでベットにすぐ上がっちゃうのは不自然。
レイトは セカイノオワリのフカセ君を思わせるという。
あと レイトはファンに向けて ツイキャスをすぐのですが 
ファンに向けて恋人の自慢ともとれる話をするのは ちょっと現実的でないのでは?


ダメっぷりと、喧嘩のシーンが長くて ラストの見せ場にたどり着くまで ちょっとシンドカッタです。。


全体的に感じた事は ダメな男って確かにいるし それを上手く描いてはいるけれど。
ダメは実際 全体の2・3割だと思ってます。
つまりほとんどはダメじゃないと感じるのです。
ということは この作品って男性に対する偏った見方、とも見れるわけで 
ダメんずさんとは 本来少数派であるはずのダメな人を わざわざ選んでるだけの話で。
(もちろん 本人が幸せなら それは尊重しますけど)。
何が言いたいかって この作品については どこか嫌な感じにも見えてしまうのですよね~。


それは ラストの彼女たちの選択にも表れているように見えて。
「それって幸せな選択じゃないじゃん」って感じてしまう。
もちろん ダメな男を選ぶ人生もあるし 何も悪いことではないのだけれど、
お芝居にすると・・・です。


男女の関係性に『爽やかさ』とか『かわいらしさ』が感じられず
ダメ男四人に 作り手の愛情をほとんど感じないのが 私は一番引っかかった。


時間を戻して?4人のダメ男が戻ってくるシーン 良かったし。
赤いドレスのラストも あれは圧巻 ☆☆
あと 初めから終わりまで 笑いを外さないのが さすがだと思いました。 
出てる役者さん みんな良かったけれど なかでも風俗嬢の役の方好きです。
いっぱい良いところはありました。根本満載だった。


岩井俊二って人の作品は 私は一度も見たことないけれど(あるかもしれないけど、どれがそうだったかわからない) 
クドカンと根本作品は なかなか好きです。
もっと超越した所へ。

もっと超越した所へ。

月刊「根本宗子」

ザ・スズナリ(東京都)

2015/05/09 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

みてきたー!!
初めて根本宗子さんの作演出のお芝居をみました!
すごく引き込まれていきました!!
おわってからは超越ってなんだろうってひたすら考えてます!

消失点

消失点

JACROW

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/05/13 (水) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

星★★★★★プラス★
この題材なら、いくらでもあざとく作れたと思うが、観た後、なんだか品位さえ感じてしまう。罪に問われた人間だけでなく、まわりの人間もある時を境に凍てついていた心が静かに氷解しはじめる。

それが この舞台の救いなのだと思う。

慟哭 よりも切ない 最後の若い母親の声。

Béranger

Béranger

EgofiLter

シアター711(東京都)

2015/05/13 (水) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

Béranger
 日本人には馴染みの薄い、ルーマニアの片田舎。1940年。アンチセミティズムを標榜する極右組織、鉄衛団のポーランド人カリスマ、コルネリウ・コドレアヌが1938年に投獄、処刑された為、下火になっていた運動は、38年のカロル2世国王による親政政治を敷いた後にも、鉄衛団残党に大きな影響力を持っていたイオン・アントネスク将軍を中心としたクーデタで政権を奪取。以降鉄衛団の恐怖政治が開始された。

ネタバレBOX

 その政情不安の中、若い頃のウージェーヌ・イヨネスコが如何なる風土で如何なる体験をし、それがその後の彼の作品に如何様に結実していったのかを探るに頗る示唆的な作品である。行動原理として、本質的に情緒原理主義しか持たない日本人にも分かり易く、ルーマニアに於ける魔女の社会性に、複雑な政治情勢をオーバーラップさせて描いているシナリオも評価されるべきであろう。因みに此処に登場する魔女達はロマ族であり、15世紀ワラキア公、ヴラド3世(串刺し公として、また吸血鬼ドラキュラのモデルとされたということで有名)施政下、宮廷公認の魔女の末裔である。因みに
 更に、政情不安で価値観の大幅に下落したルーマニア通貨に変わって、金が重用されていることも興味深い。このことは、攫われたユダヤ人富豪の娘、アンドレアの生死が、父の隠し財産が、金・金貨であるかルーマニア紙幣であるかによって変わる、というリアリティーによって表現されている。ソ連崩壊後の周辺国、ロシアルーブルの下落ぶりは記憶に新しかろう。それとも、殆どの日本人は、1989年が、世界変動のメルクマールであるとの常識すら持ち合わせていないか。安倍のような姑息で頭の悪い支配者が支配者面していられるのは、多数決原理が幅をきかせる現在、とどのつまり、愚衆がマジョリティーを占めているからである。戦争に巻き込まれる責任は、これら愚衆と彼らを先導・扇動した為政者サイド(政治屋、御用企業、御用学者、御用メディア、御用「思想家」、経済マフィアたる銀行・金融業、官僚・殊に2+2日本側メンバーの責任は極めて大きい)の選択にある。
 前段のような状況を考えるのであれば、政治のどす黒さをもっと出しても良かったかとは思う。出し方は、更に難しくなるが、意欲的でラディカルなエゴフィルターなら、将来、このような難しい要求にも応じてくれるかも知れぬ。(願わくば応じられるような政治状況であって欲しいものである。最早、政治的には不可能の声が圧倒的に響くのが気掛かりである)
もっと超越した所へ。

もっと超越した所へ。

月刊「根本宗子」

ザ・スズナリ(東京都)

2015/05/09 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

超越した面白さとリアルさを併せ持つ演劇
 根本宗子が脚本を書き、演出し、出演しているお芝居は
今見なきゃいけない。後からじゃ駄目なんですか?はい、駄目です。
彼女は徹底して「今だから。私だから」(☆)書ける
作品にこだわっているから。
彼女が言う「今だから。私だから」書けるものとは
どんなものなのか?評論家さんの多くは彼女の作品を
「リアル女子演劇」と語っている。まあ、的を得ている
言葉だと思う。今を生きる女性たちの可愛い部分だけで
なく醜い部分も合わせ、リアルに描いているから。
でも、まだ言葉が足りない。リアルなのは女性だけではない。
男性もなのだ。
 
 この作品は男性側のリアル、俗に言う「ダメンズ」のリアルが
半端無い。劇中には、4種類・4人のダメンズが登場する。
プライドが異常に高いダメンズ、ナルシストダメンズ、
小心者ダメンズ、相手を傷つけたくないと思えば思うほど
傷つけてしまう、他人と深く付き合えないダメンズ。
笑ってしまうほど「こんな奴いるいる!」と凄く納得してしまう。
4人を一言で片付けてしまったが、各々には、
経済力の皆無、強烈な卑屈精神など駄目っぷりが十重二十重に
てんこ盛りされている。なのに誇張だとは思わない。
何をやっても駄目な男って周囲に結構いるという現実を
根本に再認識させられたからだろう。
 その4人にはそれぞれ彼女や女友達がいる。
彼女たちは皆、しっかり者で真面目で働き者で、
経済的に自立しているという、今時の女性だ。
登場人物全てが根本が言う「今だから」を体現している。
彼女たちは真剣に男の事を思い、現状の改善や将来の事について
真面目に考えているのに、ダメンズたちはその場限りの言い訳や、
責任回避などに明け暮れ、彼女たちの足を引っ張ってばかり。
空回りするやりとりが、幾度となく観客の爆笑を誘う。
当然、彼女たちはキレる。相手を傷つけたくないと思えば思うほど
相手を傷つけてしまう男が言う感情のこもっていない奇麗事に、
女性は泣きながら怒りをぶつける。「自分だけ良いカッコしないで」と。
拙者、こういう事、言われた事あります(笑)。いや笑っちゃ
いけないな、真剣に怒られたのだから。彼女たちが言う
男たちを非難する言葉、男性の観客なら、少なくともどれか一つは
自分にも身に覚えがあるはずだ。逆に言えば、女性の観客なら、
そういう言葉を実際に男に浴びせた記憶があるのではないか。
それだけ、男女問わず幅広く多くの共感を得られるという事だ。
 
 この4組の男女のお話が、文字通り「同時」進行
するという、今までに見た事がない構成だ。これが凄く面白い!
「どこでも観たことがないものをやり続けたい」(☆)という
彼女の決意が見事に反映されている。
それぞれの舞台は、主に女性の部屋。そこには、彼氏が好きな
ファンタオレンジの空きペットボトルがたくさん入ったゴミ袋や、
ジャニーズの顔写真が写ったウチワ、ピカチュウやキティちゃんの
ぬいぐるみなどがあり、舞台装置のリアルさにも抜かりがない。
それらが、根本作品の「私だから」を強烈に感じさせる。

 なぜこれほどまでにリアルなのか?出演者の小沢道成は
根本宗子について「とにかく見てるんです。人を。(中略)
観察力のずば抜けた人。まじビビる」(※)と述べている。
同じく出演者の大竹沙絵子も同様の意見である。
彼らが語る、根本のずば抜けた観察力が、彼女の作品の
凄まじいほどのリアルを支えているのだ。
彼女は自身の作品を「私は人を描くことで動く物語が
多い」(※)と分析している。ストーリーが登場人物たちを
動かしていくのではない。ずば抜けた観察力で描いた
今を生きるリアルな人間たちが、ストーリーを動かしていくのが
根本作品の特徴なのだ。だから、登場人物たちの発言や行動が
自然で、それがストーリーの自然さ・リアルさ、面白さに
繋がっている。その特徴は、このお芝居で一際際立っている。
他の作家が書く演劇では、それらがここまで突き抜けた
ものはなかなか見られない。
 最後の最後まで、「ありきたりなものなんていらないし、
もっと超越した感情が私はほしい」(*)という彼女の強い
意志に貫かれたこの作品。ラストのラストまで目が離せない。
面白かったの一言では済まされない、それよりはるかに
超越した感情を、観る者全てに与えた事は
紛れもない事実だ。

(終わり)

☆「ご挨拶」より抜粋
※パンフレットより抜粋
*月刊「根本宗子」のブログより抜粋

いずい熱

いずい熱

the pillow talk

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2015/05/14 (木) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★

白色
円形

ネタバレBOX

津波防止用の大防波堤を作ろうとしている港町で二浪している青年と、彼を巡る人たちの話。

先に東大に行った同級生の女性は東大を見限って海外留学を考えているのに、受かりそうもない東大に母親ともどもまだ拘っている愚かさ。

そのお母さんの直情的な行動には恐れ入って笑いました。

目的を持つこともモラトリアムな生活を送ることもできない浪人生、特に二浪生ともなると確かにいずいというしっくりこない感覚になるのでしょうね。そして、本当の目的、進むべき道に気づいたのかと思ったのですが、なんだよ、三浪かいって。

色々下心があってパソコンを買ってもらったはずなのに、伏線の回収は不十分でした。

青山円形劇場を偲んで作ったような舞台、来月観劇予定の『わが星』を意識したような舞台、時々120度ずつずらし配慮が行き届いていました。
恋するアンチヒーロー

恋するアンチヒーロー

合同会社シザーブリッツ

サンモールスタジオ(東京都)

2015/05/08 (金) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

戦闘員がヒーローを倒す日
フライヤーの時点では、アイドル、イケメンを揃えた若い人向けの作品なのかなー?
なんて軽い気持ちで観劇したのですが、その完成度の高さに驚きました。

ケチの付け所がないというか、綻びや隙がまったく無かったように感じました。
戦隊ヒーロー物(といっていいのかな?)のシットコムでは今まで観劇した中で一番かもしれない。
物語自体が非常に良く出来ていたと思いますし、
笑いやシリアスの配分や見せ方といった演出も素晴らしかった。

配役がばっちりで、演技も良かったです。
特にレッドが素晴らしかった。
普段の威圧感溢れる演技が抜群に良かったので、コミカルな場面がとても映えていたと思います。

ネタバレBOX

4人で決めポーズを決める中、ちゃっかり入り込むグリーン(真中)の場面がとても好き。





[memo]
秘密結社の戦闘員・真中はカフェ店員の奈々を好きになる。
ガルルンジャーが好きな彼女のために自分がガルグリーンであると嘘を吐く。

カフェにガルルンジャーの4人が現れる。
ガルグリーンは辞めたので(ピンクの膝蹴りで追い出した)、新しいグリーンが配属されることに。
真中は新しいグリーンとして振る舞う。

レッドはカフェ店員の美樹に一目惚れ。
戦闘員の新田、佐々木も気があると勘違いして美樹をかけて王様ゲーム。

真中をフォローしようとしていた怪人、新田、佐々木らが戦闘員とバレる。
レッドは真中に3人を倒すように命令。
3人を倒すことは出来ず、自分も戦闘員であると告白。

レッドは4人に襲いかかる。
戦闘員の一人、新田が実はガルグリーン(存在感がなく気付かれなかった)。
ピンチに陥るがイエローの作った薬(毒薬のはずが間違ってパワーが2倍になる薬)を飲んで復活。
レッドを倒す。

美樹は新田と付き合い始める?
真中と奈々もうまく行きそうな感じ。
消失点

消失点

JACROW

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/05/13 (水) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

紙一重
紙一重でもあり、その間に無数の事情が存在するのだと思いました。

ネタバレBOX

娘を家に放置して殺した女を取り調べている男もまた家で息子を放置しているという話。

正面と脇正面の手前にそれぞれ子供の人形が置かれ、二つの家庭がありました。

犯罪者になった者とならなかった者は紙一重、この紙一重を並列に描いているところが秀逸でした。刑事役の谷仲恵輔さんの最初の疲れ切った顔と、別居中の妻に預けることにした後の少し安堵した顔の変化も見事でした。

児童相談所の職員と小学校教諭については、後一歩踏み込むべきだったとは思いますが、個人の問題ではなく組織の問題だと思います。
Cherry Lady

Cherry Lady

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

pit北/区域(東京都)

2015/05/14 (木) ~ 2015/05/18 (月)公演終了

満足度★★★★

昼の回にはアフタートークがあったのか
開演前から役者さんが舞台に現れ,準備運動をしている。後になってわかるが,いろいろと仕込みがされている。ちょっと面白いなぁと思ったところで,芝居が始まり,ここからが大変,現実と虚構,価値観,意識,なんか違和感が膨らんでくる。最後になってようやっと腑に落ちたけど(ような気がするが・・・),それまで頭の中の整理が追い付かない,どんどんかき回されている感じ。これで思春期公演かよ。これから先,この劇団どうなっていくんだよ。後で気が付いたのだが,昼の回にはアフタートークがあるとのこと。とうてい昼の回の観劇などできないが(休みを取れるような時期ではなかった),聞きたかったなぁ。面白い話が聞けたんじゃないかなぁ。海賊ハイジャックから改名後の初観劇であったが,やはりこの劇団,これからも目が離せない。

Linked to 〜四舎八房より〜

Linked to 〜四舎八房より〜

劇団e-schein

テアトルBONBON(東京都)

2015/05/13 (水) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かったです!
ただ、暗転の回数が異常に多かったので違和感を感じる人もいるかも・・・

誰がための笛は鳴る

誰がための笛は鳴る

空間交合〈アサンブラージュ〉リジッター企画

吉祥寺シアター(東京都)

2015/05/08 (金) ~ 2015/05/18 (月)公演終了

好き嫌いはわかれると思いますさ→訂正あり
ほんとは、観たその晩のうちに「なんだか私には」的なことを書きかけました。で、少し時間をおいた次第。リジッターさんらしい全身全霊の「攻撃」(リジッターさんは公演のことをこう呼ぶ)と思いますが、私には受け止めきれない。客席の反応も様々。途中より目をつむり拒絶を示すの男性。私は、目は閉じないにせよ、なんだか居心地の悪さは最後まで。

役者さんひとりひとり、どんな思いでこの舞台を そして役を演じてたのか、いくらかでも聞きたくてアフタートークまで居ましたが、内容は、なんだかアイドルのファンイベントのノリ、ちょっとガッカリ。

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