最新の観てきた!クチコミ一覧

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ミュージカル『スコット&ゼルダ』

ミュージカル『スコット&ゼルダ』

ホリプロ

天王洲 銀河劇場(東京都)

2015/10/17 (土) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

才能ある男に惚れた女の弱みが哀切
フィッツジェラルドの本は読んだ記憶がなく、ロバートレッドフォードの「華麗なるギャッツビー」しか、観たことのない人間なので、ウエンツさんのスコットが適任かどうかは、判断できないのですが、何となく、ゼルダ役の濱田さんとの釣り合いが取れないような印象を受けました。

むしろ、中河内さんの方が、適任だったような気さえします。

でも、ウエンツさんの歌声は胸に沁みました。

コメディの方が向いていそうなウエンツさんですが、これからの舞台俳優としての成長に期待感を持たせる作品ではありました。

濱田さんのゼルダは、本当に愛おしくなる可愛さに満ちていました。

この作品の作家役の山西さんの存在感も、この作品に深みを増す要素になっていました。

中河内さんを中心としたアンサンブルのダンスが、美しく、ゼルダの思い出話の陰影をうまく表出する効果絶大でした。

才能ある男に惹かれて、自分を見失って行く、女の悲劇が哀切極まりなく、風前の灯のような美しさに、涙する観劇でした。

ネタバレBOX

ゼルダが入院中の精神病院が、彼女のスコットとの思い出話の度に、一瞬にして、幻想的な昔のシーンに切り替わる、舞台マジックが巧みでした。

さすが、鈴木裕美さんの演出力!

ウエンツさんのスコットは、もしかしたら、案外実像に近いのかもしれません。

でも、「華麗なるギャッツビー」のイメージがあるので、井上さんとか城田さんの方が、相応しかったような気もします。
台詞や歌はいいのに、立居振舞やダンスが、濱田さんには、引けを取ってしまうのが、観ていて、お気の毒な気さえしました。

夫に、知らない内に日記を盗用されてしまうゼルダの困惑には、私も、身につまされる思いがありました。
一部に異常な才能がある男は、とかく、他の面では、成長不良な性格をたくさん有していて、そういう男に惚れた女は、自分の存在を消して生きなければならないハンデを負いがちです。

ゼルダを監禁しながら、「華麗なるギャッツビー」を執筆したというスコット。精神を病んで初めて、自分の小説を書けるようになったゼルダの悲哀。彼女が、精神病院の火事で命を落とした事実は、知らなかっただけに、衝撃でした。
でも、どこかで、彼女は、偉大な小説家の妻としての人生を享受していたのかもしれません。

「パッション」と言い、男と女の仲は、複雑怪奇なものだと、思い知らされた気がしました。
橙色の中古車

橙色の中古車

FUKAIPRODUCE羽衣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/10/30 (金) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

みてきた
ユーモアとペーソスにまみれた観客参加型?のお芝居です。

演劇計画Ⅱ-戯曲創作- 山崎彬 作・演出 「また愛か」

演劇計画Ⅱ-戯曲創作- 山崎彬 作・演出 「また愛か」

京都芸術センター

京都芸術センター(京都府)

2015/10/24 (土) ~ 2015/11/02 (月)公演終了

満足度★★★★★

あちこちで鼻をすする音
2幕構成の演劇です。第2幕で心が揺さぶられます。鼻をすする音、ハンカチを手にする人が増えてきます。一番前に陣取っていましたが、雰囲気でわかります。私だけじゃないんだって。

橙色の中古車

橙色の中古車

FUKAIPRODUCE羽衣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/10/30 (金) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★

結構面白い一人芝居
ひとりの女性がアルゼンチンに旅したことを、笑い声とちょっと突っ張り(?)と身体表現で構成した、面白い仕立ての一人芝居ながらも、どう体験し、どう感想をもてたのかが足りなかったね。でも面白かった、62分でした。

ホフマン物語

ホフマン物語

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2015/10/30 (金) ~ 2015/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

ブラボ~!!
ファーストキャストで観てきました。
新国立劇場の新作です。
衣装、舞台セット、照明が、それぞれの場面で美しく、繊細で、大胆で、とても楽しめます。
ダンサーさんたちが、それぞれのテクニック、表現力を遺憾なく発揮して、とても素晴らしい舞台になっていました。
東京フィルのオーケストラも素晴らしかったです。

地を渡る舟 ―1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち―

地を渡る舟 ―1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち―

てがみ座

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/10/23 (金) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

知らなかった事実
演劇を通して知ることもたくさんある。考えることはもっとある。未来へ歩んでいかなきゃかなぁ、とも感じました。

モーツァルト/歌劇『フィガロの結婚』 ~庭師は見た!~ 新演出

モーツァルト/歌劇『フィガロの結婚』 ~庭師は見た!~ 新演出

東京芸術劇場

東京芸術劇場 コンサートホール(東京都)

2015/10/24 (土) ~ 2015/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

初オペラ
だと思う。野田MAPみたいがすごくあって面白かった。隣に座っていた見るからにオペラ好きなカップルが大笑いして観ていてこちらも思わず笑ってしまったり…。オペラって総合芸術ですよね。演奏・歌・芝居・ダンス・美術・照明…すべてが一つになって作品となる!!観る機会が出来て良かったです。

劇団東京乾電池の月末劇場 総集編

劇団東京乾電池の月末劇場 総集編

劇団東京乾電池

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2015/10/02 (金) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

ヂアロオグ他
命を弄ぶ男ふたりの二本立て。このお値段で濃密なお芝居をみられるのは本当にお得感たっぷり。しかも面白い!!またぜひやって欲しい企画です。

Friend,Friends  友達、友達 / ドラマリーディング「8」

Friend,Friends 友達、友達 / ドラマリーディング「8」

劇団フライングステージ

OFF・OFFシアター(東京都)

2015/10/28 (水) ~ 2015/11/02 (月)公演終了

満足度★★★★

心に響くものがありました
同性愛、世間の偏見と戦うのは大変な事だと思いました。
カップルになるか、ならないか、本人達の心の葛藤が、悲しくて切なくて、
ずっとウルウルしてました。

シー・ザ・ライト

シー・ザ・ライト

もぴプロジェクト

高田馬場ラビネスト(東京都)

2015/10/28 (水) ~ 2015/11/03 (火)公演終了

満足度★★★

物足りない
「光を求めて、必死に。」
頑張っていることと、必死なのは違うと思うんです。
必死さが伝わってこなかった。

『VAGUENIGMA -1999- 宮堂青年の幻怪モラトリアム』

『VAGUENIGMA -1999- 宮堂青年の幻怪モラトリアム』

疾駆猿

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2015/10/21 (水) ~ 2015/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

時代が変わってもベイゲニはベイゲニ!
晩春→初夏の順に、観劇。
おのおの約2時間でした。

基本の展開はほぼ同じで、
途中に主人公たちが遭遇する事件が別のもの…というつくり。

人間と、それ以外の存在を舞台上に同居させる描きかた、
違う場所にいる人達をレイヤーを重ねるように見せるシーン、
一人一人に焦点が当たるオープニングが好みです。

見えない登場人物には神妖はとことん見えてなくて、
好き放題の神妖たちの動きも可愛らしかったです。
役者さんたちが各々フルパワーで動いている場面が多くて
1回だと「どこが今のメインだ?」と悩んでしまうほどでした。

過去作品の登場人物と関連していそうなキャラクターがいたり、
描かれてない過去や今後の展開を匂わせるセリフなど、
今までのシリーズを見てるとにやりとするし、
次回以降も楽しみな作品でした。

事前入金者の列、当日精算の列、キャンセル待ちの列、と劇場前で振り分けるスタッフさんも手際よかったと思います。

劇場内も、当日券&遅れて入ってくる人用に、
まえもって座席一列を
(前の列と高さが同じ場所で、
 出入りしやすいけど
 はっきりいって他のところより見づらい列)
あけておくのも、考えてるなぁと思いました。

ネタバレBOX

個人的に、初夏のエピソードは、
メインの包丁婆事件に絡む「いじめ自殺した子の名前」などがセリフでしかでてこず、
少しストーリーとしては物足りない部分を感じました。
(晩春と続けて観たからかも…?)

舞台版 うしおととら第四十四章「季節石化」

舞台版 うしおととら第四十四章「季節石化」

シアターOM

シアターOM(大阪府)

2015/10/16 (金) ~ 2015/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

「うしとら」とっても楽しかった♪
決戦が近いのに…。
潮ととらの記憶を無くした妖と人は…。
孤立する一人と一匹。
そして、白面に操られ(ジエメイの血を引く)真由子を生贄に獣の槍を作ろうとする妖!
真由子の身代わりを申し出る麻子!

潮ととらは二人を救えるのか…。

とってもハラハラドキドキで楽しかったです♪
いよいよ決戦に向け、怒濤の展開!

追伸、この劇団さんは、前説の前説、そして本ちゃんの前説、と本当に楽しませてくれます。
そして1500円という超リーズナブルな価格で、この楽しさ。
月光条例の影響もあるのか、お客さんが大増員…でした。

ネタバレBOX

嬉しい悲鳴ですが、お客さんが大増員…、なので、客席が狭い。
皆、譲り合って我慢しましょう!

追伸、撮影可能なので、一眼レフなどで撮影される方も…。
その時、どうしてもカメラを両手持ちするので、肩肘が張って、隣が更に狭くなります。
カメラ撮影の方、気をつけて下さいね。
BATIK トライアルvol.15

BATIK トライアルvol.15

BATIK(黒田育世)

森下スタジオ(東京都)

2015/10/30 (金) ~ 2015/10/31 (土)公演終了

満足度★★★★

無題1639(15-328)
19:30の回(晴)。

19:02受付(チケットに整理番号あり)、19:17開場。桟敷+椅子席、19:35前説(黒田さん)、開演~20:20、松本じろさん演奏/休憩、20:40~21:19終演。

松本さんは原美術館での公演や「vol.13」の公演などで。

繰り返しが多く苦行僧のような印象、パワーで押し切る様子はかなりの圧倒感。

錆びつきジャックは死ぬほど死にたい

錆びつきジャックは死ぬほど死にたい

ポップンマッシュルームチキン野郎

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2015/10/28 (水) ~ 2015/11/03 (火)公演終了

満足度★★★

ポップンマッシュルームチキン野郎はこんなレベルではないと思う
大作にしてしまったためか、登場人物も多い。
しかし、毒も笑いもいつもより少なく感じた。
いつもの彼らの面白レベルには達せず。
もちろん、ほかと比べれば、面白いことは面白いんだけどね。

好きな劇団なので、少々辛口になった。

ネタバレBOX

このストーリー、チラシを見たときから「こんな話かな?」と思っていた線を大きく外れてなかった。
すなわち、小劇場系のファンタジー系作品でよくあるパターン、「大昔から現代まで長い時間を生きてきた者が主人公」というものだ。

最近では、再演された関西の劇団ショウダウン『パイドパイパー』がそれだった。
驚くほど熱い舞台で、いろいろ突っ込みどころはあるものの、勢いで押し切った感があった。

しかし、『錆びつきジャックは死ぬほど死にたい』は、ストーリーに特に捻りもなくストレート。
しかも、その熱さは足りない。
「熱さ」はもともとポップンマッシュルームチキン野郎には溢れるほどあったはずなのに!


本作は、「ポップンマッシュルームチキン野郎」と「ぴあ」の共同制作プロジェクトだという。
その制約があったのか(自主的なブレーキを含め)、いつものポップンマッシュルームチキン野郎で見ることができる、アブナイ・ネタが影をひそめていた。
アブナイ・ネタがどうしても見たいということではなく、それらの舞台上でのコントロールの仕方が彼らの持ち味であるからで、それがないとどうも寂しい。
ポップンマッシュルームチキン野郎は、悪ふざけをしているようで、その実、とてもよくコントロールされていて、物語の構成もしっかりしていて、「芯」がくっきりしている。
その「芯」が情感に訴えるところに見事に持っていく上手さがある。
そこが面白いのだ。
悪ふざけ(風)で、単に笑わせました、とならないところだ。

しかし、今回は、どうもそういった彼らの上手さ、面白さには繋がっていかなかった。

「CBGKシブゲキ!!」という劇場のインパクト、その劇場にふさわしい高めの料金設定、さらに「ぴあ」というエンタメ系の大企業とのコラボということからか、気負いが強すぎたのではないだうろか。

その劇場にふさわしい内容、その料金にふさわしい内容、さらに「ぴあ様」(笑)に不快感を与えない内容ということで、座組を含めてスケールアップしてしまった。
作品自体も2時間超の大作に。

そういう「枠」を気負いから先に組んでしまったのではないか、と感じた。
(たぶん)普段ならば、切り詰めてシンプルにしたであろう、エピソードもたっぷりと見せた。
紀元前のエピソードもベートーベンのエピソードも、意外と“長い”。
丁寧に描くことで、ラストの感情に高まりを持っていくという構想だったと思うのだが、長すぎて逆にポイントが呆けてしまったように感じた。

なので、本公演で言えば前作『独りぼっちのブルース・レッドフィールド』にはあった、彼ららしさが消えてしまっていた。
前作では、渡辺徹さんという上手い役者が入ることで、それまでにはなかった主人公が物語の中心に太くいる作品になっていた。しかし、本質はポップンマッシュルームチキン野郎そのものであり、彼ららしさがそこにはあった。劇団や客演の人たちがきちんと自分の果たすべき役割を果たし、物語を面白くしていたのだ。無駄がなかった。毒もあった。笑いも多かった。

今回も、劇団員と主立った客演の人たちのキャラはなかなかだったが、今ひとつ、粒が立っていかない。それぞれのシーンではそこそこ面白いのだが、彼らにキラッと光を見せてくれない。
前作までは、どんな脇のキャラだとしてもキラッとした、その役者さんらしいところをきちんと見せ、笑いにつなげていたのだが。

もちろん、ベートーベンを演じたCR岡本物語さんはかなり良かった。今までのザコ・キャラ(今回の山賊とか・笑)とは違い、彼の良さを引き出していたと思う。しかし、そういう扱いは彼だけだった。

展開として、「なぜジャックは女性を見続けているのか」を、謎的な感じにして引っ張っていくのだが、最初から見ていたらそういうことだろ、と大方の観客は早めに察していただろう。
その理由が結構後半に明らかにされるのだが、察していた範囲から1歩も出ることはない。
意外性がなさすぎるので、「えっ」と思った。
だったら早めにそこを知らせて、「で、ジャックはどうするのか?」に観客の興味をスイッチングすべきではなかったのか。

ただし、紀元前に結ばれることのなかった男女が結ばれるのか、というところが唯一のフックであり、そこは“わかっていた”が、落ち着くところに落ち着いて観客を安心させた。
「諦める恋」「結ばれない恋」(ベートーベンとか)が描かれた上でのラストはいい結びだと思う。

しかし、ラストシーンとしてはイマイチ。
2人出会って何かありそう、というシーンが妙に長い。丁寧なのはわかるのだが。ここは一気に攻めてほしかった。
そして、ここでラストでも良かったはずだ。
ところが、まだ先があった。

ジャックと仲間たちが出てくるシーンがあるのだ。
たぶん、“仲間たち”を出してのエンディングにしたかったのではないだろうか。

実は、そこに“ガッカリ・ポイント”がある。
この作品には大切な、その“仲間たち”の活躍がないからだ。だからラストに蛇足感がある。
つまり、ストーリー上の活躍がなくても、役者的、キャラとしての活躍は今までのポップンマッシュルームチキン野郎(長いので以下「ポ」とする)にはあった。先に書いた通りに、アンダー・コントロールで。
しかし、本作にはそれがないので、ストーリーの中で活躍させてもよかったように思えるのだ。

彼らの“活躍”は実を結ぶことがなかったとしても、「ジャックを助けていた」というような展開のエピソードぐらいあってもよかったのではないのか。

“笑い”ということで言えば、確かに面白かったのだが、ニヤニヤしたり、思わず吹き出したりと言った、今まで彼らの作品にあった笑いのバリエーションに乏しかった。
「ここからは○○にする(関西弁とか)」が2回あって(前作にもあったかな?)、このパターンを彼らの“鉄板ネタ”にしたいのかもしれないが、2回めの「ラジオ体操」ではあまり笑えなかった。
紀元前の設定に現代の名称やモノが出てくるのも、いちいち突っ込まなくてもいいのに、と思った。
わかりやすくしたのだろうが、1回言ったらあとは黙って見ている、ぐらいでいいんじゃないのかな。

そう言えば前半に「透明人間が見える飴云々」の台詞があった。観客が劇場に入る前に飴を手渡されたのだが、その“飴”にこの台詞がかかっていて、観客はそれ以降、裸の透明人間が見えている、という設定は、観客のどれくらいに伝わったのだろうか。
それこそ「わかりやすく」するためには、開演前の前説等で「飴食べて」と強調するぐらいのほうがよかったのではないだろうか。

渋谷はハロウィンに浮かれていて、舞台の上よりも驚くほどのコスプレの人々がいた。
なので、彼らの舞台でいつも面白がっていた面白メイク&衣装にはまったくインパクトを感じなかったのは残念。むしろ何もしないほうが驚いたと思うのだか。透明人間の裸はインパクトがあったが。そしてももちろんキメラは渋谷街にはいなかったけど(笑)。

ジャックを演じた久保田秀敏さん動きは良かった。
先にも書いたが、ベートーベンを演じたCR岡本物語さんもとてもいい感じだった。山賊でノビノビしているのも良かった。

この先、この劇団はどう展開していくのか興味がわいてくる。
毒は中和してわかりやすいコメディ劇団になっていくのか、あるいは彼ららしさを失うことなく、それであっても広い層にアピールできる劇団へと突っ走っていくのか。
『暗愚小傳』

『暗愚小傳』

J-Theater

「劇」小劇場(東京都)

2015/10/29 (木) ~ 2015/10/31 (土)公演終了

満足度★★★★

異化効果
 高村 光太郎の「暗愚小傳」を読んでインスパイアされた平田 オリザの作を川口 典成が演出した作品だが、川口は、カントールひいてはブレヒトの異化効果を狙って今作を作っている。

ネタバレBOX

1917年辺りからほぼ10年おきの時代を4パートに分け、光太郎、智恵子、光太郎の友人夏木、永井荷風、宮澤 賢治、ら表現する者らを中心として変遷する時代の空気と表現者としてそれぞれが時代、殊に国家総動員法が制定された軍国主義下に於いて如何様に生き、敗戦時・後、軍事政権下を表現する者として生きた各々が如何に総括したかに関する微妙で泡立つような生き死にを描いた。無論、他に医師だの、日系2世、3世のアメリカ人だの、近所のおばさんだの様々な日常的伏線と社会を表すキャラの配置と目配りも欠けていない。
お披露目〜死体編〜

お披露目〜死体編〜

日本コメディ協会

小劇場B1(東京都)

2015/10/30 (金) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

全体評価は星4つ
 「先生と私」「黒岩家のしあわせ家族計画」は黒い訳の~と書き直せる。「キャンピングデッド」「リバースするのに遠慮はいらない」4作品のオムニバスだが、各作家の個性の違いが作品傾向にもよく表れていて楽しめる公演だ。

ネタバレBOX

特に「リバース~」今作がこの4本の中では最も構造的・構成的である。というのも現実に起こっている事件をリアルタイムで演じる軸に対して、バグを起こした本来バーチャルであるべき世界が割り込んで来る不条理を設定することによって、バーチャルなのにリアルに割り込めることの矛盾が矛盾としてではなくリアルに噛み合ってしまう。それがどうなるかということを描くことによって、物理的に通常あり得ぬことが起こることになり、リアルとされるもの・世界の不安定性とアモルフとを暴き出す作品となっているからである。理知的に考え出すととても恐ろしい世界が描かれているのである。竹田 哲史氏の時間軸をいじる巧みなシナリオとセンスと軽妙にその才能を見せていた浅海 タクヤ氏の演出によるコラボが理性故の怖さをも表現するレベルに至った。見事である。
飛龍伝

飛龍伝

Gフォース

Gフォース アトリエ(東京都)

2015/10/25 (日) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

名作の一つ。
Gフォースさん、つかさんのかなり身近に居た人が、かなり忠実につか作品を再現されています。当作品は全共闘時代がテーマなんですが、設定のぶっ飛び方もまた、つか作品ならではのもの。ぜひ、Gフォースさん、続いて欲しいものです。出来うるならば、ご案内を頂きたい!(当方、これでも3公演連続観劇中!)。

超、今、出来る、精一杯。

超、今、出来る、精一杯。

月刊「根本宗子」

テアトルBONBON(東京都)

2015/11/01 (日) ~ 2015/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

根本宗子ワールド全開!
自分は最初の公演を観た気がしてましたが、良く考えたら初めてでした。野田さんがどんな風に入っているのかしら?と思いましたが、納得の起用かも?根本さんの必死が感じられる作品。ぜひ、一度!

錆びつきジャックは死ぬほど死にたい

錆びつきジャックは死ぬほど死にたい

ポップンマッシュルームチキン野郎

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2015/10/28 (水) ~ 2015/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★

豪華客演陣にもめぐまれて...
下に、既に書いておられる方もありますが、毎度の「ロックな感じ」が少々少なめだったかも?しいて言えば、ここを御工夫下さい!舞台からあんなに離れてPMC野郎を観たのも初めてって思いました。サンモールでやってた頃と、客層もずいぶん変わった感じ。今後の展開も楽しみです。

ココノ イエノ シュジンハ ビョウキ デス

ココノ イエノ シュジンハ ビョウキ デス

日本のラジオ

RAFT(東京都)

2015/10/23 (金) ~ 2015/10/26 (月)公演終了

満足度★★★★

二度目。RAFTの面白さ
狭くて客席も少ない。前回観た新宿眼科画廊と似たり寄ったりの条件だが、こちらの方が道路に面してたり地下に潜らず、扉一つで外界、という条件は冷や冷やものではある。だがこういう場所でも芝居が始まればその世界が立ち上がらせる事ができる、その自負あればこその会場選択も、有りだな、と思った。もっとも装置に金はかけられず、照明はありもので対応。客席数と会場費は対応してるはずだから、そこを押さえれば公演じたいは成り立つ、んだろうが・・。
 さて芝居。好もしい緊張感、程よい不明さから、程よい解明の速度、4人という程よい人数(舞台上に登場するのは多くて3人、それも短時間)。何よりこの手の小屋のうまみは至近距離で見る面白さだ。
 舞台のほうは、対面式の客席で、中央が演技エリア。その片側の扉は始め観客が入場する入口で、入ると目の前に積まれた本に驚くが、芝居が始まると扉は古書店の出入口になる。道路に近い方の客席は中央で割れ、店から自宅に繋がる通路である。開演すると、店の出入口と反対側に置かれた机に店主が風情を漂わせて座っている。間にテーブルが二つ、上に書物が重ねおかれ、また客席との境界として横積みの文学全集が並べられてある。そのような全体で古書店を表現する。
 小編である。店主の特殊な設定と、結果的に不幸な遭遇をしてしまうたまたまふらりと訪れた客、目の見えない妻、店主の妹。「古本屋」という設定にも合うが、訥々と交わされる、数少ない台詞で、ある劇的な状況が綴られており、凝縮された物語表現に、ある種の小気味よさを覚え、気分を良くしてRAFTを後にした。短歌を愛でるこの国の美的感覚をくすぐられたのだろうか。
 描かれたものは「特殊」ではあったが、基調として現代人の、「病的」さを内包せざるを得ない環境というか時代性というか、何かそのようなものが流れているのを感じた。

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