最新の観てきた!クチコミ一覧

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BREATH

BREATH

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2015/12/10 (木) ~ 2015/12/25 (金)公演終了

満足度★★★★★


面白い。120分。

ネタバレBOX

赤星(多田直人)…医師。希乃の病気をきっかけに、恭子と結婚するため小説を書き、芥山賞を受賞する。
恭子(岡内美喜子)…劇場勤務。赤星の押しに迷惑を蒙り嫌気さすも、クリスマスデートして、一応受け入れた。
亀岡(阿部丈二)…劇場プロデューサー。妻子持ち。元々波方のマネージャー。波方の演技にほれ込んでいる。
波方(坂口理恵)…女優。一時売れっ子だった。現在も演技に対する熱意は変わらない。子が芝居にこれなくなりやけ酒に走る。
不二雄(畑中智行)…父が大企業の代表取締役だが、スリに走る。明日美の前で現行犯逮捕され目を覚ます。
明日美(林貴子)…劇場勤務。明るい性格で不二雄との結婚を意識する。不二雄の更生を受け入れた。
柿本(西川浩幸)…高視聴率看板番組をもつアナウンサー。久里子の結婚を潰そうとするも、希乃の件で長坂に結婚をお願いした。
新居浜(大森美紀子)…希乃の母。柿本の死んだ妻にそっくり。希乃を天国へ送り出した。
長坂(三浦剛)…売れない役者。土居演出の舞台にたつ。二日酔いの波方をフォローする。役者をやりたいため、久里子との結婚を諦める。
久里子(石森美咲)…長坂の彼女。付き合って一ヶ月で求婚した。長坂が結婚を諦めたことでやけ酒に走る。
土居(鍛冶本大樹)…若手演出家。希乃の元彼。希乃から一方的にフラれたと思ってた。
希乃(大滝真実)…末期ガンで死んだが、土居と由比ヶ浜にいきたいと願い、天使の力を借りて現世にとどまる。思いを果たし昇天した。
時枝(伊藤ひろみ)…塾講師。活力溢れる根っからの教師。波方は、時枝を言い負かした唯一の教え子。
松山(山崎雄也)…劇場勤務。時枝の孫。時枝に大事に育てられ大きく育った。
風呂木(菅野良一)…天使。

12月の男女の話。誰が中心というワケでなく、それぞれがつながって暖かめに終結していく。
希乃と天使というとこでファンタジーな色合いがあるし、それぞれにドラマ性があって純粋に楽しめた。やや予定調和な感もあるけど、テンポも良くて程よくコメディで見てる際は気にならない。
ラスト、赤星と恭子のシーンをあっさりめで描いた点も○。

キャラも好感を持てる。悪役がないのが、作風にあってて良かった。男女という意味でなく一途な亀岡や作品中で一番悲惨じゃないかと思う明日美とか生涯教師を貫くだろう時枝が好み。あと波方はかわいい。松山の長身を生かしたパフォーマンスで魅せるのも上手かった。
ビーイング・アライブ

ビーイング・アライブ

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/20 (日)公演終了

満足度★★★★

若干拍子抜け
あるあるの範囲内という感じでした。

ネタバレBOX

単身生活者の老後に迫るトラブル等のあるあるを描いたような話。

オレオレ詐欺こそありませんでしたが、親切心を装っての結婚詐欺もどき、寸借詐欺もどきには気をつけなければなりません。ロールキャベツに毒が入ってなくて良かったです。

天井の穴にはもっと謎めいたものがあるのかと思っていましたが大したことはなく、登場した老人は二人とも子供がいて、同居のこと、子、孫への支援のことなどありふれたものでした。子供のいない独居老人のことも描いてほしいと思いました。

マンションの老朽化で床が歪んだという前提はあるものの、傾斜のある舞台は足腰が悪くなった老人のちょっと苦労する日常を描くには最適でした。
覇道ナクシテ、泰平ヲミル

覇道ナクシテ、泰平ヲミル

劇団ZTON

HEP HALL(大阪府)

2015/12/10 (木) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

【偽蝕劉曹編】観劇♪
いつもながら、殺陣が素晴らしいです。
見応え十分でした。

やはり異色の劉備!面白いです!

ネタバレBOX

観劇前に前回DVDを購入し、事前に観とかなければと思ったのは間違いだったか…。
前回公演の【蝕王曹操編】【偽王劉備編】を事前に観たのですが…。
 
【編】が違えば内容も違う、と思ったのですが…。
かなりの内容が重複していて、先に前回DVDを見るんじゃなかったと後悔です!
人間とカマキリ(『キンダガートン・コップ』改め)

人間とカマキリ(『キンダガートン・コップ』改め)

ナカゴー

ART THEATER 上野小劇場(東京都)

2015/10/22 (木) ~ 2015/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

酷いなー、バカだなー、ナカゴーだなー
まずは友近&なだぎのビバリーヒルズ青春白書パロディにも通ずる「いかにも吹替え調」な台詞回しが笑いを誘う。
そう言えば今までもこのパターンはあったっけ。
また、中盤までは結構元ネタを忠実に再現しているようで、その「意外とマジメ」なツクリな割には当然の如く元ネタに遠く及ばないギャップが可笑しい。
ある意味、往年の大映テレビのドラマ(赤いシリーズなど)を観て笑っていた感覚に通ずるんじゃね?
それが終盤になると例え元ネタを知らなくても「これはオリジナルだな」と気付くレベルの逸脱を始めて、このナンセンスな味わいがまた「いかにもナカゴー」(笑)。
さらに序盤でも出ていた下ネタ炸裂で締めくくって、これまたナカゴー!(笑)
で、実はその逸脱のヒントが前説の「キンダガートン・コップ改め…」というフレーズに含まれているのも賢い。
そんなこんなで漏れていた評判通りに酷い(←褒め言葉)上におバカでナカゴーで、大いに満足。
ホント、酷いなー、バカだなー、ナカゴーだなー(爆)

ビーイング・アライブ

ビーイング・アライブ

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/20 (日)公演終了

満足度★★★★

久しぶりの観劇、ムーブメントに進化を感じた
再演モノが続いたりして、久々のワンツーワークスでした。

何度も、観ている、古城さんの常套手段なのに、また油断して、しばらく勘違いしました。このあたりの、プロの脚本家の手腕は、お見事です。

始まる前は、急過ぎて、めまいがしそうな八百屋舞台も、進行につれて見慣れました。

欠陥マンションにも、老いの独り暮らしにも、同じように慣れて行くのかもしれません。

ニール・サイモン風だったり、星新一風だったりの、シチュエーションを使って、見事に、古城風アレンジの、今の日本の現状を色濃く投射した、名戯曲の構成に、呻りました。

お決まりのムーブメントも、内容に即した、シュールな動作の演出が、従来の、先にムーブメントありきのマンネリを打破していて、感心しました。

役者さん達、皆さんお上手だし、もう少し、一般に知られてほしい劇団だと、強く思います。

ネタバレBOX

最初、会話のない中年夫婦かと思って、観ていました。

何度も、この劇団の、同一セットで、多数の場所を設定する技法は、熟知していたのに、またもや、途中まで、騙されました。(笑い)

チラシから想像したストーリーとは違って、かなり、現実社会を反映した、リアルな内容の芝居でした。シュールに見えそうな設定もあるのだけれど、多くがリアルなせいで、どれも、現実的に見えてしまいます。

だから、お互い、伴侶に先立たれ、子供達にも、距離を置かれている、中高年男女の悲哀が、胸に応えます。

上下の階に住む男女が、男が開けた床の穴を通して、だんだんと、心の交流を深めて行き、ニールサイモンの芝居だったら、いづれこの男女は、再婚するか、セカンドパートナーにでもなって、ハッピーエンドになるのでしょうが、古城脚本では、そうはなりません。

今の日本の、暗部をうまく、料理して、こういう芝居に昇華させられる名脚本家の手腕に、恐れ入りました。

ただ、ひとつ、それはないよと思ったのは、かれんが母親に送る宅配便の中身。最初は、独り暮らしの母親に、カップ麺を送り、後半で、母の気持ちを慮って、雑多なプレゼントに変わるという趣向は、やや狙った脚本に思えてしまいます。まさか、嫌がらせでもない限り、娘は、母親にカップ麺なんて送りませんよ。レトルト饂飩だったらあり得るけれど。また、息子が、父親になら、納得もできますが…。
その点に関しては、やはり作者は男性だから、女心がわからないのかなと、ちょっと思ってしまいます。

文乃が、昔の写真をみつけて、思い出に耽るシーンで、友人二人には、若い原田さんと森山さんを当てたのも、お見事!これで、文乃が、昔の友達と今は疎遠になっている淋しさが伝わり、ジンとしてしまいました。

最後は、文乃は、意を決して、マンションを立ち退き、氷室だけが、残されて、老いて行きますが、息子にそっくりに成長した孫が、出張ついでに様子を見に来るラストには、ホロッとさせられました。

登場人物誰もが、真に悪意の人がいず、誰も、できる範囲で、家族思いだったのには、救われました。

私の周囲には、何人も、家族崩壊した知人がいますので、そういう部分が、古城流寓話たる所以かもしれません。
ビーイング・アライブ

ビーイング・アライブ

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

歳を取るのは・・・
素敵なことですそうじゃないですか?・・・と中島みゆきさんが歌っていますが、なかなか大変なことですそうじゃないですか・・・。劇中何回も繰り返される、日常を表す動作の数々。そうか、下手すると(?)働いていた日々と同じくらいの老後があるんですね。好きな時に好きなお芝居を見にいけるくらいの体力と財力は持っていたいもんですが・・・。(余裕があったら加筆します)

ビーイング・アライブ

ビーイング・アライブ

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

初めての観劇
当日券で購入。観て良かった。そう感じた2時間でした。

ネタバレBOX

高齢者の方と深く関わる仕事をしていた為か、二人の気持ちや生き方はとても身近に感じられました。
決して一緒に住みたいなんて以外と思って無いものです。ただ人恋しく…家族が恋しくなるですよね。誰かに他愛のない話聞いて欲しいだけなんですよね。

「妻でも親でも女でもない私は、いったいなんなのか」
自分の親にそんな事考えさせたくないものです。近くに居なくたって、遠くで生活していても家族でありたい。
綺麗事ですが、改めてそう思いました。

文才のない感想で申し訳ないですが本当に観て良かった。



ROCCA ZAMURAI

ROCCA ZAMURAI

SPINNIN RONIN

座・高円寺2(東京都)

2015/12/15 (火) ~ 2015/12/17 (木)公演終了

満足度★★★★★

圧巻のパフォーマンス!!
13人のキャストによるエンターテイメントダンスパフォーマンス!!
素晴らしいの一言です!(^^)v

漂流劇 ひょっこりひょうたん島

漂流劇 ひょっこりひょうたん島

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2015/12/15 (火) ~ 2015/12/28 (月)公演終了

満足度★★★★

お約束の曲も、流れます
円形にせり出し、回転する舞台でオムニバスのように繰り広げたというのが、まずは成功の秘訣だったのでは。かつて、テレビで見ていた人も、この番組を見ていなかった人も、とても楽しく、笑える舞台だ。

テレビ放送されたのが前回の東京五輪のころ。カラーテレビもあまり普及していないころだが、NHKが折に触れて再放送していたから、何となく登場人物も分かる人が多いのかもしれない。でも、トラヒゲやドン・ガバチョは人形劇のイメージと重なるようで、重ならない。そこがまた、串田演出の妙なのだろう。

楽曲は全く新しいものだが、やはり、最後にお約束の曲は聴くことができる。宇野誠一郎、そして井上ひさしへのトリビュート舞台でもある。

ネタバレBOX

演出の串田和美も舞台に登場し、劇のフィナーレに向けて自ら引っ張っていく。
白石加代子のドン・ガバチョはなかなかいい雰囲気。トラヒゲをやった小松政夫もそうだが、この舞台、やはりオリジナルの人形劇を見ていた世代の方に、一日の長がありそうだ。
ビーイング・アライブ

ビーイング・アライブ

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

明日は我が身
10年後くらいの自分の姿を見ているようでした。
本当にどうしようか、そろそろ考えなくては。

傾斜のあるステージ、特に畳の部分では役者がすべらないか心配でしょうがなかったです(私のようなシロウトが心配するまでもなく、何か工夫をしてるんでしょうけど)。

ROCCA ZAMURAI

ROCCA ZAMURAI

SPINNIN RONIN

座・高円寺2(東京都)

2015/12/15 (火) ~ 2015/12/17 (木)公演終了

満足度★★★★★

カッチョいい
殆どセリフがない実験的な作品でしたが、ロックサウンドに乗って超カッチョいいステージでした。ロックコンサートに慣れてる身としては、ギターの音はもっとデカくてもよかったなあ。

ほたえな 胸中が猿

ほたえな 胸中が猿

グワィニャオン

萬劇場(東京都)

2015/12/16 (水) ~ 2015/12/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

魅せてくれた
近江屋における坂本龍馬暗殺事件の現場検証を行っている感じ。その手法はプロファイルし、いろいろな角度から検証する挿話が面白い。

「2009年、ソラトビヨst.の舞台に書き下ろした戯曲をグワィニャオンで大胆に味付け!」は、ラストの驚きも含め見事であった。

ネタバレBOX

この公演、基本的にはコメディの類であろうか。軽妙、洒脱という印象である。
舞台セットは、暗殺された近江屋二階の二部屋の断面を観るようである。ほぼ中央で二分割し上手は龍馬の四十九日、下手は暗殺時の状況検分、見聞している様子である。この二分割することで、龍馬の人柄、当時の不穏な状況の二つの事柄を浮き彫りにする。

まず、四十九日法要には、龍馬の妻・龍と許婚の千葉さな が鉢合わせをし、互いに思慕を募らせた思い出話をしている。一方、下手では殺害した犯人は誰か、その詮索を通して当時の世相を描いている。この観せ方は龍馬個人の魅力と幕末時における龍馬の存在、その果たした役割という、公私の描き方が面白い。

特に、龍馬暗殺の状況を、TVで観る刑事ドラマのような現場検証・検分、プロファイリングの捜査のようで、分かり易く新鮮でもあった。その再現シーンのように挿話する殺陣も見事。観(魅)せる公演は、劇団グワィニャオンらしく素晴らしい。ラストシーン...舞台セットの件であるが、再演するかもしれないため、ここではその驚きは伏せておく。

次回公演を楽しみにしております。
沖縄の火種(ウチナーヌウチケビー)

沖縄の火種(ウチナーヌウチケビー)

オフィスワンダーランド・(一社)演劇集団ワンダーランド

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度

うーん
ホンが壊滅的に駄目なんだろうな。沖縄に原爆が秘密裏に持ち込まれ,それが野党(戦果アギア)に盗まれることから始まる荒唐無稽で陳腐な物語。軍事基地にジャーナリストを案内して一人で放置したり,米軍が戦果アギアを突き止めていながら生ぬるい捜索で終わったり,軍規や上官に平気でそむく軍人がいたり,ツッコミどころは満載。でも,そんなことよりも,とにかく沖縄は正義で米軍や本土が悪という固定観念が強くにじみ出ており,沖縄は昔からの自分たちの土地だから何をしてもいいんだなんて言い分,話の通じないどっかの国みたいな主張,物事を客観して大局観で見ることのできないだろう人間が書いた物語に思いました。自分には全く合いませんです。☆は三線の分です。いい音してたのになぁ。

ROCCA ZAMURAI

ROCCA ZAMURAI

SPINNIN RONIN

座・高円寺2(東京都)

2015/12/15 (火) ~ 2015/12/17 (木)公演終了

ダンスパフォーマンスに
殺陣の美しい型を組み合わせ(これ、主宰もできるとは驚き!というか、主宰のオリジナル?)見どころ満載の舞台でしたが、あえて無言劇にした理由がイマイチよくわからず、(エンターテイメント重視ではない、ということだろうか)何だかモヤモヤする舞台でもありました。一緒に行った演劇初心者の友人などはほとんどストーリーが掴めなかった様子。こうなると、モブシーンによる情景描写の見事さも却って見疲れしたんだろうな、とちょっと気の毒な気がした。役者さんにとってタフな無言劇は、我々観客にとってもタフな劇であることは間違いない。演劇性の高さとエンターテイメント性の狭間を敢えて行くような舞台で、ちょっと評価が難しい。私もかなり見疲れたので、もう少しすっきりと解り易い仕立てにして欲しいな・・・・。

ネタバレBOX

見事な舞台だから満足度が高いかというとそういうわけでもない、という状況を地で行くようなお芝居でしたね。ああ、シアターXの好きそうな舞台だな~と言うのが正直なところ。お芝居って誰のものなんだろう、と考えてしまいますね。自分の理解範囲を超えてしまうと、見事なパフォーマンスも一挙にうっとうしくなる。私の場合、少し超えてしまいました。時々こういうお芝居に当たりますが、自分のアホさをどの程度差し引けばいいのかわからないので、評価はしません。う~ん、なんですかね、「アホな奴ってどこが分からないのか、それがよく分からないんだよね」と言われているような感じ。アホにもわかるように説明してくれるのがいい先生というのがアホの主張。
悲しみを聴く石

悲しみを聴く石

風姿花伝プロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/21 (月)公演終了

満足度★★★★

蚊帳のような仕切り布の装置が面白い
世界の遠く離れた場所では、こんなことが日常的なんだろうなと、暗澹たる気分。
生と死と性と怒りと懺悔の願いを聞かなきゃいけない中東の神様も忙しいんだろうな。

那須さんの膨大な独白を集中して聞いてたら、極限状態の世界に入り込みすぎて、少し肩が凝った。

ネタバレBOX

薄ら明かりに照らされた中に部屋の内部が透けて見えるが、その見せ方が中東の隠れ家というか、そこを覗き見しているような印象的な作り。
冒頭、女がコーランの一文を唱え、神に祈る。紛争で怪我して意識の戻らない夫、子供たちや親類は避難し銃声やら砲弾の音が日常的な極限状態の戦火の中、2人で暮らしている。
親の勝手に決めた結婚相手は反政府勢力の人間、あちら風に例えるなら聖戦=ジハード参加で夫不在のまま式を挙げ、そのまま数年会わず、夫が帰ってきても子供が出来なければ(産まなければ)実家に帰される、帰ったとしても実家に居場所はない、そんな世界の中で生きている主人公の女。
意識のない夫にいろんなことを吐き出したり、言ったそばから後悔したり、途中兵士がやってきて身の危険と癒しもあったりと綱渡りな日々。
タイトルの「悲しみを聴く石」=サンゲ・サブールは伝説によると最後に砕け散るらしい。女の独白を聞いていた夫がサンゲ・サブールになって砕け散る結末はなんとも切ない。
MID騎士(KNIGHT)ミラージュ

MID騎士(KNIGHT)ミラージュ

無頼組合

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

面白かった!
スピード感があり、観ていて飽きない舞台でした。笑いあり、シリアスな部分あり、ほろっとさせる部分ありで、とても楽しめました。難民受入れの問題とか、裏社会の黒い部分とか、色々考えさせられる所があり、ただ面白いだけで終わっていない所も良かったです。登場人物のキャラクターも、みんな個性的で良いと思いました。桒山えり子さんの好演していたパワー溢れる西園寺刑事のキャラが憎めなくて好きです。とても楽しい時間でした!

わからなければモモエさんに聞け

わからなければモモエさんに聞け

劇団青い鳥

小劇場B1(東京都)

2015/12/15 (火) ~ 2015/12/20 (日)公演終了

満足度★★★★

積み上げて、崩す
私事で恐縮だが、10年前に亡くなった母も、「どうしてモモエちゃんは復帰しないのかなあ、もったいない。。。」と秋桜を鼻歌で歌いながら台所で料理をしていたことを思い出した。アイドルをきっぱり卒業して、妻(母)になるって、(女として)潔癖だよね。。。と当時、まだ子供だった私は、そんなふうに考えていた。けれど、月日がたち、自身が(いろいろな意味で)世の中のしがらみを認知したので、「百恵さんにも、今は今なりに、様々な悩みを抱え、考えることがあるだろう」と推測できる。

「しっかりした内容を、そして自分たちが納得のいく作品を」という
作家の意図が、強く映し出された「山田松子さん」の素直な生き方は、観ていて実に心地よい。母と一緒にでかけたデパートでの、出来事とそれにまつわる小さな思いは、永遠の宝物。ラストのタクシーを待つ彼女のまなざしが、とても優しく、穏やかで、印象的だった。

40年間の卒業証書にふさわしい、Heart warmingなstageに乾杯!

ROCCA ZAMURAI

ROCCA ZAMURAI

SPINNIN RONIN

座・高円寺2(東京都)

2015/12/15 (火) ~ 2015/12/17 (木)公演終了

満足度★★★

刀弾いていました。
ダンスパフォーマンス、素晴らしいです。
身体能力がイイから、殺陣も迫力満点でした。

ビーイング・アライブ

ビーイング・アライブ

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/20 (日)公演終了

満足度★★★★

”老い”の真実
説明の文章とは違った作品だった。

むしろ”老い”に関しては非常にリアルに描かれていたように思う。

欠陥マンションの傾きがそのまま心の傾きを表しているのだろう。
(演者は大変だ!あんな角度の八百屋は観たことが無い。腿がパンパンではないのだろうか…)

生きていれば誰もが避けられない”老い”
社会との繋がりが無くなるこの厭世的な描写は心底”老い”を憂鬱に感じさせる。

生きることはとてもタフなのだと改めて突き付けられた。

ネタバレBOX

コード(=繋がり)、 手繰り寄せて空いた穴
からカメラ(生きている証)、写真(生きていた証)が見つかるという仕掛けはいい仕掛けだと観終わった後でしみじみと思った。

原宏一という(好きな)作家のタッチに似た話しだと思った。
彼も”穴”や”床下”を題材にシュールな悲喜劇を描いている。

もっと”穴”の使い方に工夫があったらより面白かったのかなと思う。
階上、階下との会話だけより過去や現在の違う選択肢のような違った状況が現れるとか…
しかしそうするとある程度のリアルな設定がぶち壊しか~…

そんな事を考えてしまうのも、この作品に魅せられたからなのだろう。


悲しみを聴く石

悲しみを聴く石

風姿花伝プロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい!
ほぼ那須佐代子さんの一人舞台、素晴らしかったです。

ネタバレBOX

中東の紛争地域内の一室で、銃で撃たれ意識不明の夫を看病する妻の様子を描いた話。

ほぼ那須佐代子さんの身体を張った一人芝居、素晴らしかったです。中田顕史郎さんはシーッ、シーッと呼吸音を立てるだけでしたが存在感がありました。最後までそうなのかと思っていましたが、ラストシーンは衝撃的でした。

人形やペットに語り掛けるように、意識を失くした男は理想的な性格に見え、自由に扱えることで本音をぶつけることができました。しかし、意識を取り戻した夫は日本でいうと明治時代の家長のような男で、本性を取り戻し妻の首を絞めました。

ラストシーンで妻が動いたのは驚きで、したたかに生きる女の強さを感じました。

希望をもって努力することは大切ですが、祈れば叶うという宗教観が存在することが諸悪の根源だと痛感しました。

祈れば叶う、叶わないのは祈りが足りないからというのは、新興宗教にありがちですが、古くからの宗教にもあることはとんでもないこと、金儲けの手段に使われることが多く許せません。大間違いです。

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