悲しみを聴く石 公演情報 風姿花伝プロデュース「悲しみを聴く石」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    蚊帳のような仕切り布の装置が面白い
    世界の遠く離れた場所では、こんなことが日常的なんだろうなと、暗澹たる気分。
    生と死と性と怒りと懺悔の願いを聞かなきゃいけない中東の神様も忙しいんだろうな。

    那須さんの膨大な独白を集中して聞いてたら、極限状態の世界に入り込みすぎて、少し肩が凝った。

    ネタバレBOX

    薄ら明かりに照らされた中に部屋の内部が透けて見えるが、その見せ方が中東の隠れ家というか、そこを覗き見しているような印象的な作り。
    冒頭、女がコーランの一文を唱え、神に祈る。紛争で怪我して意識の戻らない夫、子供たちや親類は避難し銃声やら砲弾の音が日常的な極限状態の戦火の中、2人で暮らしている。
    親の勝手に決めた結婚相手は反政府勢力の人間、あちら風に例えるなら聖戦=ジハード参加で夫不在のまま式を挙げ、そのまま数年会わず、夫が帰ってきても子供が出来なければ(産まなければ)実家に帰される、帰ったとしても実家に居場所はない、そんな世界の中で生きている主人公の女。
    意識のない夫にいろんなことを吐き出したり、言ったそばから後悔したり、途中兵士がやってきて身の危険と癒しもあったりと綱渡りな日々。
    タイトルの「悲しみを聴く石」=サンゲ・サブールは伝説によると最後に砕け散るらしい。女の独白を聞いていた夫がサンゲ・サブールになって砕け散る結末はなんとも切ない。

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    2015/12/16 21:00

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