悲しみを聴く石 公演情報 悲しみを聴く石」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★★

    初日
    神の名のもとに聖戦を戦う人たち。それでも、そこに肉体があり、欲望があり、リアルに生きていた。オンナを語られながら、オトコの本能が悲鳴を上げた。そんな赤裸々な生き様が、まるで幻想のようなベールに包まれていた。しかし、あれほどまでに感情を物語る目の芝居があっただろうか。男の目にキャッチライトが差し、悲しみ、怒り、絶望、動揺…切なさも感じられた。懺悔とも報復とも取れるオンナの行為に戦慄が走る。人間の性(サガ)と業を目撃した。

  • 満足度★★★★★

    サンゲサブール
    意識の無い夫を前に葛藤に塗れるイスラムの女性を演じる那須さんもさることながら、「石」である夫を演じた中田さんも凄まじい演技を見せてくれました。観てから色々考えてます。戦時下のイスラムを表現する演出も素晴らしかったです。

  • 満足度★★★★

    「カラーパープル」に似た衝撃
    ほぼ那須さんの一人芝居、独壇場的な芝居でした。

    昔から、かなり拝見している女優さんですが、今回改めて、凄い女優力だなと感服しました。

    寝たきりの夫を、中田さんが演じていると知っているので、ラストの予想は、だいたいつくのですが、それでも、一定の衝撃はありました。

    計り知れない宗教観の主人公とはいえ、テーマが、男女の愛なので、その点では、普遍的に、理解できる部分は多々あるので、退屈せず、集中して観られる舞台でした。

    那須さんと上村さんの、作品選びの目の確かさに、感心すると同時に、次回作がまた楽しみになりました。

    アフタートークのゲストの小川さんの声が小さく、話されている内容があまり聞き取れなかったのだけは、ちょっと残念でした。

    ネタバレBOX

    悲しみを聴く石の謂れが那須さんの台詞で語られるまでは、ずっと舞台には、しゃ幕が掛かっていて観客は、隙間からその小部屋を覗き見ているような感覚でした。

    ほぼ那須さんの一人舞台さながらで、寝たきりの夫に、結婚からこれまでの経緯や秘事を告白するイスラムの女の悲劇が、まるで、紙芝居でも観るように、順次、観客の脳裏に、伝達投影されて、胸に応えます。

    レイプされないように、部屋に入ってきた少年兵に、咄嗟に、自分は娼婦だと嘘をつく妻は、二度目に彼が、自分を買いにやって来ると、まるで解放されたかのように、彼との性のやり取りを享受します。大奥で、年若い将軍を指南する女性を想起して、国や宗教が違っても、女は万国共通の性があるように感じました。

    女性の人権などない地域で、夫にも、常に暴力的に支配されていたにもかかわらず、寝たきりで意識のない夫を見ていると、情が移り、また、もしかして、夫が蘇生したら、人間が変わっているかもなどと、あり得ない想像をする姿にも、万国共通の女の悲しさがにじみ出ていて、切なくなりました。

    昔、アフリカの女性の悲劇をテーマにした「カラーパープル」を読んだ時と同様の衝撃がありました。

    自分は、女がずいぶん強くなった時代の日本に生まれて、幸せだなとつくづく思ってしまいました。
  • 満足度★★★★★

    私はそこにいた・・・。
    銃声と爆音が響き、取り残された空間にいる女と植物状態になったその夫・・・つもり積もった想い、憎しみ、そして秘密を反応しない夫に対して語り続ける女の那須さんが凄い!
    寝たきりの夫の中田さんの目に光る涙の意味・・・・。
    圧倒的な90分でした。
    この舞台、女性と男性では感じるものが違うかもしれないと思います。
    女性の皆さん観に行きましょう!

  • 満足度★★★★

    銃声の町、土壁の中の静けさ、心の炎
    昨年の「ボビーフィッシャーはパサデナ・・」に続く、劇場支配人那須佐代子出演・上村聡史演出の海外作品。今回は同名小説の戯曲化である。昨年の舞台が圧倒的だっただけに今回はどうかと、不安と期待を交差させながら客席で開演を待つ。戯曲の出来という点では甲乙ついてしまうものの、深みのある舞台にまた出会えた喜びが勝った。 必然的に「静寂」をともなうこのドラマの劇的状況は、戸外で断続的に鳴り響く着弾音や銃声によってさらに強調されるが、ドラマ上の問い(観客にとっての不知)は、そこにずっと横たわっている男と、彼への女の語りかけによって純化する(答を追う価値を高める)。
     女はどこか諦観を帯びているが、夫の不在(ある意味での)によって熱情を帯びてくる。それは希望にも繋がっている。虐げられた者がつかむ希望は普遍的であり、瑣末な凹凸をならし、背徳と地続きである。 自由の地平を切り開く者は、自分自身であろうとし人間であろうとするがゆえの背徳へ至るものなのではないか・・などと考える。キリストは当時の支配的考え方では背徳者だった。 このドラマの人物たちのあられもない秘部を、観客は最後には受け入れてしまう。舞台上で起こることが視覚的に、徐々に明瞭に現前させてゆく大胆な演出の賜物でもあるだろう。

    ネタバレBOX

    アラブの女性が置かれた被差別的状況について、たとえばタリバンやイスラム原理主義(若者が傾倒し一勢力を形成して行く)との関連で知らされることが多い。事実そのとおりだと思うが、タリバンも、新勢力の台頭も、他国(米国など)の影響というものが相当響いているのではないのか?・・ということもよく考える(考えるだけでちゃんと調べはしないが)。 しかしこのドラマでは女の敵は夫である。この敵を、彼女は愛そうとする。愛への希望を抱こうとする。その心からの願いがひしと伝わってくる瞬間が、このドラマを美しいものにしていた。
     この愛の形は、押し入ってきた若い兵士の申し出を受け入れる行為に繋がる。兵士の言動からは「女性」への古い観念に凝り固まっていることが垣間見られるが、彼の身体は、(強姦から逃れるためについた嘘)娼婦という名乗り出にその時は衝撃を受けつつも、やがて正しく反応する。即ち、再びこの家を訪れ、「買いたい」と彼女に言うのだ。
     この男の行為、娼婦を買うという行為はこの劇のこの場面に限って、人間的で自然で美しいものになっている。 女の身体から、彼を包み込む愛が立ちのぼり、私は今居る場所から遠くへ連れて来られたのを感じ、幸福になる。
  • 満足度★★★★

    蚊帳のような仕切り布の装置が面白い
    世界の遠く離れた場所では、こんなことが日常的なんだろうなと、暗澹たる気分。
    生と死と性と怒りと懺悔の願いを聞かなきゃいけない中東の神様も忙しいんだろうな。

    那須さんの膨大な独白を集中して聞いてたら、極限状態の世界に入り込みすぎて、少し肩が凝った。

    ネタバレBOX

    薄ら明かりに照らされた中に部屋の内部が透けて見えるが、その見せ方が中東の隠れ家というか、そこを覗き見しているような印象的な作り。
    冒頭、女がコーランの一文を唱え、神に祈る。紛争で怪我して意識の戻らない夫、子供たちや親類は避難し銃声やら砲弾の音が日常的な極限状態の戦火の中、2人で暮らしている。
    親の勝手に決めた結婚相手は反政府勢力の人間、あちら風に例えるなら聖戦=ジハード参加で夫不在のまま式を挙げ、そのまま数年会わず、夫が帰ってきても子供が出来なければ(産まなければ)実家に帰される、帰ったとしても実家に居場所はない、そんな世界の中で生きている主人公の女。
    意識のない夫にいろんなことを吐き出したり、言ったそばから後悔したり、途中兵士がやってきて身の危険と癒しもあったりと綱渡りな日々。
    タイトルの「悲しみを聴く石」=サンゲ・サブールは伝説によると最後に砕け散るらしい。女の独白を聞いていた夫がサンゲ・サブールになって砕け散る結末はなんとも切ない。
  • 満足度★★★★★

    素晴らしい!
    ほぼ那須佐代子さんの一人舞台、素晴らしかったです。

    ネタバレBOX

    中東の紛争地域内の一室で、銃で撃たれ意識不明の夫を看病する妻の様子を描いた話。

    ほぼ那須佐代子さんの身体を張った一人芝居、素晴らしかったです。中田顕史郎さんはシーッ、シーッと呼吸音を立てるだけでしたが存在感がありました。最後までそうなのかと思っていましたが、ラストシーンは衝撃的でした。

    人形やペットに語り掛けるように、意識を失くした男は理想的な性格に見え、自由に扱えることで本音をぶつけることができました。しかし、意識を取り戻した夫は日本でいうと明治時代の家長のような男で、本性を取り戻し妻の首を絞めました。

    ラストシーンで妻が動いたのは驚きで、したたかに生きる女の強さを感じました。

    希望をもって努力することは大切ですが、祈れば叶うという宗教観が存在することが諸悪の根源だと痛感しました。

    祈れば叶う、叶わないのは祈りが足りないからというのは、新興宗教にありがちですが、古くからの宗教にもあることはとんでもないこと、金儲けの手段に使われることが多く許せません。大間違いです。
  • 満足度★★★★

    平日夜は一般4000円
    激戦地を舞台に、意識のない夫の介護をするイスラム教徒の女性(那須佐代子)の語りで進行する三人芝居。美術、音響、照明が高品質で、小空間で濃密なストレート・プレイを味わうことが出来た。大人向けのお芝居です。
    三方囲みの客席で、サイドの席はより迫力を味わえそう。私は中央でした。
    ※シニア(65歳以上):4000円 学生:2000円 高校生以下:1000円

    ネタバレBOX

    男女の関係については、いちいちもっともだと頷いて、共感して観ることになりました。
    悲しみを聴く石:人々が辛いこと、悲しいことを黒い石に向かって語り続ける。やがて石が砕けた時、人々は苦しみから解き放たれる。

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