満足度★★★★
積み上げて、崩す
私事で恐縮だが、10年前に亡くなった母も、「どうしてモモエちゃんは復帰しないのかなあ、もったいない。。。」と秋桜を鼻歌で歌いながら台所で料理をしていたことを思い出した。アイドルをきっぱり卒業して、妻(母)になるって、(女として)潔癖だよね。。。と当時、まだ子供だった私は、そんなふうに考えていた。けれど、月日がたち、自身が(いろいろな意味で)世の中のしがらみを認知したので、「百恵さんにも、今は今なりに、様々な悩みを抱え、考えることがあるだろう」と推測できる。
「しっかりした内容を、そして自分たちが納得のいく作品を」という
作家の意図が、強く映し出された「山田松子さん」の素直な生き方は、観ていて実に心地よい。母と一緒にでかけたデパートでの、出来事とそれにまつわる小さな思いは、永遠の宝物。ラストのタクシーを待つ彼女のまなざしが、とても優しく、穏やかで、印象的だった。
40年間の卒業証書にふさわしい、Heart warmingなstageに乾杯!