
大正十二年のリベリオン
劇団うてな
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2015/11/28 (土) ~ 2015/11/29 (日)公演終了
満足度★★★★
ここぞと言うときに振れ 光るケミカルライト
ここぞと言うときに振れ 光るケミカルライト
演技が上手い、こんなに上手かったかな、とても観やすく、ねたも、物語も面白い。 大正12年 文豪芥川 江戸川乱歩 反自然主義 女子塾を作る動き 女性の地位 取り締まる公安 それぞれの育ちが違う過去がある女学生達と太もも好きの教師 笑のネタをシーン毎に放り込む、映画で見たような特撮シーンを芝居でやってます、文豪が手からエネルギーを発射 鴎外をあの世から呼び出して、映画のワイヤーアクションの体で、黒子が支えて飛ばして。 殺陣 光るジャグリンク 熱いおでん 大正12年 大正デモクラシー 女性の地位 労働運動 共産思考の取締り 浪速に女子大学

”Xmas”のL
空想実現集団TOY'sBOX
北池袋 新生館シアター(東京都)
2015/12/19 (土) ~ 2015/12/25 (金)公演終了
満足度★★★★★
楽しかったです
素敵な劇団を見つけたという感じです。ダンスも、ほかの劇団に比べても秀逸でした。笑わせてくれるし、ほっこりするところも。女優陣良かったと思います。百日一真さん、ハードル上げてしまっていますが、きっちり、笑わせてもらいました。横井めぐ美さん、かわいかったです。

売春捜査官
劇団EOE
都内某所(東京都)
2015/12/21 (月) ~ 2015/12/21 (月)公演終了
満足度★★★★
大志を抱き続けろ! 若者たちよ!!
EOEの芝居は5回目となります。
この劇団のファンです。
開演30分前に到着。
劇場には音楽が流れていて、幕の内側では役者さんたちがウォームアップをしている様子。
呼吸音が聞こえてくる。
この何かが始まるワクワク感、これが大好きなんです!
この劇団の好きなところは、セリフのリズムや体の動きから発せられる音のリズムが伝わってくるところなんです。今回も期待通り、ぼくの体の中にビートを刻む。いつも思うが、ロックのライブに来ている感覚。
お世辞にも完璧なお芝居とは言えないかもしれないが、しかし役者達の一切の奢りもなく、素直さ、チームワークを感じた。若者たちの努力が伝わってきた。
もっと、もっと高みにいける。それはたぶん本人たちが一番思っているだろう。
だから、彼らはもっと伸びる気がした。
もっと、もっと… と期待を握りしめた拳に汗が。興奮していた。
次回、もっと期待しています。
泥臭く、大志を抱き続けてください!!
ロックなビートを感じさせてください。
ありがとうございました。

東京裁判 pit北/区域閉館公演
パラドックス定数
pit北/区域(東京都)
2015/12/22 (火) ~ 2015/12/31 (木)公演終了
満足度★★★★★
責任と罪
一度は観たいと思っていた劇団と「東京裁判」今回、初見です。
重厚なドラマでありながら「皮肉」がユーモアとなり面白く観劇。
ラスト近く「柳瀬」の絞り出す様な「言葉」は胸に迫る。
役者の力量に魅了される。

『痕跡≪あとあと≫』◆◇終演。ご来場ありがとうございました!!!◇◆
KAKUTA
シアタートラム(東京都)
2015/12/05 (土) ~ 2015/12/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
今日までそして明日から
いくらでも暗くて重くなる題材を、締めるところは締めつつ全体的に明るく軽妙に描き切る見事さに脱帽です。明日からも生きていけます。

もっとも迷惑な客死
上野くん、電話です
スタジオ空洞(東京都)
2015/11/17 (火) ~ 2015/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★
おしゃれ過ぎたスパイもの
時間軸の使い方、スタイリッシュなシーン連続等が、非常に映画的に感じましたし、役者も格好良いし綺麗だしで、観ていて退屈とは皆無の快作だと思いました。が、しかし・・・以下ネタバレ

ナイゲン(全国版)
アガリスクエンターテイメント
新宿FACE(東京都)
2015/11/13 (金) ~ 2015/11/14 (土)公演終了
満足度★★★★★
完璧
自治と言う硬いテーマを屁理屈で笑わせる、かつての三谷幸喜の群像コメディをも彷彿させる内容で終始、顔は勿論、心と頭でも爆笑してしまいました。役者が魅力的、脚本が秀逸、演出が見事、音響、照明が素晴らしい等々と、芝居を形作る要素一つ一つに美辞麗句を並べても足らない傑作だと思います。全く個人的な事ですが、プロレス者としてあの会場自体嬉しいのですし、見事に演目とマッチしていて、ここを選んだセンスには唸りました。

仮面マタドール(レプリカ)
劇団鋼鉄村松
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2015/11/05 (木) ~ 2015/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
カッコ良いとはこういう事
8年ぶり再演という事ですが古臭くも無く、ダンディでセクシーかつエロティック(小学5年レベル)で、楽しかったです。中盤以降、ぐいぐいストーリーに引き込まれ、最終的に張りぼての牛とコスプレ男の対決がカッコ良くみえるミラクルマジックにやられてしまいました。実は観る前までは、今まで主要キャストだった演者さんが今回はいない事でどうなるかなと思っていたが稀有な心配でした。相変わらず達者な役者さん揃いで安堵と満足を同時に味あわせて貰いました。

超、今、出来る、精一杯。
月刊「根本宗子」
テアトルBONBON(東京都)
2015/11/01 (日) ~ 2015/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
面目躍如
これでもかと自分の好きな物を詰め込んだごった煮の様な話でした。倫理感とかジェンダーバランスとか問題が有るしオカシナことになってるけど、それ以上に狂乱な世界で楽しめたので良かったかなと。フィクションの優れている所は、「正しくない事を主張しても良い」所だと思っているので、まさしくそれだなと思いました。無論、詰まらなければ、その倫理観の無さも余計に鼻持ちならなくなるのですが、そんなことにはなってなく安心しました。

彼女にとって無敵の世界
ライオン・パーマ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2015/10/29 (木) ~ 2015/11/01 (日)公演終了
満足度★★★★
腑に落ちない=面白くないでは無い
「え~、まいどばかばかしいお笑いを一席」と言った感じで観劇前の注意事項から本編に入って行くのは、いつも通りなのですが、本編は少し勝手が違いましたかね。本編構造はネタバレに書きますが、タイトルにも書きましたが確かに腑に落ちない結末ではありますが、感想としては面白かったです。

今、出来る、精一杯。
月刊「根本宗子」
テアトルBONBON(東京都)
2015/10/23 (金) ~ 2015/10/30 (金)公演終了
満足度★★★
当時観た時と同じ感想で残念
作者の言いたいことがあるのは痛いほど伝わるし、その熱い想いも分かるのですが、ただただ長々とメリハリ無く語られている冗漫な印象で、私には作者の言いたいこと自体は全く響いてこなかったです。
これは、演出上の問題なのかと思います。演者たちが心情吐露する際に、観客ではなく、相手演者に向かっているのだが、その相手に伝わっているとは思えない。結果、誰に向かって言っているのか分からない自慰的独白を延々見させられても退屈なだけかなと。その心情吐露も、ごめんなさいとめんどうくさいの連発で正直辟易しました。ごめんなさいって、自分を卑下しつつ相手を黙らせる強い言葉だなと改めて認識したのは良かったですがね。
と、ここまで書いて、辛辣になってしまうのは初演の観劇以後、数年経っており、その後の根本さん作品を多数観劇していることが原因だと思います。上から目線で申し訳ないが、やっぱりそれ以後の作品は、この作品より素晴らしい出来だと思いますし、現在も高値更新中だからと思っているからです。何かプラスに成る要素が大量にあればよかったのですが、
タイトルを「今、出来る、精一杯。」ではなく「あの時、出来た、精一杯。」だと納得していたのかもしれません。

クリスマス公演
筑波大学附属坂戸高校演劇部
筑波大学附属坂戸高校 C館1階演劇教室(埼玉県)
2015/12/23 (水) ~ 2015/12/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
無題1699(15-388)
14:00の回(曇~小雨)
13:35会場着、校内を進むと曲り角に案内があり親切、受付。
前方半分が桟敷席(畳敷)、後方は講堂風の5人掛くらいのテーブル付席。
後方に座ってみました。運営はすべて生徒さんが行っているようです。
13:56前説、14:01窓に暗幕をかけ、開演~16:07終演。
11月、さいたま芸術劇場で行われた「埼玉県高等学校演劇中央発表会」にオノマさんの「Q体」を観に行ったときのこと。開場前、列に並んでいたら制服姿のスタッフの方に、小さな公演チラシをいただきました。それがこちらの「クリスマス公演」でした。なんとなく気になったのと、当日観た3作品ともよかったので仮予定に入れていました。
高校演劇は神奈総、六本木、桐朋女子高くらいしか観たことがないことと、同じ埼玉なので観に来ました。
1・2年生の「表に出ろいっ!」は、日本女子大学(ピアチェーレ2012/10@梅ヶ丘)の激しく弾けた演出を観ました。
こちらの公演は、男性2+女性という構成で、動きこそ少ないものの、お互いの情けなさがよく出ていたように感じました。ただ、だんだん切羽詰ってくるのに合わせてヴォルテージが上がって行ってもいいかなとも思いました。
朗読はテキストなしでしたが、クリスマスに相応しい(哀しみを湛えた)良作だったと思います。
コントは場内でも大きな笑い声。
約2時間の学内公演、今一番感じたい「Live感」でいっぱいの公演、それを現役高校生がやり遂げていることが立派だと思いました。
2/11(水)に卒業公演があるそうで、都合がつけば行きたいと思います。

SEX
劇団時間制作
サンモールスタジオ(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
劇団時間制作第九回公演:「SEX 」Bチーム
体は女性、心が男性の性同一性障害の女性が、男性として愛する男性と、結婚すれば、「女性」、「妻」になれるのではないかと葛藤の末、結婚をしたものの、心は男性、体は女性であることのアンバランスに悩み苦しむ。
嫁ぎ先の銭湯を舞台に繰り広げられる人間関係。深夜の銭湯に通って来る、女性同士の同性愛カップルの苦悩と自らの苦悩を重ね合わせる主人公。
全てを相手に告げることが、相手を信頼していることになるのか?自分の中の秘密は、誰のため?人を愛することは、本当に平等なのか?
多くのものに縛られながらも必死に生きる人々を描いた舞台。
とても難しくデリケートなテーマを、当事者が抱えるであろう苦しみや思い、他人事だと公平になれるのに、身内になると偏見と戸惑いを持つ人、自分が受け入れられないから排除しようとするもの、理解出来ない、気持ち悪いと言葉の刃を向ける人。
その全ての立場、全ての意見と思いを、何の衒いも偏見もなく、きっちり描いていた舞台だから、観ていて嫌な生臭さがなく、すっと胸にテーマが落ちて来る。それは、脚本だけだなく、役者それぞれが、自分の中の感情と向き合って、それぞれの今の思いを真摯にぶつけていたからだろう。
性同一性障害、同性愛と十把一絡げにされるが、心が男性で体が女性、心が女性で体が男性、女性として女性が好き、男性として男性が好き、体は男性だが心は女性として男性が好き、体は女性だが心は男性として男性が好き、その逆もまたしかりと、個人個人によって、様々でとても十把一絡げに出来るものではない。
それだけ、難しくもデリケートなテーマを、恐らく、この世にある思いつく限りの立場の見方でしっかりと描かれているから、違和感も嫌悪感もなく、素直にひとつの愛の物語として、人間の物語として観られた。
それは、役者それぞれが、その人として苦しみ、葛藤し、生きているからに他ならない。
森田このみさんは、性同一性障害の抱えているであろう全ての葛藤と苦しみと悩みを麗美として、目の前で必死で向き合っている姿に胸が詰まった。
他人事だと冷静に、偏見を持たずに接しられるのに、身内になると排除しようとする本能が働いてしまう、奈苗さんの麗美の夫明人の姉の反応は、きっと一番世間で多い反応のひとつだろう。
頭では理解していても、身近な人が性同一性障害や同性愛と知った時、哀しいけれど、冷静に受け入れられるかと問われたら、きっと誰しも「うん」とは、即答出来ないのだろうかと考えさせる存在でもある。
事実を知ってもなお、麗美を受け入れる小川北人さんの夫の明人は、完全に理解し受け入れたとは言えないものを心にまだ残しているものの、麗美がかつて明人に自分の性同一性障害を秘密にしてたように、麗美には、性同一性障害など関係なく男性の麗美を愛していると嘘をつく。
だが、それは綺麗事の嘘ではなく、心底麗美を愛しているが故の嘘。きっと、理解して乗り越えてみせるという自身に対しての近いとしての真実に転化させるための嘘。
永井李奈さんの直美は、同性愛者であることを、理解してもらえないだろうと母に隠し続けている女性。
ずっと隠して生きて行くのは嫌だという肥沼歩美さんの志保と、その考え方の違いですれ違いそうになる葛藤と向き合って行こうとする姿に切なくなった。
肥沼歩美さんの志保の結婚や家族にカミングアウトして、二人の関係を認めて欲しいと主張する志保の、心に抱えた不安と苦しみに心がヒリヒリと痛かった。
倉富尚人さんの明人の従兄弟聖也は、性同一性障害や同性愛に嫌悪感を顕にし、麗美を排除しようとする掻き回す存在。
最初から最後まで嫌な奴なのだが、口には出さないけれど、心の中でそう思っていることであろう世間を表す存在なのだろうなと思う。
その偏見にいつか、自らの足元を掬われるかもしれない、それでもこの人は変わらないんだろうなとも思わせる。それは、世間の認識そのものとも言える。「吐き気がするほどに」とは、真逆の人物。聖也以外の何者でもなかった。
あなただったら?私だったらどうなのか?そんな問いを観ている間ずっと突きつけられていた。
これは、人と人との関わり方、愛というものの本質をも考えずにはいられない、いい舞台だった。
文:麻美 雪

福留麻里ソロダンス「そこで眠る、これを起こす、ここに起こされる」
世田谷美術館
世田谷美術館(東京都)
2015/12/22 (火) ~ 2015/12/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
無題1698(15-387)
20:00の回(晴)
19:20会場着、外で待ち(ちゃんと列になって待つようにとの掲示あり)、19:30受付、開場。
今夜は美術館エントランスでの公演、どんなものかなと思い観に来ました。
「用賀」で降りるのは初めて、駅から歩きます。環八は車が途切れることがないのに、歩道は暗いうえに砧公園近くになると歩いている人もほとんどいなくて間違った方へ行ってしまい逆戻りする始末。
なんとかそれらしい建物の近くに行くとありがたいことに警備の方。この方がまた親切ですぐ入口に到着。しばらく待ち、受付。天井が高いエントランス、半円を描いた階段を遠巻きにするように客席、ベンチシート、椅子。
砧公園(ファミリーパーク、橋)を模したので しょう、中央に大きな芝生/グリーンのシート、階段の踊り場には巣のような木組み(葉のない枝が刺さり、靴も)があり。中で人が横たわっていて、頭と、足が出でいましたて、寝ているのか動かない。車の音、足音、雨音、鳥の声なども聴こえてきます。
ホール入口上部からは、スケッチブック、明り、バードウォッチング用双眼鏡?、帽子、ボールが吊られ、グリーンの真ん中、ポールの上にスピーカー、5つのミニ陸橋と明り(ジオラマ風)、下手にトランポリン。
20:00前説(アナウンス、60分)...ここらから少しずつ動く。20:03木枠の中で座り開演~20:59終演。
エントランス公演は3回目、(2011/10 学習院女子@「やわらぎホール」でのポかリン記憶舎公演)、(2015/8@森鴎外記念館でのかたりと公演)。動く展覧会に来ているような感じ。
ナレーションがあり、この公園についていろいろ教えてくれます。ダンサーはそこにいるいろいろなものを表現しているようで最後は虹蛇となってクネクネと退場。
受付のときには気が付きませんでしたが、当パンをみていると制作補佐に谷さんのお名前。「SPACE ★ OPERA(2015/11@サブテレニアン」でお話したばかりでした(あまりの意外さに「!」)。
公園ガイドによるパフォーマンスのような観たことがない様式は会場から受ける印象とともに他では得られないものだったと思います。
![鵺的第一短編集[全日程終了・ご来場ありがとうございました]](https://stage-image.corich.jp/img_stage/m/523/stage52362_1.jpg)
鵺的第一短編集[全日程終了・ご来場ありがとうございました]
鵺的(ぬえてき)
新宿眼科画廊(東京都)
2015/12/18 (金) ~ 2015/12/23 (水)公演終了

夢去りて、僕らはハーメルンの白夜に踊る
天幕旅団
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2015/12/18 (金) ~ 2015/12/21 (月)公演終了

今度は愛妻家
MEHEM
Cafe Slow Osaka(大阪府)
2015/12/19 (土) ~ 2015/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★
5人の役者さんの熱量の高さを感じた。
観たいと思っていた戯曲をやっと観れました。
でも、ラストはちょっとピンと来ませんでした。
役者陣はとっても良かったので残念。

イエドロの落語其の参 再演!!
イエロー・ドロップス
新井薬師 SPECIAL COLORS(東京都)
2015/12/18 (金) ~ 2015/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
イエロー・ドロップス:「イエ・ドロの落語 其の参 再演」
先週の土曜日、西武新宿線新井薬師前から歩いて5分程の所にある、Art Live Space 「Special Colors」にイエロー・ドロップスの「イエ・ドロの落語 其の参 再演」を観に行って来ました。
前回の「イエ・ドロの落語其の参」に新たに2つの落語を加えて、再演というより、これはもう、新作と言ってもいいような、パワーアップして、面白さも、ホロッとした切なさも増量していて、私の中では、「イエ・ドロの落語 参.五」と言った感じ。
前回と同じ、八幡山の秘密の見世物小屋でやるはずだったこの芝居を新井薬師前のArt Live Space 「Special Colors」に移しての上演したその意味が、始まった途端にすぐにわかった。これだけのパワーと熱量、秘密の見世物小屋では、収まりきらなかったと思う。
より、近くにおぼんろのわかばやし めぐみさんとさひがし ジュンペイさんの息遣い、間合い、表情のひとつひとつが感じ、観られる。
物語コーディネイターの末原拓馬さんの紡ぐイエ・ドロの落語の世界は、更に滑らかに、濃く、深く、ホロリと切なくて、とてつもなく可笑しくて、笑って泣いて、ラストに向かうにつれて、さひがしさんの金蔵が前回以上にしみじみといいお男(ひと)になっていて、めぐみさんのお染は、情のあるいい女になっていて、胸にきゅんときて、ほろりっと涙が頬を伝ったりなんぞして、この芝居が観られたことを幸せに思った。
今回新たに加わった、追い剥ぎならぬ「追い剥がれ」、さひがしさんのセクシー・シーンに一瞬、目のやり場に戸惑いながらも、追い剥がれて行く時のめぐみさんとのやり取りの間合いが可笑しくて、可笑しくて好きな箇所。
イエ・ドロの落語を観ると、「やっぱり、落語っていいよね~」と思う。
今回、物語コーディネイターの末原拓馬さんも、短編作品だぼだぼラボラトリー の「ズタボロが捧げる聖夜の祈り」で出演。
前回の「イエ・ドロの落語 其の参」、「ゴベリンドン」にしても、「イエ・ドロの落語」、「だぼだぼラボラトリー」にしても、末原拓馬さんの紡ぐ物語の世界が私は大好きなんです。
紡がれる世界はもちろん、紡がれ、声となって空間に放たれるその言葉のひとつひとつが、五感をフル稼働させ、感情がうねり、水が静かに染み込むように心を浸す。
放たれた言葉が、シンと冷えたクリスマスの夜空に昇って、きらきらと星の雫になって落ちて来る、キュンと痛かったり、切なかったり、寂しかったりするのだけれど、掌に落ちて溶けた雪が暖かいように、いつもどこかに仄かな温かさとやさしさがある。
クリスマスの夜空、頬を掠める冬の夜の風、温かな部屋の空気、ひとひら、ふたひら、心の中に、言葉の雪の華が舞い落ちて、何かをぽつりぽつりと残して行く「ズタボロが捧げる聖夜祈り」。
クリスマス近い、師走のとある土曜日の宵、笑って泣いて、いろんな想いと感情を胸に抱いて、外に出れば冬の夜の冷たい風とキンと清んだ美しい夜空。
心はぽかぽか、たくさんの幸せな気持ちとわくわく、楽しい心を胸の中に両手いっぱいに抱えて帰路に着いた「イエ・ドロの落語 其の参 再演」だった。
文:麻美 雪

つま先から、残像
ヘアピン倶楽部
小劇場B1(東京都)
2015/12/22 (火) ~ 2015/12/23 (水)公演終了

”Xmas”のL
空想実現集団TOY'sBOX
北池袋 新生館シアター(東京都)
2015/12/19 (土) ~ 2015/12/25 (金)公演終了
満足度★★★★★
私の元気の素。また楽しみが増えた!
演劇集団TOY’s BOX第9回公演『XmasのL』見てきました。
まず、クロスキャストの2人の主役。幸運にも両方見ることが出来て、役者さんが違うと、全体の雰囲気もだいぶ違うのに驚きました。
オープニングのダンスは、人数が増えたにも関わらず、舞台の狭さを感じさせないキレイなフォーメーションでステキでした。団長さんが自画自賛する訳ですね。
客演のみなさんもそれぞれ個性的で新しいトイボの顔になったら面白くなりそうです。
そして今回の新しい試み(?)、終演後の即興劇。劇の内容はグダグダでしたが、そこがまた面白く、舞台と客席が一つになった感じがして、自然と笑いが起こり、より劇団が身近に感じました。
回を重ねるたびに進化を感じるトイズボックスは、私の元気の素です。また次回が楽しみになってしまいました。