十一人の少年
劇団東京乾電池
ザ・スズナリ(東京都)
2016/01/05 (火) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★★
笑いながらも考える
北村想さんの書下ろし。なんだかね、面白くて笑っちゃうんだけどそれだけじゃなくてちゃんと社会と向き合っているんですよね。
今年の観劇染めとしてすごくふさわしい作品でした。
違うバージョンでもう一度観たいな。
緋色、凍レル刻ノ世界、永遠
黒薔薇少女地獄
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2015/11/24 (火) ~ 2015/11/29 (日)公演終了
満足度★★★★
黒薔薇式2時間サスペンス風耽美ミステリー
ある女子中学校で起きた事件は15年前にそこであった事件に酷似しており…な物語。
モロにアングラ風味のオープニング、妖しげで「あんなもの」が登場人物に付きまといながら進む展開、一件落着したものの「後を引く」終わり方(=一見落着?(笑))などそれぞれにどこか懐かしさもあって好み。
あと、舞台中央にある「アレ(ネタバレBOXに詳述)」が醸し出す雰囲気がまたイイ。
で、勝手に付けたキャッチコピーは以下の3つ。
「黒薔薇式2時間サスペンス」
「耽美ミステリー」
「破綻しないG蝕K劇団(爆)」
※G蝕K劇団は破綻する(=換言すればブッ跳ぶ)のも魅力の一つなのでdisる意図は全くない
ネタバレBOX
舞台中央にある「紅い御簾」に囲われたエリア、事件現場でもあるワケで、それでなくとも赤い色なのに「その刹那」は照明も相俟って血生臭く感じるほど
『animo』(あにもー)
!ll nut up fam
萬劇場(東京都)
2016/01/08 (金) ~ 2016/01/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
Power(o^^o)
公演初日観てきました!!!
本当に愛が溢れてて、たくさんたくさんPowerを貰いましたし、笑顔にしてもらいました(*^_^*)
キャストさん一人ひとりが、本当に舞台を楽しんでいるのがこのanimoの公演、伝わってきました。
新年、これを見れてよかったです。
ぜひこの公演また観たいなと思いました。
『animo』(あにもー)
!ll nut up fam
萬劇場(東京都)
2016/01/08 (金) ~ 2016/01/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
見てきました!
公演時間一杯に笑わせてくれてありがとう。この先どうなるんだろう・・・と思いながら楽しく見させてもらいました。
子供たちもとても可愛く頑張っている姿に感動
フェイク
WITHYOU
劇場MOMO(東京都)
2015/07/02 (木) ~ 2015/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
誰も救えない、救われない物語
舞台「フェイク」見て来た。学生時代に小劇場巡りをした以来、観劇って行為がまず久しぶりで新鮮でした。
重いテーマで幸せになれる人が少ない話、終盤に謎が解けるにつれ涙が止まらなかった。弱く力のない者がころげ堕ちる運命を、正攻法で救えない世の中、復讐だけを支えに生きることを誰が止められよう。
そんな世間から取りこぼされた存在を救えるのが、いわく付きながら権力のある闇組織、寄り添う疑似家族達。しかし「誰も人の気持ちをコントロールできない」の台詞が暗示したかのように、どんなに上手く采配したつもりでも、暴走により再生物語はまた閉ざされてしまった。
生き地獄を終らせたい女と、やり直したい男が出会い、ニセモノで生き延びてきた人生をリセットするため、ホンモノを求め合う。でも結末はあまりに悲しすぎて。
あの「何もかも失われた故郷」に立ち尽くした者の気持はわからないと、続く言葉を失うリアルに、それでも手を差し伸べた睦美。その心情・行動はフェイクじゃない。なのに彼女を持ってしても救えない運命。悲しすぎた。目的を遂げ新たな人生を生きるはずだったのに救われない香奈、悲惨すぎた。
今目に見えているものは、かろうじて形を保ってるだけの幸せなのかも、と振り返る。漁協も香奈も、人生が詰んだ理由は誰にも起こりうるトラブルで、なぜそちらを選んだ!と揶揄できるのは傍観者だから。当事者にはなるまいと意識高くいても、飲み込まれてしまうことはあるだろう。
舞台「フェイク」、誰も救えない、救われない物語だったけれど、それでもまた睦美はタフに生きて、彼女達は役目を果たしていくのだろうと、不思議な繋がりで裏社会に生きる疑似家族の今後に想いをはせる良作だった。
ジョルジ・フッチボール・クルーヴィー
Ammo
d-倉庫(東京都)
2016/01/08 (金) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★★
花四つ星
ブラジル、リオデジャネイロのファベーラ(スラム)の物語だ。
ネタバレBOX
ブラジル新聞の記者、マリアは、ここで最近立て続けに起こる警官殺害について関連があるのではないか? との疑念を持っていた。取材を続けるうちファベーラに10年ほど前まで在った小さなサッカークラブに辿り着いた。初日が済んだばかりなのでネタバレは遠慮しておく。
然し、ブラジルに限らず、中南米の実感がかなりしっかり捉えられていて、1993年、日本でFifa主催のU17大会の時に通訳仲間と話したことや、日本、ブラジルの二重国籍をを持つ友人から聞いた話などを思い出しながら観ていた。ファベーラがどんな場所か薬とギャングと抗争とアル中の父によるDVとストリートチルドレンやバカ騒ぎのごみ溜めという雰囲気が出ていたのである。
ラスト、サッカーの世界的選手となったアレックスが、渡る板一枚の橋は、エンジェル橋(この時の照明が良い)、上がった奥にマリア広場がある。
三日月にウサギ
9-States
OFF OFFシアター(東京都)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★
心の彷徨...閉塞からの解放を求めて
表層的に物語を捉えると、その閉鎖性のある街から出ないのか、また逆にそれを承知で入ってくるのか、という疑問が生じる。しかし、そこは敢えてそういう状況の中で展開していく波紋の色々…そんな感じがする。
公演の雰囲気は沈滞的であり不気味な感じもする。何か起こるだろうという、その不思議感覚が面白い。
芝居の台詞にもあったが、ジャンルにとらわれると本質を見誤る...この劇の狙いはどこにあるのか。自分としては、”生きる”をしない者と”生きたい”者が出会って、心的交流から見える彷徨では...。
この公演は2ヶ月連続公演Vol.2となっており、前回はホテルが舞台であったが、今回はジャズ喫茶である。そのセットは...
ネタバレBOX
基本的(舞台セット)は、同じようだ。中央から下手側にカウンターとスツール、中央にトイレ、上手に店の出入り口がある。下手客席側に懐かしいゲーム機1台。中央に丸テーブル席・椅子がある。
主人公は、ウサギ(山田青史サン)と三木薫(倉垣まどかサン)の2人。この両人の”生きて行く”ことから生じる、周囲の人達の思惑と誤算による悲喜劇といった感じである。
何故だか、波形を見ただけで少し先の未来のようなものが見えてしまう。一瞬SFかと思わせるようなところもあるが、それは枝葉のようであった。その先読みに頼って日銭(パチンコの回転率等)を稼いでいたが、この街から出るため大金を得る算段をする。金融(FX)で勝負することを企むが...。
そんな時、他の街から薫がやって来て、ウサギに能動的に”生きてみよう”と働きかける。その薫は父親から性的虐待を受けており、外見を男の格好にし、必死に生きてきた。そんな生き方に違いがある人と人の出会い。生きるのが息苦しくなったら「(三日)月にでも住むか」、「波形読まずに未来ワクワク」という台詞が何となく悲しい。
人として強欲を持つ者、無欲の者、または多くの欲を持たずに淡々と過ごす者、その心のあり様を捉えた時、自身に内在するもの(欲望)が透けて見えるようだ。他人から見えない内面を描こうとしているが、その表現が難しい。人は不自由からの解放=欲望を実現していくか、手っ取り早く行うためには他人を利用する。その端的手段が「金」だという。
積極的に”生きること”にすることで周囲の人々との関係・状況が変化して行く。自分の意思と関係ないところで他人の思惑を左右する。自分が幸福を求めることで、周囲の人々を不幸にする。
この自分と他者との「幸福」と「不幸」の逆相関がアイロニーのように感じて、芝居の沈滞・物憂げな雰囲気を追いやり滑稽にさえ思えた。
生きる目的を持った(共有した)ことによる悲劇、無関心から派生した他人の不幸という喜劇...不可思議な公演であったが嫌いではない。
冒頭に記した街の閉塞感について、若干の説明...家族のこと、郷土愛のような一片が見えると違った見方もできるが、好みの別れるところであろう。全体の怪しげな雰囲気の中で、彩りを見せたかったのか…高山ふみ(飯野くちばしサン)社長と従業員の会話が浮いたようで違和感があったのが残念。
次回公演も楽しみにしております。
三日月にウサギ
9-States
OFF OFFシアター(東京都)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★
アンバランス
題名はかなり御伽噺めいた感じがしたが・・・どんどん予想を裏切るえげつなさに少々うんざりした。まぁ仕方あるまい、御伽噺とはかなり残酷な裏側を持つものだ。誰かの幸せは、他の誰かに不幸を招く。そして、不幸になったものはなんとか這い上がろうと、幸せなヤツを引き摺り下ろそうとする。それが罪ということだと知っていても・・・そしてつかの間の幸せは悲劇を呼ぶ。個人的にはこんな風に幸せを考えるのは好みではないし、口の中に血の味かしてきそうな演出も日常ではない幸せ・不幸せ過ぎて“コレは何処にでもある普通の物語”とは程遠く感じた。出演者、実力まばらで、そのアンバランスさに疲れた。照明も無駄が多かったように感じる。と、作品としてはあまり・・・なのですが、“ウサギと薫”この二人は無茶苦茶イイ!ウサギ演じる山田さんが舞台に現れた時、作品名や先の台詞などすっ飛んで“あっウサギだ!”と思ってしまった!可愛い系ではなく、少し不機嫌な冷めた顔のウサギ、少し前かがみの姿もどこぞのアニメで見たそれとよく似ている。淡々とした口調もそれらしい。そして薫こと、まどかちゃん!女女しないキュートな愛らしさ、実に可愛い薫。そして、傷だらけなのに明るさを装う健気さは愛おしい。この二人の最初のシーンとラストのシーンはとても素敵なのに・・・話の全体を考えると、どうもアンバランスな気がしてならない。薫がなぜこの町を選んだのか?ウサギは本当は何者なのか?御伽噺の裏表を表すなら、この辺りもはっきりさせないといけない部分ではなかっただろうか?
陽のあたる庭
演劇ユニット狼少年
小劇場B1(東京都)
2016/01/06 (水) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★★
今年初観劇
今年最初の観劇。なかなか良い作品に出会えたと思う。
実にもって行き方の上手い作品だ。“こうなるんじゃないのか?”と思わせて、そのためにそうならないで欲しいと願いつつ、舞台に引張られていく。そういう部分が何度かあって、基本的には重いのは苦手な私も、食い入るように観てしまった。出演者の上手さもあるが、衣装の日常性、砂ぼこりがこびり付いた感じ、汚れの染み付いた感じなどリアル感がまたイイ!また、音響の使い方が実に上手い!ラジオの音・夕立、この辺りの使い方は見事!更に良いのは高度成長期の日本にうまい当てはめ方をしている事。背中に何かを背負って生きているような登場人物たち。戦後の日本を痛く感じる作品だった。あえて難を言えば、ショータが大男という設定だが、どう見てもそれほどとは思えず、その台詞が出る度、違和感を感じたこと。そして印象的なラストではあるが、なんとなく着地していない気がする。個人的にはその後のダイがどうなったか?知って、二人の物語の終りとしたいところだが・・・。
idiot
青年団若手自主企画 vol.64 山内企画
アトリエ春風舎(東京都)
2016/01/05 (火) ~ 2016/01/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
・・・これは結構・・
観客が男性か女性かで見方がだいぶ違ってきそうな・・
ほとんどの男性客が観た場合、これを見ても渋谷のハロウィン騒ぎくらいしか思いつかないんじゃないんだろうか?
それを待つ人というか。
・・例えば日曜日にZEDDのツアーが幕張であるけど(自分はいかないけど(苦笑
このZEDDが日曜じゃなく、いつか来て未知のワクワクするパーティーに連れ出してくれるのを待つ女子二人と考えて自分はこの舞台を観てみた。
ネタバレBOX
女子二人の身の回りに現在あるのは、POPEYEか何かに載っているような、いわゆる「女子ウケする何か」で、それらがゴミのように雑然と、でもライトに照らされて、散らかっている。
配置に哲学が無いように、それらのものにも心が無い。だから満足させることができない。
その二人が待っているのは、その薄っぺらい調度から自分たちを引き抜いてくれる、クモの糸の先のキラキラ。
クモの糸は真ん中の電話。3コール以内に出なければならない。
キラキラとは、女子にとってのジャスティン・ビーバー的な何か(自分の中ではZEDD、男子にとっての(笑
二人は呼び出しを待つうち、その雑誌の切り抜きから抜け出たような消耗品の中で待つこと自体に喜びを見出すように・・思い込もうとするが、そこで二人ともが揃って前向きの言葉をひねり出せない。
女子にとってキラキラをつかむというのは戦争。
ここでの戦いの手段は、ひたすら待つということ。
でも負けるかもしれない。
そういうの思い浮かぶ女子はメチャクチャ多いんじゃないのか。
負けても心が折れないために、言葉で元気を出す。・・・でもできない。前が向けない。
子どもの頃は、いつか大人になったらキラキラする世界の中に包まれていることを夢想したものが、成長とともに待つ時間そのものに意味を見出すようになる。
身の回りの見かけだけオシャレなセットはいわば借り物。
本当の自分はどこか別にいる。
良く考えればそんな人はそこかしこにいる。というかひょっとしたらほとんどの女性がそうかもしれない。主婦なんか特に。
そうでなければ韓流スターとかあんなに人気があるわけがない。
でも、ふと考えるんだが、この「キラキラ」って本当の意味でのキラキラなのかなぁ・・?
例えばだけど、ジャスティン・ビーバーが煤けた街に現れただけで、町が輝きだすことなんてあるんだろうか?
男性にとっての答えは・・結構「NO」なんじゃないかって思う。
それだけじゃなくって煤けた自分の家の壁でも新しい塗料で塗りたいよね、自分で。
人だけキラキラで町が煤けてたらちょっとへこむかもね。
女性にとっては・・意外と「YES」かもしれない。
別にジャスティン・ビーバーじゃなくっても、女性は母親になったりもするから、人の成長に強く惹かれる面があると思う。
誰か人が成長する。成長する人がいる。
それだけで町が輝きだす。
どんな町だって、人が成長する場所にいたいものなんじゃないかな。
だから女性は成長をやめた人に囲まれると簡単に自分の居場所を変えるし、逆に旦那が死んでも子どもたちがまだ発展途上なら世話を焼くのをやめたがらないとか。気ままに生きればいいのに。
そういう意味でのキラキラ、だと自分は解釈してみた。
足りない男子らが女子を喜ばせようと形だけ準備したように(自分には)見える、心のない製品のなかで来ないキラキラを待ちながら女子らはどんどん焼尽していってしまう。
・・いかん、ピンチだ!
この舞台、登場するのは女子二人だけど、見えない所にいる男子らを観客がどう想像するかが非常に重要だ。
俺、ブサだからジャスティン・ビーバーにはなれねぇよ、で思考が止まっていたら世界は救われない(苦笑
ていうか、それって成長してないよね?
俺の中のキラキラが増えるためには、観客の男子らの成長(≒気づき)が重要だ(笑
自分も男子ではあるが神目線で。
観客席を見渡してみると若い男子の観客らが「何スか?この話まだ続くんスか?」みたいな顔して俯いていたけど、男子らにこの70分は結構勉強になるとは思うんだけどな・・観察眼を働かせれば。物語のもう半分の男子パートを想像力を埋めるのは君たちだ!と思いつつサクッと帰った夜。
背信 | ブルールーム
PLAY/GROUND Creation
シアター風姿花伝(東京都)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/10 (日)公演終了
満足度★★★
『背信』観劇
なんだかなー
ネタバレBOX
夫の親友と過去に不倫をしていた女性と当該男たちのエピソードを、過去に遡りながら示すことで一連の流れが次第に明らかになっていくというもの。
エピソードがいくつもあり、演劇のテキストとしては向いているのかもしれませんが、やや半音高い言い回しがl気になり、内容も結局は結婚式のときから浮気心が芽生え、やっていることはみんなにバレバレでしたといった身も蓋もないものでした。
珈琲法要
ホエイ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/12/31 (木) ~ 2016/01/06 (水)公演終了
満足度★★★★★
題名に引っ張られ
2013年の初演、覚えてないものですね。
ネタバレBOX
1800年頃、ロシアの南下に危機感を抱いた幕府に命じられて蝦夷地斜里に派遣された津軽藩の武士たちの話。
得体の知れないものを無理に飲んでいるシーンぐらいしか覚えていませんでした。
100人のうち、72人が死亡、1人が逃亡、帰還できたのは17人という惨状でした。死亡の原因は寒さと脚気かと思いましたが、以前から恨みを持っていたアイヌの人たちによる和人殺しの側面もあり、そんな話だったんだと改めて新鮮に感じました。
こんな寒いところでは冬を過ごさないというアイヌの娘の発言は目からウロコでした。そんな彼女が和人の拡張主義について問うていました。今回はロシアの南下防止が目的であり、一部の武士が樺太にまで足を延ばしたということでしたが、むしろもっと北部まで行って地固めをしてくれていたらなどとも思いました。
深沢ハイツ302~もう一つのニュートンの林檎~【ご来場有難うございました!】
Sun-mallstudio produce
サンモールスタジオ(東京都)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★★★
楽しい公演でした
「深沢ハイツ302~もう一つのニュートンの林檎~」観ました。
アンケート用紙ありませんでしたね。珍しいですね。
とても良かったです。予想より楽しく、得した気分です。
7年前とは色々変化があって、脚本もかなり書き替えたのでしょうね。
皆さん良かったですが、みまさんの唄と今村さんの可憐さが目を惹きました。
三日月にウサギ
9-States
OFF OFFシアター(東京都)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★★
金のバットと銀のナイフ
終わり方が予想を超えていておいていかれました。狂気のシーンなのになぜか泣いてしまいました。
三日月にウサギ
9-States
OFF OFFシアター(東京都)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★★
上手く言葉にできない。
前回のわかれみちのリテラシーの過去のお話。急展開に最後まで目が離せませんでした。見終わった後に考えさせられました、幸せとはなんなのか、面白かったです。
「ダンスソナタ 幻想 シューベルト」
KARAS
KARAS APPARATUS(東京都)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/12 (火)公演終了
満足度★★★★★
無題1711(16-001)
20:00の回(晴)。
19:45会場着、受付、19:55開場。
新年最初のダンス公演。「BOUNEN15(12/28)」で1年間を振り返ったばかりですが1月の連続3公演のうち「update danceNo.29」初日。
20:07開演~21:11終演、~トーク21:25。
勅使川原さん、佐東さん、交互に対照的なソロ。シューベルトのピアノとヴァイオリン+ダンサーの存在と動作とが光と影の狭間で寄せては返す永劫のうねりのように紡がれ、奏でられる音色が会場いっぱいに同期していると感じられます。
ダンサーの息づかいは作品そのものの息遣い。舞台の鼓動から発せられ、それを全身で感じとりながらの1時間でした。
戯曲試食会 『タバコの害について』
劇団夢現舎
「行灯パブ・ろびっち」(通常は新高円寺アトラクターズ・スタヂオ)(東京都)
2016/01/06 (水) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★★
行灯パブろびっち
戯曲単体にとどまらず、客席のつくり、客入れ時の歌、構成など
スタヂオに一歩足を踏み入れた時から大変楽しい。
歌は素敵だし席は落ち着くし、飲めないくせにうっかりビールなど
頼んでしまいました(笑)
まずチェーホフを紹介する前半が良く出来ていて面白かった。
そして「タバコの害について」ひとり芝居。
“講演会なのにひたすら愚痴る初老の男“が妙に可笑しい、意欲作。
チェーホフさん、大変だったんだね(^_^;)
ネタバレBOX
客席に足を踏み入れると、コーヒーテーブル程の小さな机がいくつか置かれ
一つの机にクッション付きの椅子が1脚か2脚設置されている。
上手に女性がひとり(三浦せつこさん)座って、歌っている。
綺麗な声でオリジナルだろうか、ちょっとシャンソンのような歌をうたっている。
息継ぎの音が聞こえず、ことばがきれいな、私の大好きなタイプ。
隅っこに座ると、飲み物を聞かれてつい「小さいビール」と言ってしまった。
静かなライブハウスみたいな雰囲気で超リラックス。
サービスのおつまみも来て、観客はワインやソフトドリンクを飲みながら開演を待つ。
暗転の後カラスの鳴き声、明転すると黒いミヤマガラス(高橋正樹)登場。
カラスをあざ笑う人間(室賀竜也)を逆にやり込める、というチェーホフの短編だ。
その後、ロシアの地図や年表を使ってチェーホフの人となりを紹介していくのだが、
解説する高橋正樹さんが巧みでとても面白かった。
代表作「かもめ」の、チェーホフ自身が投影されているというトリゴーリンと
ニーナの場面なども、直前の解説があったのでとても興味深く観た。
「タバコの害について」は、講演会の演台に立ちながら
“ひたすら33年間の結婚生活を愚痴る男”を描くひとり芝居である。
益田喜晴さんは、楽屋の女房を窺いつつ、女房さえいなければ…と
思いのたけを聴衆に愚痴る男を緩急つけた台詞で演じる。
リアルさより、うじうじと同じところを行ったり来たりする情けない男を
面白おかしく誇張している感じ。
“何も起こらない”芝居は、“変われない人間”そのものを揶揄している。
そんなに嫌なら反撃すればいいのに、離婚すればいいじゃん、と思うような人生を
人は33年間も受け入れて生きるのだ。
ドラマや本になるような劇的な変化など起こりはしない、凡人には。
チェーホフって基本的に成功者を信用していないのだと思う。
そんなの成功じゃない、そんなの幸せじゃない、そんなの本物じゃない…。
いつもそう思いながら書いたり結婚したりしたんだろうなあ。
当日パンフがとても面白く、会場にある写真などと共に試食の上で大変役に立つ。
「行灯パブろびっち」の名前からして洒落っ気があり楽しい。
夢現舎の公演は、演劇に対する考え方がストレートに伝わっていつも楽しみだが
今年最初の観劇が「パブろびっち」でラッキーでした。
おもてなし、ありがとう\(^o^)/
陽のあたる庭
演劇ユニット狼少年
小劇場B1(東京都)
2016/01/06 (水) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★★
骨太...感動!
第2回公演...とても観応えのある翻訳劇であった。チラシ記載のとおり原作はジョン・スタインベック「二十日鼠と人間」(邦題・1937年出版)である。原作の舞台となったのは、1930年前後の世界大恐慌時のアメリカ・カルフォルニア州の農場であるが、本公演はそれから約30年後の東京オリンピック前年(1963年)、日本・栃木県にある飯場・安藤組に 時と場所 を換えて描く。そこには原作同様、貧しくても逞しく生きる、そして愛しくも切ない、そんな人間讃歌が語られる。そして、オリンピック前年という高揚感ある時代背景にも関わらず、当時の世界状況・社会状況への鋭い批判と、2020年の東京オリンピックに向け、現在に対しても警鐘するという骨太作である(1時間40分)。
ネタバレBOX
開演前から昭和歌謡...「いつでも夢を」などを流し、50年以上前の雰囲気を醸し出す。舞台セットは、劇場出入口の対角にある壁面に沿わせて平板を粗組む。2場面(山中、飯場)であるが、平板は山林や飯場での寝床・腰掛場に見立てる。飯場シーンの場合は、それに木食卓と丸椅子も暗転時に配置する。
梗概は、チラシ説明「戦災孤児のダイとショータは、いつか自分たち家を持つことを夢みながら、出稼ぎ労働者としていつも一緒に各地を渡り歩いていた。地方の道路整備が着々と進められる中、二人が辿り着いた新たな働き口であるトンネル工事の現場で、二人はそこに集う人々との生活を始めるが…」のとおり。
物語や人物造形は原作に模しているが、日本の状況をしっかり捉えている。例えば、東京オリンピックの前年当時(1963年)、東京では道路舗装、ゴミ収集が行われ美化が進んだという。しかし、飯場労働者(在日朝鮮人)・ピョンの言葉を借りれば、それは上辺だけで汚い・臭いものに蓋をしたに過ぎない。
公演の中で繰り返し出てくる台詞「世界はひとつ」は、東京オリンピックのスローガンの一節で、当時の世界情勢・東西冷戦を意識している。その状況は変化したが、現在では世界いたるところで紛争が起こり、テロも頻発している。そういう世界、さらには国内では震災復興ということを意識しておく必要があることを痛感。
主人公2人ダイとショータは戦争孤児という設定である。それを考え合わせると、社会の底辺で働く人々に向けた優しい眼差し、逞しく生きる人々への応援歌、平和への思い。その描かれる内容に心打たれる。この心魂に響く演出...暗転時には小鳥のさえずりなどが聞こえ、明転後の照明もコントラストを付けインパクトを持たせる。音響・照明を(相乗)効果的に利用し、観客に印象付けるという観せ方が丁寧である。
演技は、役者全員が安定しバランスも良かった。その性格付も原作とおり確立していた。女優2人、飯場の飯炊き女・照代(岡本恵美サン)は、その明るく優しい姿が、”日本のおかあさん”そのもの。親方の息子の嫁・留美子(森由佳サン)は、アイドル出であるが汚れ役で切ない女を好演していた。そしてやはり、ショータ(曽我部洋士サン)の演技が素晴らしい。
気になったのは、すぐに安藤組に来た時の飯場の緊張感がなくなったこと。溶け込むまでのエピソードがあると更に印象深いと思った。逆にその変化に2人が飯場に親しんだという、時間の経過が見えるのかもしれないが...
次回公演を楽しみにしております。
三日月にウサギ
9-States
OFF OFFシアター(東京都)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★
折角、
ウサギと薫の恋愛シーンが良いのに勿体ない。
ネタバレBOX
設定が悪い為、街から絶対出られないという劇中のシチュエイションに説得性がない。シナリオライターは、設定の重要性に気付くべきである。街から出られない設定ならいくらでも考えることができよう。紛争中で敵に包囲されているとか、カミユの「ペスト」のように伝染病を他に伝播させない為とか。
折角、ウサギと薫の恋愛シーンが見事なのに、絶対閉鎖系として街が描かれていない為に恋人たちの切ない軋みに必然性が欠けているのだ。
また、描きたいことがハッキリしているのであれば、その内容に沿ったギャグや作品内容から自ずと滲み出てくるようなユーモアなら兎も角、とって付けたようなギャグは作品の品位を落とすだけである。
陽のあたる庭
演劇ユニット狼少年
小劇場B1(東京都)
2016/01/06 (水) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★★
新年初観劇~!
初見の劇団さんです第2回公演だそうですが
開演時間5分遅れのセオリーは踏襲されていたのは残念
結構新年初っ端にしては重い話かなぁと思えた
1時間50分の作品
小道具とか効果音とか役者さんの熱演とかは好みでありンした♪
ネタバレBOX
舞台セットは”飯場”風に黒地の素舞台に木材を荒く組んだ部屋風+ベッド兼椅子代わり台にテーブルと丸椅子です
東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。
戦争孤児のダイとショータが出稼ぎ労働者として、
地方のトンネル工事現場に向かうところから物語は始まります。
ショータは身体が大きく力が強いが知能が5~6歳児止まりであり、相棒というか兄貴分のダイは、そんなショータがしでかす出来事に困りつつも二人で現場を渡り歩き、いつか二人で住める自分たちの家を持つことが夢で金を貯めています(目標額は30万円であるが手元にはまだ2万円しかない・・)。実は二人というかショータがいつもダイを困らせることをして現場を転々と替えざるをえなくなって金も思う通りに貯められないのであるが・・・。
遅れて現場に入った二人は新しい職場に馴染んでいくのですが・・・・
いかにもな肉体労働者の高度経済成長時代の雰囲気をよく醸し出していたですよ
結局ショータは、また前の現場(カヌマの現場)と同じような・・・(より以上の?)困った事態を引き起こしてしまい・・・。ダイがついに決着をつけてしまうという物語でありました。 (こうなるとは思っていたが、話は暗かったなぁ・・と感想・・・。)
食事とかはリアルに飲み食いしてて 薄汚れた作業服とか 小道具のラジオや銃など細かい出来が自分的にはツボでした (BGMからラジオの音に移行する演出は上手やなぁと感心) 飯場に入ってくるときの砂利の感じの足音とか 音関係の細かさ良いです~
14年式後期型(トリガーガードのふくらみが独特で一目でわかるのよ(^^)の拳銃なんて時代考証に即した拳銃使うとこなんかもGoodやなぁと感動しました
ただねぇ難点が・・・ 男性陣は着替えなんぞしなくても問題ないけど
女性陣(まぁ二人しかいませんが(^^;)は時間経過を出す為に着替えて欲しかったさ! 特に留美子さんは派手さが話上も必要であったろうし着飾って着道楽風な着替えは必要だよなぁと強く感じられたですよ
時代的に喫煙シーン多くとるので薬用煙草(ネオシーダー)使用とアナウンスにもあったが・・普段なら大丈夫だったと思うが 年末年始で喉がつぶされた身としては煙が患部に悪かったようで(合わなかった?かな)咳がぶり返してしまったさ・・・ 演出上電子煙草は合わないだろうし・・まぁマスク等配りますよって優しさが欲しかったかしら・・・ すまんです自己都合な感想+身体状態で
オオタダイスケ:ショータの兄貴分 戦争孤児 いつの間にか傍に来て懐いてきたショータと共に肉体労働現場を渡り歩いています
コバヤシショータ:加減がわからない馬鹿力の持ち主 小動物とかが好きで将来の夢の家でふわふわのウサギを飼いたいと思っている 今まで気に入って遊んでいたネズミや子犬・・小動物を手の中で殺してしまっています・・・
テルヨ:飯場での飯炊き女 東京に子供を捨てて出てきてしまった過去を引きずっている
トク爺:先の事故で左足と左手をやられて今では手当貰いつつ現場の掃除担当となっている 自分の命を助けてくれた老犬がボケても誰彼噛みついても抑えきれなくなってきて心を痛めています ダイ達の話を聞いて虎の子の10万円出すので自分も二人の夢の家に住まわせて欲しいと願う=で考えたダイが12万頭金にして家に住みつつローンで残金払おうと思いつかせるキッカケ与えます
ピョン・ソンム(ワタナベナオヒサ):日本生まれの朝鮮人(父マサオ陸軍軍人 故人) チョン(差別ですけどコノ時代は普通に皆がやっていたんだよなぁ・・・小劇場系でないと出せないセリフと立場ではなかろうか・・・)と周囲から蔑まれてますが現場仲間からは普通に接してもらってます 3年前に婚約していた姉が朝鮮人と明かしたことで破談となり自殺 弱った母を妹に看てもらいつつ二人のいる福岡に仕送りしている そして朝鮮人として嫌っていた本名を名乗っている
親方:現場を取り仕切ってる安藤組の組長さん
カジワラ:現場での兄貴的存在 元軍人南方よりの帰還兵 亡くなった妹がいた=ルミコに似ていて話し相手になっていた 飼ってる野良犬が子犬5匹生んで貰い手探し中~
ハラダ:お調子者 花札・煙草・女と・・現場らしい人物 拳銃を隠し持っている(先週辞めたカトウという仲間から預かったらしい)
アンドウタロウ:親方の長男 いかにもな喧嘩っ早いチンピラ 上に媚びて下に当たるという如何にもな小人物 当然自分の所有物である妻には殴る蹴るの暴行を・・・・
アンドウルミコ:戦争で両親を亡くし親戚中たらい回しにされ虐められ14歳で家出し現在はタロウの妻となってるがDVに苦しみ足掻いている=寂しくてて飯場等に話し相手(話だけかなぁ・・・?)探しに来ますが、みな仕事を失うの怖く=親方の長男に睨まれたくない=のでほとんど相手にされない (演じられた森さん綺麗でしたぁ♪)
ちなみにラストで拳銃出すのですが・・・犯罪ドラマの見過ぎのせいか、腰後ろに銃がはさんである様子が見てとれてしまった・・・・。演出的にはいきなり銃出して驚かすとこですけど(勘の良い観客なら紛失話聞いてすぐ思いつくでしょうが)