idiot 公演情報 青年団若手自主企画 vol.64 山内企画「idiot」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ・・・これは結構・・
    観客が男性か女性かで見方がだいぶ違ってきそうな・・

    ほとんどの男性客が観た場合、これを見ても渋谷のハロウィン騒ぎくらいしか思いつかないんじゃないんだろうか?
    それを待つ人というか。

    ・・例えば日曜日にZEDDのツアーが幕張であるけど(自分はいかないけど(苦笑
    このZEDDが日曜じゃなく、いつか来て未知のワクワクするパーティーに連れ出してくれるのを待つ女子二人と考えて自分はこの舞台を観てみた。

    ネタバレBOX

    女子二人の身の回りに現在あるのは、POPEYEか何かに載っているような、いわゆる「女子ウケする何か」で、それらがゴミのように雑然と、でもライトに照らされて、散らかっている。

    配置に哲学が無いように、それらのものにも心が無い。だから満足させることができない。

    その二人が待っているのは、その薄っぺらい調度から自分たちを引き抜いてくれる、クモの糸の先のキラキラ。
    クモの糸は真ん中の電話。3コール以内に出なければならない。

    キラキラとは、女子にとってのジャスティン・ビーバー的な何か(自分の中ではZEDD、男子にとっての(笑

    二人は呼び出しを待つうち、その雑誌の切り抜きから抜け出たような消耗品の中で待つこと自体に喜びを見出すように・・思い込もうとするが、そこで二人ともが揃って前向きの言葉をひねり出せない。

    女子にとってキラキラをつかむというのは戦争。
    ここでの戦いの手段は、ひたすら待つということ。
    でも負けるかもしれない。
    そういうの思い浮かぶ女子はメチャクチャ多いんじゃないのか。
    負けても心が折れないために、言葉で元気を出す。・・・でもできない。前が向けない。

    子どもの頃は、いつか大人になったらキラキラする世界の中に包まれていることを夢想したものが、成長とともに待つ時間そのものに意味を見出すようになる。

    身の回りの見かけだけオシャレなセットはいわば借り物。

    本当の自分はどこか別にいる。

    良く考えればそんな人はそこかしこにいる。というかひょっとしたらほとんどの女性がそうかもしれない。主婦なんか特に。

    そうでなければ韓流スターとかあんなに人気があるわけがない。

    でも、ふと考えるんだが、この「キラキラ」って本当の意味でのキラキラなのかなぁ・・?
    例えばだけど、ジャスティン・ビーバーが煤けた街に現れただけで、町が輝きだすことなんてあるんだろうか?

    男性にとっての答えは・・結構「NO」なんじゃないかって思う。
    それだけじゃなくって煤けた自分の家の壁でも新しい塗料で塗りたいよね、自分で。
    人だけキラキラで町が煤けてたらちょっとへこむかもね。

    女性にとっては・・意外と「YES」かもしれない。
    別にジャスティン・ビーバーじゃなくっても、女性は母親になったりもするから、人の成長に強く惹かれる面があると思う。
    誰か人が成長する。成長する人がいる。
    それだけで町が輝きだす。
    どんな町だって、人が成長する場所にいたいものなんじゃないかな。

    だから女性は成長をやめた人に囲まれると簡単に自分の居場所を変えるし、逆に旦那が死んでも子どもたちがまだ発展途上なら世話を焼くのをやめたがらないとか。気ままに生きればいいのに。

    そういう意味でのキラキラ、だと自分は解釈してみた。

    足りない男子らが女子を喜ばせようと形だけ準備したように(自分には)見える、心のない製品のなかで来ないキラキラを待ちながら女子らはどんどん焼尽していってしまう。

    ・・いかん、ピンチだ!

    この舞台、登場するのは女子二人だけど、見えない所にいる男子らを観客がどう想像するかが非常に重要だ。

    俺、ブサだからジャスティン・ビーバーにはなれねぇよ、で思考が止まっていたら世界は救われない(苦笑
    ていうか、それって成長してないよね?
    俺の中のキラキラが増えるためには、観客の男子らの成長(≒気づき)が重要だ(笑
    自分も男子ではあるが神目線で。

    観客席を見渡してみると若い男子の観客らが「何スか?この話まだ続くんスか?」みたいな顔して俯いていたけど、男子らにこの70分は結構勉強になるとは思うんだけどな・・観察眼を働かせれば。物語のもう半分の男子パートを想像力を埋めるのは君たちだ!と思いつつサクッと帰った夜。

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    2016/01/08 22:19

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