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INDEPENDENT:3rdSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT:3rdSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT

インディペンデントシアターOji(東京都)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

【c】【f】【i】を観劇。
大阪に遠征して、
1日通し券を買って観るほど好きな一人芝居フェスティバル。

今回は予定が入れきれなくて
土曜マチネの1ブロックのみの観劇。
c『DANCE BURRN』
f『次の場所までさようなら。』
i『仏の顔も10度目にもう一度』
を観劇しました。

(前評判から気になっていた『或る男』『如水』
以前観てすごく好きだった『あのとき』も観たかった…)


劇場に入ると
まるでクラブのようにDJが曲を流していて、
照明も派手にぐるぐるまわっていてわくわくしました。

販売している公演パンフレットも、
出演者・脚本家・演出家の写真とインタビューと
作品解説と過去の上演作品の1枚写真+あらすじ、
これまでの流れ…情報量すごい!
販売価格もワンコインで、
先行予約していたらタダでもらえました。

20~30分の作品詰め合わせ。
1作品ごとに転換のため2、3分ほど間があきますが、
目隠しで降りている幕に、
先程の作品の舞台写真が映るので
記憶を反芻したり確認したりと集中切らさずに楽しめました。

一人芝居といっても様々な方式があり、
特に今回私が観たブロックは1作目と2作目の脚本家が同じなのに
全く作風の違うもので、ますますお芝居の世界の奥深さを感じました。

とても楽しかったです。


以下は
観劇時のツイートを一部修正して転記。

ネタバレBOX


『DANCE BURRN』
一人作業の独り言、あるある…。
このアメリカンな言い回しと、
随所におりこまれる
純日本な小ネタ大好き!
(笑点のくだりが特に面白かった)
男から見た女論にも
底に愛情があるからイラッとしない。
妄想最高潮から…の河口さんの、
ぐにぐにした表情に(笑
終わり方がなんとも秀逸で楽しい作品。 


『次の場所までさようなら。』
タイトルと舞台写真から、
あの内容は絶対想像できない!(笑) 
最初の5秒ほど面食らい、
正面向いての一言にひっくり返り、
でもその姿を観るにつけ受け入れてしまう自分がいる。
(中身は同じようなモノかもなぁ…と)
後半はバカバカしくも神々しくて涙が…!


『仏の顔も10度目にもう一度』maechang氏の演技の幅広さに衝撃。
後半の、喋る前に「誰」なのか分かる
ってのが素晴らしい。
そうなるようなキャラ作りの巧さも特筆もの。
連鎖して救済されていく人生、
ヤスコの叫びに泣き笑い。
カーテンコールで椅子もペコってお辞儀させるの好きでした。

『仏の顔も~』の彼女の狂乱は、
『DANCE BURRN』の「女は熱狂する」のくだりを意識してるんじゃないのかなって思った。
(上演順的にもこちらのほうが後だったので)
maechang氏はスキンヘッドなのに、
あんな真剣な勢いで
ツインテールだって言われたら、
こっちはそう思うしかない!(笑
渇いた胸の音

渇いた胸の音

TOKYOハンバーグ

小劇場 楽園(東京都)

2016/07/22 (金) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1886(16-176)
15:00の回(曇)。

14:20受付(整理券あり)、14:40開場(いつもの右へ)。先月、B.LET'Sの「エピローグに栞を」で初めて観た永田さんが客席誘導。

光藤さんは舞台上、いすに座って雑誌を読んでいる、白い衣装、雑誌は「ウエディング」。

パーカッションが鳴る会場、15:00大西さんの前説(70分)、15:03開演~16:11終演。

TOKYOハンバーグは「髪結う時(2011/5@千本桜)」から。その前、大西さんが「役者」でもある(あったこと)ことは知っていましたが(劇団のプロフィールにもありますね)もちろん観るのは初めてです。

ちなみに「Ito・M・Studio」は日本女子大の劇団をよく観に行った会場でもあり、最近では「あの娘のランジェリー(6月)」を観に行きました。

ミステリー仕立てのお話し。何が起こっているのか、ひとつの事実以外はどのようにも考えられるように構成されていて、じっと聞き耳をたてながら観劇。SFで行くのかミステリーに行くのか...どの道を辿っても行き着く先は地獄らしい。

一切の救済を削ぎ落とした内容で、楽園の閉塞感がよい効果を出していたように感じました。

次は高円寺で。

『シェリングフォード・ホームズの論理的推論~第二楽章 who is ripper?~』

『シェリングフォード・ホームズの論理的推論~第二楽章 who is ripper?~』

黒雪構想

APOCシアター(東京都)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/25 (月)公演終了

満足度★★★★

黒雪構想を感じつつ、単体推理モノでも楽しめました。
旗揚げ公演の『蝶(キミ)が夢で~』以来の観劇。
上演時間も90分と

今回は前作と時間軸が同じということで、
「途中参加にはハードル高いかな」とドキドキしてましたが、
劇団サイトや団体公式ツイッター、
開演前にスクリーン(壁)に映っている文字、
開演直前のダイジェスト映像などで予備知識は得られました。

上演時間も90分程度で気楽だし、
推理もののポイントを押さえつつ
(イイ感じに全員あやしい・笑)
そこにこの団体独特の世界観「黒雪構想」が絡んでいて、
面白かったです。

犯人が複数の女性を殺害するに至るまでの動機(重なるところ)や
最初の殺人シーンの演出(逆光)、
舞台全面をセピア色に染めて
リアルなのに映像のように見せる技術などもきれいでした。

ネタバレBOX


黒い雪が降って世界が滅亡して、
生命が消えたあとに
また同じ星で新たな進化が起きて文明が発達する…
という「世代」論および器と魂の云々は、
文字ではピンと来ませんでしたが
作中の作家夫婦や探偵兄弟などを観ていたらなんとなく理解できました。

ロンドンといいつつも、
私が知っている「シャーロック・ホームズのロンドン」ではないというのが、
(小型通信機やビデオ、デジタル時計がある)
最初は思考を混乱させましたが、
「そういう世界なのだ」と落ち着いたところで
もう一度観たかったなぁと思いました。

『蝶夢』から急にホームズの世界観になったので戸惑って、
シェリング第一作目を見逃してしまったのを口惜しく思っています。
(今では「そういうことか!」と繋がりがわかるだけに)


開場時間から「開演時間=霧の出る時間」として
登場人物が一人アクトエリアに居る演出も、
世界観が感じられて良かったです。

赤鬼

赤鬼

genten

多摩美術大学 上野毛キャンパス 鏡の間(東京都)

2016/07/02 (土) ~ 2016/07/23 (土)公演終了

満足度★★★★★

無題1885(16-175)
11:30の回(少し曇)。

昨年来たときはかなり暑かったのですが今日はそうでもありません。2度目の多摩美です。どうしようか迷ったのですが、野田さんでは「表に出ろい!」(学生の公演で2回観ました)がよかったのと、結局、迷ったらだいたい観に行ってるのでやってきました上野毛。

11:08受付、開場(靴を脱ぎます)、4面囲いの座席、奥の桟敷に座ります。

SEに波の音や海鳥の鳴き声、上演時間100分、床と天井に網、花が刺さったビン、倒れた椅子。

11:31前説、11:38開演~13:16終演、次の予定があったのでアフタートークは未聴。

冒頭のシーンの意味が最後にわかる。底なしの深い絶望。

4名の役者さんが、いくつか役をもちながら体当たりの演技。周囲はどこまでも続く海。

きびきびしたセリフと動きは最後まで緩むことがなく、(久しぶりに)構内の学生演劇でここまで出来るものかと思いました。とてもよかったです。

ティル・ナ・ノーグ〜太陽の系譜〜

ティル・ナ・ノーグ〜太陽の系譜〜

劇団ZTON

ABCホール (大阪府)

2016/07/22 (金) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

壮大な世界観と生命力あるキャラに大満足!
翻訳版→通常版の順に観劇しました。

上演時間は当初よりだいぶ延びて、
休憩15分含め2時間50分になっていました。
(13日に劇団公式ツイッターで告知があって、
交通手段の変更も間に合うタイミングで良かったです)


翻訳公演では、
「こちらからは彼らの気持ちが通じているのが見えるのに、
登場人物たちは言葉が通じてないのでそれに気づけないもどかしさ」
を感じてヤキモキしたり切なくなりました。

通常公演では(マチネの記憶を頭に残しつつ)
言葉がわからないなりに
他族がお互いに表情や動きからどうにか理解しようとしている様を見、
逆に同じ言葉を使いながらも理解し合おうとしない同族のやりとりに思いを馳せました。

キャラの一人一人が生き生きとしていて、
休憩に入る前の
ACT(ダイジェスト&後半予告のようなシーン)も
とても格好良かったです。

アンサンブルとして様々な部族の衣装に早替えして駆け回る皆さんにも
ストーリー&個性が感じられて良かったです。


ZTONの過去公演では何度か
「セリフが早滑りしてるなぁ」と思わされることがあったのですが、
今回それを感じることなく、
快適にドラマに没入できました。

公演期間中に脚本販売しているのも、
とても嬉しかったです。



以下は、観劇時のツイート(一部)。

ネタバレBOX


もう前半だけで号泣しました
こういう大きい流れのなかでもがく人間模様ほんと悲しい…

どんな大きな畑も
最初は一粒の種から始まるんだよな。
種をまいた人が
花を、実を見られるかは別の話。
脚本を書いた主宰の河瀬さんが、
最初にドルイドの神の話をした司祭ってのが…責任感を感じる。
ACTのバロルを見て、
休憩時間に『隻眼のバロル』読んどいて正解だった。


殺陣は相変わらず「戦い」で、
そこにドラマが含まれているから見てるだけで泣ける。
痛み以外の表情がある。
例えばエリウ王女が斬られたあとにルーに笑いかけるところとか。


作中の40代以上(推定)世代の
モルクやキアン、キッホル王の見せる姿が、とても良い。
道をつくるけど戻ることはできなくて、
伝えるもの・残してはいけないものの選択を迫られて、
自分の意思だけではどうにもできなくて、その眼と背中がつらい。


2回目観劇はやっぱり
もう一組の親子(ブレス側)を追ってしまう。
立ち上がるタイミングやいざってときの目線の行きどころ、
三騎士も各々で何を信じてるか如実だった。


姫に抱きついた通訳を、ぺいってやる騎士さま微笑ましい。
この話、ってか争い事のほとんどに言えるけど、
当事者が居なくなった後の世代の憎しみって不毛。
ましてやこの物語は文字等「形に残すものがない世界」だから余計にそう思った。

「大切な人が傷つくならそれはやっちゃいけない」
ってスレンの言葉は、転じて
「大切な人が守れるなら俺は何でもやれる」ってことで、
彼はそれを貫いててすごく好きでした。
ブレスが驚くほどの、姫ピンチへの即反応。
「これで良かったんだよな、姫」っていう誰よりも騎士らしい最期の言葉も好き。


スレンとブレスの会話も印象的。
「そんな父が欲しかった」の戦いは
父親がクソガキをぶん殴って諌めるようなものであったし、
騎士の誇りをかけた決闘。
スレンは血を分けた子はいないけど、
父親の役割を見事に果たしていた。
キッホル王がルーに「会えて良かった」と言った時のブレスの姿も切なかった。


ブレスの事情を知ってから観ると、
王がルーの出生を感づいても沈黙した理由がさらに一段深くなるのも面白かった。
バロルは荒んだら完全に別人で、
同じ役者だったのにすごいと思った。「子供を助けに行って」ってルーに言われた後の表情好き。

ZTONは基本的に「この役者さんいつもこういう系」ってのが無いから、楽しいです。

だせぇ

だせぇ

艶∞ポリス

駅前劇場(東京都)

2016/07/27 (水) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

女性って大変!
ファッション業界の話という事だからか、劇場内の観客がいつもの小劇場とは違う華やかで、なんとも居心地が悪く感じながらの観劇。
相変わらず女性の裏の部分を皮肉たっぷり、笑いたっぷりに表現してくれてとても楽しめた。個人的には井上晴賀さんをもっと出してほしかった。

落日は朝になく ありがとうございました!

落日は朝になく ありがとうございました!

matsucarpone

ARGUMENT GALLERY(東京都)

2016/07/28 (木) ~ 2016/08/02 (火)公演終了

満足度★★★★★

無題1884(16-174)
19:00の回(曇)。

北口を出て(気持ち的には)だいぶ歩きますが目印のお店のすぐ先の道ならぬ道のような極狭路地の奥に入口がみえました。少し待って定刻18:30に受付開場。ここはレンタルアートスペースで「アート・写真・絵画の展示など」とありました。

縦長のフロア、真ん中より少し入口よりから天井が低くなっていて頭がついてしまいます。図面をみると「高さ1685mm」。

正面の壁に数本の黒い横線、他にもラインが引いてあり、白い椅子がひとつ。

19:04開演~19:47終演。

松岡さんは3公演目。20歳のときの「鈍色の、ブルウ。(2014/7@風みどり)」、21歳のときの「晴れるまで蒼でいて(2015/8@GALLERY LIPP)」。そして今年は22歳の22公演。

1年経つと、芝居の内容や衣装にもよりますがご本人の印象も変わります。

本作はピンクの(ご自身で作ったそうです)ブタとの会話(でありモノローグのようでもあり)を通じて葛藤、迷い、不安...でも希望、揺れる、突然のこと、など行く先が定まらない様子がみえてきます。

初めて観たとき、20歳で、独りでここまで...と感心させられましたが、そのときの私的ながらも伝わってくる暖かさは本作でも変わらないところでした。

(一般的な)演劇というのではなく、お茶会での一人語りのような、(天井が低いので)絵本の中のような雰囲気。

2017年夏、また会えると嬉しい。

鼠(ねずみ)―2016―

鼠(ねずみ)―2016―

モンゴルズ シアターカンパニー

IRORIMURA・プチホール(大阪府)

2016/07/09 (土) ~ 2016/07/22 (金)公演終了

満足度★★★★

電車への飛び込み…、自殺を種々の視点で…
電車への飛び込み自殺。
今、まさに自殺者の死体を探さんと、駅のホーム下で繰り広げられる二人での捜索…。

前回の30分版は拝見していませんが…。
死体を探す者、死体を処理する者、轢いてしまった者、電車運行を管理する者、飛び込んだ者、その家族…。
自殺に関わるいろんな人たち、思いがグググッと詰まった1時間の公演でした。

Stone Ageさんなどで、いつもダメ男的な感じの一明一人さんですが、今回、トラウマを持った先輩駅員を迫真演技、渋かったです!

終演後にカンパ制の懇親会があったんですね…!
帰って夕食を食べないといけないので、アンド、帰宅時間が結構遅くなりそうだったので…、参加したかったのですが、泣く泣く断念。残念でした。

だせぇ

だせぇ

艶∞ポリス

駅前劇場(東京都)

2016/07/27 (水) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★

雑味はあったが熱量で押しきり抜けた感あり(^_^)
リアリティーや整合性に?
とかを感じはしたが
作品世界や登場人物は十分に楽しめた1時間35分♪

客層も何かいつもの小劇場ファンと
ちょい毛色が変わってる感じ受けました
(着物の御婦人とか いらしたしー ですので)

後半の盛り上がり等にて
星数はオマケしました!

ただしヤクザを除く

ただしヤクザを除く

笑の内閣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/07/13 (水) ~ 2016/07/18 (月)公演終了

満足度★★★★

アゴラで3度目。
タイムリーかはともかく、話の出来は「ツレウヨ」=二重丸→「福島第一原発」ガタ落ち→今回=面白い・・と鋭角気味に評価が乱高下。
今作、明確な主張、また名言あり。
素人臭い芝居、カラオケでの歌挿入によるプチ・ミュージカルは脱力系。歌謡曲の選曲が的確。
アフタートーク:鈴木邦男、松本○○。

ネタバレBOX

事は「人権」をめぐって、論点明快に話が紡がれる。
舞台はピザマッスル店内、および時々戸外、と警察署。よくピザの注文が来る配達先の某男が実は指定暴力団の舎弟だと判明、弱腰のピザマッスル地域担当が警察に呼び出され、釘を刺される。サービス供与をしてはならないというのだ(この部分の法的裏づけは不明)。
 店員にそのことを申し渡そうとした矢先、チベットピザ(だったか?)を毎度注文する、例の男がやってくる。慌てる店員たち。だが、勇気を振り絞り、今後ピザの配達はできないと地域担当の男は告げる。相手は怒りをみせるがこちらは「法律」が盾。歯を食いしばって追い返す。
 それを複雑な心境で眺めるのが、ピザの代名詞のような女店長。CMにも抜擢され、ピザ命である。「うちのピザを気に入ってくれてるのに・・」と、至極真っ当な感覚で承服しがたい思いらしい。その後、店長は自分でピザを買い始める。不審がる店員。この店員たちの会話もまた楽し。それぞれのスタンスで仕事をしている。まあバイトであるが、「いつもニコニコピザマッスル、○○元気に行って参りまーす!」「(同じく)ただいま帰りました!」の決まった掛け声を、嫌がりつつも居直って必ずやるのも楽し。芝居にメリハリがつく。
 さて店長は公園でピザのやり取りをしていた。それを発見した二枚目のバイト男。店長の「便宜供与」は発覚してしまうが、のバイト男が役割を引き継ぐ。
 そこでのバイトとヤクザ男のやり取りもまた楽し。 バイトは言う。「お前は最低な人間だ」「なに」「最低なやつに最低と言って何か支障があるか」「??(だったらなぜピザを・・?)」「これは人権の問題だ。お前が好きだから、かわいそうだから、こんな事をやってるんじゃない。最低なやつの人権が守られてこそ、人権だ」とのたまう。ヤクザ男「・・・・」。
 さてこのバイトの計らいも、現実主義なバイト男にバレてしまい、あれこれあって警察、ヤクザともどもにピザ屋に終結とあいなる。そこで「ピザの代名詞」女店長は、ヤクザ男が語っていた「息子のためにピザを」「小さい頃親父と死に別れて」といった告白が全て虚偽だと知る。息子なんかいないし。しかもその種類のピザを買っていたのは、最初に買った時のおまけのカードがあるゲームのキャラで、数が少ないのでプレミアがつくようなものが当たり、ネットオークションで20万で売れた。それに味を占めて柳の下のドジョウを追って毎回注文していたというのだ。
 ショックを受ける女店長。彼女は騙されていた、彼女がやった事は無駄だった、という会話の中、例の人権バイト男が衆人を相手にダメ押しする。「自由と人権は違う。自由は権利だから、権利を行使するしないは本人の問題だ」「だが人権は義務。どんな人間に対してもこれを保障することを怠ったら、それは人権ではない。そしてヤクザのような最低なやつには人権など必要ないと言う人間は、やがて自分自身の人権の根拠も失うだろう。なぜなら人権とは、万人に等しく天が与えるものだからだ・・・!」(大意)と、名演説。
さて、女性たる店長にとって高邁な理念についての是非など二の次である。がっくり落とした首を上げ、ヤクザ男に最後の質問をする。「あなたは、ピザを食べたの? たとえおまけ目当てで買ったものだったとしても、それを食べたの?食べなかったの?」 ヤクザ男「そりゃ・・食べたよ」 「で、おいしかった?」「・・・まあ、・・」とか何とか。 満面の笑顔を浮かべる店長。
こうしてご多分に漏れずカラオケタイムとなり、大団円。

無駄のない構成、程よく楽しく、笑えてシリアスなメッセージもあり・・の見事な脚本だったが伝えるのは難しい。

あらゆる題材(喫緊のテーマならなおよし)をどんどんやってほしい。
終わってないし

終わってないし

らまのだ

新宿眼科画廊(東京都)

2016/07/08 (金) ~ 2016/07/13 (水)公演終了

満足度★★★★

らまのだ、2度目
短編4ピース、細かくは忘れたが、前半後半はそれぞれ関連ある作品が並んでいたように思う。
うまい作家、うまい俳優、現代劇だから演じやすい面もあっただろうが・・。
主に男女の関係についての、苦くも否みがたい真理(心理)を描き出した味わいのある秀作。

劇作家女子会!R

劇作家女子会!R

劇作家女子会。

インディペンデントシアターOji(東京都)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/10 (日)公演終了

満足度★★★★

「劇作家」括りで一つ今後も。
4作家、4作品の短編上演は、どれも劇世界がしっかり書かれ、作られていた。二名の作家の名を知っていたので観劇となったが、王子くんだりまで足を運んだ甲斐あり。 3番目の活劇は動きがあり「恋愛」の成就という面だけでなく、時代を映そうとするメタファーが効いている点が、抜きん出ていたと思う。オタクの居直りとその中で辿りついた「あり得べき生き方」の吐露には切実さがあり、一方の生徒会勢力の言辞は本音そのものであると同時に、ドラマとしては男子への叱咤激励の意味合いとなっている。罵倒されても心地よい感覚は、あけすけな現実を踏まえて物を語っていることから来るのだと思う。両者異なる立場の「激突」という形をとった議論が、ある妥協点を見出す局面に、「恋愛」が重ねられるという、うまい作りである。
劇団劇作家による連続上演も楽しい企画だったが、劇作家主導で作られる公演は興味深い。競う相手と協同するという形が、いい。

ニッポン・サポート・センター

ニッポン・サポート・センター

青年団

吉祥寺シアター(東京都)

2016/06/23 (木) ~ 2016/07/11 (月)公演終了

満足度★★★★

現代口語・真骨頂
サポートセンター・・DVから失業者、何となく居場所の無い人、カウンセリング。どういった相談支援を行うのか、通常なら何か専門分野がありそうだが、ここは「総合相談所」的な位置づけらしい。まあ、そういった設定でなければいろんな人たちが出入りするセミパブリックな空間にはならないわけだけれど。
 設定の問題はありつつも、福祉や対人支援の現場に流れる空気や、支援者としての心構え、人との距離感、また行政との関係など、よく捉えていたし、片思い話、職探し話、DV(が疑われたが結局無かったので「事件」的な盛り上がりはやや張りぼてではあるのだが)話、珍妙な来訪者エピソードなど、ネタもそこそこ揃っていて、先を見たくなるドラマの仕掛けはある。だがやはり、場の形象の緻密さに、唸らせられる。 で、やはり笑いがきっちりとツボを外さずに誘導できていたのも、場のリアリティゆえ。
さてBGMの無い平田オリザの芝居に多用される、アカペラの歌がこたびも最後に流れる。なぜかしんみりする。歌で真情あふるる場面にする「手」ではあるが、何か人間は悲しい、けれどそれでいい、的な「俯瞰」の感覚がよぎる瞬間を与えられる。
それと言うのも、暗い時代だからなのに違いない。客観的に見ると、哀れ、だから笑えるのだが、笑ってる自分も、その大勢の一人である。「支援」を仕事とする者の矜持が、各場面で垣間見えることも、効いている。そしてそれは数多くある職業のほんの一つ、などではなく、これから日本が社会関係の基礎にすえるべきあり方であるのかも知れない・・などとも思う。政治(富の分配)があまりに理不尽だから沸いて来る心情でもある。

ま○この話~あるいはヴァギナ・モノローグス~

ま○この話~あるいはヴァギナ・モノローグス~

On7

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2016/07/14 (木) ~ 2016/07/18 (月)公演終了

満足度★★★★

なるほどVAGINA
On7がこの題材をやれば、この風景になる。「あそこ」が口を利いたら何と言うか?・・というアンケート。様々な「あそこ」を巡るエピソード。女性解放の歴史は浅い。米国の黒人だって半世紀前まで「権利」が損なわれていた。障害者の人権も、児童労働についての考え方も、戦後の話だ。・・劇中のある高齢の女性のエピソードに、今や懐疑の対象でしかない「進歩史観」が、もたげてくる。人間は時代が進むとともにより賢くなり、正しい社会を形成できるようになるのだ・・的な。
だが実際には人らしくあろうとする人々が声を上げた結果としての現在があるに過ぎない・・進歩が自然現象のように起こるのではないわけだ・・当然だが。
最後まで凛々しく演じた女優たちに賛辞。

冒頭の「あそこ」の言い方・方言集を聞けなかったのは残念(モニターでは聞き取れなかった)。
古い呼び名には長く培った文化の蓄積があるに違いなく、それが実際に発語されるとどう響くのか・・と。

ゴンドララドンゴ

ゴンドララドンゴ

燐光群

ザ・スズナリ(東京都)

2016/07/16 (土) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★

終わってみれば坂手ワールド
正直な感想。坂手式構築による脚本は、揃えたネタの量は毎回唸らされるものの、その「用意した」ネタで、タッパのある建造物を作る、毎回の新作じたい驚きではあるが、これまでは俳優の脚本の咀嚼が追いつかない、という印象があった。今回は脚本をどうにか築けた、俳優の仕事の比重が大きかった、という印象だ。もっとも、今回の芝居のテイスト、漂う空気は大変好きであった。
脚本話の続き・・・それなくして成立しない関係で結ばれた各要素が、全体で一つの世界を成すのが完成された戯曲、という事からすると、たとえば「ゴンドラの歌」の言及などは無くても良い気がしたし、「そぎ落とし」にかけて良い部分が2,3残った、粗さのある脚本だったな、という印象は否めない。
 だが演出・演技の面は瞠目させられるものがある。「クイズショー」で用いた舞台使いを今回も用い、基本素舞台で(静謐とは程遠い芝居だが)さりげなく美術が美的に貢献している。(何もない舞台に椅子一つで美しいのがスズナリ。)
 でもって、俳優が面白い位置取りをするこの美術の特徴が、今回はより生きて、今の燐光群の双頭?大西氏と猪熊氏による滋味溢るる二人芝居が、ごく至近距離で展開する。客席と地続きの「空気」が台詞と演技、そしてこの至近距離での関係に生まれている。
 物語は、燐光群にしてはファンタジック、しかも手垢のついたと言える物語のモデルを、どこかで見たという気にさせないのが流石。 ただ、演技が変わるはずの二名の演技が変わらない(変えられない?)ので、人物の関係性が甚だ判りづらかった点は、やはり工夫したい点だった。
 かの80年代から、巡り巡って時が経ち、「至近距離」のシーンが戻ってくる。あの二人と、そして・・(世代の継承)。
 今なお、どっこい存在している「ゴンドラ」の上で、時を重ねた上にある「現在」をかみ締める者らと、それを見上げてそれぞれに感慨をかみ締める人々。客席からは、至近距離の俳優の体の隙間から、遠くの人々が覗いてみえる、その構図も味である。
 この芝居に流れる「気分」は、末期的な時代をわれわれは生きている、という感覚で、そのコンセンサスが終始流れている。時代に対して思想的なたたかいを言論という形で挑みかけている構えが、言葉にならない次元でずっと地下水のように低周波数で流れている。
 今作の戯曲には、メタシアター、というか俳優が自己相対化する台詞が書き込まれている。冒頭のあたり、「演劇」のことが話題にあがり、現実の俳優としての彼らが「観客」について語りながら、客席を眺め渡すと、舞台は「現実」の時間と地続きになる。亡くなった蜷川へのオマージュ的な話題、アングラ出身なのに商業演劇に・・など笑えるネタが、燐光群としては珍しく「俳優が素で喋って成り立つ台詞」として組み込まれていて、しかしながら演技は「芝居を演じている」態を決して崩さずやり切る。
 舞台と客席との風通しの良い自在感と、厭世気分(‥の中にも望みを見出そうとする暗い決意‥)が、絶妙に両立していた。

 芝居じたいは乾いた言葉の応酬で疾走感あり(それでも2時間超え)、追うだけで疲れる舞台だが、「今この時代」というものを敏感に意識させる演劇。現在を呼吸して生まれた今この時のための演劇だと、感じた事であった。

ネタバレBOX

個人的には客演の尾崎太郎(「楽屋」フェスに演出で参加)を舞台上に発見したのは驚き。東京演劇アンサンブルの演技のイメージはある意味特徴的なので強烈、それが燐光群のポンポン繰り出す事を要求される説明台詞に「心」が追いついている感じが、逆に新鮮。
アンサンブルを観てきたゆえの個人的な感想だろうけれど、妙な感覚で興味深いものがあった。
ふたりごと

ふたりごと

合同会社シザーブリッツ

上野ストアハウス(東京都)

2016/07/26 (火) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

シザーブリッツ
7/28夜公演、拝見しました。
ありがとうございました。
指定席、とても観やすいお席で感謝感激です。
千秋楽までガンバって下さい(*´ー`*)
楽日、もう一度拝見します☀

月・こうこう, 風・そうそう

月・こうこう, 風・そうそう

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2016/07/13 (水) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

これすごく好きです!!
まずは、セット、照明、衣装が素晴らしい!
特に衣装は、ひとつ、一つとても凝っていて、風合い、色合いがとても良いのです。
月明かりの中で繰り広げられる物語は、時に幻想的で、シュールで、残酷です。人間の業は、時の流れの中で、生まれ変わりながら繰り返されていくのかもしれない・・・・・と、思いました。
この物語、とても好きです。

オールスター・バレエ・ガラ

オールスター・バレエ・ガラ

JAPAN ARTS

東京文化会館 大ホール(東京都)

2016/07/23 (土) ~ 2016/07/27 (水)公演終了

満足度★★★★

豪華でした。
一部演目が変わってしまいましたが、とても素晴らしい舞台でした。
ザハロワさんはいつも若手とばっかり組むんですが、今回のベテランロブーヒンさんとのペア葉とてもしっくりときてよかったです。
圧巻はフェリさんとコルネホさんのロミジュリでした。ラテンペアは熱い!しかし、女性陣は年齢を感じさせませんなぁ。

リーディング公演「『門』別役実 作」

リーディング公演「『門』別役実 作」

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2016/07/24 (日) ~ 2016/07/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

後からやって来る・・・・。
別役氏の作品は、後からじわじわやって来る。
妄想気味の公務員の男が持っているある種の狂気は誰にでもあり、女のもめる自由も誰にでもある・・・そして、門番はひょっとしたら、誰の中にもいるんじゃないかと思った。
役者さんの声が伝える別役氏の言葉は、心に引っかかる。

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2016/07/23 (土) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

終演後、涙
良かった。
観劇中はそうでもなかったが、なぜか終演後に涙が出た。

初演時よりも洗練され、見やすくわかりやすくなっており、感情が揺さぶられた。
スケールが劇場の規模にぴったり合っていたのも理由のひとつと思う。

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