ティル・ナ・ノーグ〜太陽の系譜〜 公演情報 劇団ZTON「ティル・ナ・ノーグ〜太陽の系譜〜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    壮大な世界観と生命力あるキャラに大満足!
    翻訳版→通常版の順に観劇しました。

    上演時間は当初よりだいぶ延びて、
    休憩15分含め2時間50分になっていました。
    (13日に劇団公式ツイッターで告知があって、
    交通手段の変更も間に合うタイミングで良かったです)


    翻訳公演では、
    「こちらからは彼らの気持ちが通じているのが見えるのに、
    登場人物たちは言葉が通じてないのでそれに気づけないもどかしさ」
    を感じてヤキモキしたり切なくなりました。

    通常公演では(マチネの記憶を頭に残しつつ)
    言葉がわからないなりに
    他族がお互いに表情や動きからどうにか理解しようとしている様を見、
    逆に同じ言葉を使いながらも理解し合おうとしない同族のやりとりに思いを馳せました。

    キャラの一人一人が生き生きとしていて、
    休憩に入る前の
    ACT(ダイジェスト&後半予告のようなシーン)も
    とても格好良かったです。

    アンサンブルとして様々な部族の衣装に早替えして駆け回る皆さんにも
    ストーリー&個性が感じられて良かったです。


    ZTONの過去公演では何度か
    「セリフが早滑りしてるなぁ」と思わされることがあったのですが、
    今回それを感じることなく、
    快適にドラマに没入できました。

    公演期間中に脚本販売しているのも、
    とても嬉しかったです。



    以下は、観劇時のツイート(一部)。

    ネタバレBOX


    もう前半だけで号泣しました
    こういう大きい流れのなかでもがく人間模様ほんと悲しい…

    どんな大きな畑も
    最初は一粒の種から始まるんだよな。
    種をまいた人が
    花を、実を見られるかは別の話。
    脚本を書いた主宰の河瀬さんが、
    最初にドルイドの神の話をした司祭ってのが…責任感を感じる。
    ACTのバロルを見て、
    休憩時間に『隻眼のバロル』読んどいて正解だった。


    殺陣は相変わらず「戦い」で、
    そこにドラマが含まれているから見てるだけで泣ける。
    痛み以外の表情がある。
    例えばエリウ王女が斬られたあとにルーに笑いかけるところとか。


    作中の40代以上(推定)世代の
    モルクやキアン、キッホル王の見せる姿が、とても良い。
    道をつくるけど戻ることはできなくて、
    伝えるもの・残してはいけないものの選択を迫られて、
    自分の意思だけではどうにもできなくて、その眼と背中がつらい。


    2回目観劇はやっぱり
    もう一組の親子(ブレス側)を追ってしまう。
    立ち上がるタイミングやいざってときの目線の行きどころ、
    三騎士も各々で何を信じてるか如実だった。


    姫に抱きついた通訳を、ぺいってやる騎士さま微笑ましい。
    この話、ってか争い事のほとんどに言えるけど、
    当事者が居なくなった後の世代の憎しみって不毛。
    ましてやこの物語は文字等「形に残すものがない世界」だから余計にそう思った。

    「大切な人が傷つくならそれはやっちゃいけない」
    ってスレンの言葉は、転じて
    「大切な人が守れるなら俺は何でもやれる」ってことで、
    彼はそれを貫いててすごく好きでした。
    ブレスが驚くほどの、姫ピンチへの即反応。
    「これで良かったんだよな、姫」っていう誰よりも騎士らしい最期の言葉も好き。


    スレンとブレスの会話も印象的。
    「そんな父が欲しかった」の戦いは
    父親がクソガキをぶん殴って諌めるようなものであったし、
    騎士の誇りをかけた決闘。
    スレンは血を分けた子はいないけど、
    父親の役割を見事に果たしていた。
    キッホル王がルーに「会えて良かった」と言った時のブレスの姿も切なかった。


    ブレスの事情を知ってから観ると、
    王がルーの出生を感づいても沈黙した理由がさらに一段深くなるのも面白かった。
    バロルは荒んだら完全に別人で、
    同じ役者だったのにすごいと思った。「子供を助けに行って」ってルーに言われた後の表情好き。

    ZTONは基本的に「この役者さんいつもこういう系」ってのが無いから、楽しいです。

    0

    2016/07/29 10:22

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大