最新の観てきた!クチコミ一覧

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[完全版]菊菊&刀

[完全版]菊菊&刀

<火遊び>

新宿眼科画廊(東京都)

2016/05/06 (金) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2016/05/08 (日) 14:00

5月から色々キツイ状態で、観てきた!書き込みをかなりしてなかったのですが、誰も書き込みしてなかったとは驚き。火遊びさんはフライヤーのテイストも好きで、前売り完売だったのですが、当日券で拝見した作品。舞台は女性の拘置所がメイン、網で仕切られた奥の席に通されて、こちらが閉じ込められたような客席。昭和が終わる頃、失踪した父親を待たずにロクでもなさそうな男と再婚しようとする母親に敵意を向ける娘。黒澤さんが意外にも母親っぽい年齢にちゃんと見えました。母に訴えられて投獄された娘役の佑木さん。少年ぽさがあって良かった、同じ雑居房に居る人々の影響がちょっとだけ大人になる変化が、静かに写されてた気がします。昭和ギリな時期というより昭和初期っぽい空気感でした。ま菊菊のタイトルには必要だったのかな?場面は拘置所が多いのに、寂しさを感じる日常系な親子の作品に感じました。

ネタバレBOX

https://blogs.yahoo.co.jp/minamonitokeruhikari/64092228.html
しあわせの王子

しあわせの王子

関西芸術座

ABCホール (大阪府)

2016/12/02 (金) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

もっとも尊く美しいものを探す。銅像に宿った王子の魂が初めて見た町の人たちの暮らし 燕のスミールが渡りをやめて配り続けた 弱っていく燕 強がり スミールが覚悟を決めて王子に仕える 疲れてくる ここの演技がとても上手い。 綺麗なドレスが物語に合っている 歌劇で歌のタイミングがいい 感動した。 愛する心

ネタバレBOX

もっとも尊く美しいものを探す。銅像に宿った王子の魂が初めて見た町の人たちの暮らし 燕のスミールが渡りをやめて配り続けた 弱っていく燕 強がり スミールが覚悟を決めて王子に仕える 疲れてくる ここの演技がとても上手い。 綺麗なドレスが物語に合っている 歌劇で歌のタイミングがいい 感動した。 愛する心


こんばんわ いないよね 暗いよね ねばねばした物を踏んじゃった じめじめ ぬるぬる 汚くて。 悪かったな ゴミが動いた 喋った。 そうさ俺たちはゴミだ。 白い子供 ティコとニコ 私たち探し物。 何を探しているんだい。 一番尊くて 素晴らしい 優しい 美しいものを探している。 無駄だ それに触るな。 ごめんなさい。 燃え尽きた  愛情 この町で一番尊とくて 素晴らしい 優しい 美しいもの ここにある それが 彼こそふさわしい 彼の話をしよう 華やかな時に時を戻して。 // 赤 ピンク 青 ドレスが光る 歌 ハッピバースデー ハピプリンス 近隣の国から貢物 国は豊 作物は豊作  乾杯の後 死んだ王子。 王と王妃は王子の像を金箔 ルビーの目 剣には真っ赤なルビー。 どうしてゴミ捨て場にいる。の 私は像の中の魂 町を観た。 つばめのスミール 葦に恋している エジプトへ つばめー 居るかあー 6週間も遅れて 居るわけないか おいらは、一匹つばめ スミール 自由気ままなアウトロー。 // ぴっちゃん ぴっちゃん 銅像が泣いている。 いつもごちそう笑い踊る 幸せ この国の事を知らなかった、 醜さ、 スミール 貧しい家 病気の男の子 薬を変えない オレンジを食べたい 水しかない剣のルビーを渡してくれ。 一晩なら // 刺繍 柄を変更 縫った先からほどけていく あなた この子を守る力を、今は少し眠らせて。 スミールがルビーを置く 赤い光 夫との思いで 赤い花。 王様がくれたと思ってないぞ。 それでいいんだ おやすみ スミール。 オイラあたたかい。 // もう一晩 劇作を書いている 暖炉に日はない パンもない スミール 頼めるのはスミールだけだ、 目を。 ダメだ。 いいんだ。 物は足りが浮かばない 腹が減った 目が回る クリスティーネ もう来ないでくれ うんざりだ。 私 気づかなくて、ごめんなさい。 へリング婦人 家賃待ってください。 日銭を稼いだ方がいい クリスティーネはケチな男の所の召使に 給金は、すずめの涙ほど。 夢 詰まらない 愚か者 家賃は来週中 払えなければ出て行ってよ。 そんな。 スミールがサファイヤを届ける ドラクマン伯爵が原稿を奪う。クリスティーネ:自分の夢を捨てないで 引っ掛かったな 爆発 ヨハン 夢か。 大切な人 大さまの使いをしてよかったな 寒いのに あったかいんだ 不思議だな //  月は見ていた 星は観ていた 夜の夢 マッチを売る 親は飲んだくれて 暴力 目をあの子に。おおいら嫌だ。 目が見えなくなる いいんだ 行ってくる 一つだけ父さんの好きなタルト 父:もう酒止める ルイーゼ 母ちゃん つばめが飛んだ 甘い香りがした スミール エジプトへ出発してくれ。王子様の横にいる。 目が見えない 一人においていけない スミールは傍にいた 町は暗い目をした子 食べ物を取れない子 体の金を スミールはもう何も言わなかった 毎日飛び回る 届けるスミール 雪が降る。 金だ。 王子様 お別れだ 南のエジプトはまた スミールが倒れた 銅像が割れた 金が降る 金の雪 みすぼらしい王 鳥まで死んでいる この塊だけ溶けない ゴミ捨て場に。 溶けなかった私の心臓 スミールの横に 小箱の中にはスミール 一番尊くて 美しい物はスミール 私たちは天使 行きましょう天国に。 私はスミールを死なせた 傍にいてほしかった 私はクズ 天国など せめて彼の魂が、 // そんな所に居たのかよ やっと見つけた 許してほし。おいらは好きで残るといったろ。なんで。友達だろ ありがとうスミール 愛する心を教えてくれて。 
全裸物語 改め 実家物語

全裸物語 改め 実家物語

ろりえ

シアター風姿花伝(東京都)

2016/12/28 (水) ~ 2016/12/31 (土)公演終了

満足度★★★★

洪潤梨がかわいかった、ありえいよりもかわいかった。
志水さんどうしていらっしゃるのかしら。

SQUARE AREA【ご来場ありがとうございました!】

SQUARE AREA【ご来場ありがとうございました!】

壱劇屋

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2016/02/10 (水) ~ 2016/02/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

サイコーでした!
壱劇屋を見た!って気がしました!
楽しかったです!
また観たいです!

風ヤミの国〜偽志倭仁伝〜

風ヤミの国〜偽志倭仁伝〜

本若×劇団ZTON

AI・HALL(兵庫県)

2016/11/25 (金) ~ 2016/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

邪馬台国 卑弥呼 イヨ クナ国 新ヤマタイ国 戦いの中 滅んだイト国の王子がクナ国の王に弟は盗賊に ルキツネルを育てた父クナ国の王 ナギを育てた姉 弱い心は卑弥呼に体を奪われる、卑弥呼を頬むるには体に閉じ込めて殺す 心を決めたルキツネル 理解をしたイヨ 物語りを引き締める殺陣 とても贅沢な出演陣

ネタバレBOX

邪馬台国 卑弥呼 イヨ クナ国 新ヤマタイ国 戦いの中 滅んだイト国の王子がクナ国の王に弟は盗賊に ルキツネルを育てた父クナ国の王 ナギを育てた姉 弱い心は卑弥呼に体を奪われる、卑弥呼を頬むるには体に閉じ込めて殺す 心を決めたルキツネル 理解をしたイヨ 物語りを引き締める殺陣 とても贅沢な出演陣 面白かった。

敵の巫女 ならばお前がすべき事は一つ この男もルキツネルと お前の弱さ 倭国乱れ 相攻伐すること十数年 女子を立てて王とする 名付けて卑弥呼 鬼道を用いて国を治める。 クナ国 イト国と組んで、クナ国の王は、イト国の王を切る 15年の戦い。 盗賊のナギとタツキ クナ国と敵対 新ヤマタイコクに逃げるわよ // オルサジなぜ戦わなければならない 必ず見つけてやるぞ ルキツネル // オープニング 盗賊兄弟は2国から追われる クナ国の王 ルキツネル、卑弥呼 // 貴様らは何者だ 盗賊 イト国の生き残り クナ国から盗もうと。殺してしまえ 何かわかる。俺たちは、イザナイもイト国から来た // イヨを捕らえる いけ // イザナイ 体の傷 ルキツネルと闘った ナギ 強い 私(イヨ)の近衛兵に。 ナギこの国は楽しいか イト国の大さまはどんな人だった あなたは、そんな事考えない // 戦の夢 小さくて大切な物を考えていた おれは谷に捨てた。 何を悩む。 すべてを切ることになる。 ままならぬ・・・ぞ ルキツネル イト国の王は仁王 私のために誰かが傷つくなと 拾われた。 脱いでくれ服を、脱がせて あーれーー!! くるくる 大変だ。// ナギこの国を去ってくれ セキラン クナ国が攻めてきた ナギ ホムラ イザナイ // ホムラを捕らえる タツキさん 新ヤマタイ国の兵に伝令を 一切の戦闘行為をやめろ // イヨ。 命がかかった時は嘘をつく、手当 ナギ さようなら、 決めてしまわれたのだイヨさまは、心を決められたのだ。// ルキツネルに王の血を引く者が、 // 何を悩む イヨを殺せば 何を求める。殺せ 迷うなと言う それは本当か、卑弥呼 // イト国の物を捕らえた 抱えてやる 強いものが王になる // 卑弥呼様の鬼道をもって平定した そのあと だれ イヨ様が鬼道で平和に // あなたこそイト国の王 姉タツキがいざないに斬られた 殺せナギ イヨと交換 殺すな // ヤマタイ国 卑弥呼の鬼道で おれがイト国王を切った卑弥呼は魂 人を乗っ取る 言いなりにならない だから頼む // ナギ:自分のために力を使ってだめー。 イヨよ 優しく卑弥呼が問いかける 偽る者を捨てる。 ナギが姉を刺す イト国を再興する ナギとルキツネルが戦う 止まれナギ // すべての災いは、卑弥呼 どうすれば終わらせる 体を殺す 他の体ごと殺す クナ王を呼び出してくれ // ナギ 俺はセツナだ 卑弥呼が操る 戦え セツナ 負けるな。憎しみでは俺には勝てぬ。 ルキツネルがイヨを切る ルキツネルに卑弥呼がとりつく イヨが抜けれなく ルキツネルが共に自刃 自分を偽るな 負けんなよ 姉ちゃん 私だけの弟でいてほしかった ルキツネル 此処までみたい ナギ立ちなさい 何を悩む 王に 想い 捨てればいい できない。 何を 悩み 生きるという事
キネマとコント

キネマとコント

順風男女

G/Pit(愛知県)

2016/12/21 (水) ~ 2016/12/23 (金)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/12/23 (金)

春の順風女子に続いて、実質2度目の観劇。
公演的にパワーアップしてる感あり。
今回は4DXでかなり+αの楽しみを与えていただきました。

(以下、ネタバレBOXに作品別の感想)

ネタバレBOX

[0]オープニング:感想】キャスト顔見せとコンセプト紹介を笑いに包んで軽くジャブ。
キャプテンハーロックの様に全編に出てくる摩美犬がツボ!
井口さんの洋画女優ぶりが非常にノリノリで面白かったが、これはただの序章に過ぎなかった(=゚ω゚)ノ

[1]発明王:感想】メドレー的に名作をどっかんどっかん突っ込んでくるバラエティ的な展開。
オープニングに繋がる流れで見応えある。この1本でかなり4DXを満喫したな~。7年目の浮気とE.T.は楽しかったよ~。

[2]助監男女:感想】人を喰ったようなオールスター助監軍団の、わらわら出てくるザコ感と真夜中の小人さん達の様なナイス連携が肝やった。

[3]プリティーウーマン:感想】KIMYO山本さんが弄ばれる順風女子コント。アドリブを彷彿とさせる女優陣の演技とリアクションが愉快。退場していくときの女優陣の捨てゼリフ達がイカしていた。選ばれるのはネタ毎のランダムなんやろか。他のも観たかった。

[4]不器用ですから:感想】伊達男の風貌と内実のギャップがツボ。意外性のある組み合わせを多用するところが面白いし、飽きさせない。

[5]そしてロになる:感想】元ネタは知らんかったけど、言わずともそれと分かるトリチガエの予感から、想像もつかないチリチガエに展開した後、一挙手一投足にギャップが生まれて終始笑いが込み上げる。話の筋としては本公演で一番面白かったかな。

[6]コロス:感想】不条理感ある言葉あそび。KIMYO山本さんのうろたえる姿が、笑いを引き立たせる。

コレは参考映画が示されてないんだけど、ターミネーターあたりかな・・・

[7]ホラー映画4DX:感想】これは本当にまったく予想し得ない展開。うわぁ、ウザイ。こんな4DX要らん(笑)
な~んか、カップルの役者がアドリブ対応の様にも見えたんだけど、毎回キャスト変わったりしたのだろうか。

[8]五月のユリ:感想】井口さんの怪演(その2)
こういう役、似合うなぁ~。形態模写的な芝居、ホント上手いですね~。
そして、マックロクロスケの仕込み、恐ろしや。これを知った上でもう一度観てみたかったわ。細いトトロも小さな子にはトラウマになりそうなキモさで良かった。

[9]ゴジラ対ゴジラ:感想】井口さんの形態模写的な芝居、究極の第4形態か?
トンデモ英語が私のツボすぎます(=゚ω゚)ノ
TPPをPPPAにしてやる意気込みの大統領パパも最高でした。映像の使い方も絶妙ですね。小美人イクヨ&クルヨが素敵。

[10]東京キネマクラブ:感想】何?コレもアドリブ?
チャレンジングだなぁ。全然説明できていないところが凄い。他の映画が引かれてたら、また別の展開になっていたのだろうか。ライブの面白さですね。

[11]ムービースター:感想】今井さんの壊れたストーカー風キャラが秀逸。
突然、無機質的に表情が変わる・・・不意を突かれる感じが、むっちゃ怖い、マジ怖い(笑)

[12]シャイニングさん:感想】基本は一発芸のハズなのに、何たる中毒性。本公演で一番印象に残った。足立さんのあまりガッつかない淡々とした所作とさりげない笑顔、音響の完璧なタイミング、井口さんのツッコミに秘密がありそう。
)))]゚Д゚)[((((
シャイニーーーング!

[13]贋作・天国と地獄:感想】これも原作知らなかったので、今、あらすじ見たら、「なんでこうなるねん」っていう突拍子もなさがある。
いやぁ、この人、誘拐は絶対向いてなかったよね(笑)

[14]座口市:感想】辛口コメントで人を斬るコンセプトは最高。ただ、辛辣に成りきるには原田さんがちょっとカワイ過ぎたかなって惜しさがある。
・・・いや、だからこそ許されるのかもしれぬが。

[15]導線に入る:感想】う~ん、動線じゃないのか、コレ。いや、デロリアンの走行後は火が走るから、導火線と掛けてるのかな。鑑識2人組のボケ・ツッコミが肝で、笑いもしない表情が良かったです。
後、物量で攻めてくるマーティとドク軍団。こういうの集団コントの醍醐味だよね。

[16]キネマとコント:感想】コンセプトで〆るエピローグ。似てないと思ったら自分で「松尾伴内」ってツッコんじゃうとこ好きだなぁ、ココ。
偶然の旅行者

偶然の旅行者

エス・エー企画

G/Pit(愛知県)

2016/12/15 (木) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/18 (日)

歌謡曲のフレーズを繋ぎ合わせたと思しき台詞の数々は、原曲を知っているものは懐かしさで楽しいし、知らなくても不思議な言葉の繋がりを感じさせる興味深さがある。一言一言が言ってみれば決め台詞であり、畳み掛けるようにそれが続くから、常に叙情の山場みたいになっちゃって、訳も分からず自分が流されていってしまう感覚がありました。すごーく意味ありげな言葉の数々なんだけど、話の中での位置づけに自分の実感が伴わないまま、煙に巻かれた気がするなぁ。理解はおっつかなくても、その雰囲気に漂うだけでも濃密な時間でした。
舞台美術がとても素晴らしくて、崩れて境界が曖昧なつくりが、逆に広がりを感じさせたり、風化して消えゆく過程を感じさせたり。照明と相まって、印象が変わっていくのも素敵でした。

ドアの向こうに広がる

ドアの向こうに広がる

大名

ナビロフト(愛知県)

2016/12/16 (金) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/12/18 (日)

毎度、外部の脚本家を引き込む大名さん。人選でバリエーションを変えられる強みを今回も感じました。見かけ以上の毒を潜ませ、色々考えさせられた前作・お家族から一転、オシャレな大名テイストはそのままに、とても優しいお話に仕上がっていました。

(以降、続きはネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

仮想現実の世界に引き篭る設定は、SNS等での人間関係が軽んじられない今の社会にマッチして、勝手に自分を映し出す鏡になっちゃって面白い。
早々に明らかになっていく2人のカオルの関係と、2人のシンクロする演技とか、描写がいい感じやったな。
独りよがりな質の追求の末に大切なモノを失ったカオルが「相手の顔を見れていなかった」と後悔するくだりが、色んな現実に投影できて良いわ。
悪意を持った者が一人も居らず、他人のせいにできないシチュエーションは、絶望に陥るに足る説得力があった。
魂が幾度となく象徴的に語られるけど、従来パターンの『魂が電脳世界に固着して現実に帰れない』から一歩踏み出て、アバターからも遊離して行方不明になる状況はちょっと斬新。何のかんの、現実と電脳はもはや等価に扱われている雰囲気が印象深い。
隠し玉の主軸、ノード(アンドロイド?)の扱いが利いている。カオルの「命令、初期化、再起動」という台詞が拒絶の象徴として印象的だったし、魂の有無の話もまた然り。山場の「命令拒絶」は、魂の有無の見解ぞれぞれに寄り添える背景が用意されて上手い。
引き篭りが、自分でなく、自分の大切な人にこそ深刻な危機をもたらす状況を描いたのに好感。分かっちゃいるけど応えられない「自分のため」という正論に応じるのでなく、自暴自棄も許されぬ、本当に大事な他者への想いに突き動かされる結末には説得力あり。彷徨った魂が戻る仕組みは今ひとつモヤっとしたままだけど、収まるべきところへ収まっていき、尚且つ今の(仮想現実の)関係も大切にしていくエピローグはとても心地よかった。
僕たちは、世界を変えることはできない

僕たちは、世界を変えることはできない

夕暮れ社 弱男ユニット

三重県文化会館(三重県)

2016/12/18 (日) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/17 (土)

「芸術で戦争を変える」と言って飛び出すモヨコの掴みのインパクトは絶大。
文字通り反戦芝居が始まるのか、はたまた破天荒アーティストが暴れまわるのか…と身構えたものの、そこにあるのは、"双方"をあざ笑うかのようなシニカルさ、非現実感、そして、… 拡がる無力感の演出が非常に印象的でした。

戦場でのモヨコの最後のセリフにも、色々な含みを感じました。
そこから最後に放り込まれる… 一転、現実味を醸すラストシーンが良い味。最後に、蜂の一刺しでした。落差が良い。

あと、本人がそこに居るのに、敢えて変わり身を使う演出とか好き。

シェイクスピアなんて知らない

シェイクスピアなんて知らない

劇団クレスト

津あけぼの座(三重県)

2016/12/16 (金) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2016/12/17 (土)

メイドが集まらぬ瀕死のメイドカフェで、なぜか演劇カフェとして起死回生を図るトンデモ話。古典の戯曲は硬すぎると、トンデモ演出を加える辺りはクスリと笑ってしまうポイント。そして、三橋の人型最終決戦兵器的なメ○ド姿の爆発力に、思わず劇場を逃げ出したくなりました(笑)

そんなドタバタから一転、後半で徐々にシリアス風味を帯び始めるところは良くって、特に「果たして自分は周りの情報に左右されずに、純粋に作品(歌)だけを見ているか?評価しているか?」と考えさせるくだりは好きです。
ただ、そのまま辛辣な展開になっていく所までは良かったんだけど、そこからの「救い」がややありきたりに感じられたのが、ちょっと惜しかったかな。

十二夜~Shakespeare garden Live

十二夜~Shakespeare garden Live

J-Theater

小劇場 楽園(東京都)

2016/12/27 (火) ~ 2016/12/29 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/29 (木)

シェイクスピアの戯曲って面白いんだなぁと思いました。原作の面白さに加え、日本語としての台詞に言葉遊び(?)があるので、台詞を聞き逃すと勿体ないと思いました。全体的に、役者さんの演技は少し硬いと思いましたが、一生懸命さが伝わり好印象でした。道化役の役者さんの綺麗な歌声も素敵でした。良い時間を過ごせたなぁと感じる舞台でした。

はきだめ

はきだめ

カドワキ企画

津あけぼの座(三重県)

2016/12/10 (土) ~ 2016/12/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/10 (土)

友人知人の他愛もない会話と漫才の様なオーバアクションで引っ張る前半。かなり時間を掛けてそんな芝居だと慣らされたところで、一転突きつけられる その時空の異常性。そこに気付かせてくれる一瞬の落差の演出が好きです。その為にあの前半があったと思えば、あの長さも納得。そして、その引き金としてキャリアの違う小菅さんを持ってこれたのは素晴らしいという他はない。空気をガラッと変える恐ろしい威力でした。

転じての後半。異常事態の事象・背景を一つに留めず、時空の捩れ、霊、成仏、転生等々の複数の可能性を想起させるピースをガンガンぶち込むことで、色んな含みや繋がりを想像させてもらって楽しかった。もっとスッキリ観せる余地もあるんだろうけど、観た後も想像の中を漂う感覚も観劇の醍醐味ですね。未練に纏わるアレコレはシリアス・コメディ両面で面白かったし、図らずもシモネタ扱いされるキーワード等、小ネタも楽しい。

今回、作りこまれた駅ホームの舞台美術が、私は大のお気に入りで、「これでも抽象美術のつもりで作りました。」、「2日で作りました。」と後で伺って目を丸くするばかりです。実物で見れて良かった。

ウーマンリブvol.13「七年ぶりの恋人」

ウーマンリブvol.13「七年ぶりの恋人」

大人計画

本多劇場(東京都)

2015/10/29 (木) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

音楽がいい!楽しかった~

あぶない刑事にヨロシク

あぶない刑事にヨロシク

大人計画

本多劇場(東京都)

2016/04/14 (木) ~ 2016/04/24 (日)公演終了

満足度★★★★

くだらないけど面白かった!

虚仮威

虚仮威

柿喰う客

三重県文化会館(三重県)

2016/12/02 (金) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/12/03 (土)

私の柿に対する"今まで"の印象はエンタメ・ビジュアル重視だったんだけど、今回はそれプラス、どんでん返し的なシナリオと、そうと感じさせずに張られた伏線、その連鎖・回収により溢れ出る物語の奥行きが見事で、柿に対する認識を改めました。

終盤にバチバチバチッと繋がっていく過去の出来事の裏と心理。
今の今まで観ていたモノ・理解していたものが表裏反転する瞬間!
そこまでの予定調和を覆される驚き!
物語の醍醐味だねぇ、堪えられない面白さでした。

他、象徴的な舞台装置は縦の展開に有効に機能し、どの席からも観易い観客フレンドリー。
話に支配されない衣装もビジュアルとして見映えしながらも、どんな世界の転換も取り込む素舞台的性質を感る。

役者の演技も見応えありました!

ヤだなコワいななんかヘンだな

ヤだなコワいななんかヘンだな

ヨーロッパ企画

駅前劇場(東京都)

2016/06/30 (木) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

時喰【東京・大阪共に満員御礼!ありがとうございました】

時喰【東京・大阪共に満員御礼!ありがとうございました】

劇団5454

OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)

2016/10/14 (金) ~ 2016/10/16 (日)公演終了

満足度★★★★

不思議なファンタジー!面白かった!!

天使も嘘をつく

天使も嘘をつく

燐光群

名古屋市熱田文化小劇場(愛知県)

2016/12/01 (木) ~ 2016/12/02 (金)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2016/12/01 (木)

言葉の物量で圧倒する主張と分析の奔流に呑まれる。その内容自体は大変興味深い。ただ、その強烈さ故か、ドラマは相対的に薄まって感じた。役者さん達の演技は見事だったんですが、言葉に圧倒されて、私がちょっと引いて見てしまったからかも。

(以降はネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

こういう対立は、どう綺麗事で飾ろうとも、所詮は双方の思惑のぶつかり合いでしかないと思っているから、抗争を楽しむかの様な高揚感で集団を描くのは、ある意味潔い。ただ、一方からのみ描いても信憑性を損なうし、観る人に疑心を生ませると思うんだけどなぁ。

最後の本音の主張は「そこまで言っちゃうんだ」と感心するレベルで最も印象的でした。そこまでいけば清々しい。そりゃあ相入れん筈だわと納得。

マナに纏わるミステリー的な要素が好みだったけど、そっちは過程があまり丁寧に描かれなかった気がして、少し残念。
「罪と罰」/「地下室の手記」

「罪と罰」/「地下室の手記」

第七劇場

三重県文化会館(三重県)

2016/11/26 (土) ~ 2016/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/11/27 (日)

日台2言語混合の挑戦的な取り組みのお芝居2作。

ネタバレBOX

①罪と罰(第七劇場 w/ Shakespeare's Wild Sisters Group)感想】まっこと恥ずかしながら、私の知識と準備の不足で芝居にのめり込めなかった。日台2言語混合の挑戦的な取り組みで、役者の母言語によるセリフ発声と翻訳字幕が同時並行で進むのですが、最前列では役者と字幕が角度的に離れすぎることが少なくなく、役者の芝居とテキストを同時に追えない。自ずと斜め読みになるが、文体がやや分かり難いので、頭にしっかり残らない。自分の中で理解の悪循環を起こしてしまった。
私にバックボーンが足りなかったし、席も後ろに下がるべきだったか。(ド近眼だから、下がるのちょっと辛いけど。)
言語の壁さえ無ければ、雰囲気だけでも芝居自体は素晴らしく感じたし、字幕単体ではアクセントに工夫が凝らされて目を惹くものだったので、芝居の中身とは別次元の要因で私が落ちこぼれてしまった結果で終わったのが残念無念、後悔しきり。
そんな中でも、コロス的な豚さんの存在感が秀でていたのは感じました。

②地下室の手記(Shakespeare's Wild Sisters Group w/ 第七劇場)感想】「罪と罰」より字幕に頼る部分が大きいので、より困った状態に陥った私。シチュエーションからして呑み込めなかった(実感出来なかった)、恥ずかしい。
後々、webで粗筋を漁って、面白いなぁと思ったが、時既に遅し。
ネタバレを怖れて事前に情報を入れないことと、より深い理解を現場で得るために予習することのバランスの難しさを感じました。
INDEPENDENT:16

INDEPENDENT:16

INDEPENDENT

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2016/11/24 (木) ~ 2016/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/11/26 (土)

普通の本戦を初めて観ましたが、セレクションの陰には、それに引けを取らない名作が相当数隠されているのを実感できるバリエーションの多彩さと充実さでした。幸福な時間でした。

(以降、ネタバレBOXに作品別の感想)

ネタバレBOX

(以降、観た順)

[t1]大阪湾の魚である青木道弘が人間に恋をしてしまった結果がこれだよ!(デジタルリマスター版)[青木道弘×けーあーるえりー]:感想】長げーよ、タイトルw 
不気味な装いと軽妙な語り口で観客を引き込む、コミカルで物悲しいお話。突拍子もない変化(へんげ)をファンタジーではなく、特訓と執念で成し遂げる様を丁寧に作り込んでいて面白い。釣針とか酸素スプレーとかの小道具の使い方、上手いな~。それだけでの笑みがこぼれます。そして、こんな風体なのに最後の最後で「月の光」に美しさを感じてしまって、やられたと思いました。
そして唯一、ラストのダイジェスト映像でタイトルが端折られてて笑った。

[b]熊埜御堂 [柴田知佳×小佐部明広]:感想】意外性大。踏み外すとリカバリーが難しい昨今の社会システムを背景に、若い頃に勘違いしてしまったプライド高いエリートの転落人生を綴る… 整理すると確かに正しくその通りなんだけど、まさか、このキャラクターで山月記のオマージュに展開していくとは予想できなかった。小気味良く笑いを誘う端々のネタと小さな幸せに満足しようとする様なんかに、うまくカモフラージュされた感があるなぁ。最後、吠えながら芝居を見せようとする、その壮絶な演技が、照明により大きく映し出される背後の影の迫力も相まって、目に強く焼き付きました。見事なエンディングでした。

[f]交響曲第九番~天国と地獄~ [野村有志]:感想】先の読めない導入部の展開に惹き込まれた。じわじわ顕わになる番号の謎が面白かったな。そして、その業から逃れようと足掻く息子の「突拍子もない行動」と「システムの穴」が上手く噛み合ってドタバタコントな流れになったのも、それだけで単純に面白いし、更に息子の哀れさを引き立てる効果にもなっていると感じました。
そしておそらく、それまで噛み合う事のなかった親子の想いが、初めて噛み合ってお互いを思いやりながらも、結局は徳の順に叶えられる。
天網恢恢疎にして漏らさず、で済ますには酷だなぁ。
最後のセリフの「地獄だ・・・」の余韻がすごく印象的で、切なく沁みました。

[a]Märchen [いのり×坂本見花×たみお]:感想】こういう所では異色に感じた童話芝居。可愛さ振りまくけど、その実、無邪気でダークな所業が確信犯的なところに、ギャップと怖さがあって良かったな。純粋に役者の魅力で魅せるところと、多分に"含み"がありそうな(安易な教訓とは違う)童話の本質が見え隠れするストーリーが上手くマッチして、全体として纏まりが良かった印象です。
終盤の語りは、そのまま額面通り受け取ってよいのか迷うなぁ。

[d]その日、恋は落ちてきた [丹下真寿美×戒田竜治]:感想】全く想像の及ばない「超異色の一目惚れ」を丁寧に描き切り、まさか感動の後味を残すところまで昇華させるとは驚きの一語に尽きる。卯月の解釈と行動が一々常識の裏を行くのが楽しく、しかも、ただ突っ走るのでもなく、意外に自省的であるというバランスの良さが面白さに繋がっている。(一人ボケ・ツッコミ?)
舞台美術を積み換える「本来は作業」の行為をテンポ良く芝居に取り込んだり、拡げたシーツの裏側から影を投影してフォルムを強調したり、人の変化のギャップを感じさせるなど、演出面で感心するポイントが多かった。
ラストの位置関係も、俯きがちなシーンで表情がよく見えて良かったな。

[c]正義と微笑 [竹田淳哉×西尾武]:感想】本作を観るのは今回で3バージョン目。幸運にも磨き上げられていく過程を観れている。1度目は正直「意識と目利きが高い割に決断力と行動力が伴わない残念な男」感だけがやたら印象強かったのが、3度目にして遂にキタ。身の程の理解とそれに応じた着実な努力。主人公の成長がしっかり印象に残った、伝わってきた。
成長を描き出す妄キネコンビの成長をも、しっかと観た感じ。元々、テンポは良かったのが2度目からメリハリも上がってるし、ハレの舞台で最終形態を楽しめました。

[e]15ドル50セントの恋 [中西由伽子×Sarah]:感想】メルヘンチックなノンバーバル芝居。歌こそないけど、ミュージカル的な印象を覚える身体表現が素晴らしかった。
ラストシーンも絵になってて、綺麗でしたね。一部にしか使われなかったけど、機械が軋む様な…妙な弾性のあるレトロな駆動感のモーションと効果音が、とても素敵だったので、そこをもっと活用してくれたら、私の好み的にはもっと良かったのにと思う。

[i]もしもし [福田恵×中野守]:感想】笑わされるという点においてはバツグンの出来。件の事件が起きる毎に、環境と精神状態が変わっていくのが分かる福田さんの芝居も見事でした。(最初は別人の事件を演じているのかと思ったほど。)
脚本としては、単発のコメディが有機的に繋がってミステリーとなり、実は周りの反応や登場人物に全てに意味と必然性があった緻密さに見応えを感じました。
解決法がちょっと拍子抜けだったのだけ、やや不満です。
名言、多かったけど、一番お気に入りのセリフは
『(📞)トイレのカナコです(°_°)』
でした。

[g]そのころ [葉山太司×大迫旭洋]:感想】最初は「えっ?、これ本当に芝居始まってんの?」と思わせる語り口。
飄々と語られ、『そのころ…』と言っては切り替わっていく、お互いに何の関係も無さそうな人々の出来事。黙々と、何の芝居っけもなく、徐々に…徐々に紡がれる営みと、いつしか薄っすら見えてくる人々の繋がり。
シーンを切り替えるピッチはどんどん上がっていき、終盤、急速に拡がりをみせる世界。一人の人からどんどんズームアウトして、遂には地球全体を映されたような錯覚に陥りました。
こんな表現を一人芝居で出来るんだ・・・と、芝居に無限の可能性を感じた。
今回、手法として一番驚いた作品でした

[h]117 [原田充子×ミヤザキカヅヒサ×上田龍成]:感想】まるでジグソーパズルをランダムに埋めていく様に進む、母娘3世代の"人生の残像"達。まさに秒刻みの律儀さでテンポよく、関連なく切り替わっていく。これを一人で演り切る凄さ。大河ドラマの様に順に追うのではなく、細切れ・バラバラに重ねられることで、3代の生き様の因果と込められた愛憎、類似性がより浮き彫りになっていたように思いました。キレイに30歳差であることを終盤で気付かせる構成も世代の蓄積をより感じさせました。
先の「そのころ」には空間的な拡がりを感じましたが、「117」には「時間的」な拡がりを感じて、INDEPENDENTのラインナップの上手さだなぁと思うことしきり。

[j]突貫!拙者の一夜城 [吉田青弘×片岡百萬両]:感想】コミカルで熱い、パッションほとばしる変則時代劇。凡人が憧れの人に貢献するまでの胸のうちの葛藤と高揚感が上手く伝わってきて、ほっこりする。語り口が敢えて「なんちゃって時代劇」で、その割りに自省や主張が現代的なのが面白い。
終盤、一瞬、音楽が大河ドラマ的な盛り上がりになったのが、とても印象に残った。
こういう芝居が、またINDEPENDENTに拡がりを与えていて、感心するなぁ。

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