最新の観てきた!クチコミ一覧

61681-61700件 / 191519件中
子午線の祀り

子午線の祀り

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2017/07/01 (土) ~ 2017/07/23 (日)公演終了

満足度★★★★

休憩挟んで4時間近い観劇だが、苦痛感なく、興味深く観た。木下順二戯曲を味わう。平家物語の原文(恐らく)もテキスト上に引用し、従って全体に解読の難があるが、要所で意味合いが知られる台詞や展開を示して、飽きずに観られる。
なぜ子午線なのか。戯曲は緻密に周到に、歴史的事件(源平壇ノ浦の合戦)と天文の次元とをつなぎ、最後にしっかりと作家の狙いが結実する瞬間、えも言われぬ感懐に身を浸される。木下戯曲、さすが・・。
舞台装置の大胆かつさりげない技も光っていた。

大帝の葬送

大帝の葬送

ロデオ★座★ヘヴン

インディペンデントシアターOji(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★

柳井祥緒作品・最近の観劇はgallery&spaceしあんでの「タイムリーパー光源氏」。エンタメ性高く、お得感あり。
今回のは、「眠る羊」(十七戦地)、「幻書奇譚」に似た議論劇であり、野木萌葱ばりの「歴史事件物」、宮様の御付きも登場するから劇チョコ「治天の君」もよぎるが、対立を経て目的を一にする感動物語(プロジェクトX即ち肯定史観)に着地する意味で劇チョコとは一線を画する。
時折はさまれる笑いは、史実という後ろ盾をもつゆえの自信の表れに見える。寄らば大樹の陰ならぬ、寄らば歴史事件。寄り添って樹液を受益する芝居。
その関係性の中での笑いは、稲田防衛相の「笑み」に似て気味が悪い。自衛隊という後ろ盾があるつもりの、自信が、よく見ると表現されている。

こういう感じ取り方はやはり歴史への「認識」から来るのであって、いかんともできない。事実を知り深めることを、若き作家たちに望む。
(完全に年寄りの繰言だ。)

ネタバレBOX

天皇を象徴と仰ぎながら(担ぎながら)の天皇の意向無視を決め込む風潮(安倍首相は張本人)に、一石投じる思いも作者にあったとするなら、一応理解はする(もっとも昭和天皇と明仁とは違うが)。
が、その場合、天皇への敬慕の「心」をその根拠にするのは、難しい。
天皇危篤・崩御をめぐって舞台上で対立する宮内庁と官邸、また皇居詰めの者らのその対立は、天皇の「何」をめぐっての対立なのか。
「天皇はこう望んでいるに違いない」、「いや天皇はこちらの判断を尊重するはずだ」、「いや国民生活の観点からこうすべきでそれは天皇の意向でもあるはずだ」・・といった意見の違いが、あったにしても、芝居のように苛烈に声を荒げるような対立になってしまうとすれば、それは彼ら個人の保身やプライド、皇室と関わる身として己を役立てたい自己実現欲求といった個々の「利害」をめぐっての対立である。
そういうものは何時の時代も、どこにでも存在し、この芝居ではたまたま裕仁天皇崩御というトピックであったに過ぎない。
大喪の礼が成功裏に終わった・・この「成功」と評価づけての「感動」は、プロジェクトX型の歴史叙述の特徴だ。
この歴史事実が積み残したもの・・自粛ムード、報道の右へ倣え、そして、このトピックに関心を持たないことへの、白眼視。この芝居はまさにこのトピック(史実としての)に関心を持たない人間を、結果的に排除する帰結となった。
粛々と感情を見せずに事を進める役人が、誰もいなくなった最後に天皇の死を悼んで初めて泣く(感情を顕わにする)というまとめ。これではこの史実が積み残した問題にノータッチに近い。「自粛」「右へ倣へ」の弊害に対する最も明快な態度は、天皇の崩御を大ごととしない態度、であるからだ。それを体現する人物は登場せず、皆こぞって最後は喜々として仕事に勤しむ。連帯と前向きな努力の美しさを印象付けての感動の類型は、ドラマとして定着したひとつのあり方だが、天皇問題においてこの形を採用した所に、才能ある作家にしては不用意ではないかと思わずにいられない。
『三等フランソワーズ×えーびーがた』

『三等フランソワーズ×えーびーがた』

火曜日のゲキジョウ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2017/07/04 (火) ~ 2017/07/04 (火)公演終了

鑑賞日2017/07/04 (火)

「三等フランソワーズ」、「えーびーがた」の公演を初めて観ました。すっかり「三等フランソワーズ」さんに魅せられました。「トゥモロー」では笑いが止まりませんでした。また、「えーびーがた」のお二人の女優さんはとってもキュートでした。

せんがわシアター・セレクト

せんがわシアター・セレクト

せんがわ劇場

調布市せんがわ劇場(東京都)

2017/06/25 (日) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/07/02 (日)

価格3,000円

無題2091(17-093) 「パニック」

15:00の回(晴)。
14:40会場着、受付。先に上演した「踏みはずし(Retake)」の後片付け。
15:58幕が開き、誰もいない舞台にトイレットペーパー。
16:01開演、前説~16:41終演。この演目は3回目。

「空っぽの騎士(2011/10@d-倉庫)から6年半余。前回観たのは「生者のための葬儀」で2015/10月。
久しぶりの公演。

秒を寸分の隙間なく繋いで40分に仕立て上げています。
一向に落ちないスピードに物語は遅れることなく展開。
一見、同じ衣装に見えながら一人一人が動き出すとそれぞれ違った意匠で、統一感の中に個性が顔をのぞかせる。
「糸」がみえそうな納豆シーンも健在。

新作を観たい。



ノンフィクション

ノンフィクション

新宿公社

シアター風姿花伝(東京都)

2016/02/25 (木) ~ 2016/02/28 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2016/02/28 (日)

28日、日曜のマチネを拝見。

ネタバレBOX

舞台は、冷戦下の旧・東西ドイツ(&南北朝鮮も?)をイメージした架空の国。
映画評論の売れっ子ライターである主人公の視点を中心に、「ベルリンの壁」の崩壊前、そして崩壊後の現在における、若い(若かった)男女の青春群像劇…といった趣きのストーリー。
舞台セット・音響・照明もあいまって、醸し出す空気感は、ヒロイン役の土佐まりなさん(主人公のかっての恋人)を、過去拝見してきた舞台の中で一番魅力的に映し出し、儚い運命を予感させる女性(演・青木沙織さん)の絶叫には、胸裂ける思いを共有させてくれました。他の女優陣や、主人公の青野竜平さん、友人役の奥田努さん等の男優陣も、シーンに沿った登場人物の心情の変遷を好演。まさしく、欧州の名作映画を観た…気分に浸れた2時間でした。

ここからは、作品への客観的評価というより、あくまでも私的な感慨なんですけど…ベルリンの壁が崩壊したのが1989年、というよりも平成元年の11月。本作品の作者・出演者・スタッフの全員が生まれる前、あるいは、物心つく前の出来事です。でぇ、この頃、既にダメダメ・サラリーマンだったオッさんのオイラ、否応なしに、当時の空気(それ以前の東西冷戦の時代も含めて)肌で知ってるんですよね。そんな骨董品の観客からすると、新宿公社さんの『ノンフィクション』、あくまで架空の国のおはなしだとはいえ、外見だけ・雰囲気だけ、都合よく借りてきただけじゃないの?と、つい意地悪な見方もしてしまいがちだったんです。
時代設定も何もかも異なりますが、軍事政権下・後の韓国社会の若者達を描いた『鳥たちは横断歩道を渡らない』という著名な戯曲があります。その時代をまさに生き抜いた『鳥たちは…』の作者が、もし、この『ノンフィクション』書いたとしたら…ここまでサラリとして・爽やかな観劇後の印象にはならなかっただろうなぁ。平和な時代に生まれ育った方のホンだなぁ…と、ある意味、感慨深いものがありました。

とかなんとか、「あの頃はのぉ~」という、若いヒトにはアンフェアな感想を述べましたが、『ノンフィクション』、昨日が千秋楽でなければ、ちょい自信をもって、お勧めの作品だったかなぁ。
ブスも美人も死ねば土

ブスも美人も死ねば土

美貴ヲの劇

荻窪小劇場(東京都)

2016/06/30 (木) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/07/01 (金)

7月1日のソワレを拝見。

ネタバレBOX

女系家族・女子校育ち・美大卒の、呪われた?経歴の作家・美貴ヲさんの舞台、私にとっては初見となります。それにしても『ブスも美人も死ねば土』…なんとも身もふたもないタイトルだなぁ(笑)

朝、ギリギリに起きて、通勤電車に揺られ、勤務を定時で終えた後は真っすぐ家に帰って…
彼氏無し歴ウン年の「夢川夢子」をヒロインに、今どきの若いコ達が抱える、SEXの悩みや不安、怒りをカリカチュアライズしたストーリー。際どいセリフや小道具(☜おいおい!)も出て来る、R13指定(☜主催者談)の作品でしたが…上演中、客席の笑いや苦笑が絶えない・絶えない!
テーマに変に引きずられることなく、実にスマートな仕上がりのコメディだと思いました。

役者陣は、小林勇太さんを除いて、皆さん、顔と名前が一致する方ばかり。当たり前っちゃあ当たり前のことなんですけど、下手な方がやったら空回りしそうな芝居を、どなたも実に楽し気に役柄を演じておられたのに、とても好感を持てました。
月経ファンタスティック

月経ファンタスティック

美貴ヲの劇

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2017/06/29 (木) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★

鑑賞日2017/07/01 (土)

7月1日アダルト回を拝見。

ネタバレBOX

以前に拝見した『ブスも美人も死ねば土』が念頭にあったので、今回の『月経ファンタスティック』(90分)も女性目線オンリーの作劇かな?と予想していたら、案に反して、一番描き切れていた人物がサトモリサトルさん演じる「クズ男」だったのは意外でした(それにしても、この「クズ男」を必ずしも笑い飛ばせない自分には恥じ入るばかりだなぁ~、苦笑)。
あと、「クズ男」を除けば、梁稀純(りゃん・ふぃすん)さん演じる2役のうち、「月経ちゃん」が、おはなしが停滞しかかったときに登場するワンポイントリリーフとして、大変効果的な役割を果たしていたと思います(梁さんに関しては、さらに、合間に登場する、アルトな声質でのリーディング、耳にとても心地よく響いたことも追記します)。

ということで、印象に残った役者さんに触れさせてもらった上で、作品自体への感想なんですが、『ブスも美人も死ねば土』での開き直り感と同等以上のモノを期待していたんですが、今回の作品、どこか躊躇いがあったのかな? 振り切れていないというか、土壇場になるとサラッと身をかわされたような物足りなさを覚えました。
誰も寝てはならぬ

誰も寝てはならぬ

めがね堂

高田馬場ラビネスト(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★

この作品は、サスペンス・ミステリーとして観応え十分であった。物語の展開(脚本)、その舞台表現(演出)、そして役者の体現力(演技)、そのバランスが優れていた。
また、この公演タイトル、説明文が上手くどうしても観たくなる。
(上演時間1時間40分)

ネタバレBOX

暗幕で囲った素舞台、薄暗い中で懐中電灯の丸い光が妖しく照らされる。病院、新人看護師が夜勤巡回に行くことを躊躇っているところから物語は始まる。役者は9人で、一人何役かを担うキャストもいる。その誰もが怪しい人物に見えてしまう。

作品はミステリー要素が濃く、再演の可能性もあることから梗概(ネタバレ)は控えておく。だだ、”心の闇”、その彷徨するさまを(文書)倒置法のように確定している事を遡るように解明していく。その手法は、謎を提示し解決していくミステリーの王道とも言える。

舞台表現としては、素舞台であることから、状況・情況は観客の想像によって膨らむ。セットがあるとそれに捉われた印象を観客に与えるが、本公演はその要素をなくし自由に心または脳内を動き回る。状況は瞬時に変化(役者は出入りせず、違う役がらへ)する。そのフラッシュ・バックのような用法は緊張・緊迫感を醸し出す。また状況などの変化は、立ち位置を変え繰り返し表現することで過去と邂逅させているようだ(例えば、夜勤巡回を巡る先輩看護師と新人看護師のやり取りなど)。

演技は、皆さん素晴らしいが、特に主人公・川島ヨシオ(佐藤匡サン)の気弱な男の表情がリアル。その顔表情を含め心と体という心身が変化・変貌していく様が印象的である。

次回公演も楽しみにしております。
静か

静か

KARAS

KARAS APPARATUS(東京都)

2017/06/26 (月) ~ 2017/07/04 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/07/03 (月) 20:00

価格2,500円

20:00の回(曇)

19:40会場着、受付、地階で待機、19:50開場。

No.31「静か」は2016/1月(アパラタス)に観て、5月にはシアターX、あわせて3公演目。

後半、7日目の公演。

突然開演~21:08終演、~21:22トーク終了。

聴こえるのは摩擦音(服、床)と微かな息遣い、客席も静か。

ずいぶん手前まで舞台が迫っています。

全くの無音ではありませんが、耳が何か意味づけを求めているように感じます。

身体と振付、音楽、照明、そして自身の4つの要素が作用していたものからひとつが消えています。

一番大きいのは、この状況を感知している自身の思考が結構ふらつくことでしょうか。

とても石庭を前に自然と永劫を感じているような、仏像を前に時間と心を感じるような域には達しません。

自然と視覚は照明に向きます。いつものように照明は鼓動のように動いています。

正面に2パターンの"像"が投影されるのを観る。
天井近く、左右と中央客席に近いところの3つの照明で造っている、ように観える。

なぜ、襖のような、屏風のような像を結ぶのかはわからず。終演後、鰐川さんに訊くも秘して語らず...ではなく、特別なことはしていないということですがそんなことはないはず...。

普通

普通

劇団時間制作

サンモールスタジオ(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

深くて人間臭いけど、切なく哀しい物語。
誰のために生きるのか、結局は自分の為、人生の主役はやっぱり自分だから。
そんな当たり前だけどオブラートに包まれて曖昧にされてきた気持を前面に引きずり出す、
乱暴だけど、その純粋さに惹き込まれる。
良いお話でとても良かった。

ネタバレBOX

弟さんのストレートで気持が前面に出る表現は、熱さと未熟さと依存が交差する様で良かった。
ホステスの庵さんの抑えた台詞回しと感情表現にも惹き込まれる。
脚本と役者さんと演出が相乗効果で昇華する感覚が素敵だった。
ベルリンの東

ベルリンの東

名取事務所

「劇」小劇場(東京都)

2017/07/01 (土) ~ 2017/07/04 (火)公演終了

父がナチスの親衛隊だったことを知り、人生が激変してしまった青年の語りで進行する三人芝居。ドラマティックで残酷で官能的で、とても面白かった。子供時代の驚き、怒り、葛藤を経て、大人の恋を見せる流れが巧み。観客に話しかける演技と回想場面の切り替えが、ほぼシームレスでわくわく。佐川和正さんと森尾舞さんがセクシー。約1時間35分。

ネタバレBOX

キャストだけでなく美術、音楽も連続上演で共通。
ジョリー・ロジャー

ジョリー・ロジャー

ジョーカーハウス

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2017/06/29 (木) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

わーすごい人数の演者さん。あのKASSAIのステージに収まるだろうかと思いきや
秀逸な演出と展開で小気味よく進む物語は楽しさ満点。
物語自体は目新しさはないものの(失礼...)集団身体表現とフラッグを上手く用いて
海戦の激しさや波など大胆に判り易く表現されて興味深かった。
出来れば当日パンフに相姦図など表記して下さると一層判り易く、
役者さんの名前と顔が一致で来て良かったかもしれない。
カタカナの役名は覚えづらくて・・・

ネタバレBOX

レッドバージョンを拝見しました。
エンターテインメント作品として、大きな美術セットを使うわけでもなく
大航海時代の物語を上手く演じられて敬服。
シルバー船長、幕開け一人喋りしてた手下さん、捕まった海賊さん、などなど
表現力豊かで面白い役者さんたちでした。
ドキュメンタリー

ドキュメンタリー

劇団森

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2017/06/30 (金) ~ 2017/07/03 (月)公演終了

満足度★★★★★

 当パンに書かれた主宰挨拶を読んで、ン! と思ったのだが、この予感は当たっていた。

ネタバレBOX

序盤若い者達が溜まるシャアハウスのだらだらした感じが、これでもか、という感じで続いたのだが、これも謂わばフェイクである。それはそうだろう、フェイクニュースだけを扱って本が何冊も出されている時代だ。何も詐欺は“おれおれ”ばかりではない。
 今作の眼目は、このシェアハウスの物語の中に、作品展開としては新入りの女が、それまで自然発生的な流れにあった皆の人間関係の在り様をコーディネイトし始めることによって、イニシアチブを獲り、結果彼女のお気に入り以外の男を排除することによって、必然的に残った男を誰がものにするか、という女同士の戦いに発展する点にあるのだが、それ以外にピザの宅配という要素を持ち込んだり、出演者の稽古後の様子を収めたフィルムを流したり、と様々なファクターを舞台に持ち込むことで、舞台をメタ化、そのメタ化された舞台から逆照射する形で「現実」を浮き上がらせて見せる点にある。無論、ピザ宅配だって実に自然に演じられた演技であるかも知れず、現実というかファクターと芝居との境界が曖昧化されることによって、フェイクの時代に、ファクターの見えにくくなっている現実をこそ、浮かび上がらせて見せる、実にアイロニカルな批評性に富んだ舞台という見方もできる。今後、増々楽しみなコラボである。
今が、オールタイムベスト

今が、オールタイムベスト

玉田企画

アトリエヘリコプター(東京都)

2017/06/27 (火) ~ 2017/07/04 (火)公演終了

満足度★★★★

アトリエヘリコプターでみる初めての玉田企画。モンダイ児を作者が演じる、前みた舞台(怪童がゆく?)に通じるモチーフの別バージョンという感じ。短時間を切り取ったストーリーだが、ガサガサ鳴る手作り感のある回転舞台で三場面が入れ替わり、笑える微細な齟齬の、その微細さを分母にとれば(ノミの目で見れば)、ダイナミズムのある舞台である、と言える。だが我々は人間なので、実際にはあっと言う間に過ぎ去る短時間の(結婚式前夜という事ではあるが)日常の延長におかれた、あるあるドラマだ。

ネタバレBOX

自分の再婚を認めてくれない息子の態度に業を煮やして宮崎吐夢が最後に吐く「この発達障害の○○が..!」の台詞、実際に発達障害という設定のようである。もしそうでないなら、暴言がつい口をついて出た、という事だがこの語は意味を強く持ちすぎ、ミスチョイス。よって、発達障害設定なのだろうと推測。
面白いのは、普通なら靴を履き間違えられただけでブチ切れ、それを理由に結婚式に列席しない挙は大人げなく、まあ子供であるので、まだまだ子供だ、という事になるが、この話では父親がどうしても息子に結婚式に出てほしいらしく、そういう祝福された結婚である事を刻みたいのだろうが、そう念じているために、明日から母になる女性の過ちを「許さない」子は、「そんなに悪いことやってないと思っている」親にとっては受容しがたい存在になっており、しかしそこに発達障害という障害がひとつ入る事で、周囲の配慮のほうが問われる目線が生じる、そのことだ。
発達障害を別のものに置き換えてもいい。歩み寄らねばならない関係にあって、それがこじれて解きづらい「困難ケース」として提示され、さてそこから先、希望はあるのか・・と暗澹とした所へ、どちらとも取れるが希望に傾くのも間違いではないと予感させる微かな揺らぎを、オチとした。(山田洋二『学校3』のラストにその微妙な揺らぎを感じたのを覚えている。)
できれば作者の狙いを作者以上に秀逸に演じる演じ手に、委ねられたし。
アンダルシアの風~音楽と舞~

アンダルシアの風~音楽と舞~

ヒラルディージョ

かなっくホール(神奈川県)

2017/07/01 (土) ~ 2017/07/01 (土)公演終了

満足度★★★★

 隠れラテンの血が騒いでしまった。踊り手4人の、手・腕の精妙な動きに、大地に叩きつけるようなステップとフリルのついたスカートを巧みに使い、激しく躍動する身体を華麗に舞わせる動き、音楽は基本的にフラメンコギターと手拍子、歌唱というのも良い。
 オープニングは4者協同のダンスで始まり、次に各々のソロ、休憩を挟んで残り2人のソロと最後の4者揃い踏みという構成も安定感がある。
 今回は「どの踊り手もカスタネットを用いなかったが、扇を用いた踊り手が1人、扇を開く度に聞こえるシャーっと空気を切り裂くような音が緊張感を与えて新鮮であった。
 フランスで暮らしてい時にジタンの祭りで娘達が踊っているのを見たことがあるが、ジタンの娘達の天性のリズム感の良さ、踊りの上手さを思い出した。

カクテル☆パーティー ~魔法使いは、ガールインボーイズ~

カクテル☆パーティー ~魔法使いは、ガールインボーイズ~

星屑企画

OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)

2017/06/30 (金) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

2時間の長尺でありながら、あっという間に見終わる公演でした。
千秋楽を見に行きましたが、最後、拍手喝采に包まれていたのがこのお芝居の評価そのものなんだと思います。
見てよかったなって素直に思える素敵なお話しでした。

子午線の祀り

子午線の祀り

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2017/07/01 (土) ~ 2017/07/23 (日)公演終了

予想してたよりずっと面白かった。空の遥か彼方(天球)と、波の満ち引きを感じながら、源平合戦を見守る。遠くと近くを行ったり来たり。プラネタリウム、人形劇、紙芝居を想像。群読も力強くて楽しい。

ネタバレBOX

高麗、百済、新羅、宗の国と言われてぐんと地図が広がった。
普通

普通

劇団時間制作

サンモールスタジオ(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/07/03 (月) 19:00

登場人物全員が境遇ゆえかどこかゆがんでて、誰一人として共感、応援することが不可能な、自分の周囲にこんな奴絶対にいて欲しくないタイプのキャラクターばかりで、見ていてイライラしっぱなしの2時間。でも、実は見ているこっちの器の小ささが映し出される鏡だったという針のむしろの2時間でもありました。今年一番の胸糞悪い系、考えさせる系のステージ。

キャサリン・ヘプバーン

キャサリン・ヘプバーン

博品館劇場

博品館劇場(東京都)

2017/07/01 (土) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/07/03 (月) 14:00

キャサリン・ヘプバーンが自分の人生を少々自虐的に振り返る爆笑ステージ。作品や彼女を取り巻く人々のことを知ってれば知ってるほど楽しめる。途中15分の休憩を挟むが、十朱幸代は一人でしゃべりっぱなし。

四臓六腑

四臓六腑

かわいいコンビニ店員 飯田さん

RAFT(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/07/02 (日)

座席1階1列

かわいいコンビニ店員 飯田さん『四臓六腑』RAFT

全4編のオムニバス短編集。
圧倒的セリフ量によるシュールな掛け合いの応酬が楽しかったです。
一番のお気に入りは『親父の味』
ボケ倒す3人と的確に突っ込む小岩崎さん、のテンポが小気味よくて爽快でした。
しかしオチがひどい(笑)

4作品ともシチュエーションが違うだけで似た傾向の作品作りになっていたような気がします。
折角なので全然違うアプローチの作品が1つくらいあっても面白かったのではないか、と思いました。

このページのQRコードです。

拡大