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春の遺伝子

春の遺伝子

テノヒラサイズ

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/10/20 (金) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/10/21 (土)

とっても良かったです。脚本の良さに加えて、役者さんのレベルも高かったです。いつもはコメディをメインに公演されているようなので、そちらも観てみたくなりました。というわけで、お気に入りの劇団になりました。

明日葉の庭

明日葉の庭

ことのはbox

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2023/10/19 (木) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

中高年女性向けのシェアハウスで共同生活をすることになった女性の過去と今後、これからの生き方を見つめた人間ドラマ。入居にあたって過去は詮索しないといったルールはいつの間にか無くなり、それぞれの人生を語り出す。

公演は、説明にある「高齢化社会を生き抜くため、新しいコミュニティのあり方を模索する人々を描いたヒューマンコメディ」であるが、同時に今でも蔓延っているであろう男女の意識の違い 桎梏も描く。勿論 小さな島における地元住民とのトラブルもあるが、そこは あまり掘り下げない。あくまで明日葉に<明日を生きる>といった意を込めた思いを中心に描いている。人の温かさ優しさ、そして地元(島)の人たちの素朴さ、そんな人間愛に溢れた作品である。
ただ、少し気になったことが…。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし)【team箱】10.23追記

ネタバレBOX

舞台美術は、明日葉ハウスの共同スペース(ダイニング)、中央にテーブルとイス、上手は玄関・中央に暖簾 奥はキッチン・下手は階段 へ通じる出ハケ口がある。柱や梁があり簡素な造りだが、物語を紡ぐには十分。

卑小…先に 気になったことを記すが、それは時の経過が はっきりしないこと。たしかに 暗転させシェアハウスに集まってきた女性達が暮らしに馴染んでいく様子、会話の変化、さらに島の人々とのトラブル等、ドラマは展開していく。しかし「明日葉ハウス」の経営者(管理人)である清野日菜子の衣裳がほとんど同じ・・いつも黄色薄手の上着とパンツルック。主役であるため多くの場面に登場するが、見かけの変化がない。またハウスで暮らす女性達の衣裳も同じようで、時季の移ろいが感じられないのが惜しい。伊豆諸島、都心に比べ過ごしやすいといった(気候)台詞はあるが…。

物語は、明日葉ハウスに入居した個性豊かで色々な事情を抱えた中高年女性とハウス経営者(管理人)や島の人々との触れ合いや摩擦を通して、新たなコミュニティを形成していく過程を面白可笑しく描く。
観どころは、入居した女性たちの性格・生き様を語り合うところ。沢木京子(阿部由美恵サン)は、独身で下訳をしていたがペットロスで孤独を感じ、大曽根真紀(荒井ぶんサン)は、有名なインド俳優との叶わぬ恋に破れ、西久保 綾(瀧山貴美子サン)は、酒好きで 離婚3回という男依存症のよう、古谷良美(浅見恵子サン)は、ずっと専業主婦で、夫が亡くなり 息子と同居したが嫁姑の問題、出口久江(秋元和子サン)は、島内巡り・写真撮影・ブログとマイペースな行動、そして樫山智恵子(上村正子サン)も専業主婦だったが…。どこかで見聞きしたような性格や事情を点描し、多様な人生を連想させる。

最初は距離を置いた関係が少しずつ自己表現する。縁もゆかりもない土地で新たな生活を築くのは、相当な勇気がいるだろう。一人では寂しい、しかし他人との煩わしい関係は避けたいといった心持が透けて見える。敢えて小さな島での共同生活、時にぶつかり合うが、穏やかに過ごしたい。そして台風によって半壊になったハウスを<家>と実感する迄が本筋。

別に、樫山智恵子は偽名で、夫へ離婚届を置き家出するように行方を晦ませた。その夫がやってきて、口論が始まる。「誰のおかげで食えるんだ」と怒る夫に対し、仕事一辺倒で愛情のかけらも感じられない夫に嫌気がさして…。女らしさ男らしさといったジェンダー問題(ギャップ)もあるが、自分らしさ といった<存在>と向き合うことの大切さが滲み出る。キャリアを目指す女性もいれば、専業主婦として生き甲斐を見出している人もいる。そんな多様な生き方(他の登場人物も含め)を思わせる。例えば、主婦として生きてきた古谷良美を肯としている。本作ではラスト、夫の豹変ぶりに驚かされるが、それでもハッピーエンドとして 上手くまとめている。
次回公演も楽しみにしております。
DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

KUROGOKU

王子小劇場(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/10/20 (金) 19:00

「teamL」を観た。初見のユニット。如月小春1983年の戯曲を2度目の上演だと言う。よくできている。102分。
 いろいろなところで何回も上演されている如月の代表作の一つらしいが、観たのは初めて。女子中学生の集団自殺という実話ベースの物語らしいが、それを寄宿制の高校生の物語として構成する。同ユニットで2度目の上演だと言うが、手慣れた感じもあって丁寧な作りになっているし、女子高校生を演じた5人が本当に巧く「ジョシコーセー」を演じていた。ちょっと残念なのは、5人の女子高校生たちが抱える「もどかしさ」が浮き上がってこない感じがするのだが、そういうことではないのだろうか。
 ダブルキャストながら両方に出る役者もいるのだが、それが同じ役ではないことが分かり、もう1チームも観てみたいのだが、残念なことにコマが足りない。

明日葉の庭

明日葉の庭

ことのはbox

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2023/10/19 (木) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

自己主張が強かったり、ルールを守らなかったりと、なかなか集団生活はうまくいかない、癖のある人たちが繰り広げる、と個性の強い人の集まりでしたが、人情味あふれる内容で、心打たれました。

ネタバレBOX

シェアハウスを舞台に、前半はゆったりとしたペースで進んでいきますが、暗転のタイミングでの音楽がいいアクセントになりました。それぞれの人生の重みが随所に魅せられ、味わいを感じる舞台でした。最後が壊れた家屋を修理する業を、シェアハウスに入った女性の元夫が受け持つという締めは絶妙ですね。
DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

KUROGOKU

王子小劇場(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

〈team L〉
流石に打ちのめされた。
1982年12月24日夜7時10分、横浜市の女子中学三年生3人が磯子駅近くのビルから次々と飛び降り自殺をした。ごく普通の明るい子達、全く理由も分からず。
遡って1977年6月25日夕方、愛知県の五条川で同じく中学三年生3人が手を繋いで川へ飛び込んだ。二人溺死。
今作は1983年初演。これらの事件の真相を如月小春さんなりに解き明かしてみせたもの。
尾崎豊のデビューは1983年12月、時代はまだ見ぬ新しい価値観を欲していた。

聖子ちゃんカットの平均的少女は松井愛民 (あみん)さん。ニコニコ誰とも何となく付き合える。
ガリ勉優等生は藤山ももこさん。医師になる使命感が強い。
マイルドヤンキーは柊みさ都さん。独りで在ることをを凝視する人生観。
幼児性の強い甘えん坊は石田梨乃さん。リアル。
委員長的責任感の元山日菜子さん。水トちゃんっぽい。

この5人が私立高校の寄宿舎で同部屋で暮らした一年間を、事件後の大人達が調査する。彼女達に一体何があったのかを。

この作品は今の女子中高生にこそ観せるべき。
一体自分達をずっと苦しめ続けているものの正体は何なのだろう?言語化出来ずずっと感じてきたもの。どうも何かが決定的におかしい。
「あ、海が白くなってきた!」

是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

戦前の『死のう団事件』を思わせる少女達の呼び掛け。
自殺を完全に正当化する反転した主張は当時衝撃的だったろう。鶴見済の『完全自殺マニュアル』なんかもそうだった。そこに嘘がない。『囚われ』や『計らい』がない。『ライ麦畑でつかまえて』で一番印象に残るエピソード。寮で飛び降り自殺をした友達が着ていた、自分が貸したセーター。まるで自分の身代わりのように。

[team R]には身体ゲンゴロウの柳町明里さんが出演。気になる。
欲を言えば、傑作『ピクニック at ハンギング・ロック』のように消えていく少女達の永遠性を視覚的に表現して欲しかった。言葉では言い表せないものを顕現させる魔法。その余りの美しさに善も悪も溶けていく。

エレファントカシマシ『太陽ギラギラ』

どうした、その顔?皆楽しそうだよ
ああ、俺には分からない
ああ、本当に楽しいの?

空を飛ぶ鳥、愉しげで・・・
ああ、おそらく俺は幸せさ
明日葉の庭

明日葉の庭

ことのはbox

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2023/10/19 (木) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

下手だった。
それでもスタッフがプロだと、演劇として成立するんですよね。

ネタバレBOX

日菜子と円が同級生にみえなかった。
最初親子かと思った。
明日葉の庭

明日葉の庭

ことのはbox

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2023/10/19 (木) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/10/20 (金) 19:00

座席1階

本日、19:00から上演チーム箱による明日葉の庭みてきました。
主演の勝島 乙江さん素敵で、演技も素晴らしく
魅了されます。
感想はと言うと。
笑いあり涙あり、先の人生を考えたりと。
なんだろう?例えるなら山田洋次作品を観てる様な舞台で、自分の中では特別な作品の1つとして残りそうです。
良い週末を過ごせそうな気持ちになりました。
是非、おすすめです!

アカシアの雨が降る時

アカシアの雨が降る時

サードステージ

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2023/10/14 (土) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鴻上尚史作品は大人数というイメージがあるので3人芝居というのは珍しく感じる
自分の知る範囲では「トランス」だけれどそれとも全く違った柔らかい雰囲気であったのも意外
3世代3人の役者さんそれぞれの持ち味がしっかり活かされないと成立しない内容だけあって、そこはちゃんと押さえられておられる

心だけ女学生に戻ってしまったお祖母さん(竹下景子さん)とその妄想に寄り添おうとする孫(鈴木福くん)の姿が何とも微笑ましい
それに比べると息子(松村武さん)の立場といったら何とも無粋な存在になってしまってオジサンって寂しいなぁと思うものの、作品的には非常においしい(笑)
歴史的背景に想いを馳せ、ちょっと哀しみを伴う物語でありながら柔らかい温もりが感じられる秀作だと思いました

DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

KUROGOKU

王子小劇場(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

少女たちそれぞれの心情が丁寧に描かれていたと思います。

DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

KUROGOKU

王子小劇場(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「Team L」を観劇しました。
5人の高校生の不安や葛藤、何とも表現し難い思いを描いたストーリーで、観応えがありました。
役者さん達は、それぞれの登場人物を、表情豊かに演じていて、とても良かったです(しかも皆が可愛い)
良い作品でしたが、死ぬ事が美化されているような気がして、モヤモヤが残りました。
自分が高校生だった頃の気持ちを思い出すような舞台で、面白かったです。

              

マイン

マイン

チタキヨ

イズモギャラリー(東京都)

2023/10/16 (月) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/10/19 (木) 19:30

3人が愛おしくてたまらないので、2度目の観劇。すごくいい芝居です。(4分遅れ)47分。
 幼稚園のママ友3人の物語。イラストレーター、それを手伝うパート、税理士と3人が三様の立場から、いろいろと絡み合う。よく考えると、それぞれの夫がダメダメな感じがあるけど、それでも強く生きて行けそう、っていうのがいい。エンディングもよく考えてみるとハッピーエンドになるかどうか分からないけど、きっと頑張って行くんだろうな、と思わせる。
 同学年女性4人のユニットだが、最も古くから知ってる高橋恭子を初めて観たのは2003年なので、もう20年観てることになるんだなぁ…(遠い目)。

DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

KUROGOKU

王子小劇場(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 タイゼツベシミル! この所、優れた作品を拝見してきたが、今作名作と言われるだけあって流石に凄い。兎に角図抜けた脚本の良さを丁寧にまた懸命に舞台化する姿勢が、描かれている内容と相俟って多感な高校1年女子の姿を見事に届けてくれた。華5つ☆。自分的には今年拝見した作品のトップ。尺は100分。(第1回追記2023.10.21 追記2回目同日夕追記はこれで終わり)

ネタバレBOX

 LチームとRチームがあるが、Lチームを拝見。今作、今回は再演である。一昨年vol.7として1度公演しているということだが、前回は女子高生を演じた同じメンバーで語り部役もこなしたが、今回は別建て。今回はより深くより忠実に原作を解釈した、という。出来は上記で記した通りだ。また諸般の事情により当初演出を予定していた浅川拓也氏及びシングルキャスト2名が降板するということもあり、急遽主宰の黒柳安弘氏が企画・政作・照明の他に演出も担当した。主宰とはいえ過重な負担をキチンとこなしている。その労に報いた役者陣のきめ細やかで役の意味する処を生きている演技が死という誰も己の死ぬ瞬間を知ることが出来ない未知に向かって突進してゆく方向に舵を切ってゆく道程が余りに悲しい。出帆してゆく5名の少女は、寮制の高校に入学した1年生。人生のうちで最も多感な時期を同部屋で過ごしたルームメイトである。因みに5人それぞれのキャラを挙げておくと両親の離婚後母に引き取られ放任主義で育てられ自分独りで生きてきたという感覚が強く酒・煙草もやり髪も染めロングスカートを履いて、規則等の方が自由な判断で動く自分の基準より害があると主張する突っ張りであるが、男女間の乱れは余りなさそうな京子。中学時代は生徒会長をやっており、面倒見が良いとみられ、またそのように観られるような行動を取ってしまうが、内奥ではそのような自分を決して好きではないづみ。父の医院を継ごうと医師を目指し、その為勉強に励む秀才、中学時代の成績も学年で1番、今回の入試でもトップの成績で入学した麻里。神経質で内心では自由に振舞っているように見える不良っぽい京子に憧れているが、現実には最も激しく京子と張り合ってしまう。ルームメイトの恵子は中学時代からの友人である。この高校に入学するまで1人では電車に乗ったことも買い物をした経験もなく、入学式当日も大きな枕を抱き何かあれば母に電話を入れ迎えに来て貰って対処する。学業成績も振るわないみどり。一見極めて普通に見えるが、親しくなったようでも必ず何処かに距離を保ち自らは決して矢面に立とうとせぬよう殆ど無意識に振る舞ってしまう惠子。5人のうち唯一、熱烈なラブレターを貰い、デートを重ねた経験を持つこととなった。その相手は、この女子高でもファンの多い他校の生徒会長、上村であった。が、上村を真剣に恋して居たのはいづみであり、真剣な恋であったればこそ、上村が本気で好きになった惠子に譲っていたのである。上村が如何にもてたかは、ルームメイトの中にもバレンタインデーにチョコを上げようと憧れていたみどりが居たことでも明らかだ。ところで丁度そのバレンタインデーにデートの約束をしていた上村とのデートを惠子はキャンセルしてしまう。理由は頭痛であったが、この頭痛の真の原因は、上村が惠子にそっくりな人格を持ち、そのことが重く圧し掛かって彼女を苦しめくたびれさせてしまうからであった。ハッキリ恋の是非を問う上村に理由は応えることがでいず彼女はただ非と答えた。上村は自殺してしまう。
 各々のキャラ説明に物語の展開を若干交えて説明した。凡そのイメージは掴めただろうか? 初見の作品だし原作も読んだことさえ無いのでハッキリしたことは言えないが、今作の脚本で見る限り脚本家が生きた魂を鋭利な刃物で腑分けするような生々しく痛々しい台詞が随所に書き込まれていて衝撃を受ける。恰もランボーの詩節でも読むような衝撃感である。だが、それだけだろうか? 自分はそうは思わない。それだけであればタイトルに表現する者である劇作家が“doll”とは付けまい。様々な意味がある単語・dollではあるが、最も一般的な日本語訳である“人形”と解釈してみる。人形ならば持ち主が居るであろう。少女たちの持ち主と言っては何だが法的責任者は親であるから、一応親が少女たちの護り手、庇護者ということになろうか。少女たちも無論物ではない! それでは「親」を敢えて単語化すれば「家」と言えるのではないか? もっとハッキリ言えば、この国の見えない制度即ち明文化されず唯影のようにその当事者が存在する限りまた僅かな光源が在る限り必ず付いて廻る雰囲気や暗黙のタブーといった規制そのもののように自分には思われるのである。ラストシーンでは死後の少女たちの会話が描かれるが、このシーンもありきたりの、観客を演劇空間から日常へ戻す為の装置として描かれているのではない。むしろ敢えて明文化されず実際に人間の自由や個別の尊厳に対してお門違いの規制を掛け、縛り付け、差別する現実世界への抗議、否もっとハッキリ言おう。アイロニーとして描かれているのであろう。そして観客は衝撃と共にこのアイロニーをも共有するが故に名作と呼ばれ続けているのであると考える。観客として観たことの内実を決して忘れぬ為に!
尺には尺を / 終わりよければすべてよし

尺には尺を / 終わりよければすべてよし

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/11/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「終わりよければすべてよし」
セリフがややゆっくり読み上げられ、仕草含めて古風な演技の印象。バートラムを演じる涌井氏があまり悪者に見えず少々違和感が残る。ペローレス役の亀田氏が巧い。
シェイクスピアの喜劇ではああいう後説?がしばしば入りますね。

酔生夢死

酔生夢死

劇団月光斜

立命館大学衣笠キャンパス学生会館1階小ホール(京都府)

2023/10/19 (木) ~ 2023/10/21 (土)公演終了

満足度★★★★

大阪からは遠かったけど、制作以外は満足🈵😃✨席は決められ一人一人が案内するんで、受付がコミコミ…受付もチケット🎫有りますか?と意味不明な質問(どこかで、配ってた?
)など、過去もイットしたことが…
今回は殺陣が良かった‼️留学生も参加して殺陣楽しんでた‼️

【BIG MOUTH〜Halloween Party〜】

【BIG MOUTH〜Halloween Party〜】

GHETTOプロデュース

Gyoen ROSSO 198(東京都)

2023/10/15 (日) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めっちゃ楽しかった〜ポールダンスに魅了され、笑って笑ってホント楽しかった。

少女都市からの呼び声

少女都市からの呼び声

新宿梁山泊

ザ・スズナリ(東京都)

2023/10/17 (火) ~ 2023/10/19 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/10/19 (木) 13:00

座席1階

唐十郎の状況劇場の作品。メンバーだった金守珍が改作したものを上演し、新宿梁山泊結成のきっかけの一つになったとも言われているという。梁山泊の原点とも呼べるアングラ劇。テントでやるのと趣は違うと思うが、スズナリ版は切れ味たっぷりの舞台に仕上がっていた。

連隊長役の風間杜夫の熱唱には大きな拍手が起きた。大久保鷹がせりふを忘れたかもしれない(本当だと思う)場面での金守珍の掛け合いは大爆笑を呼んだ。前列に陣取る観客は若い女性が多い。アングラ文化が次の世代に引き継がれていることを実感した舞台だった。
何回も再演されている作品だが、今作ではレーザーポイントを駆使した演出に驚かされる。出演する若手俳優の機敏な動き、お約束の空中ぶらんこの美女など見どころは満載だ。テントでやった6月の上演は見逃したが、ここでの演出はどうだったのかと想像すると見逃したのはとても悔やまれる。
きっとまた、再演してくれると思うと念じて、スズナリを後にした。

ネタバレBOX

ビー玉が滝のように流れる場面はすごい。終演後に客席の足元にも多数転がっていた(転ぶと危ないかも)
次の公演まで時間がないのに、片付けるのは大変だ。
DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

KUROGOKU

王子小劇場(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
観たいと思っていた未見の演目「DOLL」、今後 本公演が基準になるがレベルは高い。高校1年生の5人の少女の不安・孤独・善悪・嫉妬等といった捉えどころのない心の揺れを瑞々しく、そして繊細に描いた珠玉作。上演前から波の音が響き、海辺の街にある高校が舞台であることを連想させる。勿論、説明にもある「何故、少女たちは水になったのか」に繋がるわけだが、それに至る少女たちの心の変化と友情が公演の観どころ。

それぞれ性格や情況が違う女子高生を表(体)現した女優陣の好演が、物語を味わい深いものにしている。1年間の高校 それも寄宿舎での共同生活はいつも仲良しというわけではなく、時に 性格や考え方の違いで ぶつかり合うこともある。むしろ その衝突が彼女たちの友情を深めていく<力>になっている。四季折々に、彼女たち一人ひとりの心に寄り添った出来事(事件)を描くことによって、友情という側面を通して 性格や情況を鮮明にさせる。5人という仲間が居ても、心の中は掴みどころのない不安と孤独が支配している。その何となくが…。

5人の女子高生以外に右眼・右耳・左眼といった語り部が登場するが、少女たちを俯瞰するような立ち位置で時代状況や世相風潮を表す激声、そして鼓舞するような。その容姿・衣裳は女子高生たちとは違う、その意味では社会なり常識といった確固たる<大人>を表している。それは 同時に少女たちの不安な足場という恐怖の対置として登場させているかのよう。
また女子高生の兄や思いを寄せる男子高校生が登場するが、彼女たちの純真さに たじろぐ様子、そこにも言葉では言い表せない<女子高生ならではの心>が垣間見えてくる。語彙力がない悲しさ、ぜひ劇場で…。
(上演時間1時間40分 途中休憩なし) 【team Ⅼ】10.21追記

ネタバレBOX

舞台美術は、中央に壁 その左側は出ハケ口、右側に箱馬。上手 下手は非対称に階段が設えてある。二階部(地下劇場であるから地上部)があり、所々に薄布が巻き付いている。その浮遊感は彼女たちの心中であり海といった漠然とした光景を表しているよう。

物語は、5人の性格や家庭環境を学校行事や季節を背景に丁寧に紡いでいく。まず、佐藤いづみ(元山日菜子サン)は、生徒会の役員になるなど面倒見がよいが、何でも引き受けてしまう八方美人的タイプ。周りから独善的と非難され落ち込む。岡本麻里(藤山ももこサン)は成績優秀で、家族の期待を担っている。夏休みも仲間の誘いを断り夏期講習へ。そして兄と<生きること>について問答をする真面目タイプ。吉川京子(柊みさ都サン)は 両親が離婚し孤独を背負っており、虚勢を張るように煙草を吸い、無断外泊もする不良タイプ。停学処分になる際、教師との校則議論は圧巻。高田みどり(石田梨乃サン)は、入学式に枕を抱え ママに度々電話をかけて助けを求める幼児性タイプ。自分からあまり主張できない。最後に星野恵子(松井愛民サン)は、ラブレターをもらいデートをするが、正直 自分の気持が分かっていない。無意識に、本心ではなく 偽りの自己 あるいは役割としての自己を演じてしまう虚飾タイプ。女優陣はその性格等を情緒豊かに表現している。

初演は約40年前だが、今でも色褪せず観応えがあるのは、観客の多くが経験したであろう高校時代の思い、そして5人(性格)の誰かに共感してしまうからではないか。色々な出来事を一人ひとりの性格に準えて描き、それを他の4人(仲間)の観点で客観化させることで、一層 <普通の女子高生>の姿が浮き彫りになる。その年代の あやふやで、時に鋭く突き刺さる感性が見事に描かれている。

公演の観どころは、少女達の(純粋)感性と友情の育み、同時に大人 いや社会との対峙が根底、その繊細かつ骨太なところ。例えば、京子が停学になる際 教師と校則について激論を交わす。今では無意味な校則は削除するなど、やっと時代が追い付いてきたといった感じだ。語り部は大人であり社会を象徴しているのだろう。黒ずくめの洋服でスキのない格好だ。社会という枠と常識に囚われ、俯瞰した立ち位置で見下ろすといった演出は巧み。それに抗い 純粋でありたいとの思いがラストシーン(写真で思い出を語り 上を見上げる姿1983.3.26未明 入水)であろう。
つかみどころのない少女たちの気持を描きつつ、それを社会(大人たち)と絡め、力強い普遍性を表した見事な作品。
次回公演も楽しみにしております。
本郷菊坂菊富士ホテル

本郷菊坂菊富士ホテル

劇団匂組

シアター711(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

チケット受付、ド素人の仕切りで開演前からパニック。誰一人責任者がいない。中学生か?本当にこれ大丈夫なのか?誰もが不安に思いつつ茫洋と佇む。受付も全く始まらず、開場時間になっても混乱。質問に答えられる者は誰もいない。何故か衣装の洗濯とゴミ出し。
「ゲネプロが演出家の駄目出しで押して・・・。」
イライライライラしている人々。場慣れしたおばちゃんのお客さんが仕切って並ばせる。「いや、これ既に演劇が始まっているんじゃないのか?寺山修司の遣り口だ。」なんて思いつつ。

昔、神保町の馴染みの中華屋で海老のチリソース煮を頼んだ日のことを思い出す。随分待たされてやっと出た物は糞不味くてとても食えたもんじゃない。店長達が休みで中国人のバイトしかいなかったのだ。皆で話し合って何とか作ったらしい。会計の時、「半額でいいです。」と言われた。いや、作れないんなら注文の時そう言ってくれよ。開演前からそんな気分にさせるこの劇団。何でチケットを予約したのかもう思い出せない。

始まってみると随分しっかりとした舞台。よく纏めたな、と脚本に感心した。
1967年瀬戸内晴美の『鬼の栖(すみか)』、1974年 近藤富枝の『本郷菊富士ホテル―文壇資料』、1977年羽根田武夫の『鬼の宿帖』。1975年実相寺昭雄のTV番組「本郷菊富士ホテル 大正遁走曲」(『歴史はここに始まる』)。1998年森光子主演の舞台『本郷菊富士ホテル』。他にもドラマや劇画など無数に存在するこのホテルをテーマとした作品。どれも観たことがないのでどこまでオリジナルなのかは不明。
『美しきものの伝説』と時代背景、登場人物は重なるので観ていると判り易い。

大正3年開業の帝大(現・東大)近くの高級下宿屋「菊富士ホテル」。田舎から上京して来た金井由妃さんは地元の親友、飯沼りささんに逐一手紙を送る。「憧れの東京で女優になってやる」と。住み込みとなるホテルの女将は上杉二美さん。そこには当時を彩るスター達が逗留し訪れては去って行く。大杉栄(坂西良太氏)、伊藤野枝(俊えりさん)、竹久夢二(生亀一真氏)、お葉(兼平由佳理さん)、谷崎潤一郎(小磯一斉氏)、佐藤春夫(坂西良太氏二役)などなど。島村抱月と松井須磨子の芸術座で研究生をしている上村いそ(森田咲子さん)も重要な役回り。

MVPは上杉二美さん。お尻振り振り観客を沸かす。金の取れる腕を持ついい女優。
加えて主演の金井由妃さんと森田咲子さん、この3人が舞台を見事に回した。舞台上の空気感を担う名演。
変態性欲者の小磯一斉氏も名助演。

上村いそは水谷八重子がモデルなのか?と思ったが違うっぽい。結局誰にもなれなかった者達が時代の天才達と交わったひと時の宴。寂しさと侘びしさとほんの少しの誇らしさ。
女将の口癖「まあ、ええわいな。」がリフレイン。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

開演前SEは何故かエリック・クラプトン。
「嫌なニュースを聞いて憂鬱を蹴り飛ばしたい時にはコカインを!彼女は嘘をつかないよ。」

話はエピソードの垂れ流しに終始。そこにはやはり時代にボロボロにされた語り手が必須。「全てを失った今、思い出されるのはそう我が青春の『菊富士ホテル』!」でないと、ぐっと来ない。主人公が傍観者に徹している為、エピソードに味付けが足らない。全ての登場人物に交流を求められるも器用にかわすフォレスト・ガンプにした方が盛り上がった。(あの時ああしていれば運命は変わっていた、的な)。観た客に何を伝えたかったのかが散漫。ネタは面白いだけに残念。
多重露光

多重露光

(株)モボ・モガ

日本青年館ホール(東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

これはなんと呼べばいい出し物なのだろうか。
舞台で演劇として進行するし、作者は演劇界若手の星、横山拓也、演出は今や俳優座の代表的演出家である真鍋卓嗣。ほぼ千をこえる二階まである観客席は満席である。その観客は三十歳代から五十歳代の女性観客ばかりで、2時間10分ほど、休憩なしの公演である。
しかし、舞台の上で演じられるのは、演劇では全くない。ファンタジーでもなければ、世態劇でもない。演劇としてみればただただ空疎な台詞の声が飛び交う時間が過ぎていくだけなのだが、会場にきている観客は満足し、一万円を超える料金を惜しげもなく払う。数回見る客も少なくないと聞く。
横山、真鍋という日本の演劇を預かる逸材が関わって、形としては演劇なのに、演劇の客はまるでいない。会場で販売しているのはグッズで配役表すらない。中堅の俳優もお役目は果たしているが面白がってやっているようには見えない。これが、演劇の一面を具体的に顕わしていることは疑うことの出来ない事実である、目前でジャニーズに始まる事件のほんとうの姿を見ているとすれば、なんだか空恐ろしくなる。そうかこれが実態だったのか、と腑に落ちる。教訓もある。一種独特の宗教的雰囲気と合わせ一度は経験しておくべきものだろう。

アカシアの雨が降る時

アカシアの雨が降る時

サードステージ

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2023/10/14 (土) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

さすがに鴻上尚史氏の作品。実に見事な家族ドラマですね。意外に笑いが多いけど、かなりシリアスな内容には考えさせられます。

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