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殺しの神戯

殺しの神戯

虚飾集団廻天百眼

ザムザ阿佐谷(東京都)

2018/02/25 (日) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

今回はグロよりエロ、上質のアングラだ。

「みんなの捨てる家。」

「みんなの捨てる家。」

アナログスイッチ

シアター711(東京都)

2018/02/15 (木) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/19 (月) 19:30

座席1階C列

アナログスイッチ『みんなの捨てる家。』シアター711

前作に続き今作も地方出身者には色々と刺さるテーマでした。
地方に実家がある人にとってはいつかは必ず直面する問題で、
他人事とは思えない話に身につまされるものがありました。
改めて考えるきっかけにもなりました。観に行って良かったです。

冒頭のタイトルコールのシーンなど、洗練された演出も良かった。

ネタバレBOX

兄弟間での衝突もあったけど相続をめぐってドロドロした展開が!みたいなことはなかったので
そこまで重苦しい感じは無かったです。
付喪神の存在がユニーク。シリアスな問題を上手くオブラートに包んだ感がありました。

結局実家は誰も継がずに手放す。付喪神の3人は弟の家へ。
妹は家とともに消える運命?
疫病神

疫病神

ピヨピヨレボリューション

北とぴあ つつじホール(東京都)

2018/02/21 (水) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/22 (木) 19:00

座席F列16番

ピヨレボ史上最長上演時間(従来比1.5倍くらい?)の意欲作にして挑戦作。
16年12月の「ちょべりばペット」もダークだったがあちらが「対外的なダーク」だったのに対して「内的なダーク」と言おうか心療内科系でむしろヘヴィー。
そんな題材ながら、持ち前のファンタジー的な要素、それに得意の歌とダンスが和らげる感じ? 「こういうものでも題材にできるんだ」と驚くことしきり。
そんなこんなで「明るく楽しいだけがピヨレボじゃないぞ」宣言と受け取る。今後はどんなモノを題材とするのか楽しみが広がる。

Sing a Song

Sing a Song

トム・プロジェクト

本多劇場(東京都)

2018/02/07 (水) ~ 2018/02/16 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/14 (水)

淡谷のり子さんをモデルに、戦時中いっさい軍歌を歌わず、もんぺもはかず、無給で軍隊慰問をした女性歌手の物語でした。



背筋をすっと伸ばした戸田恵子さん演じる三上あい子のきりりとした美しさ、歌にこめた想いは胸を熱くし、涙が出ます。

そして、彼女が思いをこめて歌うその姿の前に、死を覚悟した若い特攻隊員たちが見えました。

「子どもは国の未来なのに、その未来を死に追いやるなんて・・。」



憲兵の葛西有道の高橋洋介さんが、あの時代の持つ非情さ、妄信さがもたらす頑なさを見事に演じられました。慇懃無礼な態度が、ホント憎たらしい!(高橋さんの大ファンで、彼目当ての観劇だったのですがWWW)威圧的な彼に負けない強さを持っていたあい子(淡谷さん)、凄いです。

高橋さんのイライラをぐっとこらえ目が光ってるのが、とっても怖かったです。



葛西の部下の中村正男を演じた岡本篤さん、命令に忠実で国のためにと一心に思っている、とても実直な様子に当時の多くの人たちが彼みたいだったんだろうな・・と、思いました。

情報を制限され、統制され、操作されたら、こういう風になるんだろうなと、だけどあい子に触れるうちにだんだんと音楽好きだった昔がよみがえってくるのが、切なく、温かく感じました。



高橋さんと岡本さんの対照的な二人の人物が、あい子の存在を際立たせ、あの時代の葛藤を見せてくれた気がします。



あい子を支えたマネージャー(大和田獏さん)、あい子を信頼してついてきたピアニスト(藤澤志帆さん)の存在も忘れてはいけません。彼らがいなかったら、あい子は自分の信念を貫くことは出来なかったでしょう。



そして、前線に部下を送る軍人の長内清美(鳥山昌克さん)の壮絶なる覚悟・・・・きっとこういう方も居たのでしょう。

侍みたいな人でした。



外国の歌は歌ってはならない、別れや哀愁ただよう歌は国民を弱くするから歌ってはならない・・・・嬉しい時に歌を口ずさむ、悲しい時に歌に癒される、元気が無い時に歌に元気を貰う・・音楽は人間の友であり、心の栄養です。それさえも制限されてしまう世界、音楽が洗脳に使われる世界、そんな世界だった時代があったと言うことが信じられないくらいに、色々な音楽があふれた現代に生まれた幸せを感じました。



ただ、現在もマスコミによる情報操作、印象操作があたりはばかることなく行われていて、こんなに情報量が多いはずなのに真実が見えなくなっていることが多いです。

マスコミは、まだあの時代から変わっていないように思います。

流されない自分でいたいと、強く思いました。



素晴らしい舞台をありがとうございました。

スペシャルな恋もベタにオンリー

スペシャルな恋もベタにオンリー

爆走おとな小学生

コフレリオ 新宿シアター(東京都)

2018/02/20 (火) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/02/21 (水) 19:00

座席1階B列

爆走おとな小学生『スペシャルな恋もベタにオンリー』コフレリオ新宿シアター

スープ専門店を舞台にしたボーイミーツガールもの…
なんだけど、ハチャメチャなネタが次から次にぶっこまれてきてなんかもう終始圧倒されっぱなしでした。
すごかった!
劇中劇?の絵面がシュールすぎて頭から離れない(笑)

ネタバレBOX

・芸能関係者の段原イジリが面白かった。
・清美のあざとい小悪魔系キャラがとてもかわいかった。
 その後の本当の目的を告白するシーンのギャップも◎
・桃乃のたどたどしい台詞回しがツボ。
 小学生役に全然違和感が無かった。凄い!

最近のアニメのネタはあまり付いていけなかった(^^;)
でも客入れ時の選曲はアラサー~アラフォー世代直撃な気がする(笑)
卒業式、実行

卒業式、実行

アガリスクエンターテイメント

サンモールスタジオ(東京都)

2018/02/17 (土) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★

115分。

ネタバレBOX

県教育委員会からの指示で国歌国旗を卒業式でやりたい校長サイドと生徒が決めた式を遂行したい自主自立な生徒会長やOBや保護者らの対立と、そのハザマの卒実らのドタバタディスカッションコメディー。
国歌を歌うのか国旗を掲揚するのか決められないまま式がスタート、生徒が決めた美術部の絵も白紙とわかるが、強硬に国歌を阻止する生徒会らだったが、卒実委員長の榎並のアイデアで、甲田の卒業生挨拶の中で国歌斉唱を執り行うよう奮闘する…。

笑った。強引さも含めていいコメディしてた。
OB斎藤コータはやはり上手い。外さない。中田に変わっちゃったんですかと詰め寄り、お前は変われと打ち返されるトコも最高。狂犬だった鹿島ゆきことのやりとりも面白かった。プロ意識の高い吹奏楽部の浅越もまた、わかりやすいキャラで笑いを巻き起こしてた。式次第を書いては引き裂かれてた持田(前田友里子)もウケた。書き直すのがヤだから行ったものを書くという「議事録」ネタは大いに笑った。
彼らが笑いを起こしつつ、メインの榎並や津和野らと校長(藤田慶介)や卒実顧問の矢吹ジャンプらが、喧々諤々と決着のつかない戦いをしていく中で、美術教師の中田顕史郎が、「考えよう」と思考を促すというスタイルが、ちょっとした様式美のようだった。
中田が問いかけたように、その先や周りへの影響を考えるという過程は「大人」には必要だよなと。まあ、県に言われたからやりますという理屈もベストでもないけど、「自主自立」にこだわるのはなんのためにというトコがピンと来なくて共感しにくいかな。自主自立の裏に責任というものが見え隠れすればフェアになると思ったけど。と思わせるくらい、愛校心に溢れ突き進む熊谷はいい演技してたと思う。
ブロードウェイと銃弾

ブロードウェイと銃弾

東宝/ワタナベエンターテインメント

日生劇場(東京都)

2018/02/07 (水) ~ 2018/02/28 (水)公演終了

満足度★★★★

今月の新作のミュージカル二本が1920年代もの。その一本の「マタハリ」はフォーラムでやりながら、ここでは上演すら無視されている。見てみるとなるほど無視されるのも当然の舞台だったが、もう一本の「ブロードウエイと銃弾」はよく出来ていて楽しい。
華やかな表舞台と、銃弾が支配するギャングの裏社会が、表裏一体だった一九二〇代のブロードウエイ。地方出身の純朴な演劇青年(浦井健次)が脚本家を目指してこの町にやってくる。映画からスピンアウトの「ブロードウエイと銃弾」は、ここで初めて脚本採用となった青年この街の風習に振り回される喜劇だ。
まずは興業の金主のギャングからはお気に入りのトンデモ女優(平野綾・快演)を作中に入れることを要求され、ベテランの主演女優(前田美波里)からも次々に注文が出される。進退窮まった脚本家に、なんと、若い女優についてきたギャングのボディガード(城田優) が作劇上のアイディアを出してくれる。純情青年の劇作家と殺人も平気なギャングが二人三脚で舞台をヒットに導こうと頭をひねる。この意外な設定が旨い。ミュージカルなのだが、音楽はオリジナル作曲ではなく二十年代の曲の編曲である。これも効果を上げて一幕の終盤、タップに歌を織り交ぜてローカル試演の成功で盛り上がる。ブロードウエイのオリジナル振り付けを使っているそうで、きれいでシャレた装置の舞台に躍動感がある。
俳優陣も脇役までそれぞれの個性が際立ってバランスがいい。
だが、こんなあやふやな座組みの芝居がうまくいくわけはない。二幕はその崩壊が描かれるが、そのなかでは,芝居つくりの機微にも触れるところがあって面白い。
映画が原作だが、再演が待たれる異色のになった。

プリンセス・オブ・マリーナ

プリンセス・オブ・マリーナ

地球戦士ゼロス

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2018/02/22 (木) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/25 (日) 11:00

地球戦士ゼロス、大阪日本橋「安全安心まちづくりPR大使」との事で、その舞台だった。ヒーローものは特に興味が無かったが、素顔での演者さんは迫力満点で有った。刑事部長の「かけるさん」が刑事に成りきられていた、これは嬉しかった。パンフレットを拝見すると男優さんの目力が素晴らしいし男前だなと思う。SERINAさんの演じられた「ソフィア」美しい大人の色気が感じられる女優さんでした。Cheeky☆Queensの三原悠里さんのお転婆ブリが可愛かった、色んな女性を演じられた三原悠里さんが拝見できて満足です。「ゼロス」の腕から流れ落ちていく汗に感動しました。有難う御座いました。

卒業式、実行

卒業式、実行

アガリスクエンターテイメント

サンモールスタジオ(東京都)

2018/02/17 (土) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/25 (日) 13:00

座席1階2列

Aga-risk Entertainment『卒業式、実行』サンモールスタジオ

面白かった!
安定感が抜群ですね。過去作からきちんとブラッシュアップされていて非常に完成度が高かったです。
作品自体の面白さもさることながら、
その面白さを支える長セリフ、早セリフの数々をテンポよく噛まずに進める演技にはただただ圧倒されました。
式次第の清書、絵、ブラスバンド部の演奏など臨場感がある演出の数々も良かった。

ネタバレBOX

「校歌斉唱」「・・・はこのあとすぐ」
がめっちゃツボでした(笑)
このBARを教会だと思ってる(千秋楽満員御礼、終幕しました!ご感想お待ちしております)

このBARを教会だと思ってる(千秋楽満員御礼、終幕しました!ご感想お待ちしております)

MU

駅前劇場(東京都)

2018/02/21 (水) ~ 2018/02/26 (月)公演終了

満足度★★★

ひとつの主題を貫く連作短編。バー「漣(さざなみ)」に集う人たちの告解だったり逃避だったり。確かにバーって内緒話が良く似合う。
笑いながらも痛みが我が身に跳ね返ってくるのはいつものことだけど、
わたしの現実逃避は劇場通いかもしれない、と思ったり。

ネタバレBOX

・客席に向かって横並び一列は、もはやMUの専売特許ですね。
・ユリカの婚約者のケイ君は、きっと合唱サークル繋がりで、あの友達(志賀聖子さん 当パンに役名が載ってなかったので)から紹介されたに違いない。彼女も初めからケイ君が好きだったのに獲られたのかな・・・とか妄想が広がる。
・帰宅拒否症の彼等がミカちゃんを取り合う様子は、『CANDY CITY』の病院の先生を取り合う女達の裏返しに観えた。

雨を忘れる

雨を忘れる

RAINproduce

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2018/02/21 (水) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★

予想の何倍も素敵な作品で楽しめました。
上演時間は少し短めで、スッキリと無駄無く仕上げていました。

《ふとテレビから流れてきたニュースの中で昔好きだった人が死んだ。
数日後、日常に生き続けていた僕は何者かに殺された。》

主演のお2人の出会いが描かれてて、そこから過ごした時間も描かれる…
「タイムリープ」をキーにして、時間が何度か行き来して少しずつ違った未来になっていく。

テーマとしては舞台の題材に良く取り上げられる類の作品でしたが、多くの工夫を感じました。
未来は枝分かれして、それぞれが独立して、結局多くの変わらなかった未来も存在し続けている…
そして、最後に主人公が下した決断も、納得感がありとても切ないものでした。
その決断に至る心情の動きもとても自然なものだったと思います。

ヒロインの山本真夢さんの関西弁も努力されていた様に感じましたし、
この作品のヒロインに相応しい可愛らしさがあり、最後の主人公の選択の辛さを際立たせていた様に思います。
非常に好きな作品でした。

23区女子-Survive-

23区女子-Survive-

Office54

座・高円寺2(東京都)

2018/02/21 (水) ~ 2018/02/26 (月)公演終了

満足度★★★★

東京23区を擬人化。北区と練馬区と板橋区が影薄かったなあ。荒川区がインパクト大。

ミラクル祭’18

ミラクル祭’18

新宿シアター・ミラクル

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/02/23 (金) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/24 (土) 13:00

Bチームを観劇しました(2作品)
「お父さんをください」は、ストーリーは勿論、役者さん達の熱演、台詞の間・・とにかく面白過ぎました!
「モルフェウスの使役法」は、不思議な感じで、分かり難いと言えば分かり難いのですが、それが狙いなのかな?という気もしました。役者さん達の演技や良かったです。
違ったタイプの2作品を観る事が出来て、良い企画だと感じました。

ベベコレ2018 東京

ベベコレ2018 東京

笑福亭べ瓶独演会事務所

赤坂RED/THEATER(東京都)

2018/02/21 (水) ~ 2018/02/21 (水)公演終了

「鬼あざみ」聞きたかったなあ。
年末の楽しみにとって置きますか。
初日「鬼あざみ」、2日目が「ねずみ」というのがやはり良いでしょうねえ。

ゴスン

ゴスン

演劇組織KIMYO

王子スタジオ1(東京都)

2018/02/22 (木) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

講談調の語りや台詞が何しろ心地いい!
それというのもみんなが上手いからでしょうねえ。
下手が一人もいない。
特にスイッチを切り替えるようにすぐに役に成っちゃうのは凄いものだと感心しました。

私もゲストとの時間はなかった方が良かったなと思う一人です。
(でもモロさんの回はどうだったか気になるけど)

チラシがまた良いのです。
裏面を見せられないの残念。
このチラシからだけでも、人を喜ばそう、楽しませようという意欲をひしひしと感じます。

『戦争戯曲集・三部作』

『戦争戯曲集・三部作』

劇場創造アカデミー

座・高円寺1(東京都)

2018/02/22 (木) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/02/25 (日) 11:30

昨年、日程の都合で観ることができず、今回やっとの観劇。と思ったら、卒業制作での公演は、今回が最後とのこと。観終わって、図らずもその事実に落はんすうしたくなる落胆した。

この芝居、中毒性が高い。1度見るだけでは消化できないし、もう一度、1つ1つの場面を反芻したくなる。とはいえ、限られた期間での、数回の公演。再見したくても時間が取れない。ということで、初の翻訳本を劇場で、購入した次第。
戯曲というより、まるで詩集ですね。第一部冒頭から、不思議とランボウの「地獄の季節」を思い起こす。このタイトルが、戦争戯曲集の1つ1つの場面を想起させるからかもしれない。

うーん、また観たい。でも、商業的に客を集められるような舞台ではなさそうだし、8時間上演は、役者の確保とあいまって難しそうだし、何よりも1000円という価格で、ここまで上質の舞台を観ることはできない。

役者さんの力量はもちろんだけれど、佐藤信、生田萬の両演出家の力量にも関心することしばしば。

ただし、第3部の老婆は、ちょっと元気がよすぎて、テンポが速めになってせわしく感じたけど。

人形の家〜neo TOKIO DOLLS〜

人形の家〜neo TOKIO DOLLS〜

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2018/02/16 (金) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

いけない!!!
カメラ忘れた。そうだドガドガは、終演後に📷撮影ありだったんだ。
(私、ガラ携なので、写真撮影の画像が悪くて)

このたび3回目の、ドガドガ観劇。勝手知ったる浅草にて、軽ーく一杯やっての観劇。
こちらも、3回目の東洋館。相変わらず、エレベーター遅いぞー(笑)。

いやあ、ドガドガははずれがない。なので、演目に関わらず毎回見ようと思っているのですが、「ロミオとジュリエット」「金色夜叉」ときて、今回は「人形の家」。換骨奪胎どころか、トロイの木馬並みの意外性と、案外しっかりしたテーマ性。

今回、ノラならぬオラが、子供と夫を残して東京に出てきて、真の愛と自由を見つけるといった話。探しに来た夫も、今は農業で成功し金持ちになっており、東京で新しい愛を見つけて、子供と一緒に田舎に帰ってめでたしめでたし、というお話。

途中、ひたすらアンダーヘアの話で盛り上がりますが、そこはドガドガの品のあるところ、けして下にのみ流れることなく、下の毛の存在を人間の実存に結び付け、生きること・自由とは何かについて新たな解釈を提示します。

錦糸町って面白くって、江東区側にはラブホがあるのに、墨田区側にはないんですよ。でも、風俗は墨田区側にもあります(雑学)。

また、次回も行きますね。

密やかな結晶

密やかな結晶

ホリプロ

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2018/02/02 (金) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★

石原さとみがあいさつの最後に「楽しかった!」と言ったのは本心なのだろう。
今後演劇への専念はあるのかな・・?

夜、ナク、鳥

夜、ナク、鳥

オフィスコットーネ

吉祥寺シアター(東京都)

2018/02/17 (土) ~ 2018/02/24 (土)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/02/22 (木) 14:00

座席1階C列10番

「夜、ナク、トリ」このタイトルは、劇中でも触れられるナイチンゲールという鳥のこと。
別名、小夜鳴鳥、夜鳴鶯、墓場鳥とも言うらしい。この鳥は、劇中では黒くて気味の悪い鳥のように言われているが、鳴き声が美しく、褐色のかわいい鳥だ。
「ナイチンゲール」という命名が、どのような所以なのかは知らないが、言うまでもなく、この名前から想像するのは、かの白衣の天使である。
保険金殺人に走る4名の主人公たちを、看護師と墓場鳥の2面から比喩している素晴らしいタイトルだと思う。

吉田、石井、池上、堤、もの覚えの悪い私が、しっかりと役名を覚えるくらいに、この4名の主人公たちは強烈でした。特に、松永玲子の演じる吉田のキャラクターは最強(最凶)で、憐憫、懐柔、親身、恫喝と恐ろしくその表情を変えます。何と言っても、池上の夫殺しには、自分では一切手を染めない狡猾さ。
吉田の夫の死は、劇中で語られていませんが、殺人ではなかったのでしょうか。
単に、多額の保険金が入ったことに味を占めての、計画殺人だったのでしょうか。
未婚のような堤が、あれほどまでに吉田に従順なのはなぜなのでしょう。

池上に付きまとうようにいる、亡き夫の幻影。
吉田は、精神科医への相談を勧めますが、この幻影、妻に殺されたにもかかわらず、
妻の健康や行動をいつも心配して付き添っています。この距離感や、深い愛情は池上の願望?それとも本当の心霊現象?

堤は患者が亡くなったことに悲嘆しながら、保険金殺人の計画には余念がありません。

石井はひたすら殺人に疑念を抱いていますが、蟻地獄のような保険金殺人計画から抜け出ることはできません。そこには親友の幸せ、子供の幸せという、甘い餌がまかれているのですから。

4人の殺人行動の拠り所は「友情」。彼女たちには、裏も表もなく、常にその時に重要と思われる正しいことが存在するのです。

もちろん、その破綻は、暗に終幕で暗示されています。

日常に横たわる暗い闇。それはすぐそこにあるのです。

『人魚 ―死せる花嫁―』

『人魚 ―死せる花嫁―』

鬼の居ぬ間に

インディペンデントシアターOji(東京都)

2018/02/21 (水) ~ 2018/02/26 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/21 (水) 19:30

座席1階1列

鬼の居ぬ間には「土蜘蛛」以来の2度目の観劇。「土蜘蛛」が時間軸を交錯させて、人間関係を逆転させたり、そこに伏線を盛り込んだりして、かなり複雑な構成をしていたことと比較すると、この物語はかなりストレート。

このストレートにさは、作者が長く温めていたタイトル「死せる花嫁」に込められた念のようなものが反映されているような気がしてならない。
捻りがない、という評価もあろうが、むしろこの捻りのなさでぐいぐい引っ張っていく力強さは尋常ではないと思う。

冒頭の生贄にされる女性と一緒に、盗んできた人魚の肉を食べ、400年の命(1切れで800年生きたという伝説から、半分ずつ食べて400年)を近いあう主人公。このシーンは見事なまでに美しい。ストレートに予見される悲劇が、このときの2人の会話を神々しくさせている。

ネタバレBOX

おぞましい遺体と、幻想として現れる女性と主人公との会話との対比が、当然ながら悲劇の度合いを上げてくる。主人公の「一緒に海で暮らそう」という慟哭で終わる手もあったかと思うけれど、ラスト、僧侶が主人公を供養する一瞬の場は、落としどころをしっかりさせていて、すごく観後感をよくしている。

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