ニジイロ ニンゲン カガク
劇団ミックスドッグス
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/05/24 (木) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
25日ソワレ(2時間弱)を拝見。
なお、アフターイベント(20分前後)開催。
ネタバレBOX
劇団ミックスドッグスさんは、ミラフェス'18で、キャラメルボックスさんの名作短編『銀河旋律』を上演されてたのを観て、初めて知った団体さんです。
でぇ、そのキャラメルボックスさんぽい、劇団のテイストが気に入ったのと、ミラフェス'18で知った役者さんが多数出演!とのことで、会場の新宿シアターミラクルまで足を運んでみたところ…
複数の役者さんによるセリフの噛みが、若干、気にはなったものの、(公演中につき、詳細は伏せますが)予想以上に、深い意味合いを持ったストーリーを、かといって、決して重々しくはなく、むしろ、軽快な程に、テンポ良く展開。
お世辞抜きで、2時間弱の上演時間を感じさせない、充実した時間を過ごせました。
人生の悲哀も込められたSFコメディーに、観劇後もしばらくの間、感傷的な余韻が消えませんでした。
最後に配役を記しておきます。
田中優(老舗飲料メーカーから、エナジードリンク「ニジイロ」の会社に転職するが…)
…見米克之さん(観ている者の気持ちを揺さぶる熱演!)
鈴(優の恋人。小劇場演劇の役者だが、現在、参加している作品で、自分のポリシーに反する演出に苦悩)
…幾世優里さん(同じく、気持ちが伝わってくる熱演!)
ドクター伊藤(エナジードリンク「ニジイロ」の開発者)
…伊藤貴史さん(マッドサイエンティストを怪演)
老舗飲料メーカーでの優の上司である部長
…奥田悟史さん
老舗飲料メーカーでの優のライバル&「ニジイロ」の会社の一般社員
…津山夏南さん(存在感が半端ない!)
優の友人・イラストレーターの菊池&「ニジイロ」の会社の一般社員
…稲波聖大さん
優の友人・衣装の詩音…岩﨑舞さん
優の友人・バンドのエッグ…秋野舞さん
「ニジイロ」の会社の開発部員サカイ(競争のみの男)
…多嘉良荒さん
「ニジイロ」の会社の開発部員ニッタ(天才だが、途中から人間らしさを取り戻す)
…川口知夏さん
「ニジイロ」の会社の開発部員ウルシバラ(ポーカーフェイスの謎の女)
…吉瀬はなこさん
「ニジイロ」の会社の社長秘書・谷(常にクールな実務家)
…工藤和真さん
ドクター伊藤がまだ若い頃に造り上げた、「ニジイロ」の会社の生殺与奪の権限を持つ人工知能・マザー
…熊坂真帆さん(要所要所で登場す重要な役柄)
鈴と対立する劇団の著名な演出家
…目崎剛さん(某劇団のホンモノの主宰。まさか、コレは「演技」ではなく「地」なのか?w)
愛される資格
TEAM 6g
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2018/05/23 (水) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
2時間10分というちょっと長めの芝居,最初から引き込まれ,最後まで時間を気にすることなく集中して観ていました。物語はしっかりとした仕上がりで,役者さんの演技,舞台設定もよく出来ていますね。最近,お疲れ・寝不足で,観劇中寝たらどうしようと心配していた妻も,最後まで眠気を覚えることなく楽しめたということ。良い観劇時間でした。
図書館的人生Vol.4 襲ってくるもの
イキウメ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2018/05/15 (火) ~ 2018/06/03 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2018/05/22 (火) 19:00
座席K列20番
2036年、2006年、2001年に一個ずつさかのぼって話を
展開する連作短編集。イキウメっぽさが希薄なのは、
それまでのどことなく漂ってた不気味さが消えているのと
3話におけるメッセージ性がかなり高かった点だと思います。
ネタバレBOX
#1 箱詰め男
脳科学者だった山田不二夫はアルツハイマー発症を機に、肉体を捨て、
自身のすべての記憶を寄木細工状の箱に入ったPCに移し替え、精神
だけの存在になることに成功。
5年ぶりにアメリカから帰国した宗夫と対面するも、宗夫はPC特有の
不二夫の機械的な受け答えに物足りなさを抱き、五感の中で意識と関りが
深い”嗅覚”を外部センサー取り付けによって再生させることで、人間味を
持たせようと画策。試みは成功するも、不二夫の態度には異変が…。
2話目に出てくる兄弟の30年後が描かれています。また、3話目と円環を描く
構成になっており、一番「らしかった」と思います。感覚を取り戻すことで、
過去の記憶にさいなまれる不二夫(の意識)の苦悩ぶりは見てて怖い。
#2 ミッション
高齢者相手の死亡交通事故を起こし、2年の禁固刑を受けた山田輝夫。
仮釈放を受け、元の職場にも暖かく迎えられるも、「事故当時、衝動に
襲われ、ブレーキを踏まなかった。理由は分からない」と仲のいい同僚に告白。
輝夫の主張は過激さを増し、自身が事故を起こし、相手を死なせたことで、
その高齢者が未来において起こしたかもしれない災厄を防いだと訴え出す。
自分を襲う衝動は、世界がさらなる不幸を未然に防ぐために下した使命なのだと…。
3話目に出てくる職人志望の女の子の元恋人が同僚役で出てきます。ストーカー
行為を起こして、接触禁止命令を受けたっぽい。
この話は…前後2話とあまりテーマ的なつながりを見出せなかった(言い方変えると
異色な)作品かな。輝夫が語る「使命」が結局何なのか、時間が短いせいもあって
何とかオチ付けただけの不完全燃焼で終わった気がする。
# あやつり人形
就活を始めたばかりの由香里は母・みゆきのがん再発をきっかけに、大学中退を
決意。1年交際していた恋人にも突発的に別れを告げ、就活のペースを落とし
始める。しかし、その決定に対し、みゆきも、仕事の出来そうなサラリーマンの
兄・清武も「由香里が後で辛い思いをする」と、その決断に反対するのだった…。
先日の恋人に加え、みゆきが見た夢という形を取って、1話目の内容がリプライズ
します。
話によると、夢に出てきた科学者は家族の懇願により、永遠の生を生きることと
なった。しかし、科学者は自身の命を長らえるスイッチを切るよう、やがて
訴え出した…というのです。
その話から、人が他人に向ける「優しさ」「善意」とは、相手を追い詰めている
「他ならぬ自分だけに対する優しさ」ではないかという指摘が導かれる。
由香里の「私は後悔したいの!」という叫びを、家族2人も受け入れ幕切れ、と
いう話でした。
メッセージ性が相当強くて普通の劇団だったら良作だな、と思う反面、これ、
もっとふくらませて長編にした方がいいかもな、とも感じました。分かり易い分、
イキウメじゃなくても良かった気がしました。
以上の3作、どれも長編に改作できそうな感じだったので、『獣の柱』みたいに
設定と骨格部分だけ残して、大胆に変えちゃうこと希望です。
キリグス
AnK
北千住BUoY(東京都)
2018/05/25 (金) ~ 2018/05/28 (月)公演終了
満足度★★★★
3つの短編で構成された舞台、上演順に①「インクルージョン」「ウーノ」「マイアポカリプス」の3作、2時間強。BUoyはちょっと変わった空間だが、この奇妙な空間に非日常性を上手に生かした舞台づくりと観た。(追記2018.5.28 4つ☆)
ネタバレBOX
若者らしい素直な感性に好感を持てる舞台であった。①の作品では、妙なことにヨルダンの世界遺産であるペトラ遺跡のことを思い出してしまった。2004年に行ったのだが、その壮大に、流石に世界遺産と驚嘆した遺跡である。興味のある方は以下でどうぞ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%88%E3%83%A9
https://travel-noted.jp/posts/7447
2本目の「ウーノ」は古典落語をベースにした作品だが、天狗を出し抜き、更に歯死神まで出し抜いて上手くやってゆく人間という生き物のしたたかさを表して苦笑いさせてくれる。捻りの効いた作品。
3本目が「マイアポカリプス」だ。アポカリプスとは黙示録のことだが、今作では顔の国に住む住人が山を越え水も食べ物も豊かなユートピアへ出向き、其処から故郷を観て故郷の資源を収奪しつつ生きることに汲々をしている故郷の生活を振り返るという構造を持っている。中々に示唆的な作品である。役者の演技以外に映像とのコラボなども取り入れファンタスティックな舞台に仕上げている。
あしおと
アンティークス
シアター711(東京都)
2018/05/23 (水) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
最後のシーンでは感動させられた。とても良かったが、それまでの劇展開があまり私には訴えてくるものが無かったので、ラストに至る展開でもっと見せ場を作って頂けてればと少し残念。タイトル「あしおと」がそういう意味だったのか分かったシーンも感動的。ラストシーンは上手く纏めたと言えば纏められた展開だったけど、悲劇的に終わっても良かったのでは?と感じられた。役者さんの一生懸命さが伝わった舞台でした。
殉情わりだす演算子
電動夏子安置システム
赤坂RED/THEATER(東京都)
2018/05/23 (水) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/05/24 (木) 15:00
座席C列5番
価格3,600円
ワケありの面々が予期せぬトラブルにより山中の館に立ち寄り……というサスペンスコメディっぽい状況から始まり中心となる部分は「カードによる縛り」と電夏お馴染みのパターンで大いに笑わせてくれるが、そうして描かれるのは人間の欲とか業とかでラストには一抹のホラー臭も。うん、ベテランの味あるいは老舗の味だね。
iaku演劇作品集
iaku
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/05/16 (水) ~ 2018/05/28 (月)公演終了
満足度★★★★★
梨の礫の梨を鑑賞。マッカランがいい存在感でサントリーはスポンサーにつくべきだ。
iaku演劇作品集
iaku
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/05/16 (水) ~ 2018/05/28 (月)公演終了
満足度★★★★
人の気も知らないでを鑑賞。男の作家が女子の会話を上手く描いている。ただし、ずっこい。
elの軌跡 第二章-序章
劇団net.
ザムザ阿佐谷(東京都)
2018/05/23 (水) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
殺陣がとてもよかったです。
ネタバレBOX
カムイが、声がよく通っていて、雰囲気もよく、セリフに説得力が強く感じられました。何かが起こり、どう展開していくのか、ワクワクする、ひきしまった内容でした。ピストルをもっているのになかなか使用しないことと、数回切られているのになかなか息の根が止まらないことは少し違和感がありました。いい内容の劇を観ての余韻に浸りたかったので、第2部はつらく、第1部と第2部の間に間合いの時間をとって欲しかったです。
害虫
劇団普通
ギャラリーLE DECO(東京都)
2018/05/22 (火) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/05/25 (金) 19:30
価格2,500円
すんごく面白かった。観て良かった。幸せです。
この物語の登場人物の誰の気持ちも共感はしないし。ってか自分には兄弟なんていないし、そういうのよくわからないんだけど。
羨ましいと思った、兄弟いいなぁって話の本質とは違うけど。
ネタバレBOX
そもそも、この話を面白いと思ったのは、僕がサッカーが好きで、あぁわかるわって思うことが多かったからなのか、それとも…
話戻して、どう面白かったというと、正直よくわからない。謎は謎のままだし、壊れたものは壊れたままだし。
もっというと、いわゆる入り口と出口で変わってることがよくわからない。わからないんだけど、それでもみんな生きていて、結構りっぱに。だから登場人物を見ながら、「生活」ってものの温かみとか、そのものの幸せさとか、あと尊さとか。
だから私にとって、この劇のテーマは「そこにある生活」だったんだと思う。面白いから好き。好きだから面白い。
追想のエレジー
踊る演劇集団 ムツキカっ!!
シアター風姿花伝(東京都)
2018/05/24 (木) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
開演前に読んだ当日パンフでの作・演出家さんの言葉、これが私にはすこぶる効果的でした。
前後にも文章があるのを前提に一部抜粋すると
・ドラマ部分をダンスに託しました。
・伏線を回収しませんでした。
・色々な説明をしませんでした。
・登場人物の変化にあまり関係のないキャラクターがいます。
一言でいうと「分かりづらい作品ですよ」的な事が書かれているのです。
そうなると、こちらも「よし、わかった!分かりづらいわけね、オッケー」とそれなりに観る体制が整ってくるものです。
ただひとつ気になるのは、観客の中にはそう演劇慣れしている風でもない、ご年配の方々も多数おられて、そんな難解な作品に対して不満が出てこないかという事でした。
そして公演がスタート。
んっ?全然分かりにくくなどありません。
むしろコメディー色が前面に出たアットホーム感が漂っています。
東京から帰ってきた娘はどこか気難しい所があるものの、島の家族や仲間達が創りだす空間は和やかで笑いも起こります。
ただ観進んでいくうちに段々違和感が生じてきました。
どうやら謎は随所に挟まれるダンスシーンにあった様です。
観終わった後には工夫が張り巡らされた演出にちょっと感動してしまいました。
あのダンスにはそういう意味があったのか~等ポロポロ気付きが浮き上がってきて面白いのです。
その気付きの数々が全て演出家さんの意図するものと一致しているのかは確かめませんでしたが、うんそれでOK。
イマジネーションを強く刺激する画期的な作品だったと思います。
前の当日パンフの言葉が自分にとって効果的だったのは、法律的な解釈や登場人物のバックグラウンドといった細かい事に対して逐一追求しようとは思わず、ただひたすら本流の物語に没頭できた点にあります。
気になっていた年配のお客さん達も満足気な笑い声をたてながら「あそこはこういう事だったのねー」と終演後の談義に花を咲かせていたのが印象的でした。
スペリング・ビー
ミュージカル座
六行会ホール(東京都)
2018/05/23 (水) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
久しぶりに「ミュージカルは楽しい!」という気分になった
キャストも歌唱力も十分で趣向も楽しく、帰りに鼻歌が出そうになった
演奏陣の出来もよく、素晴らしい舞台だった
纏者の皿
フロアトポロジー×ヒノカサの虜
ギャラリーLE DECO(東京都)
2018/05/22 (火) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★
Bプログラムを観た。Aプログラムと同じく、r細胞を持つ纏者の存在を設定しての物語だが、ABで互いに補完し合う関係ではなくて、全く別の世界を描いているということを気付くのに、やや時間がかかった。Aプログラムでは闇の世界の存在だったr細胞だが、Bプログラムでは公の存在で、その生命力から医療にも利用されているという設定。それなりに面白い物語ではあるのだが、話に入り込むのに時間がかかったし、同じ名前の登場人物が全く別の存在というのは、やや不親切にも思う。演技力を試されるという意味ではAプログラムの方に軍配が上がる気がする。
母の法廷
劇団CANプロ
スタジオCAN(東京都)
2018/05/24 (木) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★
法廷物なので、Who、How、Whyなのだけれど、今回は犯人も手口も争われないので、Whyダニット。
ネタバレBOX
冒頭の弁護士、検事の身元や、中盤の裁判員の身元の発言も、物語には全く関連しません、悪しからず。
正直、意外な動機でもないし、社会的な背景を考えさせるような内容ではない。
どのような理由にしても、妊娠させた原因の半分以上は、犯人にあるのだし(彼が年長者であり、彼女の夢を知っていたという事実を考えれば到底許容できない)、ましてや、彼女の女優という夢を考えれば、顔を傷つけることには躊躇したはずだ。
つまり、どのような理由でも(彼女がセレブな家庭だということも含めて)、犯人の行為に同情の余地はない。
堕胎した彼女を、逆恨みして殺そうって、何?
彼女の人生は、すでに殺されているのだし。
母親の愛情云々ではないでしょう。
弁護士も、本来は呆れかえらないと。「がんばろう」ではないはずで、彼の更生とどう向き合うかなのだけれどなあ。
私は、この作品を作った方にWhy出したいなあ。
思いっきりドンデン返しでもあれば別なんだけれど。
池袋モンパルナス
劇団銅鑼
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2018/05/24 (木) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
様々な土地から夢をもって池袋に集まる若者の、自分が求める芸術を追求しようとする姿はとても眩しかったです。国策として決められた絵しか描くことが許されないとき、言われた通りの絵を描くのか、絵を辞めるのか、何のために芸術をやるのかという葛藤に胸が締め付けられ、人間性を表すはずの芸術ができない時代を考え、今どれだけ自分が自由なのか解らされました。
ヒュプノス
Oi-SCALE
明石スタジオ(東京都)
2018/05/23 (水) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★
一見、現実世界のように観えているが、ラストは唐突に非現実の世界へ転換するようだ。日常と幻想、現実と夢の境界線を彷徨するような感覚にさせられる。全編は薄暗いモノトーンで包まれ、閉鎖的な状況下を思わせる。しかし、虚実綯い交ぜの世界観のわりには客観的である。
(上演時間1時間15分) 【Aバージョン】
ネタバレBOX
舞台は素舞台。天井に電球の列があり、シーンに応じて光量を変化させる。先にも記したが全編薄暗くモノトーン、登場人物の衣装もダーク色のマントのようなものを着ているため、照明効果が物語の雰囲気を作り出す。
梗概…物語はプロローグのシーンであることを表すため「ヒュプノス」(文字)のcaptionを映し出す。暗転後、物語は多くの人物が寝転んでいる間を、1人の女性が「ヒュプノス」について説明(朗読)しながら歩き回るところから始まる。
そして物語の背景であるターリアについては、現実の世界の出来事のように進行する。
寒気が進み氷河期へ…その環境変化の中で人々は赤道に近い国へ脱出したが、移住出来なかった者達は寒さから逃げるため地下へ居住を求めた。数年後「ターリア」と呼ばれる奇病が流行り出し「ターリア」に感染した者は睡眠時間が長くなりやがて一日のほとんどの時間を深い睡眠状態で過ごす。そして1日一時間程度しか目を覚ますことが出来なくなり、いずれ眠ったまま息を引き取る。嗜眠症状が現れた若者は隔離され…。
「眠り」という奇病が持つイメージは、夢を連想させボンヤリとした実態が掴めないもの。具体的なイメージを持たせない暈けたような半睡、夢物語は観客に考えさせる、または想像させるという作業を求めているようだ。
多彩色の照明が駆使される芝居が多い中で、白・黒の濃淡という強調で織り成す公演は特異な印象である。一方、物語はターリアに感染した若者の虚無・諦念や、やり切れない思いを抱えつつ「生」と「死」を醒めた目で見つめるような。面白い試みの芝居だと思う。しかし特にラスト、妄想が分かる表現が在り来たりに感じられたのが残念だった。
次回公演を楽しみにしております。
ルドルフハケン室内楽コンサートinTokyo
西谷国登リサイタル
大泉学園ゆめりあホール(東京都)
2018/05/22 (火) ~ 2018/05/22 (火)公演終了
素晴らしいコンサートでした。
ハケンさんも西谷さんももちろん素晴らしかったですが、全く予想していなかったのがアラカワさん!
特に「ラプソディ~」の素晴らしかったこと。
休憩時間に、あの演奏が良かったという声をちょくちょく耳にしました。
アンコールが無かったのはちょっと残念ではありましたが。
『ギア-GEAR-』East Version
『ギア』イーストバージョン公演事務局
千葉ポートシアター(千葉県)
2017/12/22 (金) ~ 2019/09/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
先日は亀井さんのドールだったので、今回は村田さんドールを観ました。ドールはもちろん、他のキャストもマジシャン以外別のメンバーでそれぞれ得意なことや雰囲気も違い、新鮮で面白かったです。こうなったらあと二人のドールも、いや、全組み合わせ別で観たいかも。
ゼロバヤシモトコたち
ジョン・スミスと探る演劇
新宿眼科画廊(東京都)
2018/05/24 (木) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★
ポール・ヴァレリーの文章に固定観念について書いたものがあるのだが、無論、彼は知性の人であったから論じられている内容も至ってノーマル、而も普遍的である。
ネタバレBOX
ところで、今作実験的といえばそのように見ることもできるだろう。だが、その場合でも劇団名が、植民を進めたイギリスの尖兵として主として17世紀に活躍した人物のことを指しているのか、あるいは単にありふれた人名として用いられているのか、さっぱり分からない。
何れにせよ、極めてパセティック否、パトスそのものを表現しようと努めているように思える。それは、“そのようである”ことによってエトス的次元を無視し、世の中がどうなろうが、自分の感知する所ではない、と宣言しているようにも見える。そしてその先のことを提示してはいない。
主演の熱演は評価するが、もう少しパースペクティブを理知的次元で構成してほしい。
Silent Majority
劇団龍門
サンモールスタジオ(東京都)
2018/05/23 (水) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
今作に主人公は居ない。このことが一般的にドラマツルギーを旨とする演劇的カタルシス構成の難易度を上げている。
ネタバレBOX
どういうことかというと、描かれているのはあくまでサイレントマジョリティーだ、ということだ。これは、葛藤を通じて何らかのメッセージを伝える演劇としては、かなりの冒険である。こういった事情が齎す結果見えてくるのが、男女の存在様式の差異であろう。生物としては、女性がプロトタイプである。従って存在様式は、その生物学的基礎によって女性の方が、男性よりより深いと言わねばならぬ。つまり男は女性と比較した場合、非在に近いのである。このことが理由で男は縛られることを嫌い、自由やロマンを求めるのだ。そしてそれらは、未来へ向けての自己投棄によってのみ可能である。即ち男の存在とは、常に今非ざるもの・ことへの可能性追求である。
だが、演劇は板の上で実際の人間が演じるのが普通であるから、物語として、主人公を置かぬ作りでは、滲み出る存在感が、観客に訴えてくるものの割合が高まる。こうなると、女優の方に分があるのではないだろうか?
今作にはLGBTの人々も出てくるが、バーのママは、役の上ではン千万も掛けて自らの肉体を改造した人であるし、そのことの凄みは、パフォーマンスを披露する際の指使いなどに端的に見て取れる。
一方、もぐらに嵌められて懲役を喰らった悪徳デカを支える外国人女性役の演技は、女性の存在感とその本質を表して見事であった。何より主人公の居ない今作にあって、存在の在り様と存在によって未来を孕む女性の深く狭い愛を表した演技が自然で得心のゆくものであった点がグー。
主人公が居ない今作であるから、或る意味、宿命がその中心課題になるのは必然である。何度も出てくる自殺への道程、また恋に絡んだ刃傷沙汰、憧憬から一夜限りのアバンチュールまで、そしてLGBTとの・・・等々、この世に存在する愛のカタチが、それとなく織り込まれ擽りを入れてくれる。自殺へ至る場面は、陸橋下を走る列車が観客側に向かって灯される2つのライトによって単純明快に示される。無論、音響効果で臨場感が醸し出される。舞台中ほどから奥へ張り巡らされた鯨幕にも出吐けが設えられ、他にも上手、下手に1か所ずつ設けられた出吐けと共に合理的に使われている舞台美術もグー。
更に完成度を高めるというか、実験的に創り上げてゆくのであれば、演出がシュールになって構わない気はする。即ち宿命を主人公と見做し、宿命に翻弄される人間を描く喜劇として舞台化するやり方だ。毀誉褒貶相半ばするリスクは容易に想像がつくが、成功すれば話題性・注目度はかなり増すように思う。