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六月の斬る

六月の斬る

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/11/30 (金) 19:00

座席I列4番

島田魁こと西村さんの新撰組衣裳を、また観られたのは感謝。やはりこれを見なきゃね。

舞台の入りは何なのか、というと、これは最後に繋がる(士気)高揚劇の一幕。

日清戦争に突入する時代、「侍」としての矜持を保ち続ける永倉新八、斎藤一、島田魁
彼らにとっての明治を描きながら、明治になって失われたものは何かを綴る舞台となっている。そして、新撰組3人に、川上音二郎や伊藤博文、樋口一葉、千葉さな子らが絡む。

前半の展開は、グワィニャオンらしく活劇と笑いに包まれたテンポの良い。
新撰組3人個々の登場シーンは、それぞれの個性をよく引き立ててていて、
(永倉の剣術、斎藤の純情、島田のユーモア)とにかく、カッコ良い男達だなあと、惚れ惚れさせる。

以下ネタバレへ




ネタバレBOX

しかし、後半に失速した感が否めないのも事実。
伊藤博文が川上音二郎一座を訪れ、戦争に向けて兵士たちの士気を高揚させるための舞台を演じて欲しいと頼みに来るシーン辺から、急に説明の多い語り芝居になる。
衆人に囲まれた中で、登場人物が自分の過去語りや自分の主張を順番に喋り続ける。おいおい、私は明治座に人情芝居を見に来たのかい、と言う感じ。
そして、伏線としては前半からあったけれど、若者を死に追いやる戦争への激しい抗議、反戦思想を大上段から取り上げる戦場場面。
え、グワィニャオンって、こんな劇団だっけ(思い込みが強くてごめんなさい)????と、どうも冷める自分がいる。説明やお題目を用いず、自らの主張を活劇と舞台装置で颯爽と表現するのがグワィニャオン、西村太佑の芝居ではなかったか?

特にヘタレなのが、先の伊藤博文の川上音二郎一座への訪問場面で、反戦を声高に唱えていた川上や、過去幕府に仕えて討幕軍に大きなトラウマを抱えさせられた劇場主が頑なに伊藤の申し出を拒むが、劇団員の徴兵が判ると少しでも留まらせるために、それら劇団員の出演を条件に舞台を引き受ける。
結局は、戦線で彼らは役者としての自分を主張しながら死んでいくのだけれども、こちらも、どうもそれがベタな反戦表現で、うーんとなってしまう。

そもそも、川上音二郎の反戦意識というのもどうかと思う。
徴兵された役者たちに、出征前、好きな芝居を思う存分させてやりたいという気持ちから高揚芝居を受けた、と言う解釈はできるが、彼らに強い愛着があれば与謝野晶子のように「君死にたもうことなかれ」とまでの強い生への執着を持たせることが妥当ではないか。結局、彼らの死はまさに犬死になるのだから。

ラストの高揚劇の場面、実際の舞台と、舞台に登場する新撰組3人の明治政府への葛藤がないまぜになった見どころだと思うのだけれども(舞台に陸軍の上官が登場して、彼らに切られるといった演出はありえないので)、それがどうも分かりにくい。

この原因の1つとして、この舞台では核になる対立構造が多すぎて、それぞれに配慮して展開すると、複雑な構造がむしろ話を平板にしてしまうといった逆説を招いているのだと思う。

日本VS清国、新撰組VS薩長、川上音二郎VS戦争、江戸時代の古老VS明治生まれの若者、国民VS政府、庶民VS官憲、侍VS近代兵士等々。

むしろ、清を観念的な存在、日清戦争も抽象的に対外戦争としてしまい、新撰組VS明治政府(旧薩長)と明治になって失われた侍魂を主軸にしてしまえばよかったのではないかなあと思う。
対外戦争が、政府の富国強兵策として、庶民の感情や生活をないがしろにするものである、という背景はあってもよいけれど、それでも、新撰組3人は自らの信ずる道に殉ずるといった生き様を描いて欲しかった。

なお「六月の斬る」、変なタイトルだなあ「が」でも「を」でもなく。
と思ったら「斬る」=killで、池田屋事件のことだったのですね。
そこに自らの命を懸けた3人の志士の生きざま。ということか。
ならば一層に、3人の葛藤を深く掘り下げる物語であって欲しかったと思う次第です。






オイディプス=罪名

オイディプス=罪名

クリム=カルム

新宿眼科画廊(東京都)

2018/11/30 (金) ~ 2018/12/05 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/12/01 (土) 11:30


入口で渡されるチケットは、「嘆願の小枝」。
観客はテーバイの民として、、、、会場に迎え入れられる。

会場は中央に幾つかのオブジェによって遮られ、観客席はそのオブジェに沿って正反対に設けられている。一応、正面となるのは入口から左手なのだけれども(そちら側にオディプスと神官らが常在、右手にコロスが常在)、2人の女優は双方を行き来する。

席は双方で16席くらい。スタッフによる女優配置の説明があって、すでに満席状態の入口左手に対して、右手は私ともう1人。それならばと、1つ空いている左手の席に移動しようかと一瞬思ったのだが、スタッフの「後ろを振り返る必要はありません。その視線こそが、見えないものを見せるのです」的な言葉が移動を押しとどめる。

そうか、ならば見てやろうではないか、の意気で。

舞台(?)はちょうど1時間。かの「オディプス」を読誦(脚本を持たぬ方もいたが、意図的に持たされている方もいる)とポージングで見せる朗読劇。

後ろを見なかったので、オディプス他の2人のお顔は全く覚えていない。

果たして見えないものが見えたのかと言うと、私なりに見えたような気もする。
「オディプス」の世界が、心地よい緊張感と共に、役者さんを捉える視界と、小声で各人のセリフをなぞるコロス、真っ白な壁によって、体に沁み込むようだ。

アンティゴーヌを連れて行きたいと言う盲目のオディプス、それをさせない義弟で後の国王クレノス。その後のまた悲劇は、皆さん知るところ。

ネタバレBOX

ああ、でも見れなかった2人の役者さんの足首の模様はどんなだったかは、今となっては気なるなあ。今思えば、終演後に見せてもらえばよかった、でも、単なるスケベなオヤジと思われたかもしれないから、それもできないか。

女性の方は、遠慮なく見せてもらってください。
左手に座ると、今度はコロスの足首を見られませんから。
ご町内デュエル

ご町内デュエル

演劇集団イヌッコロ

劇場MOMO(東京都)

2018/11/27 (火) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/29 (木) 19:30

殺陣と擬闘、そして演劇あるあるも楽しめる、見所満載のドタバタコメディーでした。面白いキャラクターが次々に登場して飽きませんでした。

キャンプ荼毘

キャンプ荼毘

ひとりぼっちのみんな

STスポット(神奈川県)

2018/11/21 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

IBUKI

IBUKI

Y’s ExP.

上野ストアハウス(東京都)

2018/11/30 (金) ~ 2018/12/04 (火)公演終了

満足度★★★★★

ファッション業界という、馴染みのない世界の話だったので、専門用語まじえつつのリアリティあるやりとりに、知らない世界を垣間見る楽しみがあった。
そして、きっとすべての人に覚えがある、共感できる内容。ラストは、胸が一杯になりました。
うまく感想がまとまらないけれど、数年ぶりに熱く人にすすめました。素晴らしい舞台でした。元気もらった。

離々として連々

離々として連々

迷子の遊園地

サブテレニアン(東京都)

2018/12/01 (土) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

妖しく不思議な雰囲気の作品でした。正直、私には難しく、夢の中にいるようでしたが、それもそれで良いのかな?とも思いました。静岡から東京初進出したという劇団でしたが、役者さん達の実力を感じました。

笑顔の砦

笑顔の砦

庭劇団ペニノ

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2018/11/29 (木) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

こちらの劇団の作品は2回目。
前回は、ダークマスターでした。

今回の作品は、本当にほかの方も話していますが、
①舞台芸術のすばらしさ。本当に汚れ具合やあの範囲を上手く使った配置。
 お見事の一言です。
②演技が素晴らしく、自然。やり取りがあまりにも日常のソレすぎて、引き込まれます。演技ではなく、その中にいると錯覚。始め20分ほどの流れは特に素晴らしかった。今回の作品、これ魅せるために作ったのではないの?と(笑)

ストーリーやリンク性は、観客に委ねる所もあり、「うーん」と前回の作品同様、もやっとしました。

しかしながら、これはイイモノを本当にみせてもらい大満足でした。

毒づくも徒然

毒づくも徒然

MCR

OFF OFFシアター(東京都)

2018/11/20 (火) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/12/02 (日)

『親展』(80分)を2日19時開演回で拝見。
パンクバンドの4人のメンバーの4者4様の恋愛模様を描いたドタバタコメディは、上演中の会場内の盛り上がりや、観劇された他の皆さんの感想ツイートでも察せられる通り、大盛り上がり…だったのだが、どうやら、笑いを受け取るセンスが他の方たちとは異なるようで、時折、クスッとさせられる程度で終わった。

個人的には、それまでのイメージを一新させる、吹っ切れた?!石黒麻衣さんを目撃したのが最大の収穫だったかなぁ。

離々として連々

離々として連々

迷子の遊園地

サブテレニアン(東京都)

2018/12/01 (土) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★

人間への突き詰めた思いは爛爛と伝わってきた、はみ出すほどに、意味が見失われるほどに。 ひとりに向き合おうと見守るだけの小さい視線がひとりぼっちにならぬよう、語らず語らせる空っぽの人形が動き出す、それを観たい。

離々として連々

離々として連々

迷子の遊園地

サブテレニアン(東京都)

2018/12/01 (土) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

 惜しい! 普段は浜松で活動している劇団だという。1997年旗揚げ。

ネタバレBOX


 ところで、何故自分が惜しい、という評価を何故したのかというと、シチュエイションの設定の仕方を変えれば、今作はそれだけで格段に良くなること請け合いだからだ。今作で描かれた内包をそのまま、例えば戦争(アメリカによるイラクやアフガニスタンへの或いは日々行われているイスラエル入植者及び軍によるパレスチナ人に対するジェノサイド)下に在る子供達の状況として描くならば、意味は遥かに深化し、普遍性と今作が社会に問うことの鋭さを提起できたであろうからである。だが、未だ作家にそこまで尖鋭化する内的必然性が無いようだ。
演技を拝見している限り、姉(サチ)を演じた女優さんの鍛錬は並大抵ではあるまい。(東京で活躍する女優でもこれだけ鍛錬している女優はそう居ないと思う)成長後のサチを演じた女優さんもしっかり鍛錬していることを感じさせるシーンがあった。恐らく劇団のメソッドとして身体訓練には相当重きをおいているのだろう。それだけに、脚本家には、もう少し生の社会に踏み出し格闘して欲しいのである。そうしつつ、哲学や社会学、経済学、民俗学、そして世界情勢をアナーキーな視座で分析して欲しい。常に実践と理論を並行して進め・学び・獲得して行って欲しいのである。意欲はあるようなので期待値を籠めた評価をした。
かのような私

かのような私

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2018/09/07 (金) ~ 2018/09/21 (金)公演終了

 1948年の天皇誕生日に生まれた日本人男性の人生を、20年ごとに描きます。時代の変化を説明するために役人物に語らせているようで、発せられるセリフに人間の言葉としての必然性が感じられませんでした。セリフも、敢えてなのか、紋切型の印象が強く、残念ながら入り込めませんでした。
 プロセニアムの何もない舞台の上下(かみしも)には、色んな時代の日本の家財道具が並べられています。時を経るごとに舞台上の家具が入れ替えられ、斎藤家の変化が、時代の変化そのものとして描かれます。舞台奥の大きなスクリーンには各時代の主な出来事や事件の動画が映写され、とてもわかりやすいです。
 主人公・平(亀田佳明)の学生時代の友人で、軽薄な性格の男性役の萩原亮介さんの演技がよかったです。

海辺の鉄道の話

海辺の鉄道の話

水戸芸術館ACM劇場

水戸芸術館ACM劇場(茨城県)

2018/09/20 (木) ~ 2018/09/24 (月)公演終了

初・茨城観劇!
廃線の危機に瀕した短い鉄道を支える人々の約10年。チラシと合致した内容で、公立劇場の使命を果たそうとする現場の気概を感じるご当地演劇。作・演出の詩森ろばさんは東日本大震災と原発事故にも触れる。湊線に乗ってから観て良かった!

群盗

群盗

CEDAR

シアター風姿花伝(東京都)

2018/05/31 (木) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

体調不良のため途中休憩で退出しました…申し訳ないです…。冷房の季節、気を付けないとですね。半分しか観ていませんが、大久保祥太郎さんの演技が抜群に良かったです。Dステ19th『お気に召すまま』でも素晴らしかったんですよね。阿佐ヶ谷スパイダースの劇団員にもなられたそうで、『MAKOTO』が楽しみになりました。

第七劇場 × Shakespeare’s Wild Sisters Group 日台国際共同プロジェクト Notes Exchange vol.3 『珈琲時光』

第七劇場 × Shakespeare’s Wild Sisters Group 日台国際共同プロジェクト Notes Exchange vol.3 『珈琲時光』

東京芸術祭

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2018/10/24 (水) ~ 2018/10/25 (木)公演終了

日本語、中国語上演で日・中・英の字幕あり。過去と未来が1つの建物内に混在する群像劇? 多国語会話は今も自然なこと。私自身が認識を改めねばと思った。転換時の音は少し苦手。

残の島

残の島

劇団朋友

俳優座劇場(東京都)

2018/10/25 (木) ~ 2018/10/28 (日)公演終了

女性アナーキスト(無政府主義者)・伊藤野枝の娘ルイズが、記者の取材を受け、亡き両親とのつながりを言葉にしていきます。1980年代と1910~20年代を行き来する構成でした。
詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2018/10/26/11059/

もののはじめ物語

もののはじめ物語

任意団体 海音

横浜市開港記念会館(神奈川県)

2018/10/12 (金) ~ 2018/10/12 (金)公演終了

50分のお芝居の後にコンサートがある構成のイベントです。横浜発祥のものがテーマの『もののはじめ物語』ということで、明治時代にパンと石鹸を作った日本人男性2人にフォーカスしたお話でした。
詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2018/10/13/10935/

ダーク・サーカス

ダーク・サーカス

東京芸術祭

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2018/10/27 (土) ~ 2018/10/29 (月)公演終了

楽しかった~!たった2人で影絵、サンドアート、アニメ等を切り替え、生演奏も楽器も大活躍。確かな技術と愛ある挑戦的な発想に感服。ブラックユーモアが小気味よい。クラウン(=ピエロ)に象徴される、無数の実演家たちへの敬意と鎮魂をしたためた芸術的な55分。7歳以上の親子、友達、恋人同士とどうぞ。日本各地でのツアー希望!
詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2018/10/27/11106/

音楽劇『Love's Labour's Lost』

音楽劇『Love's Labour's Lost』

砂岡事務所

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2018/11/17 (土) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

FUKAIPRODUCE羽衣の糸井幸之介さんがシェイクスピアの喜劇『恋の骨折り損』の音楽・演出を担当されるので観に行きました。シェイクスピアでも羽衣っぽい無邪気なおとぎ話のような空気にできるんだな~。
いつも感じていたことですが、やっぱり糸井さんの楽曲は、歌の上手い人にもっと歌っていただきたいですね。今回はナヴァール国王役の内藤大希さんがミュージカル俳優ということで、安心して聴けました。
超ハッピーかつド直球の恋愛コメディーなので、俳優はもっと観客とコミュニケーションをとっていいのではないかなと思いました。

ナシーム・スレイマンプール × ブッシュシアター『NASSIM』(ナシーム)

ナシーム・スレイマンプール × ブッシュシアター『NASSIM』(ナシーム)

フェスティバル/トーキョー実行委員会

あうるすぽっと(東京都)

2018/11/09 (金) ~ 2018/11/11 (日)公演終了

ほろほろと涙しながら、温かい気持ちになれました。何も知らず、いきなり赤の他人と出会い、お互いを愛おしく感じられる、麗しい演劇体験だと思います。ドミニク・チェンさんの勇気に拍手!

ネタバレBOX

2016年の『白いウサギ、赤いウサギ』と比較すると、“母”に焦点を定めて“感動を呼ぶ娯楽作として上手にパッケージされた感”が増してしまっており、少々落胆しました。
The Silver Tassie 銀杯

The Silver Tassie 銀杯

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2018/11/09 (金) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

森新太郎さんがアイルランドの反戦四幕劇「銀杯」を戯画的に演出。約2時間45分、20分休込み。人形劇が迫力。歌が上手いキャストが多く安心。上質アンサンブル大勢で眼福だが絶対に必要かというと…。スージーは現代のテロリストの表象かと邪推。土屋佑壱さんが笑わせてくれた。

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