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明け方の月に天使は踊る

明け方の月に天使は踊る

劇団十夢

船橋市勤労市民センター(千葉県)

2025/08/17 (日) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

役者一同、一生懸命な演技、手づくり感満載の演出・演技で微笑ましく感じました。
先生の汗びっしょりになって演技、どこまでが作り上げた演技なのか、どこまでぎ素の演技なのかしら、

『醜悪』

『醜悪』

道楽息子

アルネ543(東京都)

2025/08/06 (水) ~ 2025/08/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/08/08 (金) 14:00

青年が父親を刺殺した事件を取材する記者を狂言回しに関わった者を悉く不幸にする疫病神のような人物を軸とした怒声と悲鳴あふれる物語。
鵺的の実在の事件をモデルにした作品群に通ずる味わい(人間関係や人物の感情が妙に生々しくてリアルに感じられる、とか)もありつつ、幻影に惑わされる人など「古典的怪談」的手法も駆使しさらに笑いまで盛り込んだ多彩なダークファンタジー。要素の配分によって必要以上に(?)ダークにならない匙加減が巧い。
ところでこれ、考えようによっては「リアル呪怨(スミコ=伽椰子説)」じゃね?(笑)
あと、28ページに及ぶwebパンフレットが見事♪

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

風雷紡

座・高円寺1(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/08/17 (日) 19:00

重い題材が重く演じられるのだが、息を呑んで観ていられる。129分。
 戦争末期の沖縄・糸州の壕の野戦病院の物語。学徒動員で看護に派遣された「ふじ学徒隊」の女生徒たちが体験した物語を濃密に描くが、肯定的な展開だけでなく、葛藤も反発もしっかり描くあたりがいい。しかもそれを現代の祖母(下平久美子)と孫(吉水雪乃)の回想風にしたことで、ちょっとだけホッとできる作りになっている。25人の登場人物は多いが、そのそれぞれの物語を描く脚本も見事だが、広い舞台で演じる役者陣も見事。開演の5分前から登場人物達が舞台に現われ、ちょっとずつ演じていくあたりで、自然に物語に入るのも巧い。

八月納涼歌舞伎

八月納涼歌舞伎

松竹

歌舞伎座(東京都)

2025/08/03 (日) ~ 2025/08/26 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

八月納涼歌舞伎『野田版・研辰の討たれ』を観劇。

あらすじ:
守山辰次は元は刀の研屋で、殿様の刀を研いだ縁で侍に取り立てられたものの、武芸はまったく駄目。家中の侍に打ちのめされた辰次は家老へ意趣返しをしようとします。ところが、仕返しのために仕掛けたからくりが元で家老は死んでしまい、辰次は家老を殺した敵として追われる身となります。仇討ちの旅に出た家老の息子二人に追われて、諸国を逃げ回る辰次でしたが……(チラシより)

感想:
 今作を観る機会はシネマ歌舞伎しかないと思っていたが、息子たちで再演で観れたのは嬉しい限りだ。
 20年ぶりの再演ながら、時代は初演当時とかなり変わってきている。世界では戦争が至る所で行われ、混沌としている。
舞台では、赤穂浪士たちの仇討ちで街は湧き上がり、やられたらやり返すという『義』がまかり通っていた当時と同じような事が、現実に起こっている世界情勢と重ね合わせている。
 今や野田秀樹の芝居は「夢の遊民社」の頃とはかけ離れ、悲惨な出来事を受け止め、己の舞台で描いているが、歌舞伎でもブレることはない。歌舞伎界隈の時事ネタや見立てはもちろんだが、歌舞伎特有の華やかさを借りながら、仇討ちに逃げ惑う守山辰次の「死にたくない!生きたい!」という叫び声は現代に至るまでの戦争犠牲者の叫び声だ。
華やかさと軽さが相反するように闇が迫ってくるラストには唖然とし、「町民・守山辰次の叫び声は永遠に誰にも届かないのだ」と訴える劇作家の願いは絶望に等しく、終演後には座席から立ち上がれなかったほどだ。

 再演とはいえ、見過ごしていけない。
料金が高いので、歌舞伎シネマで済まそうなんて思ってはいけない。
歴史的傑作なのだから…。
Leo of hearT  ~怪盗レグルスからの予告状~

Leo of hearT ~怪盗レグルスからの予告状~

天華楽喜

シアターブラッツ(東京都)

2025/08/06 (水) ~ 2025/08/11 (月)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2025/08/11 (月) 12:00

価格5,500円

ぐーぐんチーム千穐楽を観劇。ミステリーやコメディ要素よりも、どちらかというとバックステージにおける演劇人の気持ちを描きたかったのかなと推測

ネタバレBOX

シチュエーションコメディという感じではなく、ネタ勝負な感があった
ざしきわらしのいる部屋

ざしきわらしのいる部屋

劇団ぼるぼっくす

新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)

2025/08/15 (金) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

明け方の月に天使は踊る

明け方の月に天使は踊る

劇団十夢

船橋市勤労市民センター(千葉県)

2025/08/17 (日) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

脚本の流れは良く出来ていると思うが、時々「笑い」に持っていくために、無理な設定をブチ込んでいる所が気になる(そこでそれは無いだろう!リアリティが無くなり人物の本気度が疑われる…と思った)

設定に無理があると役者のセリフが早くなったり浮いたりして余計わかりにくくなるので改善されると良いと思う。

全体的に情熱的で楽しい舞台なので、もっともっと良くなると思う。

発表せよ!大本営!

発表せよ!大本営!

アガリスクエンターテイメント

シアターサンモール(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前回の公演よりもテンポよく、笑う場面も多めで130分楽しめた。
上層に逆らえず右往左往するのが日本人らしさがとても出ていたと思う。
最終日だからかグッズがほぼ完売だったのが残念。

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

風雷紡

座・高円寺1(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

わかりやすい悲劇や美談としてではなく、色々な葛藤や矛盾を抱えた人々の話だったのは非常に好感が持てた。だからこそ、特定の壕をタイトルにしたのであれば、そもそも住民を追い出した場所であった事もきちんと描いてほしかったなぁ、とも思う。

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

風雷紡

座・高円寺1(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

戦後80年。今日のお芝居からも真実が見つかるだろうと思って来ました。ウッカーガマとひめゆりの場所が近いことに驚きました。解散のタイミングが約1週間違ったことで生死を分けた。戦争ですね。

脚本、演出、演技とも素晴らしいものでした。舞台のうえですが沖縄戦を経験した役者の皆さんが、これからもその経験を舞台の上で継承して頂いたらいいなと。舞台は歴史の証人であり、継承する力があるのではないかとおもいます~

『SANC・SANC・SANC #2』

『SANC・SANC・SANC #2』

演劇創造ユニット[フキョウワ]

ウイングフィールド(大阪府)

2025/08/15 (金) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

再演作品 観ている間に前回の記憶が蘇る…
おじさん批判から始まり、心に悩みを抱えたシングルマザー環境に育った女子高生(東京→大阪 留年中)とタワマン住まいの何不自由無いような同高OG ウーバーイーツでタワマン住まいを夢みる社会人とスーパーのバイトかけ持ちでウーバーイーツをしているアラサー社会人
ちょっと今時代(直近の若者)感とはズレ有る所も有ったが、理不尽さというか社会で生きて行く対する葛藤がとても上手く表現出来ていたと思います
新作を期待してます😊

TRIGGER

TRIGGER

BLACK★TIGHTS

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2025/08/15 (金) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

殺陣が見せ所の作品
個人的に銃🔫と刀⚔️はなんか違う感が有り少し興ざめ感が…(刀⚔️だけではダメ🙅だった?)
内容はらしさが出ていたものの、有り得なさが多く、ファンタジー過ぎたかも
トリプルコールで主催が、主演女優さんをベタ褒め 次回作(当劇団の代表作品の再演)の主演も同女優さんが主演と…
主演女優さんの演技は置いておいて、他の出演女優さはどう感じたのか…
ファーストだから前回満員御礼となった作品かも…

発表せよ!大本営!

発表せよ!大本営!

アガリスクエンターテイメント

シアターサンモール(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

時は1942年6月、太平洋戦争の真っ只中。ミッドウェー海戦の惨敗をどう報じるかで喧々諤々に揉める海軍報道部。事実を淡々と伝えるのか?国民の士気が下がって戦争継続に悪影響をもたらすのでは?いろんな面子と思惑とが絡み合っていつまで経っても発表することができない。その板挟みに苦しみ、たらい回しにされる海軍報道部中佐、津和野諒氏が主人公。

女学生、髙橋果鈴さんが可愛かった。
海軍報道部課長、矢吹ジャンプ氏は高木三四郎みたいに見えた。
海軍報道部報道班員、淺越岳人氏は石野卓球っぽい。
MVPはミッドウェーに出征している中佐、久ヶ沢徹氏だろう。出てくるだけで爆笑をかっさらった。

ネタバレBOX

自分的には失敗作だと思う。何か笑いの取り方を間違えている気がした。クライマックスの謎の清掃員、前田友里子さんの活躍だけがこの劇団らしい。

「大本営発表」と言えば嘘で塗り固められた権力者に都合のいい詭弁の代名詞。純粋で素直な愚者だけが熱心に信じて騙された。負けた戦を勝ったことにして国民を欺く。街中空襲されて焼け野原、「どうもおかしい」と段々胡散臭い報道に疑心暗鬼になっていく。
今作の笑いのポイントは悪の代名詞である「大本営発表」を登場人物達が肯定していく流れ。クライマックスで事実を公表しようと動く新聞記者(鍛治本大樹氏)とそれをラジオで喋ろうとするアナウンサー(伊藤圭太氏)。本来正義側の二人を何としても止めようとする報道部中佐(津和野諒氏)の奮闘こそがメインに。1942年6月太平洋戦争のミッドウェー島周辺での海戦、日本は大敗を喫し以後勝ち目はなくなった。現地の中佐(久ヶ沢徹氏)は死んでいった部下の報告を信じ、それが聞き入れられないことに抗議して腹を切る。事実よりもその誠心をこそ尊ぶべきだと海軍軍令部首脳達は考える。まさに日本的美学。幼馴染の古谷蓮氏に恋する髙橋果鈴さんは優しい嘘で失恋を選ぶ。醜く残酷な現実よりも優しさに溢れた嘘の方が人間にとっては重要なんだ···、だがその結果は···。

※『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』みたいにした方が狙いが判り易かったと思う。この映画は大統領のスキャンダルから気を逸らせる為にその道のプロがあの手この手で国民的ニュースを捏造するもの。大衆操作をシニカルに描く。
シャウト!

シャウト!

!ll nut up fam

萬劇場(東京都)

2025/08/14 (木) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

千穐楽を拝見。序盤は快調。途中失速しつつも、妙に胸熱にさせられたりするもんだから☆一つ追加したくなる。

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

風雷紡

座・高円寺1(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/08/17 (日) 14:00

座席1階

先の戦争でも凄惨極まる沖縄戦を描いた。舞台は糸満市のウッカーガマ。陸軍の野戦病院となり、ここで看護師として働いた「ふじ学徒隊」の女学校生徒たちの群像劇だ。

野戦病院を率いた小池軍医が、米軍上陸舞台が迫り病院を放棄した際、「君たちには生き延びてここであったことを伝えてほしい」と自決を強いなかったことで働いた女学生の大半が生き残ったことで知られている。日本軍は国民を守らないどころか盾にもしたという沖縄戦の中で、こうした異例と言える上官の振る舞いが舞台のメーンとなっているのは当然だろう。だが、ウッカーガマは元々、付近の住民が先に避難していた場所で、軍は彼らを追い出して野戦病院にしたということなどを忘れてはなるまい。そうした点で、命を賭して軍に協力するのは当然と学徒隊への志願を迫る教師の存在など、国民への同調圧力もしっかり描かれていたのはよかった。
なぜ、長野県佐久市が後援になっているか不思議だったが、小池軍医は同市の出身なのだそうだ。彼の故郷の話も描かれていたのだが、舞台の一貫性からみると浮いている感じがした。小池軍医の振る舞いが立派なのは、佐久市とは特に関係がないと思うからだ。仮に後援を取り付けるためにこうした構成にしたならば、そこは蛇足だったかなと思う。

客席は満員で、小学生など多くの子どもたちがいた。学校で沖縄戦を習う前からこのような舞台を見て日本が約80年前に経験した戦争を考えるのは、大変意義がある。アフタートークは客席も参加して行われたようで、こうした劇団の取り組みには敬意を表したい。

明け方の月に天使は踊る

明け方の月に天使は踊る

劇団十夢

船橋市勤労市民センター(千葉県)

2025/08/17 (日) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今回は一見普遍的なようでいて先鋭的なストーリー。構成が素晴らしいです。また、役者陣の体当たりの演技が光っておりました。秋にも公演があるとのこと。またお邪魔します。

【8/17追加公演決定!!】おどるシェイクスピア 『RARE〜リア王〜』

【8/17追加公演決定!!】おどるシェイクスピア 『RARE〜リア王〜』

CHAiroiPLIN

六行会ホール(東京都)

2025/08/14 (木) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

舞台美術、照明の使い方がキレイでした☆ 小林ららちゃんは別格の存在感☆☆ リア王役の方もいい味出してて良かったです☆

ネタバレBOX

ちょっといつもよりダンスが少な目な気がした。カッコいいダンスをたくさん見たかった! 途中にはさんだ変な映像はいらないです! せっかく舞台に集中してたのに冷めちゃいます! あとこのカンパニーは子供向けにするのか、大人向けにするのか、はっきりさせたほうがいいと思う。 作品で変えてもいいし。。中途半端はダメ!
発表せよ!大本営!

発表せよ!大本営!

アガリスクエンターテイメント

シアターサンモール(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初演よりも作戦部、軍務局、放送局の段差を強調したセットだったが、人の出入りのスムーズさは初演よりテンポよく感じられたほど。甘味処のエピソードも切ない。

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

風雷紡

座・高円寺1(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日観劇。戦後80年、風雷紡が描く渾身の反戦劇。見応え十分。
戦前・戦中そして戦後生まれでは、当たり前だが 戦争への思い(リアルさ)は全然違うであろう。戦争の記録は残るかもしれないが、薄れゆく人の記憶と伝える人が少なくなる現実。しかし、戦争という最悪の不条理を語り継ぎ、今ある平和で平穏な日々を守らなくてはならない。

劇中の台詞にもあるが、「言葉は、声に出して伝えることが必要な時がある」、本作では その語り継ぎに或る工夫を凝らしている。それをどう捉えるか。公演は、脚本や演出の素晴しさ、それを役者陣の熱演が見事に支えている。
(上演時間2時間10分 休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術、中央は階段状で 上手/下手にパイプ管で作った枠だけの立方体の組み合わせ。裸電球やロウソクの灯り。シンプルだが良くできた野戦病院 壕イメージ。舞台全体が糸洲の壕イメージ、枠立方体が いくつかある壕の外観。また客席通路を使用した演技は、場内を沖縄全島に見立てている。

物語は「ふじ学徒隊」と呼ばれ、糸洲の陸軍野戦病院(壕)で看護活動に当たっていた少女たちを中心にした群像劇。それを1人の看護少女の子 百合子(昭和20年生まれ)と その孫 陸華が沖縄旅行の中で回想する形で紡がれる。ふじ学徒隊の1人 喜久子が終戦の年に生んだのが百合子。喜久子はけっして戦争のことは話さなかったが、遺された書簡等から その記憶は無かったことには出来ないし、思いは語り継ぎたいと…。史実(戦禍)に基づいた舞台化、その事実と舞台という虚構の世界を巧みに交えた公演。それは戦争の愚かさ 悲惨さを浮き彫りにする。そこに、公演のテーマであり訴えたいことが明確になっている。

野戦病院(壕)への招集にあたり、小池隊長から家族との関わり等で従軍出来ない者は帰郷してよい との話があった。早い段階で 隊長の人柄を描いている。一方、仲間や教師からは、約束や奉仕といった同調圧力。負傷していても海軍兵は治療せず、また民間人は壕へ避難することも出来ない。戦時という究極な状況下において、セクト主義的行為は自滅への道に転げ落ちていく。軍紀による人間性の圧殺を見事に描き出す。軍司令官は、戦陣訓を説き 沖縄住民を巻き込んで「最後の1人まで戦え」と言い、一方 小池隊長は「死んではならない、君たちには務めがある。必ず親元へ帰れ」と言い聞かせる。そして25名中22名が生還した。

群像劇であるが、ふじ学徒隊という集団描写だけではなく、1人ひとりの性格なり情況を丁寧に描き、その人物像をリアルに立ち上げる。この群像劇にして人間劇は、少女達だけではなく、野戦病院の人々すべてに当てはまる。野戦病院における生と死の間、そこに戦争の実態を生々しく活写するよう。衣裳や所作など当時を思わせる演技(緊張・緊迫感など)が見事。そして脚本の素晴しさは勿論だが、それを観せ聴かせる演出が秀逸。照明は青・赤・白銀といった単色だが印象的な色彩、音響は波や銃撃音といった効果音。そして少女たちの合唱や教頭先生の独唱、そして出演者全員による歌など 余韻付け。

命の繋がりや地続きの時間、先人の苦しみ痛み それを後世の人々へ どう語り継ぐのか、そんな考えさせる秀作。戦争体験者が少なくなる中で、間接的ではあるが その思いをどう伝えるのかを 模索した公演。こういう作品こそ再演し続けてほしいものである。
次回公演も楽しみにしております。
糸洲の壕 (ウッカーガマ)

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

風雷紡

座・高円寺1(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 観るべし! 華5つ☆ 初日を拝見、約2時間15分、休憩なし。

ネタバレBOX

 太平洋戦争時、沖縄は本土防衛の最前線となった。今作は、陸軍の医療部隊が最前線に設えられたガマ内の傷痍軍人に対して行った「医療行為」の実際を、その補助として携わったふじ学徒隊女学生たちの曾孫に敗戦後の1945年生まれの祖母が自らの産みの母の義務(戦争体験を後代に伝える義務は、朱里の本部が解体後その指揮系統は各部隊長が担えとの司令部指令により通達された経緯からこの医療部隊の隊長であった小池隊長が最後の命令として生き残っていた少女たちに命じたもの。即ち生きて親元に帰り自分達の体験した戦争の実態を伝えよとの指令であった)
 ファーストシーンでは、若い女学生の華やぐ声音の響く中、頭に包帯を巻いたり、脚を負傷してびっこを引いたりする負傷兵が舞台上を歩き回る。背景にはいつの間にか「海行かば」が歌われている。非常に上手い導入部である。また、これらに覆いかぶさるように裕仁の開戦時1941年12月8日に発された「宣戦の詔書」の宣言が流れる、{それは侵略している大日本帝国を正当化し侵略されたが故に立ち上がった中華民国が恰も悪であるかのような物言い、また中華民国を支援する英米とも戦禍を交えることになったこと(=太平洋戦争開始)、断じて勝つべきこと、虜囚の辱めを受けるより死すべきことなど、トンデモない奢りと下らない精神主義に凝り固まった非合理的発想そのもののプロパガンダ}であるが、物語冒頭にこのような発言を置き、最後に所謂「玉音放送」を流してサンドイッチにすることで裕仁の戦犯性と反省の全く無かったことを示して何気に挟み撃ちにしていると自分は解釈した。無論、何も対比はこればかりではなく至る処に散見している。演劇など、文化が人間に対し、平和時に為すべきことは、如何に昏い未来を防ぐか! への補助機能を果たすことでもあろうから、悪は悪とキチンと言うべきなのである。いつの時代の若者も、本来悪戯っ気に溢れキャピキャピしているのが在るべき姿であろう。未だシリアスな現実というもの・ことに出遭わずに済み、その実態が如何に苛酷でまともな精神に異常をきたさずにはおかないものか、に気付かないうちは。だが、部隊に参加した少女たちは殆ど1人の例外も無く苛酷な現実に出会い、どんなに悲惨な状況を見、出遭っても何も感じなくなってゆく。そうなって行く自分自身を怖いと思いながら。それが出来なかった余りに感受性に恵まれた少女たちは、目に見えぬほど、徐々に静かに、確実に狂ってゆく。他に道は無いかの如く・・・。
 かく言う自分も実際に最前線に行って戦争を体験した経験はない。それ故に静かに狂ってゆくことの恐怖を実体験せずに済んでいる。幸いなことである。支援している場所が場所だから、無論紛争地に入ったり難民キャンプに入ったり、軍事基地と向き合ったりということはあったが、戦争体験では無い。その為か、実際の戦争には入って行けない、と実感させるだけの舞台であったことに感心させられた。 
 最初と最後に裕仁の演説が流れるのも効果的である。何という極楽蜻蛉ぶりであることか! 大日本帝国憲法下では唯一の主権者で在りながら敗戦責任を取る行為は退位を含め一切せず、日本人だけで300万以上、アジアの人々を1千万以上も死なせておきながら、一切の責任を取らずに済ませたのみならず、敗戦時にはシベリア抑留者として残隆兵をソ連の苛酷な強制労働に従事させ、沖縄の人々をアメリカ軍制下に置いて土地収奪、米軍基地建設、婦女暴行、殺人、暴力行為等々好き放題をさせておきながら自分はしゃあしゃあと天皇制の上にふんぞり返っていた。三種の神器が大切だったと言ったことが伝えられている。こんな者を頂点に置き最前線兵士死者の殆どが病や食料不足、安全な飲み水不足や虜囚の辱めを受けずに死すべし、との訓示によって無駄死にさせられていった。ふざけちゃいけない! 
 ところで敗戦後、主権は我ら国民一人、一人が担うようになった。即ち現在奄美から沖縄島嶼部に及ぶ軍拡と日本国土の僅か0.6%を占めるに過ぎない沖縄だけで在日米軍基地の約70%を置き続けていることの責任は我々日本国民自身に在る。このことの意味する処を深刻に受け止め、行動せねばならぬ。伊勢崎 賢治氏の言われる通り、日米地位協定のとんでもない内容は、総て国際標準に改めねばならぬことは当然である。そうしなければ、日本全土が台湾有事の際には前線となり多くの原発が立地している日本海側の原発が安全に保たれることなど、それこそ「想定外」ということになろう。アメリカの最前線として機能させられる植民地の実態についても想いを馳せるべきなのである。戦争というものが勝敗によって決せられるのが基本である以上、そんな愚行を犯す前に為すべきことは、真剣に対処しておくべき最低限の最重要課題である。今作を含め敗戦後80年の今年、多くの戦争物が演劇でも上演されている。今作は、その中でも優れた作品ということができよう。観るべし!

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