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ENGRAVE DREAMS

ENGRAVE DREAMS

ENG

六行会ホール(東京都)

2025/07/02 (水) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さん出演。
初日と千秋楽を観劇。

小説家のいる現実世界と、小説の中の世界。
持田さんは現実世界ではクールな姉、小説世界ではクールで強い使用人。物理的な強さです。ご自身も仰ってるように元々クールと強さは得意分野ですよね。最近では2月の「魔法少女育成計画F2P」で、錫杖を使う無敵の強さでした。
今回は初めて扱う武器だったと思います。オリジナリティもあってお見事でした。武器を持っていない左手の位置にこだわりを感じました。

ネタバレBOX

異世界ファンタジー。主人公の特殊能力。「中2!」。

異世界転生ものはいくつか読んでます。「転生」は本来は「死んで生まれ変わる」こと。ただし赤ん坊から始めては話が作れないのでしょう、ある程度の年齢から始まったりします。序盤でさらっと「交通事故をきっかけに異世界に転生」と言ってますが、そういうことなんですよね。元の世界では死んでしまっているので、「戻る」ということは出てこないです。

モズの人がクルリとメルリを「古い友人」と言っていました。持田さんや中野さんのSNSによると、もともとモズの一員だったそうです。なるほど、話がつながりました。

S4とE2は小説にはいない、別の層の存在と解釈しました。642回繰り返したのは想像主の意識か無意識か。ゴミ箱が溢れるほどの書き直しがそれなのでしょうか。想像をかきたてます。

持田さん演じる千雛の「私が世界で最初の読者」。気のないふりして気にかけてたのですね。そうなると拓海は遅くとも高校時代から「双国のフロンティア」を書いていたことになります。ライフワークですね。

現実世界の役名は、演者さんの芸名に寄せてます。「千雛」は千妃来から。「芹崎」の芹澤良さん、など。8年前の「リトルマンメイト」を思い出しました。芹澤さんはセリーヌ、梅田悠(はるか)さんはハールでした。そうそう、中野裕理さん演出でしたね。

スイの人格が変わる件は、よく分かりませんでした。話の筋には影響なかったと思います。台本を読むと分かりやすいんですけどね。

台本といえば応援グッズのブックカバー。いい試みですね。到着を楽しみにしています。

感想はたくさんあって書ききれないくらいです。壮大なお話でした。
音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 オープニングの見事な演出は、一気に観客を演劇空間に引っ張り込む。いつもの生演奏の良さ、そしてよくぞこれだけ多くの歌の上手い而も演技もしっかりした役者を揃えたと感心させる。実力派あやめ十八番の面目躍如たる作品。観るべし! 華5つ☆ 脚本の良さは言うまでもない。

ネタバレBOX


 舞台美術が一風変わっている。通常の板下手奥に当たる部分に生演奏楽団。ホリゾントには幕が掛かり袖の役割も果たす。その手前が長尺の板。この板のセンターに階段が設えられ手前に丁度先に挙げた板に相対するように半分程の尺の板が中央を開けて組み立てられており、これら長短3つの板の間に一間程の可動板が各1つ設えられている。階段手前の隙間には場面によって照明機材や撮影機材が置かれる。また奥の組み立て板上手天井から直径4mはあろうと思われる巨大な円形蛍光装置(これは場面によって太陽の象徴としても用いられる)のような物が下がっている。時代は太平洋戦争から敗戦後GHQの支配体制が終了する頃迄。即ちラジオからTV草創期に掛けての時代だ。
 現在のような録画放送主体と異なり生放送、生放映準備期から開始迄の時期である。坩堝にカオスを仕込んだような現場は時代と価値観の大転換期で初の試みも多く技術的にも新たな民生技術が開発されるようになって人々の心は沸き立っていた。無かったのは資金や戦争で失われた人材であった。その為、現場スタッフ個々の負担は重く泊まり込み等も日常だったが仕事への熱気だけは旺盛であった。更にアプレゲールの波に乗って個性的な女性が漸くその価値を認められ始めた時期でもあった。だが一方で戦争中に挙国一致政策を採る国策下、数万の学徒動員兵に激を飛ばす任務を負わされ、息子を含む未来ある若者たちを死に追いやったと生涯苦悩する名アナウンサーら戦中から活躍していた花形スタッフの耐え難い苦悩が渦巻いていたことも忘れてはならない。
 ところで金鶏は天界に棲む金の卵を産むと伝えられる鶏であるが、この金鶏が鳴く声を合図に地上に暮らす鶏たちが明けの聲を一斉に挙げると伝えられており、勅命で金鶏を捉え金の卵を産ませて国富を増すという話もあったとの話迄出てくる。事の真偽は兎も角、フランスの国鳥は時の聲を挙げる鶏だ。人々の湧き上がる念を象徴するかのような鶏の鳴き声に先行きに期待しようとの念が象徴されるのも道理かも知れぬ。
 今作には幾つかの恋と宿命が紡がれる。一つ成就した目出度い恋はスマトラ戦線に派遣され現地で催された演芸会で歌舞伎の白波五人男を観、そのスマトラで味わった握り飯の余りの旨さに命を失うことに初めて恐怖を覚えた出雲 幹とその素敵なラブレターに応じ結婚したNHK放送団第一期生の喜代子。悲恋に終わったのは、幹と同期のNHKアナウンサー宮 義勝。彼は新番組決起を誓った席で吐血、左肺に大きな影が映るほど重い結核で倒れ由比ガ浜のサナトリウムに収容されたが、このサナトリウムでのもう1人の重病人・ハナに出会い恋に落ちた。空気だけは良いが、治る希はほぼ無く唯何もできずに生きる生活は極めて耐え難いものであった。そんな中、重病人であるハナはあくまで明るく人々に接し、光り輝いていたのである。そして彼らの療養中にアメリカで結核の特効薬・ストレプトマイシンが開発された。不治の病、業病と恐れられた結核治癒の可能性が出て来たのである。然し劇薬ストレプトマイシンが効果を挙げたのは宮のみであった。二人は結婚式の衣装を纏い出雲がライカで撮ってくれた写真に納まることはできたが添い遂げることは出来なかったのである。もう1つ、明確な恋になったかも知れない宿命の出会いがあった。以下でそれを記そう。
 正式にTV放送を始める前には準備期間が設けられこの期間中は本番同様1万ワットの照明を出演者に当て撮影に臨んでいた。それほど強い光を当てなければTV画像として放映できる像が撮れなかったからである。この為被写体として映される女性アナウンサ-・美濃 明美は角膜を焼かれ遂に現場を去る悲劇に見舞われる。照明技師・歌井 東吉は美しく撮ってやりたいと願いその為に必要な技術を駆使した。明美の目が痛い、涙が出る等の訴えは無視された。1万ワットの照明なしでは放映できる像を撮れなかった技術的問題があったことと、照明のプロとしての奢りもあった。がそれは明美の目を傷つけずにはおかなかった。無論この事例はTV草創期の悲劇の1つであり他に今作には描かれなかった多くの悲劇が在ったと考えるべきである。初めてTV映像を送信することに成功した第一人者・金原 賢三博士も草創期の技術の到達点がヒトを傷つけてしまうことに至ってしまったことを深い痛みと共に詫びているが、今作の名シーンの1つだろう。
花がこがれる

花がこがれる

アユカプロジェクト

シアター風姿花伝(東京都)

2025/07/03 (木) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/07/06 (日) 12:00

 花屋を目指してきた(実際には、病院のベットで重病で生死の間を彷徨っている)少女は、花屋があった筈のところで花の魔女が運営するスナックのような魔女の店に迷い込む。
 そして、魔女の店のアクが強くて個性豊かで、騒がしい常連客たち、魔女の店を切り盛りする何処か謎めいていて、でも底抜けに明るく、その場を癒し、人々の心を照らし、良い気持ちにさせるが、人懐っこいが、掴みどころのない花の魔女、また花の魔女と真逆で一見冷たく、ミステリアスで、星占いが得意で、厳格な現実主義者で、冗談が通じなくて、ニヒルで、取っ付きにくく、人と群れることを嫌い、気難しいが、本当は良い人な星の魔女たちとの少し不思議な交流を通して、少女のアイリスが少しずつ成長していくといった風に劇が途中までは進んでいた。
 なのでこれは、小説で映画化もされた『コーヒーが冷めないうちに』と似たような構造だなぁと感じた。
 常連客たちが頼むお酒や紅茶に花の汁を垂らすと、それが不思議な効果を生むという構造も、『コーヒーが冷めないうちに』における少し不思議な体験ができるコーヒーといったところが、偶然にも良い意味で似通っていた。
 更に、それに加えて、舞台所狭しと飾られた花々や微かに香るお香の匂いが劇世界に彩りを添えて、華やかで優雅な雰囲気で、『コーヒーが冷めないうちに』をより、洗練させた大人な感じで、少し不思議な最高級な世界観が出来上がっているように感じた。

 しかし劇の中盤から後半にかけて、花の魔女の店に来る常連客たちが既に生きている人間でなく、それも立派に生を全うしたというより、石膏になるのが夢だったが、馬に轢かれて事故死した男や、プリマドンナだったが、才能を周りに妬まれ、嫉まれ、追い詰められて自殺したセーラ、魔女の店に来ると南のほうに旅行に行ってきた話を周りにいる客たちに嬉々として話していたアビーも、生きていた時は北の国で夫のDVと寒さに耐えながら、精神的にも肉体的にも追い込まれて、病死して、魔女の店に彷徨っているといったような境遇の、実に凄惨で、救い難い幽霊たちが、現世と夢の境界線である魔女の家に留まっているというような実態が浮かび上がってくる。
 更に、魔女狩り、異端審問といった不吉で不穏な中世の時代に実際に行われていたことが、花の魔女や星の魔女も例外ではなく、巻き込まれていく、暗雲立ち込め、シリアスな展開に驚愕してしまった。
 但し、最後のほうで生死を彷徨っていたアイリスが時空を超え、夢と現実の狭間にある魔女の店から、皆に迷惑をかけまいとして、自ら出て行った花の魔女カガミを助けに行き、現実ではアイリスが重病から立ち直ることができるという奇跡なような展開に、途中まで救いようが無い終わり方になるのではないかという絶体絶命で、不穏な感じが漂っていて、どうなるんだろうとドキドキしていただけに、感じ入ってしまった。
 
 前半から途中までの少し不思議で謎めいてはいるが、ゆったりと優雅で大人、そして華やかさもあるような感じとは、中盤から後半にかけてはほとんど違って、暗くて、不穏な感じが劇の終盤まで続くという大きく物語が変化していき、劇が進むに従って、花の魔女カガミが隠す秘密や、魔女の店に集う常連客たちの過去が明らかになっていく展開、その構成が見事だと感じた。

 Aキャストバージョンの劇を観たが、終わった後にトークショーがあったので、聞いた。
 A、BのWキャストとも同じ役者だが、A、Bではそれぞれ違う役を演じ、役者によっては全くイメージが違う役を演じられ、劇作、演出家であり、俳優として今回の劇にも出ている港谷順さんの独断と偏見で、役を役者に振り分けた話など、込み入った話や裏話が聞けて興味深かった。
 また、トークショーの際に港谷順さんが今回の劇に出てくる登場人物たちの役名が、実際にある花の名前や鉱石から取っていたり、名作小説『ハイジ』に出てくる登場人物から取っていたり、性格も花言葉の意味から取っていたりと、港谷順さんのセンスの良さや、お洒落さ、譲れないこだわりといったものが伝わってきて、非常に興味深かった。

モテない保険2

モテない保険2

TOP BANANA

ブディストホール(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

 う~む。

ネタバレBOX

 物語が展開するのは下町場末の定食屋兼安酒場。常連の多い店である。此処にモテない
保険の営業マンがやって来て営業する話であるが、加入できるのは女性のみ。掛け金は格安、リターンは信じ難い程大きい。30歳で加入し60歳迄保険会社の提示した条件を守れればリターンは1億2000万円、人生100年と言われる昨今、女独りで生きてゆく覚悟さえできれば生涯設計は安泰という訳だ。
 だが脚本で多用されるギャグの質が単純で而もワンパターン、ギャグの面白さは思いがけない発想・飛躍や脱臼、調子っぱずれやタイミング外し等々を予想を裏切る形で繰り出したり、態とギャグの無い時間を入れて間延びさせたりしつつ、観客の反応をじっくり観察し、丁々発止のアドリブを入れ乍ら展開させることによってしか生むことが出来ないと考えるが、こういった発想自体が欠けているように思った。それにモテル、モテタイという凡庸な発想の真逆の発想だけで喜劇が成立するものでもあるまい。作家が真面目過ぎる気がする。喜劇は通常のストレートプレイより遥かに難しい。それは我々の体験し続けている人生が圧倒的に悲劇的なものだからであろう。実際の体験がそのようであれば、共感を得ることもその分容易であろう。反発もその分強いこともあろうが、対応方法はいくらでもある。だが、苦労や苦悩に疲れ切り打ちのめされた人々を笑わせることは容易ではないのである。喜劇で勝負するつもりならこの辺りから再考してみる必要があるのではないだろうか?
 まあ、テーマが保険だからその縛りから抜けられないという理由はあるだろうが、ギャグを多用するならそのような社会認識の枠そのものを壊しかねない程強いインパクトを持つ非常識なギャグ的発想が欲しいのだ。
 演劇は長い間、喜劇と悲劇に大別されてきた。不条理劇が出てくる迄。それには無論深い意味があると考える。そのように分別することで極端化し易くなるからだ。当然、その分劇的効果が増すのである。
煙が目にしみる【Mura.画】

煙が目にしみる【Mura.画】

Mura.画

劇場MOMO(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

こういうシステムがあったらいいな?!なんて、思ってしまいました!
笑いあり、涙ありで面白かったです!

ケルベロス

ケルベロス

バカバッドギター

雑遊(東京都)

2025/06/28 (土) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

B級な雰囲気満載でしたが面白かったです!

人間のあくた

人間のあくた

吉祥寺GORILLA

上野ストアハウス(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

近未来な設定になるのかな!?
現実感は薄めですが、現代にも置き換えられ、
そう考えると色々思うことがありますね
面白かったです!

モテない保険2

モテない保険2

TOP BANANA

ブディストホール(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

胡散臭い話が実は.....
面白かったです!
お嬢、いいですね!
男子にもあったらいいのになぁ

徒然なるままに…  NOT TO BE, OR NOT TO BE…

徒然なるままに… NOT TO BE, OR NOT TO BE…

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2025/06/18 (水) ~ 2025/06/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

今でこそ何気なく使っている「万歳」
こういった過去があるとなかなか複雑ですね!?

音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです。
テレビ放送の原点を描いたストーリーで、その熱さに感動しました。
生演奏、歌やダンス、パントマイム、時代を感じる衣裳等、目も耳も楽しめる内容で、何とも贅沢でした。
役者さん達の演技も素晴らしく、浜端ヨウヘイさんの声が何とも魅力的でした。
仕事への情熱、恋愛、友情、戦争、色々な物が詰まった素敵な舞台でした!

音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
日本のテレビジョン実験放送に関わる人々の努力と奮闘の群像劇。公演の魅力は、舞台美術を駆使し、当時の状況を音楽を交えテンポよく展開する。休憩含め約3時間近い物語だが、飽きるどころか 目が離せない。物語は色々なエピソードを盛り込んでいるが、それらが緻密に連関していく。それを観(魅)せる演出も手が込んでいる。

本作は「金鶏 二番花」となっているが、9月には「金鶏 一番花」(池袋演劇祭参加作品)が予定されている。本作で、日本テレビジョン開発 第一人者の金原賢三がどうして これに取り組むようになったのか、その理由を語っている。その金原に焦点を当てたのが「金鶏 一番花」で、本作と併せ壮大なテレビの物語が紡がれるようだ。

物語は、NHK放送劇団・第一期生の老女が、後輩・五期生の女性のインタビューを受け、テレビ放送の黎明期を回想する形態で進む。技術も人材も未成熟で、試行錯誤の繰り返し。しかし 気概と活気に満ち溢れていたことが窺い知れる。そこには戦後の復興を願う人々の姿がある。
(上演時間2時間45分 途中休憩10分) 

ネタバレBOX

舞台美術は 回廊のような作りだが、真ん中の空いている空間も上手/下手から舞台板を動かし情景を作る。正面は幕、所々にあるハンガーに衣裳が吊るされている。NHKと刻印された箱馬、TVカメラや照明機材。上手の天井には傾いた円形(パラボラアンテナ風)。会場の高さも利用し、別空間を作る。ちなみに円形は太陽やブラウン管を表しているようだ。
下手に帝国放送効果団の演奏メンバー(ピアノ、アコーディオン、ファゴット、パーカッション、クラリネット)。上演前は設営音や喧騒が聞こえる。

金原が子供の頃、ハレー彗星の接近により地球滅亡といった噂が流れた。彼は 母に死ぬ前に何がしたいか尋ねた。「歌舞伎がもう一度観たい。(浜松から)東京へ観に行くにはお金がかかる。歌舞伎の方からこっちに来てくれれば」と。そして東京高等工業学校の入学式で恩師から「金鶏は無限に金の卵を産み、国の何処かに埋めた。国が危機に陥った時それを掘り出せ・・その金鶏が埋まっている場所は君達自身の胸の中だ。それを掘り出して国を救え」と、勿論アイデアのことであろう。

室内撮影は、光量が少ないとキレイに映せない。その熱量のため部屋は暑く、しかも人手不足でアナウンサーが映像関係の仕事を手伝っていた。スーツを脱ぎ下着姿で 上階から人形を操る姿が、滑稽であり奮闘でもある。この操り人形のパフォーマンスが秀逸で、無表情で、目だけは大きく見開き踊る。しかし強い照明光のせいで目を傷め、仕事を辞めざるを得ない といった苦悩もある。さて 幕に映した操り人形のシルエット、いろんな角度から映すが、それはテレビ撮影技法であり、ブラウン管のモノクロ映像。

多くの人に言葉を伝える仕事 アナウンサー、そのマイクを前に忸怩たる思いが甦る。戦時中、学徒出陣で戦意高揚をするような言葉を発した。また戦地で銃を撃った人間が人前で放送できるのか、そんな苦悩が付きまとう。一方、GHQの文化担当部署であるCIEとのテレビジョン放送を巡る議論が興味深い。今後の方向性について、CIEの意向を尋ねるが、先方からは自分たちで考えること。そこに敗戦国としてではなく自立を促すような示唆。戦地スマトラで、慰問のために行った素人芸の「白浪五人男(浜松に縁)」、しっかり日本の伝統芸能である歌舞伎が出てくる。

素人芸でも人の心は動かせる。この発想が、ラジオ放送 紅白音楽試合になり 今の「NHK紅白歌合戦」に続く。毎年 大晦日に行い続ければ、それは「文化」になる。CIEから敗戦国が「合戦」などと苦言を呈されるが、そこに黎明期の人々の気概を示す。
音楽劇として全16曲、希望者には歌詞が配布される。音楽劇だから、場景に応じて合唱や独唱で聴かせる。特に出雲喜代子役の金子侑加さん と 黒柏繭役の中野亜美さんは印象に残った。
次回公演も楽しみにしております。
音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前作「雑種・・」を観た同じ座・高円寺の広いステージで、前回は対面客席だったが今回は通常の一方向観劇。TV画面を覗く構図に似つかわしい。横に十一間、奥も六間はある。舞台ツラから二列目かのステージ台を両脇を残して外し、中央の一つは一列目も外し、上手下手両側に一間四方の台が可動式の台として場面ごとに動される(人一人が引っ張ったり押したりで動く。高さ1M程度だろうか)。その向こう一、二間あたりには巨大な白いレースが吊され、その手前全体がTVスタジオ、周辺の照明機材(本物)も舞台装置に馴染んで溶け込んでいる(照明係りの役が一度それを使う場面がある)。レースカーテンが切れた上部、客席からは遥か上を見上げる格好だが、キャットウォークにも人物が動く。実験放送に着手したNHK(日本放送機構)を管轄するGHQの下部機関CIE(?)の日系人トップが君臨するように歩く姿、またスタッフが糸操り人形を手板で操ったり・・。
上手のシーリング近い高さには太陽のようにデカいパラボラのような円の物体が吊るされ、ぼんやりと白く光る(これは照明を当ててそう見せている)。楽器隊は下手奥。Key、Dr、accord、ファゴット?、tpが入って五重奏と贅沢。
「音楽劇」と謳うだけあり、普段のあやめ十八番も生演奏の劇伴は劇全体に及ぶが、その比でなく、拍手ものの華麗な(レビュー曲のような)楽曲から、涙ものの胸熱の歌、他バリエーションはミュージカル並み(音楽劇との名称は控えめに感じる)。
C/Dの分数コード(の短三度上げ)のノリ(これは言葉で説明できん)が冒頭でポロリンと流れた時は「ほーらTVだよ」と無理に盛り上げ話に付き合わされる訳じゃあるまい、と一瞬警戒したがすぐに解消。戦中の回想をまじえた終戦直後が舞台のTV黎明期の話が、ありきたりにならず、戦争を都合よくドラマに利用しておらず(これには観客それぞれの感覚があるだろう)、史実を踏まえつつも遊び、と言って飛躍し過ぎず、芝居が紡がれていた。
自分はドラマの「甘さ」に敏感(否定的な意味で)なたちであるが、音楽的表現はそれを凌駕する事がある。これを勘案したらお釣りが出るほど高評価に値する舞台。

紅鬼物語

紅鬼物語

劇団☆新感線

シアターH(東京都)

2025/06/24 (火) ~ 2025/07/17 (木)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

ライブビューイングで見ました。
劇場で見た時には聞こえにくかったせいで「なんで?」と思ったことの謎が解けたし、アップになることで蒼と紅子の交わす瞳と表情がよく分かって切なかったです。
映像の方が生より良いというのもどうなんだろとは思いつつ、やはり座席によって見え方が全然違うので劇場によってはもうライブビューイングにしようかと思ってしまった今回でした。
しかし、ライブビューイングの先行抽選で取れた座席が後ろから2番目で最上手というのはいかがなものか。映画館の座席予約から取った方が良い席だったようで納得できないのでした。

双碧星物語

双碧星物語

流星揚羽×TEAM風雷Bow

萬劇場(東京都)

2025/07/02 (水) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

殺陣に迫力があってとても良かったです。お芝居をあまり頻繁に観るほうではないので「この空間でどうやって色んな場面を表現するのだろう」と不思議に思いながら開演を待っていましたが、いざ始まってみると、役者の方々の生き生きとした動きが、その場面の情景をしっかり映し出していて、ちゃんとそこに何があってどんな場所なのかも伝わってきたことに驚きました。また機会があればぜひ観に行きたいです。これからも頑張ってください。

音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

熱のこもったテレビ放映作成の物語でした。

ネタバレBOX

テレビ放送を作るために、たくさんの人の努力と奮闘があったことがよく伝わってきました。舞台を幅広く有効に使い、とても効果的な生演奏の音楽、そして歌、印象に強く残りました。あまりの感動に、自分の気持ちと頭の中がまだ整理できていません。
音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

第一幕80分休憩10分第二幕85分。

時代は1992年だろうか?NHK放送劇団一期生の老女がNHKスタジオで後輩の五期生の女性タレントとトーク。日本のテレビ放送の歴史を振り返る特番のようだ。亡くなった旦那は日本を代表する名アナウンサーだった。思い返せば時は1950年(昭和25年)11月、NHKは週1回だけ1日3時間の定期実験放送を開始。それを日本橋三越の会場にて一般に公開。先は何も見えないがあり余る情熱だけはスタジオ中に満ち満ちていた。

織り込まれる戦時中のNHKラジオ局でのエピソード。詩を募集し選ばれたものに曲を付けて歌にする番組。そこに送られてきた「愛おしいもの」。時局柄、反戦歌として検閲される恐れもあった。だが金子侑加さんがその歌を歌うことで人々の運命が動く。

MVPは内田靖子さんだろう。やるな。
浜端ヨウヘイ氏はイケメンの諏訪魔(全日本プロレスのレスラー)みたいでカッコイイ。本職は歌手なので流石の歌声。
中野亜美さんの多彩な表情は昔から『おはよう!スパンク』を連想する。金子侑加さんとの二枚看板までになるとは。
田久保柚香さんは必ず胸に残る存在。巧い。

黒柳徹子の話を思い出す。養成所時代、アメリカからNBCのプロデューサー、テッド・アレグレッティが技術的な指導の為来日し講演。「今後テレビは今世紀最大のメディアになるだろう。いずれ世界中のあらゆるものを見ることができるようになる。使い方次第でテレビは人々を幸せに導き、世界に永遠の平和をもたらすことができる」。その言葉に感銘を受けこの仕事に誇りを持ってやってきたと。

もの凄いボリューム、一回だけじゃ物足りない。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

第一幕が描き込みや仕掛けが多過ぎ、ごちゃごちゃして何か世界に入りづらかった。クリストファー・ノーランの映画みたいな情報量。それが第二幕は嘘のように全てのエピソードが綺麗に澄んでクリアにされる。流石。凄い魔法。成程。

日本のテレビの父、高柳健次郎。今作では桂憲一氏演ずる金原賢三。9月に演る『金鶏 一番花』の主人公でもある。
彼がNHKスタジオでインタビューに答えている。「何故、テレビを発明しようと思ったんですか?」
思い起こすのは11歳の頃、ハレー彗星の接近で地球上の空気が吸えなくなり窒息死するというデマが飛んだ。パニックに陥る民衆。帰宅した高柳少年は母親に死ぬ前に何がしたいのか尋ねる。「そうね、歌舞伎がもう一度観たいかしらね。東京まで観に行くにはお金がかかり過ぎる。歌舞伎の方からこっちに来てくれればいいのに」。
日本中に伝わる金鶏伝説。天上に住む金の鶏は無限に金の卵を産む。それを捕まえた者が国の何処かに埋めたという。国が危機に陥った時こそそれを掘り出せと。工業学校の入学式、胸に残る恩師の言葉。「その金鶏が埋まっている場所は君達自身の胸の中だ。必死になってそれを掘り出して国を救え」。
人形劇でその少年時代を再現するのだが、演じている藤江花さんのパントマイムが凄かった。勿論他の方も。

使う小物をスタジオの道具で見立てる。煙草は白い鉛筆、葉巻はマジック、湯呑みは養生テープ、ベッドは脚立。そして吐く血は赤鉛筆の束。

円谷プロの特撮モノのような曲やヒーロー物の「特効野郎!ストレプトマイシン」の振付にやられた。

高橋圭三、宮田輝、和田信賢、藤倉修一、河口恵美子、黒柳徹子などがモデル。
「Kのトランク2025」リーディング プラス

「Kのトランク2025」リーディング プラス

くじら企画

ウイングフィールド(大阪府)

2025/07/08 (火) ~ 2025/07/08 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

宮崎勤(と言っても若い人は…)の家族や周囲の目をオマージュした作品
年齢もそれなりで、私が一番若い?感じ有ったかな〜(役者で戯曲作者の息子さんが出てました)
何度か拝見しているので、新鮮さは無かったが、リーディングも違った一面が観れた気がしました

音楽劇 金鶏 二番花

音楽劇 金鶏 二番花

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

毎度素晴らしい作品を見せていただけるあやめ十八番さんのミュージカル調の舞台の初日を拝見。テレビ放送草創期に携わる人々の苦難と情熱、時代を切り開いていく圧倒的なパワーを堪能しました。必見です。必見。

正偽の芸能プロダクション

正偽の芸能プロダクション

吉本興業

よみうり大手町ホール(東京都)

2023/03/15 (水) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

映像鑑賞

配信で鑑賞

リプリー、あいにくの宇宙ね

リプリー、あいにくの宇宙ね

ニッポン放送

本多劇場(東京都)

2025/05/04 (日) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

観てきました

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