発表せよ!大本営! 公演情報 アガリスクエンターテイメント「発表せよ!大本営!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    時は1942年6月、太平洋戦争の真っ只中。ミッドウェー海戦の惨敗をどう報じるかで喧々諤々に揉める海軍報道部。事実を淡々と伝えるのか?国民の士気が下がって戦争継続に悪影響をもたらすのでは?いろんな面子と思惑とが絡み合っていつまで経っても発表することができない。その板挟みに苦しみ、たらい回しにされる海軍報道部中佐、津和野諒氏が主人公。

    女学生、髙橋果鈴さんが可愛かった。
    海軍報道部課長、矢吹ジャンプ氏は高木三四郎みたいに見えた。
    海軍報道部報道班員、淺越岳人氏は石野卓球っぽい。
    MVPはミッドウェーに出征している中佐、久ヶ沢徹氏だろう。出てくるだけで爆笑をかっさらった。

    ネタバレBOX

    自分的には失敗作だと思う。何か笑いの取り方を間違えている気がした。クライマックスの謎の清掃員、前田友里子さんの活躍だけがこの劇団らしい。

    「大本営発表」と言えば嘘で塗り固められた権力者に都合のいい詭弁の代名詞。純粋で素直な愚者だけが熱心に信じて騙された。負けた戦を勝ったことにして国民を欺く。街中空襲されて焼け野原、「どうもおかしい」と段々胡散臭い報道に疑心暗鬼になっていく。
    今作の笑いのポイントは悪の代名詞である「大本営発表」を登場人物達が肯定していく流れ。クライマックスで事実を公表しようと動く新聞記者(鍛治本大樹氏)とそれをラジオで喋ろうとするアナウンサー(伊藤圭太氏)。本来正義側の二人を何としても止めようとする報道部中佐(津和野諒氏)の奮闘こそがメインに。1942年6月太平洋戦争のミッドウェー島周辺での海戦、日本は大敗を喫し以後勝ち目はなくなった。現地の中佐(久ヶ沢徹氏)は死んでいった部下の報告を信じ、それが聞き入れられないことに抗議して腹を切る。事実よりもその誠心をこそ尊ぶべきだと海軍軍令部首脳達は考える。まさに日本的美学。幼馴染の古谷蓮氏に恋する髙橋果鈴さんは優しい嘘で失恋を選ぶ。醜く残酷な現実よりも優しさに溢れた嘘の方が人間にとっては重要なんだ···、だがその結果は···。

    ※『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』みたいにした方が狙いが判り易かったと思う。この映画は大統領のスキャンダルから気を逸らせる為にその道のプロがあの手この手で国民的ニュースを捏造するもの。大衆操作をシニカルに描く。

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    2025/08/17 18:20

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